SW-PBM #072
汎用ヒト型演劇人形

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■ 
ライトとラヴィの共同作業。
荷台の固縛紐を解き、布を捲る段階へ。
■ライト To:ラヴィ
では、せーの、で一気に。

布の端を持つ。
■ライト
せーの。

あ。

■ラヴィ
え?

布を捲る感触に、引っ掛かる物を感じた。
ゴトッ、と音がしてラヴィの手元に腕程の大きさをした石の棒が転がってくる。

ようやく露になった中身は、男性の裸体像であった。
材質は石。目的の人形とは違った様だ。
■ラヴィ
・・・・・・・・・・・・・・・・・。

転がってきた石の棒をじっと観察。
片側に破断面があり、彫像の何処かが折れた物らしい。
しかし、こんな形の部分は人体で見た事が無い。
■ラヴィ
(お、折れてる・・・)

石の棒を拾い上げる。
■ラヴィ To:ライト
あ、コレ着脱式なのよ。心配しなくても大丈夫!
・・・・たぶん。

大嘘。
■ライト To:ラヴィ
そ、それは何処の?

ライトが震えた声で尋ねてくる。
■ラヴィ To:ライト
う〜ん、なにかしら?
尻尾・・・・にしては短いような気もするけど・・・。
ライトちゃん、わかる?

■ライト To:ラヴィ
角、でしょうか?

石像の頭に傷は無かった。
仰向けになった股間に着脱(?)できそうな破断面が見つかる。
■ライト To:ラヴィ
尻尾、みたいですね。

■ラヴィ To:ライト
・・・やっぱり尻尾よね。

■ライト To:ラヴィ
あ、誰か来ます(汗)

BAD研究所から人が出て来るのが見えた。
人数は二人。
■ラヴィ To:ライト
やば・・・。
ライトちゃん、ここは私に任せて帰っていいわよ。
私、あの人達と話があるから^^;

石の棒を背後、マントで隠すようにして二人の方へ。
■ライト To:自問自答
帰るって、その。
……何処に?

荷馬車に向かって来たのは、老男性と太った中年男。
■老男性 To:太った中年男
降ろすのはそっちに任せたぞ、ブライア所長。
……何じゃ? 布が捲れ取るな。

■ラヴィ To:老男性
どうもご苦労さまです。
布の方は少々手違いがありまして・・・^^;
とりあえず受け取りの確認をお願いできますか?

運び屋になりすますつもりらしい。
■ラヴィ To:老男性
では・・・、「地下の下水道、背後には──」

■ブライア To:老男性
ジェリック、この子が助手のライト嬢か?

■ジェリック To:ブライア
いや、こんな馬鹿娘は知らん。

■ラヴィ
(あら、やっぱりばれたわね^^;)

■ジェリック&ブライア To:ラヴィ
あんた誰だ?

■ラヴィ To:ジェリック&ブライア
嘘ついてごめんなさい。
私、冒険者のラヴィといいます。

ライトちゃんならあそこに・・・。

ライトが隠れてる方を示す。
■ラヴィ To:ジェリック&ブライア
実は、MAD工房から盗難された人形を探していたのですが
こちらの像の大きさがソレと同じくらいだったので確認させてもらったんです。

そちらの了解を取らなかったことは謝ります。

ぺこりと頭を垂れる。
■ジェリック To:ラヴィ
ん、んん。
勝手に開けると、物が物だからな。

通行人達が、巨大な男性裸像をちらちらと見てゆく。
中には顔を赤らめる女性も居た。

馬車の陰からライトが出て来る。
■ライト To:ジェリック&ブライア
あ、あの……。
ラヴィちゃんは悪くないんです。
像の尻尾が壊れたのは、私のせいで……。

■ジェリック&ブライア To:ライト
尻尾?

■ラヴィ To:ジェリック&ブライア
あの、コレです・・・。

後ろに隠してた尻尾(?)を出す。
■ラヴィ To:ジェリック&ブライア
まさか折れるとは思わなかったんです・・・。
ライトちゃんを叱らないでください。
お金・・・はありませんけど、できることならなんでもしますから・・・^^;

■ジェリック To:ラヴィ〜ブライア
何でもと言われてもな。
それにこいつは尻尾じゃ……。

どうする? 荷物が傷物になっちまったんだが。

■ブライア To:独り言
むむ、"バルバロッサムズの完全な肉体"が不完全な肉体に……。

いや!? これはいいぞ。
欠ける事によって、芸術としての完成度が!

何だか盛り上がる。
■ラヴィ
え? え?

■ブライア To:ラヴィ
おおっ、君達は何て素晴らしい事をしてくれたんだ。

嬉しくて堪らず、ラヴィに抱き付いて来た。
■ラヴィ To:ブライア
ひ!
(いぃやぁぁぁぁ!!)

張り倒しそうになるのを必死に堪える。
■ライト To:ラヴィ
ラヴィちゃん、ごめんなさい……。

ライトは馬車の陰に隠れ直した。
■ラヴィ To:ライト
に、逃げたわねぇ〜(泣

栄誉はラヴィで独り占め。いや、独り締め。
ぎゅっ、とね(笑)

結局、感謝されて無罪放免。
■ブライア To:ラヴィ
それ(尻尾)は君にあげよう。

■ラヴィ To:ブライア
は、はぁ、どうも・・・。

尻尾が荷物に加わる。
芸術品の一部分なら、銀の網亭で売れるかも知れない。

別れてしまったチーゼル達が来る事を考え、その事をブライアに伝えておく。
ラヴィは独り、銀の網亭に戻る事にした。

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シナリオ編集:倉沢真琴 kushida@terra.dti.ne.jp