■ Index | ▲ Previous Page | ▼ Next page |
|
Sword World PBM #64
モノクロームの吐息 |
|
ダロンの家 |
次の日、朝食を終えて、一行はダロン氏の家の前にいる。ルゥミアは、何やら村の子供達に読み書きを教えないといけないとかで、ここにはいない。
そのかわりに、セリンの朝食としてパンと暖めたミルクを受け取ってきている。
■ルキシュ To:ALL |
ここ? セリンちゃんち。 ルゥミアさんなしで、どこまで話してくれるかなぁ。 |
ちょっと心配気な面もちでみんなを見回す。
■アンリ To:ルキシュ |
ここだよ♪ でも、ルゥミアのお姉ちゃんがいてもあまり喋ってくれなかったから どこまでっていうか喋ってくれるかが心配〜♪ |
■ギャスパー To:ルキシュ&All |
司祭様なら、心を静める奇跡を起こせるって聞いたけど… どうすんだ? その子が嫌がっても、無理矢理奇跡で落ち着かせるのか、それ位は決めておいたほうがいいんじゃねぇか? |
■ヘルムンス To:ギャスパー&All |
できる限り魔法とかは使わずに話し合いでなんとかしたいのですが、昨日の話ではそう簡単に行きそうにもないということですしねぇ・・・。 |
などと言い合っていると、突如がちゃという音を立てて家のドアが開いた。
ドアを開いたのは、60歳そこらの初老の男で、扉を半分開けたポーズのままでこちらの方を見ている。
■初老の男 To:ALL |
………ぉ? |
初老の男は何やらリアクションに困った様子で固まっている。
■コリューン To:初老の男 |
………ぉ?………じゃなくて(--;; 私達、昨日からルゥミアさんのお宅に泊まらせていただいている冒険者です。 |
手短に、一行を紹介する。
■コリューン To:初老の男 |
失礼ですけど、どちら様でしょうか? 私達は、ルゥミアさんの代わりにセリンちゃんの朝食を持って来たところなのですが。 セリンちゃんは、もう起きてます? |
目を丸くしていたギャスパーだが、我に返ると軽く笑みを浮かべながら男に近づく。
■ギャスパー To:初老の男 |
俺はギャスパーだ。よろしくな。 |
握手を求めるように、両手で男の手を取ろうとする。
■初老の男 To:ALL |
ん〜……… |
彼はその手を取ろうとはせず、両腕を組んだ。
■初老の男 To:ALL |
こちらが聞く前に名乗ってくれるのは結構じゃが、ワシの聞きたいこととは違うのじゃな〜。 お前さんらは、その朝食とやらを口実に何をしにきたのかの〜? |
■アンリ To:初老の男 |
うに〜?何をって朝食届けに来たんだよ? それを口実にご飯を勝手に食べようとかそんな極悪なことは思ってないよ? |
すっごく真面目な顔でそう返す。
■ルキシュ To:初老の男 |
(この人数で朝食運んできました、って言っても疑われるだけだよね) ルゥミアさんからセリンちゃんの様子を伺ったので、何か役にたてる事が あったら、と来てみたんです。 |
言いつつ、殊更神官服を見せるように強調する。
冷静なルキシュと比べ、ギャスパーの方は男の態度にムッときたようだ。あからさまに不機嫌な表情を浮かべて、男に詰め寄る。
■ギャスパー To:初老の男 |
ずいぶん偉そうな態度を取ってくれるけど、あんたこそ誰なんだ? 俺から見れば、主がいなくなった家を狙っている泥棒にしか見えないぞ? こっちは名乗ったんだ。あんたも名前位は聞かせてもらいたいな。 |
■初老の男 To:ALL |
うむ、聞きたいというのなら聞かせてくれよう。ワシの名はガンダルフ。 ちょっぴりお茶目なナイスミドルじゃよ!! |
そう言うと自称ナイスミドル(それにしては歳を食っているように見える)は親指を立てて何やらポーズをとった。
そして続ける。
■初老の男 To:ALL |
おー、あれじゃ、実はな、セリンはワシの孫なのじゃよ。つまり、孫の様子を見に来たというわけじゃな、道理じゃの〜。 |
■ルキシュ To:ガンダルフ&ALL |
(この人が宿屋に泊まってる人か……) セリンちゃんのお祖父さんですか。失礼しました。 セリンちゃんお元気ですか? |
■ガンダルフ To:ALL |
おお、元気じゃよ。あんな寒い部屋にいても平気とは、子供というのは頑丈じゃの〜。 |
■ギャスパー To:ガンダルフ |
…てめえ、何ふざけた事をぬかしてやがる。 一週間も前に村に着いておきながら、孫娘の世話は他人に任せきり、村の人間に挨拶もしていねぇ、そんなジジイが「孫の様子を見にきた」だと? 口から出任せ抜かすんじゃねえ。大方、あの子が死ぬのを待って、ダリルの遺産を掠め取ろうってところじゃねえのか? |
相手の口調に却って腹を立てたギャスパーは、ガンダルフの胸倉を掴み掛からん様子で相手に詰め寄る。
■コリューン To:ギャスパー |
スパ〜君、胸倉掴むくらいなら、首、掴みなよね。中途半端はいけないよ★ |
■アンリ To:ギャスパー |
うに〜、短気は良くないと思います♪ ギャスパー、最近らんぼ〜!暴力はんた〜い!! ヨジデーも踏んじゃうしさ。ま、作り直したからいいケド。 |
■ヘルムンス To:ギャスパー |
お待ちなさいな。そのような物腰では、まとまる話もまとまらなくなってしまうじゃないですか。 |
詰め寄るギャスパーを必死で止めようとするヘルムンス。
しかし、止めるまでもなく、老人は軽く首を傾けるような仕草だけでかわしていた。
■ガンダルフ To:ALL |
うむうむ、そっちの若いのの言うとおりじゃ。乱暴はよくないのじゃよ。ワシが見かけ通り40代の若さを保っておらねば酷いことになっておったじゃろ〜 |
どう見ても60代だ。
■ギャスパー To:独り言 |
ち、食えない爺さんだぜ。 |
■アンリ To:ガンダルフ |
うにに!!ほぼ、タメ!? |
ガンダルフの言葉を真にうけている。
■コリューン To:アンリ |
タメと言うより、ダメだね、うん。 |
そんなコリューン達のやりとりをさらっと流すヘルムンス。
■ヘルムンス To:ガンダルフ |
どうもすみません。冒険者というものは気が短いもので。 |
一応頭は下げるが、普段のヘルムンスからすればかなりぞんざいな礼である。
■ヘルムンス To:ガンダルフ |
我々はルゥミアさんおよびウェストンさんから、今回の殺人事件の件についての調査を依頼されたもの達です。 ですから、事件についての手がかりになるようなものがないかどうかは確かにしらべさせていただきたいですね。依頼完遂のためにも。 先ほどのご質問の答えは、これで満足でしょうか? |
■ガンダルフ To:ALL |
ふむ…ならば朝食はワシが持っていこう。後は好きなように調べればよいじゃろ〜 |
■ルキシュ To:ガンダルフ |
好きなように……て言っても、ボク達は、セリンちゃんともお話したいんです。 だから、朝食はボクに運ばせて貰えませんか? |
■ギャスパー To:ルキシュ |
おい、ルゥ、こいつが勝手にセリンの爺さんだって言ってるだけで、こいつが本当のことを言っているかなんて、ぜんぜんわかんないんだぜ。 案外家の中には、セリンちゃんの死体が転がっているのかもしれねえ。 かまうこたねぇから、さっさと行った方がよくねえか? |
■ルキシュ To:ギャスパー |
そうそう頭から疑ってかかっちゃよくないよ。 それに本物のお祖父さんかどうかは、セリンちゃんの様子を見ればわかる ことだし。 もし本当にセリンちゃんが、今ギャスパーの言ってる状態だったら容赦し ないけどね。 |
■アンリ To:ガンダルフ |
オレもヤダ。ご飯はオレが持っていくんだもん♪ |
■ルキシュ To:アンリ |
アンリが持っていくのはかまわないけど……つまみ食いはダメだよ? |
■コリューン To:ルキシュ |
アニ〜君はつまみ食いなんかしないサ☆ 全部食べちゃうだけサ〜♪ |
口調を変えて
■コリューン To:ガンダルフ |
せっかくですから、皆で行きましょう。 セリンちゃんも同じ年頃のお友達がいた方が嬉しいでしょうし。 |
ちらっとアンリを見て、ほほほと笑う。
■アンリ To:ルキシュ&コリューン |
そうそう♪食べるなら食べるで全部食べるし、 食べないなら食べないで全部食べないよ♪ ちょっとだけつまむなんて失礼なことはしないもん。 それはさておき、どこに同じ年頃のお友達がいるのさ? コリューンのこと? |
外見はさておき、中身ならばコリューンも自分と同程度のはず。
コリューンは無言でアンリのお尻を蹴飛ばすと、おほほほと笑った。
■ガンダルフ To:ALL |
ふむふむ、まあ賑やかなのは良いことじゃな。それでは皆で行くとするかの〜。 |
■コリューン To:ALL |
そうしましょう♪ おほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほ・・・げほっ |
■ヘルムンス To:コリューン |
慣れない言葉づかいをするから・・・(ぼそっ) |
コリューンは涙が浮かぶほど咳き込みながら、ヘルムンスを睨んでいる。
■アンリ To:ALL |
なんか、ここに着いてからみんなが壊れ始めた・・・ |
痛むお尻をさすりながらぼそっと呟く。
■ Index | ▲ Previous Page | ▼ Next page |