SW-PBM #072 汎用ヒト型演劇人形 |
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火災現場を離れ、大通りに戻る途中。
■ミディ To:ケイト |
喉が渇いたな。 |
■ケイト To:ALL |
そうですね。 そこで軽く休みましょうか。 |
赤煉瓦造りの可愛らしい喫茶店がある。
お店を見て硬直。
■フィアルラ To:ひとり言 |
え゛……ここって……た・し・か……? |
街中に幾つか存在する盗賊ギルドの拠点、その一つである。
フィアは、以前この店で受けた試練を忘れていなかった。
過ぎ去りし悪夢、再びか?
■フィアルラ To:ミディ&ケイト |
あ、あの〜。 できれば別のお店の方が良いんじゃないかと……(^^;) そだ、いい所知ってますよ。パン屋さんなんですけど、ケーキも作っててそれが凄くおいしい……。 |
"Princess Bakery"まで、二人を引っ張っていこうとする。
■ミディ To:フィアルラ |
目の前にあるのだから、ここでいい。 |
言うが早いか、足は喫茶店へ。
■ケイト To:フィアルラ |
あら、汗が? ここにしておきましょう。 |
フィアの顔色を見ての、優しい気遣い。
■フィアルラ To:ケイト |
あは……ははは、ありがとうございます……。 |
泣きそうな顔だったりするカモしれない。
店は開いていたが、客は入っていなかった。
盗賊達が集う場としての活動はともかく、表稼業の方は上手くいってないらしい。
■マリーウェラー To:ALL |
あらあら、今日はお客さんが3名も。 まあ。素敵なワンピースを着てるのは誰かと思えば、フィアちゃんじゃない? |
経営者である半妖精女性。
リピーターが出来て凄く嬉しそうだ。
■フィアルラ To:マリーウェラー |
ど、どおも……お久しぶりデス……(^^;) |
■ミディ To:フィアルラ |
知り合いの店だったのか。 |
■マリーウェラー To:フィアルラ |
お友達なのよね? |
■フィアルラ To:マリーウェラー |
……は、ハイ。そおですね。 お友達……なんです。ケーキが無ければ……(^^;) |
■ミディ To:フィアルラ&マリーウェラー |
そうか。羨ましいな。 |
■マリーウェラー To:ALL |
注文は? |
席まで聞きに来るマリーウェラー。
そう言えば、他の従業員(ギルドメンバー)の姿が見えない。
■マリーウェラー To:ALL |
今日のお勧めは、特製ブレンドコーヒー。新しく始めたのよ。 |
今ならサバランが1つ付いて来るという。
■フィアルラ |
(一体何が『特製』なんでしょうか……?) |
また甘々なのだろうか?
■ミディ To:マリーウェラー |
それでいい。 |
■ケイト To:マリーウェラー〜ミディ |
私もそれで。 ミディちゃん、コーヒー飲める? |
■ミディ To:ケイト |
もう子供じゃない。 |
品書きを見ると、一番端に「春の初恋」と書かれていた。
その文字に目を留めて、
■フィアルラ To:マリーウェラー |
あれ……? マリーさん、この『春の初恋』って、一体どうしたんです? |
■マリーウェラー To:フィアルラ |
作ってね、みたの。 フィアちゃんも、相当ケーキ通みたいね。(にこにこ) 本家より美味しく出来たから、別の名前にしようかとも思ったんだけど。 食べてみて、いい名前考えてくれないかしら? |
コピー商品?
■フィアルラ To:マリーウェラー |
はぁ……分かりました。じゃ、それ戴きます。 あ、マリーさん。コーヒーはブラックでいいですから(^^;) |
真似て作った分だけ、オリジナル商品よりはマシかな、などと淡い期待。
合わせて飲み物だけでも保険を打っておく(笑)
■マリーウェラー To:フィアルラ |
うんうん、任せて。ブラックね。 |
■フィアルラ To:マリーウェラー |
それと、このコにミルクをお願いします。 |
ルビーをテーブルに座らせる。
■ルビー To:マリーウェラー |
にぃ。 |
挨拶のつもりらしい。ちょこんと座って鳴いてみる。
■フィアルラ To:マリーウェラー |
甘くしなくていいですからね。虫歯になったら困りますし。 |
釘を差しておく。
マリーウェラーが厨房に消えた後。
■ミディ To:フィアルラ |
フィアルラはブラックが飲めるのか? |
尊敬の目。
■ケイト To:ミディ |
フィアルラさんは子供じゃないんですよ。 |
■フィアルラ To:ミディ |
ミディちゃんもコーヒーが好きなら、そのうち飲めるようになりますよ。 |
「そのうち」は禁句(^^;
■ミディ |
ううっ。 |
注文の品が出てきた。
コーヒーはコーヒーらしく、ケーキもケーキらしい。
春の初恋を実際に見るのは初めてであったが、聞いた話と違う点も無い。
特製ブレンドの濃い香りが立ち上る。
■ケイト To:ALL |
では、頂きましょう。 |
■フィアルラ To:ALL |
いただきま〜す。 |
取りあえず、春の初恋を一口。
歯に染みる甘さと、ねっとりとした喉越し。
■フィアルラ To:ひとり言 |
……う゛っ。 (ま、まあ、予想はしていましたから……) |
口直しにコーヒーを飲む。
炭に鉄粉を混ぜた様な苦味が口内に広がった。
■フィアルラ To:ひとり言 |
……う゛、う゛う゛っ?? |
なんとも言えない顔。
■フィアルラ To:マリーウェラー |
ま、マリーさん……。 このコーヒー、どうやって淹れたんですか? |
■マリーウェラー To:フィアルラ |
ふふっ、それは秘密。 皆、とっても美味しいって飲んでくれるのよ。 |
甘党の彼女の事である。自身で味見している可能性は低い。
■ミディ To:独り言 |
これが本場のコーヒーか。 |
渋い顔。
■ケイト To:ミディ |
サバランと一緒に口にすると、なかなか……。 |
マリーウェラーには聞こえないよう、ケイトにそっと耳打ち。
■フィアルラ To:ケイト |
だからやめましょうって言ったのに(^^;) |
■ケイト To:フィアルラ |
ん?(もぐもぐ) なかなか美味いが? |
■フィアルラ To:ケイト |
え? ……ケイトさん、ちょっとそれ戴いてみてもいいですか? 代わりに私のも一口どうぞ。 |
■ケイト To:フィアルラ |
ええ、どうぞ。 |
少し分けて貰ったサバランを口に。
しかし、これも舌に乗せただけでむせ返る甘さ。
■フィアルラ To:ひとり言 |
……う゛ぅ〜(泣) |
■ミディ To:フィアルラ |
ケイトの作る菓子は、犬も食わん。 |
■フィアルラ To:ミディ |
なるほど……。 |
■マリーウェラー To:フィアルラ |
フィアちゃん。 ちょっと奥に来てくれないかしら? |
笑顔で手招き。
■フィアルラ To:マリーウェラー〜ミディ&ケイト |
あ、はい。 お二人とも、ちょっと行ってきますね。ゆっくり休んでてください。 |
てこてこと後を付いて行く。
甘い香りの厨房の奥で二人きりに。
■マリーウェラー To:フィアルラ |
ふふっ……。 |
怪しい(爆)
■フィアルラ To:マリーウェラー |
あ、あの? マリーさん? |
マリーウェラーの笑みに引き気味。
■マリーウェラー To:フィアルラ |
感謝しゃうわ(^^ はい、謝礼金の100ガメル。 |
銀貨の入った袋を手渡される。
■フィアルラ To:マリーウェラー |
へ? え、えっ? ど、どーいう事ですか? |
全っ然理解できない。困惑、混乱、コンフュージョン(ぉ)
■マリーウェラー To:フィアルラ |
あらあら? 知らなかったのかしら? ギルドの上から、「オランに来たルエナ家のお嬢様を連れて来い」っていう通達が来てるんだけど? |
初耳。
■フィアルラ To:マリーウェラー |
聞いてませんよぉ。 |
■マリーウェラー To:フィアルラ |
今聞けて良かったでしょ(^^ これで、わたしとフィアちゃんの株もどーんと上がるのね。 そうそう、ギルドにはここの人達で丁重にお連れするから心配しないでね。 |
裏口(隠し扉)から、人相は悪いがリボンを付けた男が4名現れる。
■フィアルラ To:マリーウェラー |
……何のためにミディちゃんを連れて行くんですか? |
男たちを警戒しながら尋ねる。
■マリーウェラー To:フィアルラ |
うんうん。 それよね、分からないのは。 随分上からの命令みたいで、細かい事情が伝わって来ないのよね。 |
■フィアルラ To:ひとり言 |
うーん、なんだろ……。 (以下、いろいろ想像)
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■赤リボンの盗賊 To:マリーウェラー |
マリーお姉さん、くれぐれも丁重に。 脅しや怪我は厳禁ってえお達しです。 |
■マリーウェラー To:赤リボンの盗賊 |
うん、わかってる。 だから、特製ブレンドコーヒーでおもてなし中(^-^ |
それは不味いんじゃないかと、顔を見合わせる4人。
事情の分からないままに知り合いを引き渡す気になれないフィア。
マリーウェラーをだまくらかして二人を逃がすための作戦を立ててみる。
■フィアルラ To:マリーウェラー |
えっと……。 マリーさん、手荒にしたらダメって言われてるんでしたら、私に任せてもらえませんか? 少なくともそこのお兄さんたちよりは私の方がミディちゃんとは親しいし、上手く説得すれば素直に付いて来てくれると思うんですケド……。 |
■マリーウェラー To:フィアルラ |
それはいい考え(^^ でも、フィアちゃん一人で連れて行くのは危険よ? 他の人に手柄を取られちゃうかも。 そうだ、フィアちゃんも一緒に行けば一番いいのね。 お願いできるかしら? |
■青リボンの盗賊 To:フィアルラ |
頼む…いや、頼みます、フィアお嬢様。 |
■フィアルラ To:マリーウェラー&盗賊たち |
はい。それじゃ、覗き見されてると怪しまれますからここで大人しく待っていてくださいね。 |
厨房を出てテーブル席へ戻る。
このまま二人と連れ立って店を逃げ出すつもりだったりする。
──何か様子が変であった。
休憩していた二人が、テーブルに身体を伏せている。
■ルビー To:ミディ&ケイト |
みぅ〜? |
■ミディ&ケイト |
う、う〜ん……。 |
■フィアルラ To:ミディ&ケイト |
ミディちゃん、ケイトさんっ! 大丈夫ですかっ!? |
その時、フィアの身体にも異変が。
頭が割れる様に痛み、吐き気を覚える。背筋を悪寒が走り、真っ直ぐ立って居られない。
胃から腹にかけ、針を差し込まれたと思える激痛が襲った。
■フィアルラ To:ひとり言 |
うぅっ!? お、お腹が……痛い……。 ひょっとして、さっきのケイトさんのケーキ……? |
なんとか痛みを堪えて、二人の容態を確かめる。
……二人共、既に気を失っていた。
■マリーウェラー |
あらあら、みんなどうしちゃったのかしら? |
マリーと盗賊達の声が聞こえる。
■盗賊 |
やっぱり、普通の人間じゃ……。 |
■盗賊 |
フィア嬢ちゃんも飲んでたのか。 |
■盗賊 |
マリー姉さん、解ど……いえ、「おなかのおくすり」は? |
■マリーウェラー |
今、切らせちゃってるの。 ギルドに行けば置いてあるから、担いで行きましょう。 |
■フィアルラ To:マリーウェラー |
うぅ……マリーさん……。 お願いですから、二人に非道い事はしないで……。 |
薄れ行く意識の中、フィアはそう言い残した。
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