SW-PBM #070 人形屋敷の奥方 |
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■【オズマルガン邸/玄関前】 |
オランの郊外(徒歩で半日)にあるアースウィンドの森。
この森の奥にある屋敷が『人形屋敷の奥方』と呼ばれるカテリーナ・オズマルガンの現在住んでいる場所らしい。
昼間でも森の木々はうっそうと覆い茂っている為か少しばかり暗いが、ちゃんと鳥達の囀りや虫の音色は聞こえてくる。
ここは生命の息吹を感じる森と言えるだろう。
しばらくの間、森の中の小道を進むと目的の屋敷が見えてきた。
屋敷の外観は少々古めかしいが、優美な二階建てであった。
ただ手入れが行き届いていない為か、風雨に晒された外壁は所々が痛み、また蔦などに侵食している。
そして周囲の森の暗い雰囲気と相まって、館の優美さよりも何処か不気味な印象を抱かずにはいられなかった。
■ポム To:みんな |
人……住んでるよな?(^^; |
■ミュン To:ポム&みんな |
そうですね。またアンデットがいそうな雰囲気ですね^^; |
■シーアン To:ミュン |
そうかぁ〜? |
館の不気味な雰囲気に他の者は不安を感じているようだが、シーアンは全くそうは思わないらしい。
■アイシャ To:ミュン |
いや〜ん |
■ルタード To:ミュン |
「二度出るネズミは三度出る」とも言うしの。 |
■バジル To:ルタード |
今度どこかで御払いでもしてもらおうかしらん |
ミュンがセンスオーラで辺りの精霊力を調べる。
別に特別な精霊力は感じられない。通常の精霊力しか働いてないようだ。
そしてミュンはセンスオーラの際、館近くの草むらの影に潜んでいるものに気が付いた。
・・・・・小さな黒いもの?
■ミュン To:バジル&ポム&みんな(エルフ語&小声) |
!。 気をつけて。あの建物の近くの草むらに、なにか小さな黒いものが潜んでるようです。 |
■シーアン To:ミュン |
あん?なんだって? |
■アイシャ |
ほぇ? |
エルフ語で言われても、何がナンだかさっぱりわからず。
■ポム To:ミュン(エルフ語&小声) |
なんですって?本当ですか |
■バジル To:ミュン |
(小声で) えっ!どこどこ? |
ポムは前方を見たまま影で、ちょんちょんとルタードを突ついた。
■ポム To:ルタード(ドワーフ語&小声) |
あの建物近くの草影に、何ぞ小さなモノが潜んでいるらしいのう |
■ルタード To:ポム(ドワーフ語) |
はて、どこじゃろう? |
ドワーフ語で返事をするも、これは純粋にポムへのサービスのようだ。
■シーアン To:アイシャ(西方語) |
なんか仲間はずれみたいで嫌なの〜。 シーアン達にもわかる言葉で話して欲しいよねぇ〜? |
エルフ語、ドワーフ語はわからないので、彼らに張り合って覚えたばかりの西方語で話しかける。
もちろん、シーアンの西方語の先生はアイシャである。
■アイシャ To:シーアン(西方語) |
ホントなの〜。 それよりシーアンてば、西方語が上手になったねぇ(^^) |
西方語と言うより、アイシャ語では・・・。
■シーアン To:アイシャ |
(西方語) えへへ、ありがと。アイシャのおかげなの〜♪ |
■ポム To:シーアン |
! シーアン……(ぷぷっ)アイシャに習ったのか?(うぷぷ) |
ポムは笑いをこらえながら、シーアンに聞いてみる。
ちなみにドングリの背比べなのは知らない。。
■シーアン To:ポム(西方語) |
ポムも西方語出来るんだね〜。 そうなの、アイシャに習ったの。 これでいつでもアイシャの両親に挨拶出来るの〜(^^) |
■ポム To:シーアン |
……挨拶?(ぱちくり) ………………!(ポン) 上手いぞシーアン。まったく、ソックリだぜ〜(にんまり) |
果たしてこのような挨拶が通じるのか?
それはまた後の話と言う事で・・・。
■ルタード To:みんな(共通語) |
のう、仲間内でお互い話が通じないというのはどうかと思うけども?(笑) とりあえず、必要ないなら共通語でしゃべらんか? |
■バジル To:ルタード |
あはは、それもそーだよね(笑) |
■シーアン To:ルタード |
だな(笑)。 で、何かあったのか? |
一行が草むらに潜むものを前にして、コソコソ話をしていると、突然それは草むらから飛び出し、左手の方(西)へ”サーッ”っとつむじ風のように駆けて行った。
そしてそのまま角を右に曲り、館の影に隠れて見えなくなる。
駆けて行くその後ろ姿は『黒い猫』であった。
どうやら猫が潜んでいたらしい。
■ルタード To:ミュン |
猫……じゃな、あれは。 |
■ミュン To:みんな |
猫……ですね^^;。 |
■バジル To:ミュン&ルタード |
うん。 |
■ポム To:みんな |
ここの家の猫かな |
■シーアン To:みんな |
野良猫が森にいるって考えにくいもんな |
■ミュン To:みんな |
だれかの使い魔かもしれませんよ。 |
■ルタード To:ミュン |
えっ、そうだとすると、黙って逃がしては厄介なのでは? |
■バジル To:ルタード |
そんな事言っても、もうどっか行っちゃったし。 |
■アイシャ |
行っちゃったねぇ。 |
■ポム To:アイシャ |
行っちゃったな (魔法使いがいるかもってヤツか?) |
■ルタード To:みんな |
ま、行ってしまったものは仕方がないか。 ここでこうして突っ立っていても、始まらんじゃろ。 ともかくも、屋敷を訪ねてみよう。 |
■ポム To:ルタード&みんな |
うに、何が待ってるかわかんないけど 行ってみようぜ♪ |
玄関の前まで歩いていく一行。
ちなみにポムはバジルの後ろに隠れ様子を見つつ行く。
グラスランナーな自分がやっぱり気になってはいるらしい。
■バジル To:ポム |
どうしたの?そんな後ろに隠れてるみたいに。 |
■ポム To:バジル |
だ、だって……うにに〜(かぁ〜////) 何でもない!ここにいたいからいるんだって……ほんとだぞ!(わたわた) |
「ぐららんな自分が気になる」なんて理由を口にするのが、何か悔しいやら恥しいやらで、言えないぞ〜と赤くなっているらしい。
そしてちょっとパニクッて、空回り〜。(笑)
■バジル To:ポム |
そうか。じゃぁ、狭い所ですが、どうぞ(笑) |
そう言って、バジルは背中でポムを隠す。
■ポム To:バジル |
…うん。どうも |
■ルタード To:館の誰か |
もしもし、どなたかいらっしゃいますかな? わしらは、オランの街から参った者ですが。 |
待ってる間に、きょろきょろと辺りを見回すアイシャ。
■アイシャ |
(さっきのネコさん、いないかな〜。きょろきょろ) |
暫くすると、両開きの玄関の扉が少し開き、中から女性が顔を覗かせた。
年の頃は二十代後半か?その服装から察するにメイドらしい。
よく手入れがされているのか、ふんわりとした綺麗な赤毛から良い香りがする。
■メイド To:ALL |
どちら様ですか? こちらに何の御用でしょうか? |
■シーアン To:メイド |
カテリーナ・オズマルガンさんの屋敷はここだよな? 俺達、銀の網亭から来た冒険者なんだけど・・・。 奥様いるかい? |
■メイド To:ALL |
お頼みしていた冒険者の方ですね。 どうぞ、中へお入り下さい。 |
そう言うと彼女は一行を屋敷内に入れてくれた。(MAP1:玄関ホール)
左手と正面に両開きの扉があり、二階へ上がる階段は左右の壁沿いにある。
そして左手にある大きめの部屋に案内された。(MAP2:応接室)
部屋の中央には低めの長方形のテーブルがある。
そしてそれを囲むように、大人三人がゆったりと座れそうな豪華なソファーが1つと、一人用の肘掛け付きの椅子が5つある。
他にも高価そうな花瓶や絵画等、立派な調度品が置かれていた。
だが掃除がちょっと行き届いていないのか、猫の毛があちこちに付着している。
それに花瓶には花もさされていないので、何だか寂しい感じがする。
ちなみに部屋には既に先客がいるようである。
ソファーの上には白い奴が、思いっきり伸びて気持ち良さそうに寝ている。
また猫?
■メイド To:ALL |
お茶をお持ちしますので、くつろいでお待ち下さい。 奥様はお休みになられていますが、後でお呼びしてまいりますので。 |
そう言うと、彼女はそそくさと北側の扉から出て行った。
■ルタード To:シーアン |
なかなかに豪華な応接間ですのう。 屋敷の他の場所もこのような具合だとすると、相当な資産家か何かと見受けられますな。 |
■シーアン To:ルタード |
ああ、すげえな。 でも、広ければ広いほど、なんか・・・ 寂しいよな。 (メイドと2人で住むには広すぎるぜ) |
■ルタード To:シーアン |
ですな。貧乏性なのかも知れませんが(笑)、わしもそう思いますわ。 |
ルタードはソファーには座らず、うろうろと調度品を眺め歩いている。
部屋に置かれている品々は、どれも価値のありそうな物ばかりのようだ。
■アイシャ |
あ〜ネコさんがいるよ。かわいいの〜♪ さっきのクロちゃんはどこだろ〜。 |
白い猫は我がもの顔でソファーを占拠して、気持ち良さそうに寝ている。
毛がふわふわしてとても柔らかそうだ。
■ポム To:アイシャ |
そうだな〜 |
と外で見かけた黒猫を探しながら、部屋を目でチェック〜
■バジル To:ポム |
この白い猫はこの家の飼い猫かなぁ |
■シーアン To: |
夫を亡くした寂しさを、ペットで埋めようってのかね? |
五分位して、メイドが先程の扉を肩で開けながら、部屋に入ってきた。
どうやら両手でトレイを持っている為に、そうせざる得なかったらしい。
そしてテーブルの上に、六人分のお茶とプリンを並べる。
湯気の上がるお茶からは、とても良い香りが漂う。
この香りはラヴェンダーかな?
どうやらこのお茶はハーブティーらしい。
■メイド To:ALL |
どうぞお召し上がり下さい。 奥様は降りてこられるのに、もう少し時間が掛かるようですので・・。 |
■シーアン To:メイド |
こりゃどうも。 |
■バジル To:メイド |
わぁ、おいしそう〜♪ |
言い終わる前に、彼女は同じ扉から出て行った。
部屋に残された一行をラヴェンダーの香りが包む。
なんだか気分が落ち着きそうな感じだ。
■アイシャ |
あ、行っちゃった。 |
アイシャはメイドさんが閉めた扉を開けて、廊下を覗き込む。
丁度、廊下を挿んだ正面の扉が”パタン”と閉められた所だった。
■アイシャ |
あや?もういないの。ありがとうって言おうと思ったのにな〜。 きっと忙しいのねぇ。 |
そう呟いていると、視界の隅で黒いものが走った。
そちらに目をやると、廊下の右手奥へ走っていく黒猫が見えた。
どうやら先程外で見かけた黒猫みたいだ。
廊下曲がり角の辺りで立ち止まり、こちらを見ている。
アイシャが扉を開けたのに驚いたのかもしれない。
■アイシャ To:黒猫 |
あ、クロちゃんだ♪ こっちにシロちゃんもいるよ。クロちゃんも来る? プリンもあるよ〜。 |
猫に話しかけるアイシャ。^^;
一方、黒猫は曲がり角からアイシャの様子を伺っている。
■アイシャ To:黒猫 |
あや?おいで、おいで〜。 恐くないよ〜。 |
しゃがんで黒猫を手招きしている。が、猫はアイシャの様子をじーっと伺っているだけで、こっちに来てくれそうには無い。
■シーアン To:みんな |
不気味な屋敷だとか言ってたけど、普通じゃねぇか? |
と言ってお茶に手を伸ばす。
■シーアン To: |
(とか言って・・・眠り薬とか入ってたりしてな。 ・・・・・・ ははは、んなワケねーか。) |
口元に持っていき、匂いを嗅いだ後、一口すする。
香りもさる事ながら、味もなかなかのものだ。
GMメモ:ラヴェンダーの沈静効果は不眠症にも効きます。
車の運転をする前には、飲まない方が良いかもしれませんね。
■ポム To:シーアン |
外から見た感じがそうだったんだって |
そう言いながらプリンに手を伸ばし、一口ぱくり。
ん?かぼちゃ?
程よい甘さがかぼちゃの風味を損なわず、口の中いっぱいにかぼちゃの味が広がる。
どうやらパンプキンプリンのようだ。
これはなかなかの美味、作った人の腕前が伺える。
■ルタード To:シーアン&ポム |
二人とも、いきなり手をつけましたな(笑)。 少しは遠慮してみせるのも、礼儀作法のうちですぞ。 友人の家に遊びに来たわけじゃないのですからの。 |
めずらしく小言を言うルタード。
■ルタード To:みんな |
……何か盛られていないかくらいは気をつけないと。 |
■シーアン To:ルタード |
悪かったよ(^^; |
その考えがよぎったにも関わらず、口をつけてしまったので、返す言葉が無い。
照れ隠しか、肩をすくめて見せる。
■ポム To:ルタード |
出されたモノは食べる♪ってのも礼儀だって思うぜ(にやり) あたしとシーアンでもてなしに応えたって訳だ♪ |
■シーアン To:ポム |
俺は皆の為を思って”毒見役”を買って出たんだぞ。 (お前と一緒の)いやしんぼじゃないぞ。 |
動揺してるのか、シーアンの口調はいつもと違って少し変だ。
■ポム To:シーアン |
むぅ、あたしがいやしんぼって事か? |
この場面で言われるのはちょっと心外らしい(^^;
■ルタード To:シーアン&ポム |
まあまあ、わしも食べるのがいけないとか、いやしいとか言ってるわけじゃないですから。 すぐには手を出さずに控えめにしてみせるのが、相手の心証を良くしたり、ときには自分の身を守ることにつながったりすると言いたかっただけで。 |
■バジル To:ルタード |
これ、すごいおいしいよ! ルタードも食べてごらんよ。シーアンが作るお菓子といい勝負だね。 |
■シーアン To: |
(むっ?それは是非、勉強の為に食わねーと) |
■ルタード To:バジル |
では、わしもいただこうかな。 独りで遠慮していても仕方がないからのう。 |
その頃アイシャは…。
■アイシャ To:黒猫 |
ん〜、やっぱり来てくれないですか? 残念だけど、アイシャは、お仕事をしに来たので、そろそろ行かなくちゃですの〜。 クロちゃんとは、また今度遊ぶです〜。 ばいば〜い(^^)/ |
アイシャは黒猫を呼ぶのを諦め、扉を閉めて中に戻った。
一行がお茶を飲んだり、プリンをつっついていると、もぞもぞとソファーを占拠していたものが、一度大きく伸びた後にムクリを起き上がる。
それから口をこれでもかという位大きく空けて、あくびを一つ。
この白猫は人見知りをしないのか、寝ている間に部屋に訪れた一行に全く動じる様子も無く、ソファーから飛び降りると、ポムの足元へと寄って行く。
そして”ごろごろ”と咽を鳴らしながら、頭を摩り付ける。
■ポム To:白猫 |
に?なんだ?なんだ? あたしと遊びたいのか? |
ポムは両手で猫を持ち上げると膝に乗せ、ノドを撫でてつつ、笑顔で目を覗き込む。
白猫はノドを撫でられて気持ち良いのか、”ごろごろ”とノドを鳴らしながらもっと撫でてと言わんばかりに、頭を上げてノドをさし出す。
■アイシャTo:ポム&白猫 |
かわいい〜♪ |
それからポムは小首を傾げて
■ポム To:白猫 |
白くてふわふわだな♪名前なんて言うんだろ? あたしはポムって言うんだ♪よろしくな♪あ、そうだ一緒にプリン食べるか? |
食べかけのプリンから一匙すくって、猫の鼻先に近づける。
すると遠慮無しに”パク”っと食いついてきた。
その一口で食べ終えると「ありがとう〜」という意味なのか、「もっと頂戴〜」なのか、ポムに向かって”にゃぁ〜”と鳴く。
■ポム To:白猫 |
そうか〜♪おまえも美味いか♪ ほら、もう一口♪ |
こうして一人(?)と一匹は一緒に残りのプリンを平らげた(笑)
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