SW-PBM #072
汎用ヒト型演劇人形

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■ 
エアリィの案内で裏道を駆ける。
雨水ではない水溜りを越え、私有地の庭園を横切る──。
そんな、余り穏やかではない道程であった。
■ラヴィ To:エアリィ
よくこんな道知ってるわねぇ^^;

誉められて嬉しそうなエアリィ。
■ラヴィ To:エアリィ
いや、褒めた訳じゃないんだけどね・・・^^;

■チーゼル To:エアリィ
…街の裏道ってこんな感じなんだ… 

後、どれくらいです?

■エアリィ To:ALL
向こう〜。
この塀を越えた〜。

袋小路となった場所に着き、そう告げるエアリィ。
塀は高さ1.7M程で、足も掛ける所もある。越える行為は難しい事ではない。
ただ、第三者が居た。
■女の子 To:ALL
お姉ちゃんたち、へい越えるの?

■男の子 To:ALL
へいを越えたりすると怒られるんだよ。

大人の行動を見るのは、5歳くらいの子供達。
■ラヴィ To:子供達
ごめんね、お姉ちゃん達急いでるの。
見逃して、ね?

笑顔なんか浮かべてごまかしてみる(笑
■エアリィ To:ラヴィ
やめましょうか〜。
塀越えは〜。

子供の意見に惑わされた者が約一名。
■チーゼル To:エアリィ
んと…。
さっき「この塀の向こう」って言ってましたけど…「すぐ」向こうですか?
それとも…もうちょっと行った先になります?

■エアリィ To:チーゼル
そこなの〜。

腕を斜めに上げて指し示す。
塀と街路樹と他の建物の向こうに、赤みがかった建物が見えた。
■ラヴィ To:エアリィ、チーゼル
あそこね。
私は先に行って捕まえておくわ。
あとはよろしく!

逃げるように塀を越える。
■エアリィ To:チーゼル
越えちゃいましたよ〜。

宜しくされて、どうすればいいのか戸惑う。
■チーゼル To:エアリィ
ぁ…どうしよ
…「先に行って〜」っていった訳だから…僕達は回り道して行けばいい、ってこと、かな?
う゛〜 … …まいいや、それで(諦)
んと…道、わかるかな、他に?( ・・)

■エアリィ To:チーゼル
こっちかな〜。
あっちかな〜。

迷ってる。
■エアリィ To:チーゼル
きっとあっち〜。

明るい声で指し示す。
急がば回れである。
■チーゼル To:エアリィ
…う〜ん、と…。

信用しかねてちょっと悩んでから、子供達の方に向き直る。
■チーゼル To:子供達
んと、ね、ちょっといいかな?
向こ〜の方にある、赤い、石の建物まで行きたいんだけど、誰か行き方わかる?

■女の子 To:チーゼル
あのね、そこ通るといいよ。

指差すは下水道の蓋。
■男の子 To:チーゼル
ひみつなんだぞ。

■エアリィ To:チーゼル
そうなんだ〜。
行きましょうか〜。
秘密の通路〜。

■チーゼル To:エアリィ
…あ、なるほど…。

ま、いいや。じゃ、行きます?

考える事を放棄(笑) 言いながら蓋を開け、中を覗き込む。
中は暗い。いや、真っ暗。
■エアリィ To:チーゼル
あるよ〜。
良い物〜。

ボシェットの中に手を入れてごそごそ。
取り出したのは掌に収まる小さなランタン。
球状の形が愛らしい。
■エアリィ To:チーゼル
火を付けるの〜。
こうやって〜。

底部に付いた紐を引っ張ると、カチカチという音がして火が灯った。
狭い梯子を降り、下水道内に立つ。
約2mある幅の内、水が流れているのは1/4の50cm程度。
小さなランタンのお陰で、5mの視界がある。
■エアリィ
うわ〜。

■チーゼル
へ〜。…こんな風……。ぅ〜ん…。

チーゼルは何だか嫌な予感がした。辺りの様子を注意深く窺い始める。
見える範囲が限られている事に不安感は倍増させられた。

ぱしゃッ、ズるっ。
(この音は後ろから聞こえます)

微かな水の跳ね音と、床を摺る音がした。
……何かが居る。背後に。
■エアリィ To:チーゼル
いっくよ〜。
うわぁ〜。

明かりを持ったエアリィが歩き出す。
■チーゼル To:エアリィ
あ、ん、んと、待ってっ。
…何か、いるみたいなんだけど……。…う〜…先の方、どうなってるか、わかる?

たたらを踏んで止まるエアリィ。
■エアリィ To:チーゼル
真っ暗〜。

チーゼルは音の方を振り返りつつ、フレイルに手を伸ばす。

走って先に行くか、姿を確かめるべきか。
躊躇していると、視界にそれが現れた。
■チーゼル To:エアリィ
わにっ!?
…居るんだ…やっぱり…。

と、気を付けてくださいっ。

■エアリィ To:チーゼル
わぁ〜。
何あれ、何あれ〜?

知らない動物に、好奇心が膨らむ。
鰐は、ぴょんぴょん跳ねるエアリィの方に視線を向けた。
■エアリィ
うんっ。

言われた通りにするエアリィ。

約1分経過。
鰐は、動く獲物が居なくなったのでゆっくりと身体を反して戻っていった。
■チーゼル To:エアリィ
… …そろそろ、大丈夫かな…?

んと、それじゃ、早く戻ってこない内に…

と、エアリィの方に向くと。
■エアリィ
……。

ず〜っと動きを止めている。ついでに息も止めている(汗)
■チーゼル To:エアリィ
…いや別にほら動かないでって言ってもわざわざ息まで止める必要は無いしってかどうせ心臓は動いてるんだしってそれは別に関係無いんだけどなんて言うか…

んと…ゴメンナサイ。

■エアリィ
……ぷはーっ〜。

■チーゼル To:エアリィ
…と…んじゃ、先…行きましょう。

先に幾らか進んだ所で、突然明かりが消えた。
一寸先も見えない闇に包まれる。
■チーゼル To:エアリィ
わ、ど、どうしたんですか…?

■エアリィ
あれ?

■チーゼル To:エアリィ
んと…どうしよう…。
とりあえず…右手の壁伝って、上れそうな場所で、上がっちゃいます?

まぁ、子供達が秘密の通路とか言ってたような道だから、目が慣れれば、少しぐらいなんとかなるのかもしれないですけど…。
…って、あんなの(=鰐)出てくる時点でよくわかんないか、それも。

沈黙。

次に聞こえたのはカシャ、という何かが床に落ちる音。
続けて、チーゼルの身体に柔らかい物がぎゅっと抱き付いてくる。
■エアリィ
怖い。真っ暗怖いよ、パパ。
ねぇ、ママは何処にいったの?

エアリィの身体は震えていた。
■チーゼル To:エアリィ
え、えと…?
ちょ、ちょっと、エアリィさん…エアリィさんっ、しっかりして下さいっ、エアリィさんっ!

■エアリィ To:チーゼル
あう〜。

しっかりと服を握って離さない。
■低い男の声 To:ALL
お前達。
そんな所で何を騒いどる。

先の方から、声が掛けられた。
誰かは判らないが、この暗闇の中でこちらが見えているらしい。
■チーゼル To:謎の人
んとぉ…
ちょっと状況が…複雑なんで、しばらく…待ってて、もらえ…ません?

■謎の人 To:チーゼル
そうか。
ゆっくり楽しんでくれ。邪魔者は他所に行くとしよう。
いいのぉ、若者は。

誤解されてる?
■エアリィ To:チーゼル
あう〜。

触れた肌から、エアリィの温もりを感じる。
■チーゼル To:謎の人〜エアリィ
…ベ、別にそういうわけじゃ…ぁ…。
えとうとあと…う…。
…しっかりして下さいよ…ぉ …パパなんて、どこにも、いないですよぉっ(><)

■エアリィ To:チーゼル
そんなのやだ……。
パパぁ。何処にも行かないで……。

■チーゼル
(う”〜…ど、どうしよ…なんでこうなっちゃったんだか…あ”〜っ)

■謎の人 To:チーゼル
事情は知らんが、親が子を捨てる事は許されんぞ。
思い留まれ。
人の道を外れちゃあいかん。

近寄って来る気配。
■チーゼル To:謎の人
そ、そういうわけじゃ…ない、ですよ…
んと…

説明しようとしてどう説明したものか悩む。
■謎の人 To:独り言
明かりを付けんと、顔も見えん様子だな。

少し間を置いて、照明が灯る。
明るくなると、エアリィは少し落ち着きを取り戻した。

間近に、松明を手にしたドワーフが立っている。
■ドワーフ To:チーゼル
悩み事があるなら、相談に乗るぞ。
話してみろ。

■チーゼル To:ドワーフ
あ…どうも…
…えと…まず…僕は、その、この人…エアリィさんの、親とかじゃないんだけど…
…わかります…よね?

■ドワーフ To:チーゼル
最近は、伴侶にパパと呼ばせるのが人間の流行か?

見かけの年齢差を考慮。
■チーゼル To:ドワーフ
えっと…そういうのは、多分…そういう商売の人達ぐらいかと…。
んと、つまり、そういうのとも違うんですけど…。
…変な感じの話し…になっちゃうと思うので…。

■エアリィ To:チーゼル
あれ〜?

大人の話を余所に、『何で抱き付いてるのかな』という表情を見せるエアリィ。
手を放して、落としたランタンを拾う。
■チーゼル To:エアリィ
…あ。 …………ふぅ(溜息というか脱力)

…んと、大丈夫です?

■エアリィ To:チーゼル
うん。
壊れてないよ〜。
ほら〜。

拾った小型ランタンを見せてくれる。
■ドワーフ To:ALL
やれやれ。
二人共、まるで迷い込んだ子供だ。

■エアリィ To:ドワーフ
こども〜?

■ドワーフ To:チーゼル
上に上がるなら案内をしてやろう。
この辺には詳しいのでな。何処に行きたい?

■チーゼル To:ドワーフ
あ、それじゃ…BAD研究所、だったかな?
赤い石の建物まで、お願いします。

■ドワーフ To:チーゼル
すぐ近くだな。
足元に注意して付いて来い。

■チーゼル To:ドワーフ
はい。どうもすみません。

松明で照らされた下水道を、チーゼル達は進んでいった。

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シナリオ編集:倉沢真琴 kushida@terra.dti.ne.jp