SW-PBM #072
汎用ヒト型演劇人形

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■ 
ブライアに聞いた道を通っての帰り道。
行きに裏庭を駆け抜けた屋敷の前を通る。
庭の木が丁寧に剪定された、なかなか立派なお屋敷。

横を通り抜けていると、上から桶一杯分の水が降って来た。
水に混じっていた雑巾が、顔に張り付く。
■ラヴィ
きゃっ!

■屋敷の使用人?
汚れた水捨てたよー。
新しいの汲んでくるねー。

……あれー、雑巾何処置いたっけ?

屋敷の二階、通りに面した窓から声がした。
■ラヴィ To:使用人?
もしも〜し? 雑巾なら ココ にあるわよ〜。

雑巾ひっぺがして笑顔で呼びかけ。
顔が引きつっているのは言うまでもない。
窓から少女が二人、並んで顔を出した。
紅茶色と薄茶色の髪が風に揺れる。
■紅茶色の髪の少女 To:ラヴィ〜独り言
あー、どうも(^-~

でも、どうしてあんな所に?

■薄茶色の髪の少女 To:隣〜ラヴィ
水、この窓から捨てちゃ駄目だよ(T_T)

すみません、今行きますっ(汗)

二人が下りて来た。
揃いの黒いメイド服姿で、ラヴィよりも年下。
紅茶色の方が、薄茶の少女の背中に隠れる様に立つ。
■紅茶色の髪の少女 To:薄茶色の髪の少女
何か、この人怖い。

■薄茶色の髪の少女 To:ラヴィ
あの。
御召し物は大丈夫、でした ……か。

水を滴らせる姿を見て、言葉が詰まる。
■ラヴィ To:薄茶色の髪の少女 
そう見えるかしら?

相変わらず顔は引きつったままである。
髪が紅茶色の方がパティ、薄茶の方がミリィと名乗る。
■ミリィ To:ラヴィ
宜しければ、着替えを準備致しますが……。

■ラヴィ To:ミリィ
お願いするわ。
それと、何か拭くものも貸してもらえる?

■ミリィ To:ラヴィ
は、はい。

■パティ To:ラヴィ
その、ぞう……。

何か言いかけた口を、ミリィが塞ぐ。
■ラヴィ
ぞう・・・?

■ミリィ To:ラヴィ
どうぞぅ、中にお入り下さい(汗)

■ラヴィ To:ミリィ
は、はぁ・・・?^^;

顔が赤くなるミリィ。
少し無理があった。

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シナリオ編集:倉沢真琴 kushida@terra.dti.ne.jp