SW-PBM #072
汎用ヒト型演劇人形

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■ 
シングルの案内で、一際豪華な扉の前に着く。
僅かに開いていた扉から、声が漏れ聞こえた。
■老男性
う、まだ……だ。

苦しそうな老人の声。
■ミディ
これはどう?

■ケイト
ミディちゃん、そこまで……。

続いて、軽く興奮したミディ達の声がする。
■フィアルラ To:ひとり言
なぁっ、なっなっ……。

漏れ聞こえる声にあらぬ事を想像。
ドアを破らんばかりの勢いで室内になだれ込む。
■フィアルラ To:ミディ&ケイト
ふっ二人ともっ! 一体何をしてるんですかっ!!

3人は黒い丸テーブルに着いていた。
奥に居る見知らぬ老男性がこの屋敷の主、トランドか?

テーブルの上とミディ、トランドの手には金属製の札があった。
■ケイト To:フィアルラ
しーっ。
今いい所なんです。

口に指を立て、注意を受ける。
■フィアルラ To:ケイト
う、あ。す、すみません。

思わず謝る。習性……いや、習慣?
■フィアルラ To:ケイト
へえ……『神話大戦』ですか。話には聞いてましたけど、やってるのを見るのは初めてです。
……面白いんですか?

■ケイト To:フィアルラ
とっても面白いみたいですよ。
私は見てるだけですけど、札の絵柄がとても綺麗ですし(^_^

あら。
今の手札で、勝負付いたみたいですね。

ミディの勝利。
■ミディ To:トランド
じゃあ、約束。札を1枚貰うね。

ミディはトランドの手札から、「操り人形」の札を取った。
──呆然として言葉の無いトランド。

ミディがフィアの方を振り向く。
■ミディ To:フィアルラ
もう大丈夫……か? フィアルラ。
貧血で倒れたと聞いたが。

■フィアルラ To:ミディ
え、貧血……?
別に私、貧血になんてなってないですよ。それより、ミディちゃんたちの方こそ大丈夫だったんですか? 嫌な事されたりとか、しませんでした?

くるっと振り返って。
■フィアルラ To:シングル
ねぇ、シングルさん?

シングルに話を振る。
と、背中に尖った物が当てられた。
■フィアルラ To:ひとり言
(ひゃ……)

■シングル To:ALL
フィアルラお姉さんは倒れた時の記憶が無いみたいです。

■ミディ To:シングル〜フィアルラ
そうか……。
私達は大丈夫だ。
ここの主人はいい人で、治療から食事まで親切過ぎるくらいだ。

しかし、旅先で水が変わると食べ物には気を付けないといけないな。

■フィアルラ To:ミディ
そ、そおですねぇ〜。

背中に当たる感触が無くなる。
■トランド To:独り言
負けた……。あれが神の札……。

ぶつぶつと呟く老人。
■ミディ To:フィアルラ&ケイト
思わぬ誘いで楽しい思いもした事だし、そろそろお暇させてもらうか。

■フィアルラ To:ミディ&ケイト
そ、そうしましょう。いつまでもお邪魔してると迷惑ですし、ね。

■ケイト To:シングル
このまま帰っても宜しいのでしょうか?

■シングル To:ケイト
ええ、気兼ねなくどうぞ。

人通りの少ない閑静な場所である。
■ミディ To:ALL
時間が経つのが早いな。
寄り道はこの辺で止めて、用事を済ませるか。

■ケイト To:ALL
お城は──向こうですね。

■フィアルラ To:ケイト
お城……ですか? 一体何の御用なんです?

■ケイト To:フィアルラ
ちょっとした書類を届けるだけで。

■ミディ To:フィアルラ
用事はすぐ済む。
フィアルラも……来い。

■フィアルラ To:ミディ
はぁ……分かりました。じゃ、一緒に行きましょう。
(私が付いて行って何の役に立つんだろう……)

頷きつつもそんな事を考える。
■ミディ To:ALL
ところで、先程から魚臭くないか?

■ケイト To:ミディ
ええ、そういえば。
近くに魚市場があるんでしょう。

■フィアルラ To:ミディ&ケイト
……ははは(^^;)


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シナリオ編集:倉沢真琴 kushida@terra.dti.ne.jp