SW-PBM Scenario #61B 目次

話し声


鍾乳洞

 窪地を無事に抜けてしばらく進んだ。難しいと言われた「岩の影を右に折れる」個所も無事クリア。したと思ったところで、音に注意していたソフィティアを始め数人は、かすかに自分達以外の物音に気がついた。
■アフル To:ALL
…ん、ちょっと待って。
何か聞こえない?

 と、アフルは耳をすます。
■アスタルテ To:ALL
うん、確かに何か聞こえるけど・・・何の音だろう?

■ソフィティア To:ALL
なんか、言い争ってるみたいよ。知らない言葉だから、ダークエルフかも。

■カナル To:おおる
どこからだ?

■ヴィクトール To:ALL
ん〜?・・・えっ、音って??

 全く気付いてなかったヴィクター、言われて慌てて耳を澄ましてみる。
 何やら声が聞こえてくる。2 人の人物が会話しているようだ。口調はかなり激しい。 アトールは聞き取ることはできたのだが、何を言っているのか内容がさっぱりわからない。 アフルは、かなりよく聞き取れた方だ。しかも、エルフ語だということも分った。 カナルも、ほとんどが聞き取れた。
■カナル To:おおる
確かに、エルフ語のようだな。
しかし、向こうも慌ただしいな。
物を探してると言うよりは、人を、それもそれなりに地位の高い者を捜してるようだが……。
誰か、馬鹿なボンボンでも迷子にでもなったのか?

■アフル To:カナル
ん、そうかな?
手分けして、何かを探してるみたいだけど…
『ファリス様』を探してるんじゃないの?

■カナル To:アフル
ダークエルフが、ファリスか?
もし仮にエルフにしても、様付けはしないだろう。
この村の男達が、日常会話でエルフ語を喋るとも思えんし。

■ケニ To:カナルさん
村のみんなは、わたしと同じ言葉ですよ。

共通語である。
■アフル To:カナル
そりゃあ、ダークエルフ達が「ファリス様」って呼んでる訳ないけど…(^^;;
だから、それを探す為に手分けしてたら、隊長かなんかとはぐれたってとこじゃないの?

■ソフィティア To:ALL
声が聞こえるほど近くにいるって事は、そろそろ鉢合わせするかもしれないわね。みんな気をつけて。

■カナル To:おおる
そう言えば……

 「迷子」で思い出したように、カナルは手持ちの金属製カードを取り出して一同の前に広げた。 全部で 22 枚あって、それぞれに異なる絵が書いてある。
■カナル To:おおる
大丈夫だとは思うが、離ればなれになったときのお守りだ。
大事にしておくようにな。

■アスタルテ To:カナル
え、もらっていいの!!
じゃあ、ボクはこれ。大事にするね。

 そう言うとアスタは、「力」のカードを受け取った。
■アフル To:カナル
ありがと。
じゃあ、俺はこのカードね。

 と、言いつつ、アフルは「運命の輪」のカードを受け取った。
■ソフィティア To:カナル
タロットカード?なんか、いろいろ意味あるらしいけど解らないからとりあえず、これ貰っておくわ。けど、これ何に使うの?

 ソフィティアは「戦車」のカードを受け取った。
■ヴィクトール To:カナル
わぁ〜、カナル兄ちゃんって珍しいもの持ってるんだね。
オレはこの魔法使いの人のにするね〜。

 ヴィクターは「魔術師」のカードを受け取った。
 リッキーの分は多分ない。
■アトール To:カナル
じゃあ、俺はこれをもらおう。

 アトールは「恋人」のカードを受け取った。
■ケニ To:カナルさん
わたしもですか?

 カナルは頷いた。ケニは、「節制」のカードを受け取った。
 これで、もしも誰かが迷路のような鍾乳洞の中ではぐれたとしても、カナルからはそれぞれがどこにいるかわかるだろう。古代語魔法の「ロケーション」が力を発揮するはずだ。
 そうこうしているうちに、物音は聞こえなくなった。
 どうやら音の主は、どこかへ移動したらしい。
■アトール To:おおる
内容は判らないけど、どうも言い争ってる感じだったぞ。
少なくとも2人いて、別々の方向に走っていったみたいだ。

■アフル To:アトール
別々の方向か…。
だったら、とりあえず2人組にいきなり遭遇するって事はない訳だね。

■ヴィクトール To:
・・・あれ?もうどっか行っちゃったのかな。
あぅっ・・・オレ結局、最後までよく聞こえなかったぁ〜。

 一行は、再び先を急いだ。



連絡先:とよた
E-mail:toyota@t3.rim.or.jp