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Sword World PBM #64
モノクロームの吐息 |
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ダロンの家 |
地下に降りると、昨日の夕方と全く同じ状態でセリンがいた。
こちらに気付くと、ちらりとだけ視線を上げる。
■コリューン To:セリン |
おっは〜☆ ご機嫌いかがかな? 朝ごはん、持って来たよ〜ん♪ |
■セリン To:ALL |
……… |
セリンは無言で、何やら不安そうな視線をこちらに向けている。
■アンリ To:セリン |
ご飯はきちんと食べた?冷める前に食べたよね? そうしないと、おいしさが半減しちゃうんだから!! ま、とにかく。今日の朝ご飯だよ♪ これも早めに食べちゃってね♪ |
■ヘルムンス To:ガンダルフ |
・・・あまり元気そうには見えないですが、先程からこんな状態なのですか? |
■ガンダルフ To:ヘルムンス |
ワシが先週久しぶりに会った時からずっとこうじゃよ。 |
■アンリ To:ガンダルフ |
ダメだよ、おじいちゃん。こんな寒いところに女の子を置いてっちゃ!! 病気したらどうするんだよ!! |
■コリューン To:セリン |
良かったね〜、お爺ちゃんも来てくれて♪ |
さりげなく、セリンの様子を見る。
■ルキシュ To:セリン |
キミが……セリンちゃん? 初めまして。ボク、ルキシュ。 ここ寒いねぇ。……炎の精霊さんが少ないのかな。ボクにはよくわかんないけど。 |
それを聞いて、ヘルムンスは辺りの精霊力を調べはじめる。
■セリン To:ALL |
………別に………平気……… |
セリンはそう言うと、半身引いたような姿勢のままでこちらを見上げた。
■セリン To:ALL |
………なに? |
■ギャスパー To:セリン |
朝飯だよ。 |
朝食を持ったアンリの方に顎をしゃくる。
■コリューン To:セリン |
冷めない内に、ど〜ぞ♪ |
■セリン To:ALL |
じゃあ……… |
食事の方をちらりと見ると、再び視線を上げて言う。
■セリン To:ALL |
………それ置いたら帰っていいよ……… |
■アンリ To:セリン |
うぅ・・・冷たぁ〜い(泣) ちょっと、ね?ちょっと、ここに居座らせてよ♪ 別にここにあるものに触るわけじゃないし、 ご飯を分けてもらおうと思っているわけでもないからさ! うに、とにかくここに置くよ♪ |
朝食をセリンのそばに置く。
■セリン To:ALL |
………何もしないなら………好きにしたら……… |
セリンは警戒を解かない様子で食事に手を伸ばし、それを引き寄せた。
その時、しばらく辺りの精霊力を探っていたヘルムンスが顔を上げた。
■ヘルムンス To:ルキシュ&ALL |
・・・これは・・・。 精霊力の件ですが、炎の精霊が少ないというよりも、氷の精霊の支配が強いですね。 ・・・それも異常なほどに。暴走寸前といってもいいかもしれません。 |
■ヘルムンス To:セリン |
・・・ほんとうに寒くないんですか? |
■セリン To:ヘルムンス |
………べつに………平気……… |
■ルキシュ To:ヘルムンス&セリン |
え、それって大変なんじゃ……悠長に朝飯食べてる場合じゃないよぉ。 セリンちゃんも精霊さんの力とかってわかってるの? わかってて大丈夫だと思ってるの? |
■コリューン To:ルキシュ&セリン |
・・・・分かってて大丈夫だって言ってるんじゃないかな。セリンちゃんは大丈夫なんだよ、きっとね。 お父さんや、お母さんは大丈夫だった? |
■アンリ To:セリン |
寒かったらこれ貸してあげるよ♪いつでも言ってね♪ オレ、帽子があればあったかいから♪ |
そういってモコモコ着こんでいる上着をさす。
■セリン To:アンリ |
………大丈夫………いらない……… |
■ギャスパー To:ヘルムンス&コリューン |
暴走寸前って…あんたら、その力の源がどこか、わからねえか? |
■コリューン To:ギャスパー |
残念だけど、そこまでは分かんないよ。 ただ何となく、そう感じるだけだから。 |
■ギャスパー To:コリューン |
そうか… |
仲間に声をかけたギャスパーは、ガンダルフに向き直る。
■ギャスパー To:ガンダルフ |
おい、くそジジイ。もしかしてあんた、ダロンの仲間だったガルとかいう冒険者じゃねえのか? こっちには魔法を使える仲間もいる。なんか知っているんだったら、勿体付けてないでさっさと喋りやがれ。魔法が暴走したりしたら、何が起こるか、わかったもんじゃねえぞ。 |
■ガンダルフ To:ギャスパー |
………暴走はせんさ、そういうものだからな……… |
低い声で小さく呟くと、彼はさっきまでの軽薄な口調に戻った。
■アンリ To:ガンダルフ |
でも、オレにはどういうものなのかわかんない〜♪ そういうものってわかってるならちょっと教えてよ♪ |
■ガンダルフ To:ALL |
ところで、ワシはナイスミドルであって、くそジジイではないぞ。これは極めて重要な問題じゃから、覚えておくのじゃよ。 さて、ワシも宿に戻って朝食でも食ってくるかの〜 |
■ギャスパー To:ガンダルフ |
えっ… |
ガンダルフの言葉は耳にしたものの、その意味がわからずに言葉をとぎらせるギャスパー。助けを求めて、仲間達の顔を見回す。
■ルキシュ To:ギャスパー |
……聞かなかった事にしていいと思うよ。 |
ギャスパーの視線に答えるように、ルキシュはポリポリと頬をかく。
■コリューン To:ガンダルフ |
ちょっと待って。 ダロンさん達から氷の精霊やセリンちゃんについて何か聞いてない?ナイスミドルのガンダルフさん? 例えば、氷の精霊の暴走についてとかサ。 |
コリューンに呼び止められ、ガンダルフは頭だけ振り向いた。そして、さらりと言う。
■ガンダルフ To:コリューン |
いや、全然。 |
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