チャダイ村 村長宅 |
村長は、一行を招き入れると、椅子をすすめた。
入り口や窓からは、何人もの村人が中を覗き込んでいた。
■ 村長 To:おおる |
いや、すまんかった。 今、村の連中は今ひどくピリピリしておってな。 特に、エルフのお嬢ちゃんがいた事が最悪じゃったな。 |
■ フィリス To:村長さん |
え?…ど、どうして最悪なんですか? そういえばさっきの人も「エルフの言うことなんて」とか言ってましたけど…。 |
■ 村人 To:フィリス |
すっとぼけたこと言ってんじゃねえぞ!? 村に悪さばかりしやがって! この怪我さみろ! |
そう言って村人が腕まくりをすると、魔法の炎を受けたらしい痕が。
■ フィリス To:村人さん |
…そ…そう言われても… |
■ 村長 To:村人 |
ええい、黙っておれ! そのエルフとこのエルフは違うエルフなのじゃ! 話もできんじゃないか! |
■ メルディス To:村人 |
村長の言うとおりです。 先ほどから言ってるとおり、俺達にそのような敵意があるのであれば、 誰かに話しかけるよりも黒こげにしていますよ。 とりあえず、いい加減に俺達を信用していただきたいですね。 |
■ 村長 To:おおる |
失礼したの。 あいつが言うように、この村は今、近くに住むエルフに襲われておっての。 それで、「エルフ」には過敏になっておるのじゃよ。 |
■ クラウディア To:村長 |
エルフに……ねぇ。 確かに一部にや、おたかくとまっている連中もいるかもしれないけれど……。 すくなくとも、あたしの知る限りじゃ、一方的に人間の村を襲うエルフなんて聞いたこともないね。 いったいなにがあったのか、くわしく教えてもらえるかね? |
■ メルディス To:村長 |
そうですね。 クラウディアの言うとおり、彼らはむしろ人間とは関わりを持ちたがらないと思いましたが・・。 |
■ 村長 To:おおる |
いや、あそこのエルフ共は違うのじゃよ。 実際に、何人もの村人が襲われておるでな。 |
■ ユウル To:村長・村人 |
意味もなく、無差別にただ攻撃されたの? お金取られたとか、物取られたとかじゃなくて? |
村長の話によると、一ヶ月ほど前からエルフ達の攻撃が始まったという。
心当たりはなく、いきなりのことだったらしい。
■ クラウディア To:村長&村人 |
……心当たりもなくかね。 そいつら、本当にエルフなのかい? 襲った連中のくわしい特徴を話しておくれよ。 |
■ 村長 To:クラウディア |
? 特徴と言われても、そこの嬢ちゃんと同じじゃが? |
■ フィリス To:村長さん |
私と…同じですか…。 |
■ リシィア To:村長 |
本当に、警告も何も無かったのでしょうか? 何の理由も無く、というのは考え辛いですし、一度、エルフさん達からも話を聞いてみたい所ですね。 |
■ 村人 To:リシィア |
なんだ、そこの娘っこは、エルフなんかの肩もつのか!? やっぱり、信用できねえな。 |
リシィアの台詞は、静まりかけた村人をまた興奮させてしまったらしい。
■ リシィア To:村民の方々 |
襲撃を受けて腹が立っているのは分かりますが、少し冷静になって頂けませんでしょうか? 私はこれまで……今回もですけれど、何度かエルフの方と一緒に冒険をしました。 少なくとも、その方達は皆さん良い人でしたよ。人間にも善人と悪人がいるように、 エルフだって同じだと思います。 自衛の為の戦いは、マーファも肯定しています。 でも、争わずに解決する事が出来るならば、それが1番良い方法では無いでしょうか? 皆さんがそのように冷静さを欠く状態では、その道も閉ざされてしまうと思いますよ。 私が信用出来ないと言うなら、捕まえて何処かへ閉じ込めるなりして頂いても構いませんけれど……。 それでは、何も解決したことにはなりませんよね? |
■ 村人 To:リシィア |
そら人間だって同じだ。悪い奴もいれば、良い奴もいるだろうよ。 でも、アンタは、いきなり自分を殴った奴を、良い奴だと思うのか? |
■ 村人 To:リシィア |
先に手ぇ出してきたのあっちだでよ。 アンタの言うとおり、これは自衛の戦いだっぺ。 |
おさまる気配なし(^^;
■ ユウル To:村人 |
エルフに殴られたから、エルフ全部が信用できないの? 自分達の周りにいるエルフはみーんな悪人って? エルフの肩持つ人間もみんな悪い奴? ほんとに、本っ気でそー思ってるわけ?…それってかなり乱暴すぎるんじゃないかな。 少なくとも、今、ここにいるエルフのフィリスは誰も殴ってないし フィリスを含めた私達は「話し合い」の場所にいるんだよ。 原因をつきとめて問題をなくす手助けをしようとしてる。 すぐに信用できないのはわかるけどさ、話す前から悪人って決めつけたら 協力できるものも出来なくなっちゃうよ。そう思わない? |
気が高ぶっているユウルの肩に手を置き、
■キャンドル To:ユウル |
ユウル、あなたまで熱くなってどうするのよ。 頭に血が上ってる連中と言い争ったって、時間の無駄よ、無・駄! |
■ ユウル To:キャンドル |
…う…そだね。ごめん(^^ゞ |
にこっ、とユウルに微笑む。
亜人に対する考えは、皆が皆、必ずしも公平とは言えないからね。
■ リシィア To:村民の方々 |
いきなり殴られたからと言って、必ずその人が悪い人だとは、私は思いません。 ……先程、皆さんは私達を一方的に「殴ろうと」しましたが、皆さんは悪人では有りませんよね? |
■キャンドル To:リシィア |
リシィア、冷静な判断を欠いてる人達に教えを説いたってまともに聞かないわよ。 こっちの話だけ聞く分には、今の村の人達の方が正常な反応なのよ。 |
■ 村長 To:村人、おおる |
静まれと言うに! いや、すまんな。 |
■ クラウディア To:村長 |
村長さん、あんたの言い分と誠意はわかった。 ただ、この問題は、あんたひとりの問題じゃないと思うんだよ。 |
■ 村長 To:クラウディア |
どういうことじゃな? |
■ クラウディア To:村人 |
村長はこういっているけれど、あんたたちはどうなんだい? 村を守ってほしいのかい?あたしたちに出ていってほしいのかい? あたしらとしても、後ろからねらわれたままの状態で、そんな連中を守ってやるほどお人好しじゃない。 エルフにおびえたまま暮らしたいというならば、止めはしないよ。 |
クラウディアの言葉に、互いに顔を見合わせる村人達。
ようやく、その一人がおずおずと口を開いた。
■ 村人 To:クラウディア |
アンタの言うことも分かるだ。 もし、あんたらがきちんとこの問題を解決してくれるなら、お願いしたいだ。 けんども、エルフの肩を持つようだったら、そらぁ、お願いはできねえ。 |
■ メルディス To:村人 |
双方の話を聞かない限り、何とも言えませんね。 味方だ敵だなんてことよりも、原因を突き止めるのが先決でしょう? |
■ クラウディア To:村人 |
あたしは人間でもエルフでもないから、たぶん公平にものを見ることが出来ると思う。 意味もなく問題のエルフの肩を持つつもりはないよ。 ただし、あたしらの仲間のエルフは話は別だ。 あんた方が村が大事なように、あたしらは仲間が大事だからね。 だから、あんたらも彼女を公平にあつかってほしい。 質問をするたびにいきりたたられちゃ、話もすすまないからね。 |
クラウディアに一睨み(嘘)されては、村人達もおずおずと引き下がるしかなかった。
■ クラウディア To:フィリス |
それから、フィリス嬢、この依頼を受けるということは、もしかするとあんたの同族を相手に
することになるのかもしれないよ。 あたしとしては、そんなことは、ほとんどないとは思うけれど、可能性として存在することは否定できないね。 それでもあんたはいいのかい? |
■ フィリス To:ディアさん |
それは…その…。 …でも、理由もなく人を襲うなんて…悪人のすることですよね。 悪いことをしてるなら、やめさせなきゃいけないと思います…。 |
■ クラウディア To:フィリス |
そのエルフが悪い連中なら、問題はないんだけれどね。 ただ、村を守るってことは、エルフと村の利害が対立したときも、村の側に 立つことを要求されるかもしれないってことさ(苦笑) |
だって、金払うのは村長だもん(^^;;
金貰うなら、その分の義理は果たしてね。
■キャンドル To:クラウディア&ALL&村長 |
ただ、村長さんは、襲われる前と襲われた時とでは、何も変わってないし、
心当たりも無い、と言っているのよね。 もし、村人がエルフの領域を侵したなら、この契約自体、『解決』じゃなくって、 『討伐』だし、『自衛』じゃなくって、『侵略』よね? はじめから、『エルフを討伐する為の侵略の依頼』なら、私等よりも街の荒くれ者 とかに頼んだ方がきっと効率的。 エルフを仲間にしている冒険者にする話じゃないわよね? 村長さん、これだけははっきりしておきたい事なんだけど、 『エルフを討伐する為の侵略の依頼』じゃあ無いのよね? |
一切の嘘を見抜かんとする、鋭い視線。
村長も、そんな眼光にたじろぐこともなく、
■ 村長 To:キャンドル |
当然じゃ。 断じて、『エルフを討伐する為の侵略の依頼』などであるものか。 仲間を傷つけられたままで、放ってはおけんと言うことじゃよ。 |
■キャンドル To:村長 |
ごめんなさい、疑ってるとかじゃなくて、そういう性分なの。 職業柄、はっきりその人の口から言わせて、その人の表情見ないと納得出来ないのよ。 |