SW-PBM #072 汎用ヒト型演劇人形 |
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昼前の界隈は大混雑していた。
しかし、鳥の羽根をあしらった紋章のある場所だけは不思議と空いている。
受付には、若い男と眼鏡を掛けたお姉さんが居た。
■フェリオ To:色気のあるお姉さん |
すいません、こちらに銀の網亭から三人組の冒険者が来ていないでしょうか? 実は彼等の仲間の一人が事情があって遅れまして。 到着したので合流してもらいたいんですが。 |
当然の如く、女性の方に話し掛ける。
■ルリィ To:心の声 |
(はぁ…いくらマントを羽織ってるとはいえ…… やっぱりこの格好は落ち着かないです…(-_-川 |
すっかり上の空でフェリオの後をついてゆく。
■眼鏡のお姉さん To:ALL |
あなた達、あの野蛮な娘の知り合いなの? はぁ──っ……。 来てボスと話してたけど、もうどっか行っちゃったわよ。 それに、連れが他に居るなんて聞いてないけど? |
ティニャの方を見て、
■眼鏡のお姉さん To:ALL |
ああ、そっちの子? ふぅーん……。 そこに立たれると邪魔なのよね。帰ってくれない? こっちも忙しいんだから。 |
■フェリオ To:おねーさま |
えーとですね、、、 実はこの子は今回の依頼には間に合わない予定だったんです。 でも、急遽間に合う事になったので、依頼出したそちら側としても人数は多い方が良いんじゃないかと思ったもんで。 何処で何をしてるのか、だけでも良いんで教えてくれませんか? 場所さえ分かれば後はこっちで勝手になんとかしますんで、、。 |
気の良さそうな兄さんに視線で助けを求める。
■眼鏡のお姉さん To:ALL |
そんな事? それはそっちの都合でしょ……。 |
■若い男 To:眼鏡のお姉さん |
あ、チルトさん。ボスの所に急いでましたよね? ここは俺に任せて、どうぞ(^_^ |
フェリオの頼みが通じたようだ。
■チルト To:ALL |
ふん、そうね。そうさせて貰うわ。 全く、 つまらない事で時間を無駄に……。 |
足早に去ってゆく。
■若い男 To:ALL |
いやぁ、すんません。 あん人気難しいもんで、俺も困ってんですよ。 |
頬を掻きながら苦笑。
■フェリオ To:若い男 |
あー、助かった。 ありがとう(^-^; |
■若い男 To:ALL |
用件の話、ちょっとボスに聞かんと分からんです。 えっと、銀の網亭から来たんですよね? |
■フェリオ To:若い男 |
うん、そう。 この子が……ってあれ? |
ふと気付くと、ティニャが傍に居ない。
とぼとぼと建物の出口に向かって歩いていた。
■フェリオ To:ティニャ |
ちょ、ちょっと待てって! 何処行くんだよ、ティニャ。 |
捕まえようとすると、ティニャは止まらず走り出した。
■ティニャ To:フェリオ |
ティニャが居なくても出来る仕事なのら。 一緒だと、また失敗するのら。 |
前を見ずに建物から飛び出る。
■ルリィ To:ティニャ |
そんなことありませんって! 第一、やる前から失敗するなんて決めてどうするんですっ。 |
追いかける。
■? |
わきゃっ!? |
■ティニャ |
うぁわら〜☆ |
通行人と大衝突して転倒。今度は止まる。
■ルリィ To:ティニャ&通行人 |
大丈夫ですか? |
巻き添いを食らったのは、身長150cmくらいの女の子。
立派な魔法使いの杖を持っていた。
■女の子 To:ALL |
あぃたた。 全然大丈夫じゃないって。 あー、もうっ。せっかく人形を見つけた所だったのにぃっ。 痛っ……。 |
スカートの素足には擦り傷、左腕は曲げると痛むらしい。
一方のティニャは無傷。
■ルリィ To:女の子 |
(え、人形…? それにあの杖……) あの、貴方はもしかして――。 |
同時に、別の事件も起きた。
■通行人 |
馬だぁ〜。 暴れ馬だ〜。みんな避けろ〜っ! |
■通行人 |
わぁぁぁぁぁ!! |
■通行人 |
きゃぁぁぁぁ!! |
一頭の乗用馬が突進して来るのが見えた。
■ルリィ To:独り言 |
さっきは鶏で今度は馬…。 動物にでも好かれてるのでしょうか?(苦笑) |
■フェリオ To:ルリィ |
さぁなぁ……(^-^; ともかくほっとく訳にもいかねえよな。 ティニャ捕まえといてくれな。 |
馬を止めに行く。
一方で、残されたルリィたち。
■ティニャ To:ルリィ |
何か焦げ臭いのら。 |
ティニャがそんな事を言う。
通商ギルド脇の路地から、細い煙が立ち昇っているのが見えた。他の人達は暴走馬事件に気を取られ、誰も気付いていない。
■ルリィ To:ティニャ〜フェリオ |
え? …って、もしかして火事!? 確認しに行きましょう、ティニャさん! フェリオさんっ、馬から降りたらこっちに来て下さい! |
と言って、返事を待たずに煙の方へと走る。
路地に飛び込むと、通用口の前に火の付いたゴミが置かれていた。
まだ燃え始めで火は小さい。
……路地の奥に、走り去る人影が見えた気がした。
■ティニャ To:ルリィ |
焚き火なのら。 |
■ルリィ To:ティニャ |
焚き火だったら、周りに水を用意してからやらなきゃダメですよね〜。 でも何もないってことは――放火ですね。 とゆことでティニャさんは、あの人影を追ってください! ただし深追いはしないようにっ。 人影がどちらへ向かったか、とかが解れば良いですから。 |
■ティニャ To:ルリィ |
ルリィがそう言うなら、追うのら〜。 |
走ってゆくティニャ。
ルリィは大通りに戻って大声を上げた。
■ルリィ To:そこらの住人&通行人 |
そこの路地でボヤが発生してるんですっ。 消火を手伝ってください! |
通りでは、丁度フェリオが暴れ馬を乗りこなした所。
拍手と歓声にルリィの声は掻き消された。
中にはルリィの方を見てくれた者も居たが、すぐフェリオの方に目が移っていく。
火は次第に勢いを増し始めていた。
■ルリィ |
あぁもぅっ!(汗) ……仕方ない。 迷っている暇はありませんね。 |
マントを脱いで火に被せる。
決断が早かったおかげもあり、火はマントの下で燻って消えた。
■ルリィ |
大火事にならなかったのは良かったですけど…… はぅぅ。後からマント、買い換えなきゃ(^-^;; |
マントは所々焦げ穴が開き、着用に耐えない状況。
■ルリィ |
…にしても、どうしよう。。。 マントがなくなった、ってことはこの格好…(大汗) |
セパレート姿の自分を見下ろす。
恥ずかしさのあまり、またもやしゃがみこんでしまった。
そこにティニャが戻って来る。
■ティニャ To:ルリィ |
次の大通りで見失ったのら。 |
しゅんとする。
その手には、先程まで持っていなかった白い布が握られていた。
■ルリィ To:ティニャ |
いえ、ティニャさんは頑張りましたよ。 ご苦労さまです♪ ……ところでその布は? |
ちなみにしゃがみ込んだまま(笑)
■ティニャ To:ルリィ |
落としていったのら。 |
スカーフ大の、薄く汚れた無地の布。
■ルリィ To:ティニャ |
へぇ〜。ちょっと見せてくれます? |
■ティニャ To:ルリィ |
あげるのら。 |
手にとって見るが、何も特徴の無い布切れであった。
■ティニャ To:ルリィ |
お腹痛いのら? |
何故しゃがみ込んでいるのか不思議な顔。
■ルリィ To:ティニャ |
え、えっとぉ……(^-^;; んと、ちょっと眩暈がしちゃって…(苦笑) |
誤魔化す。
■ティニャ To:ルリィ |
仕事のし過ぎら〜。 |
気遣ってくれる。
■ルリィ To:ティニャ |
あ、有難う、ございます…(^-^;; |
騙していることが少々心苦しい。
■ティニャ To:ルリィ |
フェリオの方も片付いたみたいなのら。 |
■ルリィ To:ティニャ |
そうですね〜。 じゃあ合流しましょ・・・・ |
と、そこで自分の格好を思い出す。
■ルリィ 内心の葛藤(笑) |
この格好で動きたくない…けど、このままって訳にもいかないし…(汗) ――そうだ! 確かフェリオさんがマント持ってましたよね。 だったらそこまでは我慢して、で、会ったらすぐさま貸してもらって…。 |
どうやら心を決めたらしい。
えい、とばかりに立ち上がった。
■ルリィ To:ティニャ |
それじゃ、フェリオさんのところに行きましょう! |
なぜか早足(笑)
■ティニャ |
ルリィ、何か良い事あったみたいなのら。 |
ティニャの目にはそう見えた。
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