SW-PBeM Scenario #65

7章 あっちっち
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チャダイ村  村外れの空き家

 フィリスとキャンドルは、空き家で情報提供者を待つことにした。
 少しは手入れをされていたため、多少埃っぽいことを除けば快適と言える室内だったが、 しーんと静まり返った屋内には何か嫌な圧迫感を感じる。
 フィリスには、村人の無言の敵意と感じられるかも知れない。
■ フィリス To:キャンドルさん
なんか…誰も来ないですね。
…し、静かすぎるのも、ちょっと怖いですよね。

■ キャンドル To:フィリス
まあ、いきなり信じて貰えるとは思ってなかったし、
そうすると、情報提供者は、来てね、って言ったって、そうそう来るものでも無いのかもしれないわよね。

フィリスは気にしすぎよ、ただのお留守番だと思って、のんびり待ちましょ(微笑)

 そんなフィリスの声に応えたわけではないだろうが、フィリス達は、ふと扉の向こうに人の気配を感じた。
 入るべきか、やめるべきか、決断を迷っている風にうろうろとしているようだ。
■ フィリス To:扉の向こう

……えと……あのぅ、何か御用でしょうか?

 ちょっとだけ扉を開けて、こわごわ外をうかがうと、そこには一人の青年が立っていた。
 突然内側から開いたドアによほど驚いたのか、悲鳴を上げそうになったのを必死にこらえているらしい。
■ アレックス To:フィリス
え、ええと……ちょっとお話ししたいことが……。

 何とか声を絞り出した青年に、フィリスの後ろからひょいっと顔を出して、手を差し出しながら、
■ キャンドル To:アレックス
いらっしゃい、私はキャンドルよ。
あなたのお名前は?

■ アレックス To:キャンドル
アレックスと言います。
実は……先程のエルフの村の話なんですが……あなた達にはエルフのお仲間もいるようですし……。

■ キャンドル To:アレックス
ええ、何でも良いからお話聞かせて欲しいわ。
ここで聞いた事は、私達の中以外では、口外しない、秘密は確実に守るわ。
とりあえず、中に入って、ゆっくり聞かせて貰えるかしら?

■ フィリス To:アレックスさん
あ、その…どうぞ、中の方へ。

 二人に促され、アレックスは漸く意を決したように扉を潜った。
■ キャンドル To:ALL
念の為、ぐるっと、家の周りを見てくるわ。

 慎重というか疑り深いというか(笑)
 空家の周りを一回りし、隠れ潜む者や怪しい仕掛け等が無いことを確認する。
 空き家の周りには、今は使われていない畑がある程度で、不審な点は見当たらなかった。
 隠れてこの家を伺うような人影も見つからず、キャンドルは家の中に戻った。
■ キャンドル To:ALL
とりあえず、人影とか、怪しいところは無いみたい。
まあ、何が起こるか分からないから、外への気配りは、私が怠らない様にするから、アレックスは話に集中してね。

■ フィリス To:キャンドルさん、アレックスさん
お願いします。

…それで、どのようなお話を聞かせていただけるんでしょうか?

■ アレックス To:フィリス
実は……僕には、エルフ達がこの村を襲っているとは思えないんです。
あの森に住む僕の知ってるエルフは、非常におとなしく、知性的で……。
こんな非道なことをするなんて、考えられないんです。

■ フィリス To:アレックスさん
そうですか…。じゃあやっぱりエルフの村で何かが起こっていると考えるべき
でしょうか。

知っているエルフ…そのエルフの人ってアレックスさんのお友達なんですか?
他にもエルフの人達と交流のある人っているんでしょうか。

■ アレックス To:フィリス
エレとは何も! た、ただの友だちで……いや、その……。

 唐突に顔を真っ赤にしてうろたえるアレックス。
■ フィリス To:アレックスさん
………恋仲、と。(メモメモ)

■ キャンドル To:アレックス
別に、突っ込んだ話を聞かせろとは、言ってないわよ(苦笑)

■ フィリス To:アレックスさん
えと、できればそのエレさんにもお話を伺いたいので、私達を紹介していただけませんか?

■ アレックス To:フィリス
今、森に行くわけには行きません……。村人の目もあるでしょうし。

……それでしたら、この僕の弓を持っていって下さい。
エレに見せれば、きっと話を聞いてくれると思います。


 そう言うと、背負っていた弓をフィリスに差し出した。
■ フィリス To:アレックスさん
そうですね…わかりました。お預かりします。

 キャンドルは、フィリスの方を指差しながら、
■キャンドル To:アレックス
フィリスと比べて、エレはどんな特徴があるの?
身長とか、雰囲気とか教えてもらえるかしら?

■ アレックス To:キャンドル
そうですね……背格好も、大体似てると思います。
雰囲気も……どことなく似ている気がします。
綺麗なところとか、ぼんやりしてそうなところとか……。
エレの容姿で目立つところと言えば、赤っぽい髪の毛でしょうか。

■ キャンドル To:アレックス&フィリス
綺麗で、ぼんやりで、赤っぽい髪の毛…
フィリス、赤っぽい髪の毛のエルフの噂か何か知らない?

■ フィリス To:キャンドルさん
噂ですか?赤毛の人はちょっと珍しいですけど、うーん…。

■キャンドル To:アレックス
そういえば、村の皆には、同じように誤解じゃないかって話してみたの?

■ アレックス To:キャンドル
ええ、最初は何かの間違いだろうと言う声もあったんです。
でもエルフの姿を目撃した者が増えてきて……。

■ キャンドル To:アレックス
庇い切れなくなった、と。
それでも、庇ったりしたら村八分だもの、当然よね。

■ フィリス To:アレックスさん
アレックスさん自身は見たんですか?村の人を襲ってる…エルフ、を。

■ アレックス To:フィリス
いいえ、見たことはないです。
でも、絶対にエルフじゃないと信じてます。

■ キャンドル To:アレックス
ええ、真犯人を突き止め、村に平穏をもたらすのが私達の仕事だから、その辺りの真相は私達に任せて。(微笑)

で、状況的にエルフの村に行かないといけなくなると思うんだけど、アレックスは、エルフの村へのルートは、知っているの?

■ アレックス To:キャンドル
ええ、知ってます。

 アレックスの話によると、どうやらきのこの獲れる辺りに近いらしい。
■ キャンドル To:アレックス
あと、あなた以外にエルフと交流を持っている人っているのかしら?
それと、あなたがエルフと交流を持っていることを知っている人は、誰かいるの?

■ アレックス To:キャンドル
そういう人がいれば、相談もできたんですが……。
エルフの側でも、基本的に人間と積極的に交流を持とうって人はいないみたいですし。

■キャンドル To:アレックス
まあ、それも普通の反応なのよね(苦笑)
じゃあ、エレと会う時、どうやって連絡をとって会っていたの?
あなたが、エルフの村に入って、呼びに行ったわけじゃないわよね?

■ アレックス To:キャンドル
森の中に、小さな泉が有るんです。
子供のころからそこで遊ぶのが好きで……そこでエレに出会って……、
エレとは、いつもそこで待ち合わせをしているんです。
でも、最近はゆっくり森に入ることもできなくて……。

■キャンドル To:アレックス
確かに、こんな状況じゃあね(苦笑)
それじゃあ、呼び出すわけじゃなくって、そこで一日、エレが来るまで待ってたのね。
健気ね、あなたも(微笑)

その泉の場所も教えてもらって良いかしら?

 アレックスの説明は多少分かり難かったが、おおよその場所は掴めた。
■キャンドル To:アレックス
最後にエレに会ったのは何時?
その時、エレが何か言ってなかったかしら?
どんな些細なことでも良いんだけど、いつもと何かが違うとか…

■ アレックス To:キャンドル
………………。
言われてみれば、何か奥歯に物の挟まったような……。
何か言いたげな感じがしていたような気がします。

■キャンドル To:アレックス&フィリス
もしかしたら、全くの無関係、全くの誤解、って言うわけでも無い可能性もあるって事かしらね。

■ フィリス To:アレックスさん
なるほど…ありがとうございましたアレックスさん。
またあなたとエレさんが会えるように、頑張りますね(^^

■キャンドル To:アレックス
アレックスのおかげで、話をしてくれそうな相手が確保出来たし、森の情報も手に入ったし、アレックスには感謝ね。
代わりと言っては何だけど、エレに伝えたい事があったら伝えるわよ?

■ アレックス To:キャンドル
この騒ぎが収まったら、またあの泉で会おうって、そう伝えて下さい。

 相談できる相手が出来た事で安心したのか、穏やかな笑みを浮かべながらそう言った。
■キャンドル To:アレックス
分かったわ、アレックスが会いたがっていたことを伝えておくわ。

あんまり長居して、他の村人に気取られて、この後の生活に支障が出てもいけないから、そろそろ潮時かしらね?

■ アレックス To:フィリス、キャドル
お願いします。

 アレックスは、ぺこりと頭を下げると、家を出ていった。

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