Index Previous Page Next page




Sword World PBM #64
モノクロームの吐息




マーファの礼拝所

 食事はパンとシチューだけという質素なもので、辛うじてワインかオレンジジュースかを選ぶ余地だけがあった。
 食事が終わると、ルゥミアが片づけをするため厨房に引き込む。
■ギャスパー To:ウェストン&ルゥミア
 ご馳走様でした。うまかったです。

■コリューン To:ALL
 ご馳走様〜☆

■アンリ To:ウェストン&ルゥミア
 うにゃにゃ♪美味しかった♪お腹も八分目でイイ感じ〜♪
 ホントはあと一回おかわりしたかったケド・・・

■ルキシュ To:ウェストン&ルゥミア
 ご馳走様でした。おいしかった☆

■ラス To:ウェストン&ルゥミア
 んー、やっぱ寒い時にゃ暖かいものに限るな。
 ごっそさん。

■ウェストン To:ALL
 さて、こういう調査の流儀はよく知らんのだが、何から始めるのかね。

■ギャスパー To:ALL&ウェストン
 えっと、さっきウェストンさんにも言ったんだけど、宿の方にちょっと顔を出しておこうかと思うんだ。
 それとも今夜は、みんなと一緒にウェストンさんと打ち合わせしたほうがいいかな?

 ウェストンさん、この村の宿にも、酒場はありますよね?

■ウェストン To:ギャスパー
 ああ、一階が酒場になっている。

■ヘルムンス To:ウェストン
 と、それ以前の問題として、私達が泊まる場所って言うのはこちらなんでしょうか?
それともその宿のほうですか?

■ウェストン To:ヘルムンス
 ここの二階にいくつか部屋があるからそれを使ってくれていい。

■コリューン To:ギャスパー&ALL
 宿屋へ行くのは、明日でも良いんじゃない?
 夜によそ者がうろついてるのって、村の人達にしちゃ嫌な感じっしょ?

■ルキシュ To:コリューン&ギャスパー&ALL
 確かに。ついたその日に何かかぎまわるってちょっと不味いかも。
 疑ってくれ、って言ってるもんでしょ? 最初は様子見がいいかもね。

■ヘルムンス To:ギャスパー&ALL
 そうですね。それとこの天気では、夜中に宿からここへ戻ってくるだけでも大変な目に会いかねませんよ。

 みんなの反応を聞いて、ギャスパーは肩をすくめる。
■ギャスパー To:ALL
 酒場に人が集まるのは、田舎でもこの時間だろう?
 今夜のうちに酒場に顔を出しときゃあ、俺達が来たことも村中に伝わるだろうから、明日からがやりやすいかと思ったんだけど…。
 ま、大将がそう言うんだったら、今夜はおとなしくしてますか。

 (明日の夜には、外にも出れなくなってたりしてな…)

■アンリ To:ALL
 じゃ、今日はどこにも行かないんだね♪
 それなら、雪ウサギを作らないとなぁ・・・どこに作ろっかなぁ♪
 雪だるまが作れるくらい雪が積もらないかなぁ・・・

 ウェストンのほうに向き直って
■ヘルムンス To:ウェストン
 ・・・天気で思い出したのですが、ウェストンさん、このあたりで雪が降るのはめずらしいという話ですが、ウェストンさんは過去にこのような厳しい冷え込みがあったかご存知ですか?
あと、冷え込みが厳しくなってきたのはいつ頃からでしょう?

■ウェストン To:ヘルムンス
 いや、私はここで生まれ育ったがこんなのは初めてだ。
 …君が言いたいのは、事件との関連のことだろう?関連があるかどうかまでは分からないが、この妙な冷え込みはダロン氏が殺害されてからだ。

■アンリ To:ウェストン
 ふ〜ん・・・それからどんどん寒くなって雪ウサギが作れるくらい雪が降って どんどん雪男の住みやすい環境になっていったんだね♪

■ギャスパー To:アンリ
 雪男は勘弁してほしいなぁ。(笑)

■ギャスパー To:ウェストン
 ウェストンさん、今回の事件の犯人が人間なのか怪物なのかはっきりしてないと、ルゥミアさんから聞いてます。
 で、確認しておきたいんだけど、これまで、この村で怪物騒ぎが起きたこと、ないですか?
 それから、殺された人たちが、誰かに恨みや嫉みを買っているような様子、ありませんでしたか?特に冒険者夫妻は、村の人たちと比べて収入が多いとか、妬まれるネタはいくらでもあったと思うんだけど…。
 どんな細かなことでも、できるだけ教えてください。

■ウェストン To:ギャスパー
 ダロン氏は、恨みはさておき妬みはかなり買っていただろうな。財産で言えば、この村の誰よりも金持ちだっただろう。
 ウッドの方はどうだろうな……彼はダロン氏に一方的に突っかかっていた感はあるが、村人の中では受けは良かった方だな。

■ルゥミア To:ウェストン
 お父さん

 いつの間にか厨房から出てきたルゥミアが何やら袋を抱えて父親に言う。
■ルゥミア To:ウェストン
 セリンにこれを届けてきますね。

■ウェストン To:ルゥミア
 ああ、そうしてくれ。あの子はどうも苦手だ……

 ウェストンの言葉に、ルゥミアは少し眉を寄せたように見えたがすぐに元の穏やかな表情に戻り、こちらに少し頭を下げると廊下の方に向かった。
■ルキシュ To:ウェストン
 ……セリン?

■ウェストン To:ルキシュ
 ダロン氏の娘だ。事件以来閉じこもりきりでね、放っておくと餓死しかねないから、食事だけは毎日届けてやっているのだよ。

■ラス To:ウェストン
 ふうん、あの袋は食料か。
 あんたは苦手って言うけど、どんな娘なんだ?

■ウェストン To:ラス
 どうと言われても、とにかくつかみ所の無い子だな。話しかけても答えないし、近づけばものを投げる。

■ヘルムンス To:ウェストン&ALL
 なるほど・・・しかしこの天気です、私達のだれかがルゥミアさんについて行ったほうがいいですかね?雪道は彼女も不慣れでしょうし。
 それに、案外冒険者だということでセリンさんも警戒を解いてくれるかもしれませんから。

■ギャスパー To:ALL&ヘルムンス
 親が二人とも惨殺されたんだ、取り乱して当たり前だろう。
 向こうが女の子なら、コリューンやルゥの方が、安心するかな?
 あと、一人か二人…。大将、俺かラスもついてった方がいいかい?

 窓にへばりつきながら雪を眺めていたアンリがその言葉に反応して振り返る。
■アンリ To:ルゥミア&ギャスパー&ALL
 オレ、行ってくる〜!雪雪〜!!
 オレなら意外と雪道は歩きなれているから大丈夫だしさ♪
 心配なら後から誰かついてくればいいし♪ なによりも雪が降ってるし!

 待ってよ〜!ルゥミアのお姉ちゃん〜!!オレも行く〜!!!

 皆の返事を待たずにルゥミアの後を追いかけていってしまった。
■コリューン To:ALL
 ・・・・私も行くよ。心配だからね。

 コリューンは、苦笑を浮かべると、アンリの後を追って部屋を出た。
マーファの礼拝所

■ウェストン To:ALL
 ふぅむ………それで、君たちはどうするのかね?

■ギャスパー To:独り言&ウェストン
 コリューンとアンリなら、俺達がついて行かなくても大丈夫だろう…
 …そうなると…うーん……、やっぱ、よそ者の男ってのが気になるな。ダロンやストナの知り合いかもしれないし…。

 司祭様、俺達が酒場に顔を出したら、村の人たちにいやな顔をされると思いますか?

 先ほどみんなの反対を受けているギャスパーは、少し遠慮しながらも、村人の閉鎖性がどの程度かを質問する。
■ウェストン To:ALL
 うーむ…そうだな……例の事件のせいもあって、皆妖精族には敏感になっているのだ、耳くらいは隠して行った方がいいかもしれんな………

 ウェストンの言葉に、ギャスパーは驚きの表情を浮かべる。
■ギャスパー To:ウェストン
 え!?
 今回の事件では、ハーフエルフのストナさんは被害者だと聞いていたんですが…。なんで、妖精族に対する反感が引き起こされているんですか?

■ウェストン To:ギャスパー
 …元々妖精族に対しては好意的ではないのだよ、というよりも外部のもの全てに対して、だがね。被害者か加害者かは問題ではないのだよ、彼らはストナさんがいたこと自体が厄介事の原因だと思っている。

■ヘルムンス To:ウェストン
 ・・・なるほど。
 まぁ、外に対しての閉鎖性っていうことに関しては、われわれの種族だって勝るとも劣らないと言ったころですからね。

 ヘルムンスはそう言って苦笑した。
■ギャスパー To:ウェストン
 ダロンさんも外部の人だと思っていたんですが、彼に対する非難はないんですか?
 それとも、そいつは俺の勘違いで、ダロンさんはもともとこの村の出身なんですか?
 あ、ついでにと言うのも変だけど、ストナさんは前から村の人たちとトラブルを起こしていたんですか?

 ヘルムンスやルキシュの反応を気にしながらも、質問を重ねる。
■ウェストン To:ギャスパー
 ダロン氏はこの村の出身ではない。彼の祖父がこの村の出身らしいがね。
 夫妻は学問に通じ、財産もあり、礼儀正しく、彼らからトラブルを起こすようなことは無かった。だがそのこと自体、村人から見たら嫌味に見えたということだよ。

 ラスは、その言葉に少し目を細め、
■ラス To:ウェストン
 …じゃあ、その夫妻に落ち度はなかったって事かよ?
 もしトラブルが原因で殺されたとしたら、あんまりだな。
 ……あんたは、マーファの司祭として、どう思うんだ?

■ウェストン To:ラス
 ……誰が殺したのかも、その理由も、まだ分かっていないのだから何とも言えんよ。もちろん、村人がただの偏見で殺した可能性も全く否定できんわけではないし、もしそうであれば…大変残念なことだな……。

■ラス 
 …ふうん。まあ、いいや。

表情を変えず、他所に視線を向ける。
■ギャスパー To:ALL&ウェストン
 俺の村も結構な田舎だったけど…
 人を殺すほどじゃなかった…と思いたいな…

 まぁ、村の人たちの考え方に、俺達よそ者が口をはさむのはお門違いとして…
 じゃあ、ダロンさんたちには、近所付き合いをする村人や友達は全然いなかったんですか?
 それから、ダロン一家が村に越してきたのはいつ頃なのかとか、妻子が妖精の血を引いているのに、なぜこの村――偏見が多い土地に越してきたのかとか、なんかわかりますか?
 …推測でもいいんですけど。

■ルキシュ To:独白
閉鎖的になっても何も生み出さないのに……。人と人が関わりを持って、色々な物が作られて行くのになぁ…。

■ウェストン To:ギャスパー
 最初は田舎の方が落ち着くからいいとか言っていたのだよ。オランでどういう暮らしをしていたかは知らないが、それぞれ良いところも悪いところもあるのだがね……。

■ギャスパー To:ウェストン&仲間達
 なるほど……
 ……

 ダロンさんたちについて聞いておかなくちゃいけないこと、他にも色々あったよな?

 何を質問すべきなのか迷ったのだろう、ギャスパーは仲間達にバトンを渡す。
■ラス To:ギャスパー
 そうだな…

 しばらく考えて、
■ラス To:ウェストン
 俺たち、次の事件のウッドって奴に関してはあんまり知らねェんだけど。
 ダロンとトラブルがあったっていうが、あんたは何か知ってるか?

■ウェストン To:ラス
 ああ、ダロン氏がウッドから買った土地のことだろう。今ダロン氏の家が建っているところは元々ウッドの土地でね。
 ダロン氏が買い上げたのはいいんだが、後でダロン氏が魔法使いだとかストナさんがハーフエルフだとかいう話を聞いて、ウッドが文句を言い出したのだよ。
 結局正式に契約書をかわしていたので、土地はダロン氏のものになったがね。

■ルキシュ To:ウェストン
ボク達ハーフエルフが何したって言うんだよ、全く。
 ダロンさんってウッドさんから土地買ったの……。その二人が両方殺されちゃうなんて。
 ウェストンさんは仲立ちとかしなかったの?

■ウェストン To:ルキシュ
 契約の仲立ちは私がしたがね、それ以上は干渉しておらんよ。

■ギャスパー To:ウェストン
 …そうすると、ストナさんは相当つらい生活を送ってたみたいですけど、ノイローゼ気味だったとか、そういった様子はありませんでした?

■ウェストン To:ギャスパー
 それは娘の方が詳しいだろう。

■ギャスパー To:ウェストン
 そういや、ダロン夫妻は惨殺体で見つかったって聞いてますけど、どんな刃物だったか、遺体から見当はつきましたか?
 もう一つ、この村で武器を使える人間は、何人くらいいます?

■ウェストン To:ギャスパー
 うーむ………

 ウェストンは少し首をひねりながら答える。
■ウェストン To:ギャスパー
 刃物のことはよく分からんのでね。武器を扱える人間というのも、村人にはいないと思うのだが…。
 まぁ、私が刃物を使う時と言えば料理をするときと薪割りをする時くらいだし、恐らく村人は皆同じようなものだろう。

■ヘルムンス To:ウェストン
 ところで、セリンさん・・・でしたっけ、彼女は事件が起こる前はどんな娘さんだったんですか?
 やはり、村の子供たちからはつまはじきにされていたのでしょうか・・・

■ウェストン To:ヘルムンス
 どんな娘だったかと言われても、私はほとんど話したこともないからな……。

 困ったようにウェストンは答えた。
■ギャスパー To:ウェストン
 その娘さんって、何歳くらいなんですか?
 ご両親の指導で、魔法の修行なんかもしていたとか?

■ウェストン To:ギャスパー
 今年で…8歳になるな。魔法の修行までしていたかは知らないが…

■ルキシュ To:ウェストン
 そういえば、ダロンさん達っていつ頃この村に来たの?

■ウェストン To:ルキシュ
 確か5年くらい前だったと思うが………

■ギャスパー To:ウェストン
 そういえば、ダロンさん夫婦の遺産は、今は誰が管理してるんですか?

 ギャスパーの問いに対して、ウェストンは首を横に振った。
■ウェストン To:ギャスパー
 誰も。強いて言えばセリンだが。
 この村にはダロン氏夫妻の親戚関係を知っている者は誰もいないのだよ。

■ラス To:ウェストン
 えーっと。
 話は戻ってウッドの事なんだが…
 歳はいくつで、家族はいたのかどうなのか。

■ウェストン To:ラス
 ウッドは31歳。両親はもういないし独身だ。

■ラス To:ウェストン
 それと、殺された時の話をルゥミアから何か聞いてねェか?

■ウェストン To:ラス
 いや、ルゥミア自身動転していたようだからな、私たちが見に行った時はウッドは既に死んでいた。ちょうど、氷の彫像を砕いたみたいになっていたな……。

■ギャスパー To:ウェストン
 そういえば、ここに来るまでの間も、ウッドさんのことはほとんど話してもらえなかったんです。
 もしかして、ふたりは親しい仲だったんですか?

■ウェストン To:ギャスパー
 いや?別段、そういう話は聞いていないが……

 ラスは、頭を無造作に掻いて、
■ラス To:ALL
 それにしても…その、宿にいる変な男ってのが気になるんだが。
 ほんとに行かねェのか?
 寒ィ時に単純に飲みに行ったりするのって変かね?
 もっとも、俺は飲まねェから分からねェけど。

■ルキシュ To:ラス&ヘルムンス
 そうだねぇ。行かない方がいい、って言ったけど……。
 これからの事考えたら、行った方がいいのかもね。
 どうする、ヘルムンス? ボクならお酒飲めるけど。
 耳も髪で隠れて見えないし。お金もラスやギャスパーよりあるよ(笑)

 酒の失態をスッカリ忘れて、ルキシュはヘルムンスを見る。
■ヘルムンス To:ルキシュ&ALL
 お酒が飲めるっていったって・・・その時のことを覚えてなきゃ聞き込みにならないじゃないですか。(^^;;;
 3人が出かけるのならそれでもかまいませんが、流石に私はエルフであるということをごまかせそうもありませんから、ここに残ったほうがいいでしょうね。

■ギャスパー To:ヘルムンス
 どうせ明日になれば、いやでも顔を合わせることになるんだ。あんまりびくびくしてても、しゃーないだろ。
 ま、せっかく残ってくれるんだったら、ウェストンさんから色々話を聞いて、計画を立てといてくれよ。

■ルキシュ To:ヘルムンス
 そんじゃ、隊長よろしく☆ 帰ってきたら……明日にでも詳しい話聞かせてよ。

 ギャスパーは、自分の荷物から竪琴を引っ張り出す。
■ギャスパー To:ALL&ウェストン
 それじゃ、さっさといくか。
 司祭様、それではちょっと行ってきます。

■ルキシュ To:ALL&ウェストン
 それじゃ行ってきま〜す☆ なんか良さそうなワインあったら、お土産に買って来ようか?

■ウェストン To:ルキシュ
 いや、構わんよ。

■ラス To:ヘルムンス&ウェストン
 酒場かぁ…なんか飲めるもん、あるかな…

 じゃ、行ってくるわ。ヘルムンス、後よろしくな。


Index Previous Page Next page

ゆな<juna@juna.net>