SWPBM#63

すれ違う想い

Chapter5:すれ違いの根幹

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宿

 二日ばかり野営を行うことになりますが、反対の声もなかったため、ラヴィの一声の元、一行はすぐに出発することにしました。おやじに保存食を日数分調達してもらい、出発準備を整えるとオランをでました。
 道中、立ち寄った村でルドリック(以下ルード)らしき人物が通らなかったどうか確認してみましたが、間違いなくルード達一行は目的の村へと向かっていってたようです。
 そして、一行は何事もなく目的の村へと到着しました。
村は人口100人にも満たない小さな森に接しているところです。到着したのはほぼ深夜ですので、あたりを出歩いている村人はいないようです。

 深夜と言うこともあるので、とりあえず一行は宿に向かいました。ルード達のパーティーが自分の宿泊先を確保及びにルード達が泊まっていないか確認するためです。
 宿の扉を開くと、すぐに奥の方から主人とおぼしき初老の男性がやってきました。

■主人
おや、いらっしゃい。
こんな夜中に女性客とは珍しいね。部屋ならちょうど6人分空いてるから、すぐに案内しようか?

■エデン To:主人
そうね、、、宿代はルード様につけておいてくださいまし。

■レヴィック
(……え?(^^;)

■フレイム
(なにっ!?)

■エコー
(はい?(^-^; )

■主人 To:エデン
ん?あの人達の知り合いかい?
あいにく今は出払っていていないんだ。
後ほどそっちに請求してもらえるかな。あ、ちなみに一人20ガメルだよ。

■エデン To:主人
どちらへ行かれたかご存知でして?
宿泊場所はルード様が手配してくださる予定でしたから、生憎と持ち合わせが御座いませんの。
こちらにお泊まりでしたら、ルード様から何か伺ってはおりませんこと?

■レヴィック
(なるほど……さすがねぇ…。)

■フレイム
(彼女の…交渉術の一つか?)

■ルリィ
(すご……これがベテランの貫禄ですか……)

■エコー
(座布団一枚、ですわ……。)

■ラヴィ
(エデンちゃん、いつもこんなことやってんのかしら・・・)

エデンの巧みな交渉(詐欺とも言う・笑)に一同ただただ感心するばかり。
■主人 To:エデン
持ち合わせがないって良くここまで来られたねぇ………(〜^;
何も聞いていないけど………まぁ、いいや。あとで聞いておくよ。


■フレイム
(確かに…宿代を出せる余裕は無いな…(−−;)

■主人
そこの通路を奥に行った一番奥の二つの部屋があの人達の部屋だから、二つ目の左右の部屋をどうぞ。
じゃ、ごゆっくり。

■ルリィ To:主人>ALL
はぁ・・あの・・・ありがとうございます。

とりあえず・・・部屋に行きましょうか?

一行がそうして部屋に入ってからくつろぎ始めたとき、入り口の方がすこし騒がしくなりました。
声から判断するに男が3,4人。内容までは分かりませんでしたが、なにやら小声で話していました。
■声1
思ったより早く解決しそうだな、今回は。

■声2
んじゃ、今日はとっとと寝るか?
あとは森をちょいと調べるだけだからな。

■声3
思ったより早く終わりそうですねぇ。

■声4
………幸か不幸か。

■レヴィック To:ALL
あら〜?もしかするとお帰りかしら?
面倒なことになる前にフォロー入れたほうがいいかもね。ちょっと行ってくるわ。

■ルリィ To:レヴィック
行ってらっしゃい(^-^)
うまくルードさんをこちらの部屋に連れてきてくださいね。

■エデン To:レヴィック
ルドリック様方でしたら報酬のあてもあることですし、ついでに宿代を立替えておいてくださいまし。

■レヴィック To:エデン
はいはい〜☆

後ろ手に手をヒラヒラさせてお返事します。
 レヴィックが酒場の方に行くと4人の男が一つの卓で会話を交わしていました。
 程度の差はあれ、全員装備を調えているところから冒険者と見て間違いないようです。
 装備からして戦士風の男が一人、盗賊風が一人、司祭風が一人、魔術士風が一人といったところです。
 そのうち、戦士風の男は依頼書に書かれてあったのと同じ特徴−黒目黒髪の短髪。長身で色黒。−をしていました。

 レヴィックが寄ってくるのを見て、盗賊風の男が声をかけてきました。 

■盗賊風の男 To:レヴィック
よぉ、夜分遅くにどうした?俺達に何か用かい?

■レヴィック To:盗賊風の男&ルード
ええ、正確にはそちらのルードさんになんだけど。
急ぎで連絡とりたくて乱暴な手(宿代の嘘の事)とってしまったのは御免なさい。多分…ご存知だと思うのだけれど、“銀の網亭”にあった依頼の件で貴方に用事があるの。できれば、アタシ達の部屋にご足労いただけるとうれしいのだけど?

■レヴィック To:盗賊風の男
ああ、そうそう宿代はちゃんと自分たちで払うから(^^;

■イルウェン To:レヴィック
当たり前だ(^^;

まぁ、いいや。で、どうするよ、ルード。


■ルード To:イルウェン、レヴィック
考えるまでもないだろ。
そのために俺達はこの依頼を受けたんだ。

そういうわけで、あのクズに何を言われたのかは知らないが、断る。帰ってもらおうか。


■フレイム To:ルード
・・親子の事情に口を挟みたくは無いが・・
親の死に目には・・・会っておいた方が良い。

レヴィックに続くように近づきます。
■レヴィック To:ルード
クズ…ねぇ…。頭ごなしに拒否するのもいいけれど…今のお父様のコトだけでも聞いてもらえないかしら、結論はそれからでもいいんじゃない?でないとアタシ達がココまできたのもかなり無駄足になっちゃうわ。

■ルード To:レヴィック
そうだな、それは悪いことをした。
まぁ、無駄足ふんだと思って諦めてくれ。

普通はこんな事いわれて諦めきれないと思います(笑)
■レヴィック To:ルード
もし…逆の立場だとして“はい、そうですか”っていえるのかしら?無理でしょ?
アタシは貴方達ともめるようなことにまではしたくないのよ。せめて今の現状を聞いてもらって、その上で貴方の意見を依頼主に持って帰りたいのだけど。
…貴方のお父様が、貴方やお母様をどう思われているか…聞いたこと無いんじゃない?それで結論を出すのはどうかと思うわよ…。

■フレイム To:ルード
・・・父を嫌っているのなら、尚のこと、生きている内に会うべきだ・・・。
墓前では・・・・・・文句さえ言えぬ・・・。

言葉の上では上ルードはかなり穏やかに話しているようには見えました………。
しかし、表情にははっきりと父親に対する怒りと憎しみが現れていました。
言葉にも徐々に怒気が含まれて来つつあります。
■ルード To:レヴィック
………聞く耳持たないな。
もし家を出た当時今と同じ実力があったら葬っていたところだ。
今まで生きていただけでも俺にしてみれば吐き気を催すくらいなんだ。だから、もう顔を合わせるつもりもない。

■レヴィック To:ルード
…ふぅ、それは貴方のお母様もお気の毒ねぇ…。

■ルード To:レヴィック
なんだと?それはどういうことだ?

レヴィックの「母親」という言葉を聞くと同時に先ほどのルードの怒気が急に引いていきました。
■レヴィック To:ルード
貴方のお母様は、お父様を…憎んでいたのかしら?違うんじゃない??だとしたら……息子の貴方がそのお父様をここまで憎んでいるのはお母様にとって辛い事じゃないかしら。
それに、お父様だってお母様を愛してたってことにはかわりはないのよ?
そのお母様達の気持ちを蔑ろにはしたら…気の毒だとしかいいようがないわ。
…ああ、とにかく、ここで立ち話もなんでしょ、アタシ達の部屋に来てもらえない?別に取って食おうって言うんじゃないんだから…。

自分にも覚えのある話なのでこれまでのヘラヘラした感じではなくちょっと真剣な顔で説得します。
■ルード To:レヴィック
(吐き出すように)
………それが俺があのクズを殺さなかった理由でもあるんだよ。

いい。そっちで話くらいならしてやる。


一行は一旦部屋を移動しました。

宿(ルード宿泊先)

酒場の席を立ち、一行は自分たちの部屋に移動してきました。ルードは扉を背に立ったまま話を続けます。
ルードの仲間は部屋の外で待機しているようです。
■ルード
確かにお前の言うとおり、俺の母親は最後まで想い続けていたよ。あいつを。
それでもあいつは母親を裏切って再婚したろうが。見たか?あいつの今の妻を。年齢は俺と10くらいしか違わないんだ。
すぐに鞍替えしやがるようなやつなんか信用できない!

■フレイム To:ルード
・・・なら、その不満を本人にぶつければ良い。
燻らせたまま怨み続けては・・・母者も浮かばれまい・・・。
互いに、生きている内で無ければ、何の進展も、解決もない。
其方の気持ち・・・解らぬ訳では・・・ない。

思い切り憂いた表情で語りかけます。
■レヴィック To:ルード
再婚が…裏切りかどうかはわからないんじゃない?貴方のお父様はお母様を思って泣いてたけど…あれはお芝居なんかじゃないしそれが…自分がお父様に愛してもらってるのがわかっていたからお母様も思い続けていられたんじゃないの?

■エコー To:ルード
ルードさま……。わたくしはエコーと申します。
わたくしにはルードさまが本心からお父様をお嫌いになっているようには見えませんわ。
お母様のために…そのために怒っていらっしゃるのではございませんの?
そして、あなた自身が「大好きだったお父様に裏切られた」と思っていらっしゃるのではございませんか?
もしやお会いになる事でお父様を大好きだった頃の自分を思い出すのを恐れているのだとしたら
……それは自分の心に嘘をつくことになるのですわ。

エコーは殆ど涙目です。
ルードは目を閉じて大きく鼻で深呼吸すると、再び目を開けゆっくりしゃべり始めました。
■ラヴィ To:ルード
・・・・・このまま死に別れでもしたらきっと後悔することになるわ。
もう一度、会って話してみてもいいんじゃない?

■ルード
………(−−)
ちょっと誤解してるな。
俺は父親に遊んでもらった記憶も優しくしてもらった記憶もほとんどないんだ。貿易商だったからな………。
………それに例えヤツが俺の母親を心の奥底で愛していたとしても、それが愛人を作って良い理由になるわけないだろう?

………こうしないか?
お前らに無駄足はふませない。依頼を放棄した分と契約を破棄した損害金と。あとここまでの旅路の金は出すから………。この話はなかったことにしないか?


■エコー To:ルード
誤解ならば尚更なのですわ。
だってこれが心の中を伝え合う最後のチャンスになるかもしれないのですもの……。

■フレイム To:ルード
・・・俺は父の顔も知らぬ。いや、父にしてみれば、俺が生まれたことも知らなかっただろう。
何しろ、父が里に居たのは一月も無かったのだからな・・・。
ともあれ、初めて見たのは、父と義兄の墓標だ・・・。
幾分事情は違うが、多少は似た経験を持つ者として、最後に会って話をする事を・・・俺は薦めたい。

■ルリィ To:ルード
あら? もしルードさんが逆の立場でしたら、それで納得するんですか?(にっこり)
――と、まだ名乗ってもいませんでしたね。私はルリィと申します。

確かに愛人を作ったことは、ルハイムさんの罪だったかもしれません。
けれどその過ち…詫びる機会さえ与えられない程、ひどいものなのでしょうか……?
ルードさん。あなたが家を出てから、もう10年以上も経つんですよね。
月日って、人を変えるものですよ?
貴方のお父様が気持ちを入れ替えるのに、充分な時間……。

ルードは今一度目を閉じると腕を組んで考え込むような姿勢になりました。
今度はかなり長い間考え込んだあと、大きくうなずいて一行の方に向き直りました。
■ルード
………分かった………。
じゃあ、会いに行こう。
その前に、あいつはお前達に何か言わなかったか?

■ラヴィ To:ルード
・・・・・・後悔してるって言ってたわ。
それと・・・償いをしたいって。

■ルード To:ラヴィ
………そうか………。

ルードの返答を最後に沈黙を部屋が包みました。
その沈黙に耐えかねたようにエコーが口を開きました。
■エコー To:ルード
あと……わたくしお願いがございますわ、ルードさま。
例えどんなに心に据えかねた事がおありになっていたとしても
…どうか、ルハイムさまに乱暴な事だけはなさらないで……。

■ルード To:エコー
………それはあいつの態度次第さ………。
まぁ………心配するな………お前らの言うことが本当なら多分それはないだろうからさ………。

■エコー To:ルード
はい、わかりました。もう心配は致しませんわ(^-^)
わたくし達は、ルハイムさまも、ルードさまも、信じておりますもの。

もう一度沈黙が部屋を包みました。
しばらくの後、ルードは思い出したように一行の方に向き直りました。
■ルード
そういえば、お前らこれからどうするんだ?
俺達は今の依頼にもう少しかかりそうなんだが………

■エデン To:ルード
私共としてはルハイム様の容態も思わしく御座いませんので、なるべくならすぐにでもお会いして戴きたいのですけれど……。
よろしければそちらの依頼を私共で承るか、他の仲間の方々にお任せするわけにはまいりませんこと?

■ルード To:エデン
一日くらいは大丈夫じゃないか?
明日か明後日には終わると思うんだ。一応リーダーだから途中で抜けるわけには行かないからな。

■フレイム To:ルード
早く戻るに越した事は無いが・・・仕事を投げる訳にもいかぬか。
終わらせるまで戻れないのは止むを得ないな・・・。

■フレイム To:ALL
我々はどうする?一度戻って、先に依頼主に伝えるか・・・
ここに残り彼らの仕事が、速く終わるよう、手伝う事は出来ないか?

■レヴィック To:フレイム&ALL
うーん。先に戻っても意味ないような気がするしルードさんがよければアタシ達も仕事に付き合う、そうでなければルードさん達の仕事が終わるまで待つってことでどう?

■ルリィ To:レヴィック
それが一番良いでしょうね。

■ルード
協力は必要ないな。
できるだけ早く終わらせるから、明日一日待っててくれ。
もう寝るから、失礼するよ。

言い終わるとルードは部屋を出ていきました。
部屋の外で仲間としばらく話し合っていたようですが、それが終わるとそれぞれ自分の部屋に戻ったようでした。
■ルリィ To:ALL
……ふぅ。
とりあえずはうまくいった、というところでしょうか?
ルードさんとルハイムさん――この2人が会った時のことを考えると、またひと騒動起こりそうですけど(^-^;;

■エコー To:ALL
ですが、ルードさまは乱暴な事はなさらない、と、仰いましたわ。
嘘をつく方には見えませんでしたから、問題が起きるとすれば……
(少し言いずらそうにして)あの方…でございましょうね(^-^;

■フレイム To:エコー
・・・ケイヒル・・だったか?確かに、何もしないと言い切ってはいなかったが・・・。

■レヴィック To:ALL
まぁ、この際彼に任せてみたら?親子…も、そうだし、母親は違うとはいえ兄弟なんだから、なんとかなるわよ、多分(笑)
ささ、今日はなんだか疲れたしアタシ達も寝ないこと?

■フレイム To:レヴィック
親子・・・兄弟か・・・何とかなって、貰いたいものだな。
そうだな、これ以上起きていても仕方が無い。今日はもう休もう。

このあと一行は各自の部屋に戻って二日間の疲れを癒すことにしました。

宿

次の日、一行が起き出してきたときにはルード達はすでに宿を出ていってました。
さしあたってすることもないので、ゆっくりと朝食、昼食を取り、ルード達が帰ってくるのを待っていました。
それから延々と待ち続けること数時間、日が暮れかかった頃に彼らは戻ってきました。
すでに依頼を終わらせたらしく、ルードを除いて皆、わずかばかりですが今回の収入に上機嫌のようでした。
‥‥‥どうやらルードはまだ父親に会うのが気が進まないようです。
■ルード
………待たせたな。
どうする。一泊してからいくか?

■ルリィ To:ルード
いえ…もし、皆さんがお疲れでないのなら、このまま出発したいのですけど。

ルード達の様子を気遣いながらも、こちらの意を示しました。
■ルード To:仲間
(仲間の方を振り返って)
どうする?

■イルウェン To:ルード
俺はかまわねぇぞ。

■オルツェイ To:ルード
あぁ、私も良いですよ。

■カントス To:ルード
………問題なし。

■ルード To:ルリィ
………こちらは問題ないみたいだ。
そっちの準備は大丈夫か?

■エコー To:ルード達
そのつもりだったのですもの。いつでも出発できますわ。

■ラヴィ To:ALL
・・・決まりね。それじゃ出発よ!

■レヴィック To:宿屋
あ、そうそう…はい。支払い(^^;

言いながら宿/食事代を支払いました。
その後一行はオランへの帰路につきました。


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GM オーイシ
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