SW-PBM #070
人形屋敷の奥方

BACK INDEX NEXT

■地下墓地 
シーアン達の活躍でフェイを捕らえ、無事にカテリーナ達は身体を取り戻す事ができた。
そして屋敷の地下墓地で、今も成仏できずにいる冒険者達を供養する為に、この独特のカビ臭い地下室へと再びやってきた。
もちろんロジャーの為に、わざわざ銀の網亭に戻りエール酒を持ってきてある。
■アイシャ To:ロジャー
こ、こんにちは。はじめましてなの〜。

アイシャとミュンはロジャーに会うのは、これが初めてだった。
■ロジャー To:ALL
おや?
その無事な様子からすると、上手くいったのかい?

■バジル To:ロジャー
うん。
無事解決さ。もっとも貴方を生き返らせてあげる事は出来ないんだけど……

■ルタード To:ロジャー
どうしても、わしらの力及ばず、といったところでの。

■シーアン To:ロジャー
すまねぇ・・・。
でも、これでもう不幸な犠牲者を出す事もなくなった。

■ロジャー To:ALL
いや、その気持ちだけで十分だよ。
そう簡単に生き返れるものではないし、逆にそうであるからこそ、命は大切なんだろう。

■バジル To:ロジャー
うん……
あ、そうそう、これ返すね。

ロジャーのジョッキを床に置く
■バジル To:ロジャー
それだけじゃ寂しいだろうから、ほら、ジャジャーン!!

そのジョッキになみなみとエールを注ぐ。
■シーアン To:ロジャー
へへっ、ちゃんと覚えてたぜ?
これで喉の渇きが少しでも癒えるといいんだけどよ。

■ロジャー To:ALL
おぉ!!
こいつはかたじけない!いや、本当に嬉しいな。

そして幽霊のロジャーはジョッキを持ち、エールを一気にあおる。
幽霊が酒を飲めるのかって?
飲んだものは何処にいくかだって?
そういう野暮な事は聞きなさんな。
■バジル To:ロジャー
いい飲みっぷりだねぇ。

■ロジャー To:ALL
くうぅぅぅ〜!!
さすが銀の網亭のエールだぜ。この独特の苦みがたまらんな。

本当に感謝するよ。死んだ後にこんな上手い酒が飲めたからな。


エールを飲んだ事で魂が満たされたのか、ロジャーの体がだんだん薄く消えかけてきた。
■ルタード To:ロジャー
実は、わしらがここに再び戻ってきたのはほかでもなく、ロジャーどのたちをこの世の束縛から解き放ち、冥界へお送りしたいと思ってのことなのじゃ。
ロジャーどのたちが「そんなのはお断りだ」というのであれば、もちろん無理強いをするつもりはござらん。

■ロジャー To:ALL
それはありがたい!
是非、あの可哀相なヒルダとメリーナを助けてやってくれ。

■ルタード To:ロジャー
こちらこそありがたい。これでわしも胸のつかえが取れるというものじゃ。

ロジャーに軽く頭を下げる。
■ルタード To:ロジャー
それでは、始めるぞ。
いつのことになるかは分からんが、冥界で再会したときには、是非酒杯を酌み交わして談義でもしたいものじゃな。

■ロジャー To:ルタード
ははは、そうだな。その時はゆっくり飲み交わそうか。
だがあんたが来るのはずっと先にしてくれよ。
それじゅあ、世話になった,ありがとう!!

にこやかな笑みをロジャーに返すルタード。
そして、聖印を掲げると、静かに目を閉じる。
■ルタード
偉大なるブラキ神よ、大地の熱き息吹を司りし者よ
その寛い慈悲の御心をもて、かの亡者たちの魂を御許に!

ルタードの祈りにより、ロジャー達の周囲に光が現れ、そして包まれていく。
■ヒルダ
あぁ、暖かい光が・・・。

■メリーナ
見えるわ・・・私の行くべき場所。

ヒルダとメリーナはとても穏やかな表情になり、光と共にすーっと消え去っていった。
それを見届けたロジャーはにこりと笑うと、ルタード達の方に頭を下げ一礼し、そして光の中へと消えていく。
どうやら彼らは無事に、この世を去ったようだ。
■バジル To:ロジャー&メリーナ&ヒルダ
さよなら……

■シーアン
逝ったな・・・。

■ルタード
……ふう、どうやらうまくいったようじゃの。

魔法を使った疲労からか、ちょっとふらつく。
相当の集中力と精神力をつぎ込んだようだ。
■アイシャ To:ルタード
だ、だいじょうぶ?

■ルタード
ふふ、やはり修行が足りぬな。
戦士としての鍛錬にばかりかまけていたのじゃから、当然のことではあるが。

どうやら、何かをついに決心したようだ。
■ルタード To:みんな
実は、みんなに伝えたいことがある。
…………。
わしは、今回の仕事でいったん、冒険者稼業から足を洗うつもりじゃ。
シーアンどのはじめ、みんなには本当に世話になり、感謝の言葉もありませぬ。

みんなに向かって深く頭を下げた。
■バジル To:ルタード
いきなり、何を改まっているの?
え?え?足を洗う?な、何、急に言い出すのさ。

■シーアン To:ルタード
?!

■ポム To:ルタード
そんな、寂しくなっちゃうぜルタード!

■アイシャ To:ルタード
ルタード、いなくなっちゃうの?

■ルタード To:みんな
いや、別に突然今決めたわけではないのじゃよ。
そもそもわしは、神官戦士として実地で修行を積むつもりで、この冒険者という世界に飛び込んだ。
そこで、みんなのようなすばらしい仲間と出会い、本当にすばらしい時間を過ごせたと思う。果報者といっていいじゃろう。

■シーアン To:ルタード
おいおいおい、マジかよ(^^;

■ルタード To:みんな
ただ、修行という点でいえば、戦士としては充分な成果を修めることができたが、神官としては不充分といわざるをえん。アイシャどの並みにとはいわずとも、その足許にも及ばん現状では、やはり問題なしとはできぬのじゃ。
これは、少し前からずっとわし自身の中で気にかけていたことでの。

■バジル To:ルタード
そんな、ルタードはルタードだもの。
ルタードのやるべき事を立派に果たしていたよ。
今だって、立派に彼らを送り届けることが出来たじゃない!

■シーアン To:ルタード
バジルの言う通りだぜ。
あんたは神官としても立派だし、もちろん戦士としても一流。
俺は戦いのとき、あんたがいてくれた事でどんなに安心していられたか―――

■アイシャ To:ルタード
そうだよ〜。それに、アイシャ、そんなにすごくないもの。
今までのお仕事だって、ルタードがいてくれたから失敗しないでやってこれたの〜。

■ルタード To:みんな
ありがとう。わしのことを高く認めてくれるのは、本当にうれしいことじゃ。
じゃが、自分に足りないところを冷静に見極め、それを克服すべくこつこつと努力をすることは、ブラキ神に仕える者にとって半ば義務なのじゃよ。

両眼に強い意志の光が宿っている。
■ルタード To:みんな
というわけで、しばらくオランから離れて故郷に戻り、兄者の許で神官としてみっちり修行を積みたいと思うのじゃ。
あと、正直に申せば、かみさんのそばにも少しいてやらねばという気持ちもあっての。

照れ笑いを浮かべる(笑)。
■バジル To:ルタード
そっか……。奥さん寂しがってるかもしれないもんね……

■ポム To:ルタード
うにうに、確かルタード、結婚ても殆ど帰ってないもんな

■シーアン To:ルタード
う〜〜〜〜〜っ。
くそっ、ならしょうがねぇなぁ!

■ルタード To:みんな
急なわがままなんじゃが、許してもらえるかのう?

■バジル To:ルタード
許すとか許さないとかの問題じゃないじゃん。
ルタードはいつだってわが道を歩いていたじゃない。

■ルタード To:バジル
ははは、そうだったかも知れんのう(笑)。

■シーアン To:ルタード
寂しくなるけどよ、俺はルタードの意志を尊重するぜ。

■ルタード To:シーアン
ありがとうございます。
本当はもう少し早く言っておけばよかったのかも知れませんが。

■バジル To:ルタード
ルタードは離れていても大切な僕の仲間なんだから、何か困った事があったらすぐに連絡してよ。いい?

■ルタード To:バジル
そうじゃな、お言葉に甘えさせてもらうことにしよう。

■ポム To:バジル&ルタード
そうそう仲間なんだから
会いたくなったら会いに行くぜ
そん時は、奥さんの手料理頼むぜ
うんまかったな〜あれ

一度みんなで遊びに行った時の事を思い出している。
■ルタード To:ポム
では、そのときはポムどのが食い切れぬほどの料理で迎えるとしようか(笑)。

■アイシャ To:ルタード
ルタードが考えて決めたんだから、アイシャ、寂しいの我慢する…。
また会えるよね?アイシャ達のこと忘れちゃダメなんだから〜。

■ルタード To:アイシャ
忘れぬよ、そう、一生忘れることはあるまいて。
覚えてさえいれば、また会うこともきっとあるじゃろうさ。

■ルタード To:シーアン
それではそろそろ、オランに戻ることにしましょうか。
仕事の打ち上げまでは、是が非でもご一緒いたしますからな(笑)。


BACK INDEX NEXT

シナリオ編集:倉沢真琴 kushida@terra.dti.ne.jp