SW-PBM #072
汎用ヒト型演劇人形

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■ 
茜屋を出、来た道を少し戻る。
目的の場所である事を確認して、MAD人形工房の扉を開ける冒険者達。

入ってすぐの部屋は、中央の丸テーブルを中心に棚で囲まれており、棚の中には各種の人形が置かれていた。
棚の中に入らない大きな人形も、幾つか目に付く。
■男 To:独り言〜ALL
もしかして、BADの奴等か? いや、しかし。
一体誰が……。

ん?
君達は?
ひょっとして、銀の網亭に頼んだ?

一人の男が奥の壁際に立っていた。
金髪を短くまとめ、身なりの整った30代の男性である。
■フィアルラ To:男
あ、はい。おやじさんに紹介してもらったんですけど。
なんでも、盗まれた人形をとり返して欲しいとか……。

大きく頷く男。
■男 To:ALL
待っていたよ、さあ中に入ってくれ。
私が依頼したマークだ、宜しく。

■マーク To:ALL
明日までに、汎用人型演劇人形を探さなくてはいけない事になってしまってね。
そう、今朝起きてみると工房からあれが消えていたんだ。
驚いて目が覚めたよ。

■フィアルラ To:マーク
えっと、取りあえずその『人形』がどういうものなのか詳しく教えてもらえますか?

■マーク To:ALL
人型で、大きさは──。

丸テーブルの上に置いてあった羊皮紙に、説明図を描く。
頭と手足は線と丸。胴体がいびつな四角。
横に「全高約3m」
胴体に入る矢印に「人が乗る」
頭部の目と口の辺りから伸びる線。
最後に「壱号」と書き足す。
■マーク To:ALL
こんな感じだ。

■ラヴィ
これはまた奇抜な・・・。

■ヴィトリス
確かに……でも、意外に受けるかも…。
しかし、人が乗れるのか…すごい…ような気もする…。

■フィアルラ To:ALL
人型っていうから、私たちくらいの大きさのお人形とかぬいぐるみみたいのを糸で吊って操ったりするのかと思ってたんですけどねぇ……。

なんか想像と違ったらしい。ちょっとつまらなそうにしてる。
■マーク To:フィアルラ
そ、そういう意見もあったのだが、今回は見送ったんだ。

■ルリィ To:マーク
でもこれも良いと思いますよ(^-^)
よく見るとそれなりに可愛いですしv

美的センスずれてるカモ。
■チーゼル To:マーク
…。
……ん、っとぉ…。
…。
えと、参考までに、どう言った意味で「汎用」なんですか?

微妙にパニクった結果(笑)
■マーク To:チーゼル
決められた動作だけではなく、様々な動き、そして力加減を可能としたと言う意味での汎用だと考えてくれ。

■ヴィトリス To:マーク
それはすごい技術ですね。一体どういった仕組みでそんな動きを?

■マーク To:ヴィトリス
詳しい事は秘密だが、開発には学院の協力を得られてね。
当工房の高い技術力と創意工夫、そして古の魔法技術の粋を集めた傑作……だったんだ。

失われ(盗まれ)てしまった現実に、気を落とす。
■フィアルラ To:マーク
大丈夫ですよ。きっと私たちが取り戻してみせます。
……たぶん(^^;)

なんかビミョーに自信なさそうだったり。
■ルリィ To:マーク
古の魔法技術…!(喜)
それは是非見てみたいものですね〜。
うん、頑張って探さなくちゃ(^-^)

■ルリィ To:マーク
かなり大きなものなんですね…。

あの、「人が乗る」ということは、それは1人で動かせるのでしょうか?
動かし方さえ解れば、単独犯でも盗むのが可能かどうか知りたいのですけど。
あと、その動かし方って簡単に解ります?

■マーク To:ルリィ
なんと!?
それは誰も考え付かなかったな、まさか乗って逃げるという方法があったとは……。

確かに、うむ、可能だ。
操縦も極力単純明快になる様製作している。
しかし、乗るとなると身体の制限が。

説明図に追記。
「人が乗る」の隣に、「身長130cmまで」「体重軽い程○」の2項目。
■ラヴィ To:ALL〜マーク
130cmまでとなると子供か草原の人くらいじゃないときついわね。
ちなみに誰が使うように想定したたの?

■フィアルラ To:ラヴィ
やっぱり、子役の人でしょうね。
……私としては、誰が乗るかより『どういう場面で使うつもりだったのか』の方が気になりますケド。

■マーク To:ラヴィ
この制限は予算と技術的なもので、つまりは仮の仕様だ。
本当は私でも乗れる、より大きな人形を作りたかったのだが。

特定の使用者は想定されていないらしい。
■ルリィ To:マーク
――もう少し人形について教えてください。
この人形の重さってどのくらいですか?
それから関節等を折りたたむと、どこまで小さくなります?
あと、出来れば人形の材質も知りたいんですけど…。

■マーク To:ルリィ
主に木で作っている。濃い茶色をした物だ。
大きさの割には軽いが、それでも重装備した戦士並みはあるな。
今の所、変形機構は組み込んでいないから関節を無理に折り畳んだりは出来ないはずだ。
分解も……素人には難しいだろう。

■ルリィ To:マーク
じゃあ詳しい人なら、分解して再び組み立てることも可能ですか?
あ、でも分解ってかなり時間かかりますよね?

■マーク To:ルリィ
分解、組み立て……。
確かに、うむ、不可能ではない。非常に高度な技術が必要だが。
しかし、一度分解すると動作の保証は出来ないぞ。

製造元の主張。少し論点がずれている。
■ルリィ To:マーク
動作の保証は出来ない、ですか。(ふむふむ)
…となると盗んだ犯人は、人形を隠せるある程度の広さの場所を必要とする、ってことですね。うん。

■フィアルラ To:マーク
それから……。
人形がなくなった時の状況』、
盗まれたのだとしたら、心当たり
この辺をまず聞かせてもらえますか?あと、取り返すというからには、勿論無傷でという事になりますよね?

■マーク To:ALL
取り戻して貰えるなら、多少の傷が付いても……。

状況は、後で奥の工房を見てくれれば分かると思うが、壁を破って人形を強奪したらしい。
その時、私はここの二階で寝ていたのだが、何故か気付かなかった。
プロの仕業だな。

心当たりの方は、全然無い。
完成した時に驚かせようと思って秘密にしていたんだよ。
それに、もし秘密を知った知人が居たとしても、強奪までする酷い奴は誰も居ないんだ。

■ルリィ To:マーク
壁を破って、ということはかなり物音がしたハズですよね?
それでも目が覚めなかった…と。
魔法が使われていた可能性もありますね。

ところで先程口にしていた、BADというのは…?

■マーク To:ルリィ
余り知られていないか。
「Brier Art Deveropment」研究所。
ブライアさんが所長を勤める、一種の芸術家ギルドだ。

■フィアルラ To:ALL
あ……何か聞いた事あるような。
確か、ハザード河の方にある研究所……って言うより、養成所みたいな所ですよね?

■マーク To:フィアルラ
そうだ。
まだ新しい、赤みを帯びた石造りの建物だ。

■フィアルラ To:ALL
芸術家やそういった素養のある人を育てるための活動をしているとか……。
所長のブライアさんて人は、確か貴族に名を連ねてるはずでしたけど。
ラヴィさん、聞いた事ありません?

■ルリィ To:ALL
あぁ、その名前なら私も聞いたことが…。
なるほど。BADはあそこの研究所の略称でしたか。

■ラヴィ To:マーク
なぜブライアさんが怪しいと?

■マーク To:ラヴィ
うーん。
先週話をした時、しきりに私の仕事を気にかけていたのでもしやと思ったんだが……。
考えてみると、最近新作を出していない私の事を気遣ってくれていたんだろう。近頃は壱号の製作に専念していたからな。

■フィアルラ To:マーク
それで、急ぎの仕事で今日中に……と伺っているんですけれど、具体的にはいつまでが期限でしょうか?
宜しければ、その理由も聞かせてもらえませんか?

■マーク To:ALL
明日の朝が期限だと思ってくれれば。
製作資金を出して下さった貴族の家の方が、明日訪問される事になっている。
明日の何時かははっきり分からないが、来た時に無いでは……。

■フィアルラ To:マーク
えっと、それで、大変失礼なんですけれども……報酬のほうは、どのくらいになるんでしょう?報酬額とその条件を教えてもらえますか?

■マーク To:ALL
まず、前金で1000を渡そう。必要経費込みと考えてくれ。
もし残念な結果になっても、頑張ってくれるなら返す必要は無い。
成功報酬は壱号を取り戻してくれた時に、前金とは別で4000支払おう。

話が出た傷の件も、状況次第だが無傷で済ませる努力をして貰えるならそれ相応の追加報酬を用意したいと思う。

■フィアルラ To:マーク
私はそれで結構ですけど……。

言いながら他の面々を見る。
■ラヴィ To:フィア
・・・・・・・・異論ナシよ。

■ヴィトリス To:フィア、マーク
それだけ頂ければ十分過ぎるほどです。

■ルリィ To:フィア、マーク
えぇ、構いません(^-^)

■フィアルラ To:ALL
じゃ、この後どうするかですね。
取りあえずはここの調査をして、そのあとBAD研究所。私は……ちょっと盗賊ギルドに行ってみようと思います。
あとは、マーファ神殿ですね(笑)
だから、3チームに分かれるのかな?

■ラヴィ To:フィア
分かれた方が早いのは確かね。
ま、チーム分けは現場見てから決めましょーよ。

■ヴィトリス To:フィア&ALL
そうですね。
あ、でも僕はマーファ神殿で確定…かな?…


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シナリオ編集:倉沢真琴 kushida@terra.dti.ne.jp