SW-PBM #072
汎用ヒト型演劇人形

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■ 
ラヴィと別れ離れになったチーゼルは、エアリィに連れられて人形工房に戻って来た。
帰路は結構歩いた気がする。
■エアリィ
到着〜。

■チーゼル
わ…マトモに着いた…。

扉を開けて中に入ると、中央のテーブルに一人の男性ドワーフが座っていた。
銀メッシュの入った暗褐色の髪から、下水道の時の男とは違う事が判る。
■エアリィ To:ドワーフ
ダントンさんだ〜。

■チーゼル To:ダントン
…お邪魔します…
んと…職人の方、ですか?
えっと、所長さんは…?

マーク所長の姿が見えない。
奥の工房にも居ない様子。
■ダントン To:ALL
マークの奴なら、わしに留守番を押し付けて出て行きおった。
お前さんは、雇ったという何でも屋だな?

■チーゼル To:ダントン
あ、はい、そうです。

■ダントン To:ALL
まだ(人形は)見つからんか。

そういえば、前金がどうとか……。

銀貨の入った袋をテーブルの上に出す。
■チーゼル To:ダントン
あ。 ……どうもすみません。
…受け取ってなかったっけ、そういえば…(^^;

■ダントン To:チーゼル
それともう一つ、人形探しの……。

言いかけた所でエアリィが割り込む。
■エアリィ To:チーゼル
ちぃぜる君〜。
お腹すかない〜?

作るよ〜。何か〜。

■チーゼル To:エアリィ
んと…と、とりあえず、あの、そろそろ早いとこ他の人と合流しないとだから…
それじゃ、軽めにお願いします。

■エアリィ To:ALL
うん〜。
作ってあげる〜♪
ダントンさんのも〜。一緒〜。

喜んで、作りに行く。
■チーゼル To:ダントン
事件については、当然ダントンさんもご存知ですよね?
それで、なんか前日・当日変わった事とか、なにかありませんでした?

■ダントン To:チーゼル
変わった事か。
そういえば2日前、誰も乗っていない人形が動いたな。
ニノア女史の話だと、「よくある誤動作っ!」らしいが……。

■チーゼル To:ダントン
…誤動作、って…乗ってなくても動くものなんですか…一体どうやって動いてるんだろ…。
あ、それで、さっきは…何を言おうとしたんです?

■ダントン To:チーゼル
んん?
おお、そうじゃ。
人形探しの役に立ちそうな物があったのを思い出してな、それを渡そうと。

工房の方から木箱を持って来てチーゼルに手渡す。
縦30cm×横60cm程の大きさ。厚みは薄い。
■ダントン To:チーゼル
開けていいぞ。

箱の中には、くの字に曲がった針金が2本入っていた。
■チーゼル To:ダントン
…? …なん…です、か? これ…

手にとって、とりあえず弄くりまわす。
■ダントン To:チーゼル
短い方を片手で1本ずつ握るんじゃ。そして……。
こら、曲げてはいかん。

曲げようとしてみたところ、怒られる(^^;
■ダントン To:チーゼル
そして、探したい物を頭で強く思い浮かべると、2本の棒が探し物の方向を指し示す。
――という物だとな。

■チーゼル To:ダントン
…へぇ…便利なマジックアイテムですね…(..)

チーゼルは事件解決の切り札を入手した。
■エアリィ To:ALL
出来たよ〜。
お昼ご飯〜。

鍋一杯から溢れんばかりのパスタが運ばれて来た。
海産物や茸が具材に使われている。
■エアリィ To:チーゼル
硬めだよ〜。ちゃんと〜。

硬めで仕上げるのに気を使ったという。
■チーゼル To:エアリィ
え、いや、んと…軽く、って、言ったつもりなんだけど…
えっと…

悩みつつとりあえず少しだけつまんでみる。
少し硬い点を除けば、味付け等には何も問題無い。
■チーゼル To:エアリィ
ぅ…んっと…
にしても、その…随分いっぱいですね…

ん〜と…、これだけあると他のメンバー、随分待たせちゃうかもしれませんし…どうしよ…持ってったりしても大丈夫、です…?

■エアリィ To:チーゼル
だめぇ〜。

ぷぅ、と頬を膨らませて怒る。
■チーゼル
(…ま、期待はしてなかったけどね…)(嘆息)

■エアリィ To:チーゼル
残しちゃ駄目だよ〜。
全部食べてね〜。
ちぃぜる君〜。

釘をさす。
■チーゼル
……(== )

諦めきった遠い目(のつもり)
■エアリィ To:ダントン
今持って来るね〜。
ダントンさんのも〜。

実は一人前だった。
■チーゼル
…(ズル ←心持ち転ける)

あ、これって一人分…なんだ…。
…何とかなるかなと思ってたんだけど、なぁ…無理かなぁ…。

幾ら悩んでも鍋の中身は減りそうにない。
むしろ、盛り上がりを増してゆく。
■ダントン To:チーゼル
残さず食ってやれ。
嬢ちゃん泣くぞ。

■チーゼル To:ダントン
…僕も泣きます…。

…きっと、これ…ぼやぼやしてると、増えますよね……。

諦めて今の内に少しでもとかきこみ始める。
■チーゼル To:ダントン
…そうだ。
エアリィさんって、その、「どういう人」なんです…?
なんか、ちょっと…んと、暗い所に……踏みこんだとき、様子が変だったんですけど…。

■ダントン To:チーゼル
ん……。

昔、両親が夜逃げする時に捨てられたそうでな。
その時の記憶を今でも引きずっとるんじゃろ。

■チーゼル To:ダントン
…それで…

…んと、どうも。

エアリィが戻って来て席に着く。
2つ持って来た皿には、普通盛りの料理が載っていた。
■エアリィ To:ALL
いただきます〜。

■チーゼル To:ALL
………いただきます。

腹に収める事に、真剣に取り組む。
最初は美味しかった味も次第に判らなくなっていった。
何とか残さず腹に収める。
■エアリィ To:チーゼル
おいしかった〜?
ちぃぜる君〜。

■チーゼル To:エアリィ
…ぁ…はい…美味しかったです…最初は…


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シナリオ編集:倉沢真琴 kushida@terra.dti.ne.jp