SW-PBM #070
人形屋敷の奥方

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■見回り 
夕食後のお茶が終わった後、一通りの戸締まりと確認を行った一行は夜の見回りを順番に行う事となった。
見まわり組み合わせと順番は以下の通り
−−−−−
1:シーアン&アイシャ
2:ルタード&バジル
3:ミュン&ポム
−−−−−
午後9時から午前6時までの間を三時間交代で、屋敷内とその周囲の巡回行うのである。

ちなみに部屋割りは以下のようになった。
−−−−−
・ミュン&ルタード:一階客室(MAP12)
・バジル&シーアン:一階客室(MAP13)
・ポム&アイシャ:二階客室(MAP23)
−−−−−
見回りの1番手はシーアンとアイシャである。

時間帯は午後9時から午前0時までの三時間。
11月の頭とはいえ、さすがに夜は寒い。
特に屋外は冷たい風が吹き、歩く二人の身を包む。

■アイシャ
さ、さむ〜〜い。マント着てくれば良かったの〜。
明日の見回りの時は絶対マント着てくる〜〜。

■シーアン To:アイシャ
唇が青いぜ(^^;
とりえず俺のをはおってな。

いつもなら「俺が暖めてやるぜ」とか言うところだが、流石に仕事中である。
シーアンは自分のマントをアイシャにかけると、見回りを続けた。
■アイシャ To:シーアン
あ、ありがとう(にこっ)
シーアン、寒くないの?返して欲しくなったら言ってね。
(シーアンって優しいの〜)

屋外の見回りは特に何も無かった。

屋敷内一階応接間(MAP2)にて、南の窓の付近で月影に照らされる小さな影にアイシャは気が付いた。
■アイシャ To:シーアン
…!
シーアン、あそこ、何か動いたの!

■シーアン To:アイシャ
えっ!どこだ、どこ?

思わず剣の束に手が伸びる。
アイシャが”じぃー”っと見つめたまま影の方を指差している。
窓の外で動く影は・・・。

猫?

外から窓を一生懸命に開けようとしていたのは、黒猫のレオンであった。
どうやら外に出ている間に戸締まりをした為、締め出されていたらしい。
■アイシャ
・・・あ、レオンだー♪黒いから分からなかったよぅ^^;
今開けてあげるから待っててね。

■シーアン To:レオン
なんだ、猫か。
締め出されちまうとは、お前もまぬけだなぁ。

アイシャは窓を開けて、レオンを抱こうとした。

本来なら人見知りするタイプらしいが、今回はやけに大人しくアイシャに抱きかかえられる。
抱きかかえたレオンの体は、長時間寒い外にいた為か、すっかり冷え切っていた。
つまりそういう気も失せるほど、外で寒い思いをしたのだろう。
■アイシャ To:レオン
だいじょぶ?寒かったでしょう(なでなで)
あ、でもレオンを抱っこしてるとあったか〜い♪
アイシャ達と一緒に見回りしようねぇ(なでなで)

レオンはアイシャの腕の中に大人しくし、「ごろごろ」と咽を鳴らしている。
■シーアン
(ふぅん・・・。なんかひっかかるけど、
・・・ま、いっか)

そして二人は窓の戸締りを確認して、その場を離れた。
■アイシャ To:シーアン
そろそろ交代の時間だね〜。アイシャ、ルタードを起こすの〜。
シーアンは、お部屋に戻るついでにバジルを起こしてね。

■シーアン To:アイシャ
あいよ。ゆっくり寝ろよ。

そっと”おやすみのキス”をして、部屋に戻ろうとする。
■アイシャ To:シーアン
あ、シーアン。

アイシャは部屋に戻ろうとするシーアンを呼び止め
■アイシャ To:シーアン
えっと、あの…戻って来てくれてありがとうなの。
またシーアンと一緒にいれて、アイシャとっても嬉しいの(てれてれ)
えっと、あの、呼び止めてごめんね。あ、明日も頑張ろうね。
それじゃ、おやすみなさいなの〜。

■シーアン To:アイシャ
アイシャ!
この冒険が終わったら一緒にならないか?
そ、そしたら、ずっと嬉しいのが続くぞっ。
お、俺もアイシャと一緒が幸せなんだ。

てれながら言うアイシャがとても可愛くて、とうとうシーアンは口に出してしまった。
■アイシャ To:シーアン
え?あの・・・、

■シーアン To:アイシャ
か、考えといてくれよなっ

シーアンは赤面しつつ、逃げるように(?)部屋に飛び込んだ。
■アイシャ To:レオン
シーアン、早口で早足だったの〜(なでなで)
…冒険が終わったら一緒にだって(にこっ)
レオンだったらどうする?アイシャはねぇ・・・公園でお散歩したいな〜。
あ、でもちょっと寒いかな〜。あ、寒いで思い出した。
マント返すの忘れちゃった^^;
あ、ルタードを起こすんだった〜(マントは明日返そうっと)。

そういうアイシャもいつになく早口でレオンに話かけていたが、
ふと我にかえると、ルタードを起こして見回りの報告を済ませ部屋に戻っていった。
レオンも大人しく部屋まで一緒に帰って来ると、さっさと自分でクローゼットを開けてその中に入ってしまった。
■シーアン To:
(やっべぇ・・・まだドキドキしてやがる。
あああ、とうとう言っちまった。明日からどんな顔して会えばいーんだ?!)

そして顔がほてってないか確認してから、バジルを起こす。
■バジル To:シーアン
ん……あ……?あ、おはよー

■シーアン To:バジル
おい、バジル。交代の時間だぜ。
俺とア、アイシャが見回った時は特に何もなかった。
強いて言えば、黒猫・・・レオンが外に取り残されてて、それを入れてあげたぐらいかな。
一階応接間(MAP2)の、南の窓の外にいたんだ。
じゃ、後は頼んだぜ。俺は寝るっ!

シーアンは壁にもたれかかり、毛布を深くかぶり、顔を見られないようにして寝についた。
■バジル To:シーアン
どうしたんだろう?シーアンなんだか顔が赤くなってたけど……
きっと外がものすごく寒いんだな。毛布持ってこうっと。

【見回り2番手】
見回りの2番手はバジルとルタードである。

時間帯は午前0時から午前3時までの三時間。
バジルは寒さに備えて毛布を肩に掛けている。
この場合は正解と言うべきだろう。
先程まで休んでいたベッドが恋しくなる程に、外は寒い・・・。

■バジル To:ルタード
やっぱりお屋敷の外は風が冷たいから、寒いねぇ…
今の所、不審な人影とかは見当たらないね。
そろそろ館の中へ戻ろう。

■ルタード To:バジル
そうじゃなあ、特に怪しい様子はないようだし、戻るとしようか。
それにしても、バジルどの、見るからに寒そうじゃのう(笑)。
まあ、わしらドワーフが暑さ寒さに強すぎるのかも知れんけども。

■バジル To:ルタード
あきらかに付いてるお肉(筋肉)の量が違うもん
まぁそれを差し引いても僕は寒がりな方かもしれないけど。

■ルタード To:バジル
体質はひとそれぞれじゃからな。
あとは、地下の墓所の様子も見ておかねばならんの。

■バジル To:ルタード
あ、ああ、地下墓地も見に行かなくちゃいけなかったね。
今って一番、行きたくない時間帯だよねぇ…

■ルタード To:バジル
端くれとはいえ、神官がついとるんだから、大丈夫じゃよ(笑)。

■バジル To:ルタード
ふぅ…そうだね。

屋敷の周囲を一通り見回ると、二人は地下墓地も念の為に立ち寄った。

特に夕方調べた時と変わった様子は見られない。
その場を立ち去ろうとした時、”カリカリ”と微かに何かを引っかくような音がバジルには聞こえた気がした。
背後にある扉の向こう側?

■バジル To:ルタード
ちょっと待って。なんか、音が…聞こえない?

■ルタード To:バジル
え、気のせいではないかの?

ルタードには何も聞こえないようだ。
■バジル To:ルタード
いや、確かに扉をひっかく音が聞こえるよ!
扉の向こうから、ほら、よく耳を澄ませて。

■ルタード To:バジル
そうか、耳の良さでは、バジルどのたちエルフ族には到底及ばんからな。バジルどのの感覚のほうがきっと正しいじゃろう。
扉、開かんかな?

ルタードはノブに手をかけ、扉を開けようと試みる。

だが扉は堅く閉ざされている。

■バジル To:ルタード
やっぱり開かない?

■ルタード To:バジル
う〜ん、ダメじゃ。
気にはなるが、どうしようもないのう、これは。

屋内の見回りは特に何も無かった。
■バジル To:ルタード
ポム達を起こしてそろそろ交代しよう。

■ルタード To:バジル
では、わしは同室のミュンどのを起こすので、バジルどのはポムどののほうを頼む。
……日頃の朝の仕返しとか考えちゃ、ダメじゃぞ(笑)。

■バジル To:ルタード
そんな事しないよ(笑)。
やっても面白い寝言の一つ二つ拾ってネタにする位のものだよ。

交代の際、ルタードはミュンに地下墓地の例の扉の向こうから、”カリカリ”と何かをひっかくような音がかすかに聞こえたことを報告した。
【見回り3番手】
見回りの3番手はポムとミュンである。

時間帯は午前3時から午前6時までの三時間。
心地よく暖かい楽園から、耳に当る風がとても痛い極寒の世界(かなり誇張気味)へ踏み込んだ二人。
予定では、後6日間はこのような体験をしなければならないのである・・・。

■ポム To:ミュン
なんかもう少し夢の中にいたかったかも…
寒さも吹き飛ぶようなモン見付かんないかな

屋敷周囲の見回りを終えると、地下墓地に向かった。

夕方調べた時と何ら変わった様子は無いようだ。
二人がその場を立ち去ろうとした時、ミュンの耳に何かを引っかく音が聞こえた気がした。
ミュンが振り向くと、当然そこにあるのは厚い鉄製の両開き扉である。

■ポム To:ミュン
どうしたんだ?

突然振り向いたミュンの視線の先を見る
■ポム To:ミュン
扉に声をかけてみるか?

ポムは扉に耳を当て、様子を伺う。

しかし何も聞こえてこない。

■ポム To:扉の中
おおぃ!誰かいるのか?

と扉の向こうに声をかけながら、ポムは墓地の扉を開こうとしてみた。

・・・・やはり開かない。夕方の時と同じく錠前は下りていないのだが、扉は何らかの力で閉ざされているようだ。
そしてポムの呼びかけに対し、扉の向こうからは何の反応も返ってこない。

■ポム To:ミュン
とりあえず誰もいないみたいだぜ
ここにいてもかわんないだろうし…
次行こうぜミュン

ミュンの背を押して地上に向かう階段を上がった。
屋内の見回りは特に何も無かった。
【シーアンとバジルの部屋】
ポムとミュンが見回りを行っている頃・・・・。

”パタパタ”
・・・・・・・・・・。

(MAP13の部屋)就寝中のバジルとシーアンの耳に、変な物音が聞こえた気がする。
■バジル To:シーアン
……!!
今、なんか変な音しなかった?

■シーアン To:バジル
した!俺にも聞こえたぞ。

”パタパタパタ”
・・・・・・・・・・・・・・・・・。
また音がした。?ネズミか何かが天井裏を走っているのだろうか?
■バジル To:シーアン
ほら!また、何かが天井裏走ってる音みたいな音!
鼠…にしてはちょっと違うような感じだけど…

■シーアン To:バジル
鼠じゃなかったら・・・猫?
レオンかサーラじゃねぇのか?

バジルの聞いた感じでは、ネズミとは思えなかった。
またネコにしては足音が軽すぎでは無いだろうか?
■バジル To:シーアン
猫とも違うよ。ほら、よく耳をすまして!

バジルは長い耳をぴく、と揺らす。
■シーアン To:バジル
・・・いや、待てよ、この音・・・。
布が擦れるような音も聞こえないか?

よしっ、確認しに行くぞっ!

■バジル To:シーアン
うん!

シーアンとバジルは部屋を出て、夜明け前の暗い屋敷内をランタンの明かりで照らしながら、真上の部屋(MAP21)に足早に向かう。
【二階客室】
■バジル To:シーアン
どの辺りが僕等の部屋の真上かな……

■シーアン To:バジル
下と作りはほぼ一緒だよな。
なら壁側から数えてっと・・・。

・・・ここか?


シーアン達が休んでいた部屋の真上に位置する部屋の扉を開けようと、鍵束から鍵を一つ一つ試していく。
六つ目の鍵で”カチャリ”と錠前は下りた。
先程の妙な音はもう聞こえないが・・・。
■バジル To:
う……臭い……

入った瞬間から独特のカビ臭い匂いが鼻につく。
部屋の中は使われない家具等が置かれて、半ば物置となっていた。
おっと!足元に気を付けないと入った直の所に設置されたトリモチを踏んづけてしまいそうだ。
■バジル To:シーアン
どう?

ざっと部屋の中を明かりで照らす。
家具や床の上にはうっすらと埃が積っている。
ぱっと見た感じ、別に人影や怪しそうなものは見当たらない。
■バジル To:シーアン
特に、怪しいものは居ないみたいだけど……
でも、さっきは確かに何かが居る音を聞いたよね。

■シーアン To:バジル
ああ、何かが移動してたな、ありゃ。
ちょっと床を見てみよう。足元照らしてくれ。

少し遅れて、(シーアンとバジルの)物音とランタンの明かりに気づいたポムとミュンがやって来た。
■ポム To:シーアン
あれ?シーアン?…バジル?

開いた扉のところからポムが覗っている。
その後ろにはランタンを持ったミュンが…
■ポム To:シーアン&バジル
どうしたんだ?何かあったのか?

とことことポムが入ってきた。
後手に持っていたボーラをこっそり仕舞う(笑
どうやら侵入者を警戒したらしい。
特に怪しい気配も無いので、部屋へと一歩踏み込んだところ。
”ベチャ”・・・・トリモチを踏んづけてしまった・・。
■ポム To:ミュン
う…………。
ここにトリモチがある。気を付けろ。

後ろを振り返って、教えてみたりする(笑
■バジル To:ポム
寝てたらこの部屋を何かが通る様な音がしたんだ。

■ポム To:バジル
へ〜あたし達には聞こえなかったぜ
気が付くなんて凄いやバジル♪
…この!このっ取れろっ

感心してバジルに笑顔を向けるが心なしか引き攣っている。
足元ではトリモチを剥がす作業を続行中……、”ニュ〜ペリペリペリ”…………やっと取れたらしい。
シーアンはじっと耳をそば立てる。

・・・が特に何も聞こえてこない。
そして部屋の中を調べていると、一部の家具や床に積もる埃の上に、無数の小さな足跡らしきものを見つけた。

■シーアン To:みんな
おっ、足跡発見!
・・・・・・・・・(あれ?)
すまねぇ、どっから始まってどこで終わってるのか、俺にはわかんねぇや(^^;

シーアンはその足跡を辿るが、途中で訳が分からなくなってしまった。
少なくとも扉付近には足跡は無いのだが・・・一体何処へ?

しかしこの足跡、よく見ると・・ネズミ?・・・・にしては大きすぎる。大きさから言ってネコに近いか?
にしても、指の跡が無いような気が・・・。

■ポム To:シーアン
どれだ♪どれだ♪

その様子を見ていたポムも一緒に調べるが、足跡についてはシーアンと同様、家具と家具の間で分からなくなってしまった。
その代わり奥にある家具(タンス)と壁の隙間に、何かが挟まっている事に気づく。
■ポム To:シーアン&みんな
足跡はわかんないけど……
ここ、何か挟まってるぜ

挟まっているものを取ろうとじたばたしている。

結構・・奥の方・にあるなぁ〜、・・・ちょっとポムには無理か?
っと!やれやれ、何とか取れたようだぞ。

こ、これは・・・弓を持ったエルフの人形
蜘蛛の巣が絡み、埃のせいでえらく汚れてはいるがカテリーナの言っていた人形に違いない。

■ポム To:みんな
これって、無くなったって言ってたあれだよな?
なんでこんなとこに?

■シーアン To:みんな
 ・・・普通に考えたら猫の悪戯だよな。
人形が勝手に動くわけ―――
”普通なら”ねぇもんな(^^;

 明日、この部屋はもう一度調査が必要そうだな。
他にないなら休もうぜ。


■ポム 
普通なぁ〜
(人形が動く?………ちょっと面白いかも♪)

部屋に戻る二人に
■ポム To:シーアン&バジル
おやすみ♪
朝寝坊に気を付けろバジル〜(笑


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シナリオ編集:倉沢真琴 kushida@terra.dti.ne.jp