SW-PBM #070
人形屋敷の奥方

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■夜の森 
先程感じた視線の主、自分から遠ざかるように去って行こうとする音を追って、夜の森に踏み込んだアイシャ。
木々の間から差し込む月明かりのお陰で、足元の方は一応大丈夫だ。
だがハッキリ見通せるのは数メートル先位である。
それでも草むらをかき分ける音は確かに聞こえてくる。
ドンドン自分から、屋敷から遠ざかっているようだ。
■アイシャ
(屋敷からどんどん離れちゃう…。)

しばらくすると、ピタリと音が止まった。
この付近の草はアイシャの腰の辺りまで伸びている。
何処かに潜んでいるのだろうか?
■アイシャ
(あれ、音がしなくなっちゃったの。)

アイシャがもう1歩踏み出そうとすると、
■??? To:アイシャ
止まれ!
それ以上近づくと、その肉体を使い物にならないように破壊するぞ!!

突然、何処からともなく男の声が聞こえてきた。
■アイシャ To:???
うひゃあ!
近寄らないの。破壊しちゃダメなの。
(びっくりしたの、びっくりしたの、びっくりしたのー。)

アイシャは慌てて足を引っ込めた。
■アイシャ To:???
あ、あなたは、だぁれ?
門のところから、アイシャのこと見てたでしょう?

■??? To:アイシャ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

そう言う君は何者だ?
あの女では無いようだが・・・、いや!また私を騙そうとしているのだろ!?


姿の見えない相手はかなり警戒しているようだ。
■アイシャ To:???
またってどういうこと?アイシャ騙さないよぅ。マーファ様に誓うの〜。
(アイシャ、誰かと間違われてるのかな?)
えっと、アイシャのこと破壊しない?

■??? To:アイシャ
神官?君もか?
では何か神業を見せてくれないか。そうすれば信じられる。

■アイシャ To:???
ほんとー♪あなたも神官なのね〜。
えっと、でもどうしよう。
あ、そうだ。怪我とかしてるならば治してあげるよぅ?

■??? To:アイシャ
いや、怪我は一切無いので結構だ。
で、君はどの程度力が使えるんだい?

■アイシャ To:???
どの程度?
えぇっと、呪文の解除とか出来るよ〜。
(やった事ないけど…。)
マーファさまにお願いして聖なる光で照らすのはどう?
(ほんとは、むやみにマーファ様の手を煩わせてはいけないって、
 パパに言われてるんだけど・・・アイシャ、信用してもらいたいの。)

■??? To:アイシャ
ほぉ、それが事実だとすればかなり高位の司祭だな。
それで構わない、見せてくれ。

■アイシャ To:???
・・・じゃあ、ちょっと眩しいからね。
マーファさま、アイシャに力を貸してね。

ぺか〜☆
聖なる光が放たれる。高位司祭のアイシャにとっては造作の無い事だろう。
■アイシャ To:???
・・・見えた?

■??? To:アイシャ
なるほど、確かに君はあの女でないようだな。
疑ってすまなかった。こちらも抜き差しならぬ状況なんでね。

だが声の主はアイシャの前に姿を現してくれない。
■アイシャ To:???
アイシャはお屋敷で雇われてる冒険者なの。
あなたはだぁれ?
隠れてないで出てきてよぅ。

■??? To:アイシャ
ふむ、君は新しく雇われた冒険者なのか。これはチャンスか・・・。

いや、スマン。申し遅れたが私の名は・・。


そうこうしていると数メートル左手の小道の方で、チラチラと何かの明かりが見えた。
誰かが来たのだろうか?

ポムは森の入り口でサーラと別れる事になった後、急いで屋敷に向かっていた。
その途中、小道を少しはずれた草むらの方から、人の話し声が聞こえてきた。
男女の声のようだが・・・誰だ?
ポムは聞がこえてくる声の方へいく前に、立ち止まり聞き耳をたてる。
・・・・・・・・・・アイシャの声かな?男の方は聞き覚えが無い声だ。
そして一瞬、閃光が森の中を照らすのが見えた。
■ポム To:アイシャ
アイシャ?……と誰だ?

声の方に向かって歩く

ガサガサと草を踏み分けて、ランタンを手にした子供が小道の方から現れた。
ポムである。
■ポム To:アイシャ
アイシャ!ど…

■??? To:ポム
そこで止まれ!
何者だ?君は

姿は見えぬが男の声が聞こえてくる。
ポムもランタンの明かりで、ちゃんとアイシャを確認できたが男の姿が全く見えない。
この付近の草むらに潜んでいるのか?
■ポム To:???&アイシャ
あたしはポムだ。
ここにいるアイシャの冒険者仲間だ
そっちは誰だ?アイシャの知り合い?
声しか聞こえないんだけど…姿を見せて欲しいな
そっちはあたし達が見えるのに、あたし達は見えないときてる
あたし達も安心して話しがしたいんだけど……それってダメなのか?

■??? To:ポム
そうはいかない。こちらのお嬢さんが敵でない事は先程判明した。
だが君が敵かどうか別だ。例え知り合いでも、中身は別人かもしれないからな。

・・・・・・・・・・・・・・・・・ん?君はグラスランナーなのか?

■ポム To:???
そうだ、あたしはグラスランナーだ♪(えっへん)

■??? To:ポム
そうか、グラスランナーか・・。ならば大丈夫だな。
失礼した。

■アイシャ To:ポム
ポム〜♪
どうしてここにいるの?

■ポム To:アイシャ
今、オランから帰ってきたんだって(笑
それより……(きょろきょろ)
他のみんなはどうかしたのか?(そわそわ)
ここにシーアンがいないなんてだ!
……まさか、行方不明になってないよな?
急いで帰ってきたのに間に合わないってのはないぞ〜!(わたわた)

■アイシャ To:ポム
違うよ〜。アイシャ、ミュンと先に帰って来たの。
シーアン達はまだ森から戻ってないってエレから聞いて、アイシャ、シーアン達の帰りを門のところで待ってたの〜。
そしたら、その人が門から見てたのに気がついたんだけど、
話をしようと思ったら逃げちゃったから、後を追って来て、今、話してたんだよ〜。あ!
アイシャ何も言わないで出てきちゃったんだった。
ミュンやエレが心配してるかも。

■ポム To:アイシャ
そいつはよか…なんだって!ミュンが一人〜ぃ!!
それって危険かも……

落ち着きなく右足をパタパタさせている。
■アイシャ To:ポム
え!

■ポム To:アイシャ
聞いてくれアイシャ
あたし達の前に雇われた冒険者…行方不明になってるんだ
更に!
カテリーナの友人だった神官も尋ねて来て行方不明になってるんだ!
絶対変だって思うだろ?あたしも思ったぜ
だからあたしは急いで帰ってきたんだ。何かある前にシーアン達に知らせなきゃって

■アイシャ To:ポム
行方不明・・・?

■??? To:ポム
ふむ、その友人というのは私の事かもしれないな。

ポムは小首を傾げて、男の言った事を頭の中で反芻中
■ポム To:???
……ホーク?

■ホーク To:ポム、アイシャ
あぁ、そうだ。
申し遅れたが私はホーク、ファリス神に仕える者だ。

■アイシャ To:ホーク
お友達なのに、どうして門のところで隠れてたの?
何か知ってるなら教えて欲しいの〜。

■ホーク To:アイシャ、ポム
それには色々と事情があってな・・・。
論より証拠、今から君達に私の姿を見せていいかい?
私を見ればこれから話す事も信じるだろうが、腰を抜かさないで欲しいんだ。

■ポム To:ホーク
わかった、驚くかも知れないけど腰は抜かさないぜ
あたしは何時でもOKだ

じっと声の方を見て待つ。

■アイシャ To:ホーク
う、うん。アイシャも良いよ(ごくっ)

しばらくすると草をカサカサとかき分けながら、何かが二人に近づいてくる。
そして二人が見たものは?

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シナリオ編集:倉沢真琴 kushida@terra.dti.ne.jp