SW-PBM #072
汎用ヒト型演劇人形

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■ 
服飾店を出ると、通りはざわめきに満ちていた。
■ミディ To:独り言
何だ?

■ケイト To:フィアルラ
今日は何かお祭りの日?

■フィアルラ To:ケイト
んーと……?
(盗賊ギルドの一般見学者開放日とか……そんなの在るわけ無いか)
なんでしょうねぇ。

■ミディ To:フィアルラ
何だ、知らないのか。

通行人達の視線が、一つの向きに集まっていた。
服飾店の裏側方向である。
■通行人
あれ……見ろよ。

■通行人
やだ、火事かしら?

雑踏の中から、そんな話が聞こえる。
■フィアルラ To:ひとり言
火事、ですか?

取りあえず状況を確認。
周囲の人に話を聞いてみる。
■フィアルラ To:通行人
あの、火事って……何があったんです?

聞かれて、おばさんが答える。
■おばさん To:ALL
ほらほら、あれよ。あれを見て。
あれは民家ね。
さっき、屋根から凄い炎が上がったんだけどね。
ほんと、凄かったのよ。

200M程先の一区画、立ち並ぶ建物の中に火の粉を吹き上げる一軒の家があった。
■ミディ To:独り言
誰も巻き込まれてないといいが……。

■ケイト To:ALL
燃え広がらないといいですね。

口には出さないが、二人共見に行きたそう(笑)
■フィアルラ To:ミディ&ケイト
行って、見てみますか?
ひょっとしたら私たちでもお手伝いできることがあるかもしれないし。

■ミディ To:フィアルラ
そうしよう。

■ケイト To:フィアルラ
その通りですね。

見事な意見の一致。
目の前で、二階建ての民家は燃え尽きようとしていた。
風に乗って火の粉が舞い散る中、黒ずんだ壁を残して柱が燃え落ちてゆく。
■被災女性
あの人は何処に?
お礼もまだなのに……。

煤にまみれた女性が居た。手には幼児を抱いている。
■被災女性 To:ALL
あの、背が高くて鎧を付けた人を見ませんでした?

取りあえず落ち着かせようと試みる。
■フィアルラ To:被災女性
落ち着いて、詳しくお話を聞かせてください。
それよりまず、お怪我の方は大丈夫なんですか?

■被災女性 To:ALL
幸い何処も……けほっ、けほっ。

煙を吸ったのか、咳き込む。
■フィアルラ To:被災女性
あ、良かった。怪我が無いのが何よりです。
お子さんも無事みたいですし……。

煤を拭うハンカチを差し出す。
■フィアルラ To:被災女性
えっと、背が高くて鎧を着た……他に、何か特徴は? 男の人ですか、女の人ですか?

言いながら、周りにそんな人が居ないか視線を巡らす。
通報を受けて駆け付けた衛視も居たが、火事場に鎧は着て来ていない。
■被災女性 To:ALL
顔はよく見えなくて。
男性の方と思ったのですが……。

■ミディ To:ALL
それらしいのは居ないな。

■フィアルラ To:被災女性
あと、お礼と言ってましたけど、一体何をしてもらったんです?

■被災女性 To:ALL
私とこの子を、炎の中から──。

炎に囲まれ、逃げ場を失った所を救出されたと言う。
■ケイト To:ALL
名乗らずに去るなんて。
何処の何方なのかしら?

■フィアルラ To:被災女性
うーん……見つけられるか分かりませんけど、それらしい人がいたら聞いてみますね。
えっと、その時のためにあなたのお名前だけ教えておいてもらえませんか?

■被災女性 To:ALL
フェーン。フェーン=フェザーです。
もし何か分かれば、僅かですが謝礼を……、

衛視の男が割り込んで来る。
■衛視 To:フェーン
あなたがこの家の人ですか?
少しお話を。

事情聴取の邪魔はしない方が良さそうだ。
■フィアルラ To:ミディ&ケイト
あ、衛視さんが来ちゃった……邪魔しない方が良さそうですね。

■ミディ To:フィアルラ
そうだな。この場に居ても手伝える事は無いようだし。

■ケイト To:ALL
戻りましょうか。


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シナリオ編集:倉沢真琴 kushida@terra.dti.ne.jp