SW-PBM Scenario #61B | 目次 |
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鍾乳洞 |
何やら話し声が聞こえた個所からしばらく進んだ。
道は広くなったり狭くなったり、登ったり下ったり。様々に変化するが、これといった特徴はなく、確かに何の準備もなく入れば迷子になることは必至のように思われる。
■カナル To:おおる |
これは、見事な鍾乳洞だな。 |
■ヴィクトール To:カナル |
うん、そうだねぇ〜。 時間があったらあとでじっくりまた見学したいなぁ〜。 |
窪地から 1 時間ほど歩いたであろうか。ソフィティアの持つたいまつがそろそろ燃え尽きようとしている。ケニの方はまだ半分ほど残っている。
ソフィティアはまさに燃え尽きようとした時に、新しい松明に火を移した。再び十分な明かりが確保された。
■ヴィクトール To:ALL |
たいまつ足りなくなったら教えてね、オレ一応ランタン持ってるからさ。 |
2 人並んで歩くのがようやくのトンネルを抜けると、一同は再び広い場所に出た。幅 3 メートル、長さ 10 メートル、最大の高さ 5 メートルほどの空間が広がっている。そして、その先には 3 本の道がある。どの道の奥も真っ暗闇だ。
■ケニ To:ALL |
えっと……。ここは、右の道を行くんです。他の道は、入り口に戻っちゃうんですよ。 |
ケニは、持っているたいまつで右の道を指し示した。そのとき……
3 本ある道のうち、真中の道からやってくるものがあった。まずは狼が 2 頭、そしてその後ろから、漆黒の肌のエルフが姿を見せた。
■ダークエルフ To: ALL |
貴様等…… 生き残りか! |
ダークエルフは、そう叫ぶと腰から銀のダガーを抜いた。
■カナル To:エルフ |
(東方語で) 確かに生きてるが、残念ながら残りじゃないぞ。 |
どうも、このダークエルフに東方語は通じないらしい。カナルのギャグに対する返事はなかった。
■ダークエルフ To: 狼 |
(エルフ語)行け! |
狼が、冒険者達に迫る。
戦闘(1 ターン) |
先手を取ったのは冒険者たちだった。
まずは、カナルが禁忌と言われているファイアボールを放った。ダークエルフを中心に、火の玉が爆発する。狼はかなりの火傷を負った。しかし、炎の中で、ダークエルフは不敵に笑っている。
■アトール To:カナル |
おーい、なんか効いてないみたいですけど(^^;; |
■カナル To:アトール |
俺の良心が、禁忌の呪文に無意識の制御をつけてしまったようだな。 |
■ヴィクトール To:カナル |
えぇっ、そうなのぉー!? ・・・でもオレ、ファイアボールって初めて見た。う〜ん、感動するなぁ〜っ。 |
ダークエルフは、闇の精霊の力を借りた。精霊魔法のフィアだ。
■ダークエルフ |
(精霊語)我が同胞よ、黒き精霊よ……。我等が敵に真の恐怖を。 |
■アフル |
シェイド!? う……、うわぁぁぁぁ…… |
先頭にいたアフルとソフィティアの 2 人は、闇の精霊に心が掴まれるのを感じた。抵抗できない!
アフルもソフィティアも恐怖にとらわれた。動きが封じられる。
■カナル To:アフル、ソフィティア |
おいおい……。 こりゃ、次に使わなければならい呪文は決まったな。 |
アフルは、ノームの力を借りてダークエルフに石礫を浴びせるつもりであったが、恐慌状態からバーサークした。魔法は使えない!
■ソフィティア |
……、こ、こないでよ〜。 |
普段からは考えられないほど、ソフィティアは弱気になっている。そんなソフィティアとアフルに、2 頭の狼が襲いかかる。
アフルは辛うじてかわすことができた。しかし、ソフィティアは恐怖に捕われて身動きできない。狼の牙がソフィティアの胴に当たる。しかし、丁度鎧の金属部分に当たり牙は弾き返された。
ケニは後ろで怯えている。アトールは、そんなケニをかばっている。
■アスタルテ To:狼2 |
くらえ、アスタルテハンマァァァァァ!!(大嘘、実はメイス) |
アスタルテは前に出て、アフルに取りついている狼をメイスで一撃!狼は、ギャン!と叫んで少し離れた。しかし逃げ去る様子はなく、そこからアスタルテを睨んでいる。
■アスタルテ To:狼2 |
おにょれちょこざいな。 |
アトールは戦闘からケニをかばいながらも、周囲を警戒した。どうやら敵は目の前の 3 体だけのようだ。他の道や後ろから襲われる気配はない。
状況を見守っていたヴィクトールは前に出た。ソフィティアに噛みついた狼を追い払おうとクオータースタッフを振り上げる。それが当たってしまって、狼はソフィティアから離れた。ヴィクトールはすまなそうに祈っている。
■ヴィクトール To:狼 |
きっと操られてるだけで悪気はないんだよね・・・ゴメンっ。 |
戦闘(2 ターン) |
■ヴィクトール To:ALL |
えっとえっと・・・とりあえずソフィー姉ちゃんを治すのが先かな? オレ、リーダーを落ち着かせるから誰かこっちの狼の相手頼むねー! |
後ろから攻撃が来ないことを確認したアトールは、それに応えて前衛の応援に駆けつける。
■アトール To:ケニ |
最初の魔法で片が付くかと思ったけど、そんなに甘くはないか(^^; しょうがないから俺もちょっくら前に出る。 自分の身は自分でしっかり守るんだぞ。 |
■カナル To:アトール |
悪かったな(苦笑) |
■ケニ To: アトールさん |
はっ、はい。アトールさんもお気をつけて! |
アトールは、盾を構えて前に出た。代わってヴィクトールが少し下がる。
ヴィクトールはソフィティアを正気に戻すべくマーファに祈る。サニティ。ソフィティアの恐怖は取り払われた。
カナルはケニを含めて全員にカウンターマジック。
■カナル To:おおる |
これ以上は手助けできないぞ。 |
ダークエルフは、今度はノームを呼び出した。
■ダークエルフ |
(精霊語)大地の精霊、万人に等しくその力を貸すべし。我が敵を留めよ。 |
精霊魔法のホールドだ。ソフィティアを除いて、前衛に出ている全員、つまりアフル、ヴィクトール、アスタの足をノームが掴もうとする。が、全員抵抗に成功した。カナルの抗魔の魔法が早速効を奏したようだ。
アフルはバーサークしている。怒りを目にスピアを構え直すと、ダークエルフに突撃を開始した。
わずかの間にも戦局は進む。
その後ろでは、狼がソフィティアとアスタルテに襲いかかった。正気を取り戻したソフィティアはヒラリとこれを回避する。アスタルテは地中から出てきた手に驚き、狼の牙をまともに喰らってしまった。だがその牙は鎧で止められ、彼女の肌に傷をつけることはできなかった。
■カナル |
(厚いのは、面の皮だけじゃなかったんだな) |
■アスタルテ To:狼2 |
そんな攻撃、正義の前には無駄無駄無駄ぁぁぁぁぁ。 おっかえしだ。必殺アスタルテ・スマァァァァァッシュ!! |
アスタルテは返すメイスで襲ってきた狼を思いきり殴りつける。強烈な一打が狼の急所を捉えた。狼は地に倒れた。そのまま気絶したようだ。
■アスタルテ |
ふ、たわいもない・・・ |
■ヴィクトール To:リッキー |
ひ、必殺って・・・なんか格好いいなぁ、リッキー。 オレも今度なんか必殺技作ろうかなぁ〜。 |
アトールは、残った狼をブロードソードで切る。たまらず最後の狼も倒れた。こちらも気絶したようだ。
■アトール |
ほい、一丁あがり! |
その数メートル前では、アフルのスピアがまさにダークエルフに届こうとしている。
■アフル To:ダークエルフ |
お前が、お前がぁ… |
しかし、ダークエルフはこれを体を捻ってかわした。
生き残ったダークエルフは、ダガーを構え直した。
■ダークエルフ To: アフル、ALL |
(共通語)貴様等、あの村の人間ではないな?何者だ! |
■アスタルテ To:ダークエルフ |
(きらりと目を輝かせると・・・)名のるほどでもないけれど、そんなに聞きたいなら聞かせてあげる。正義の美少女神官戦士アスタルテとそのご一行よ!! |
その瞬間、ダークエルフの目には、アスタルテの背後が七色にフラッシュしたように見えた。どこからともなく現れたてんこもりの花や星が舞い散っている……
ナチュラル幻覚?
■ダークエルフ To: アスタルテ |
な、なにぃ!? |
■アトール To: ダークエルフ |
そう、知らなかった?(^^; というわけで、最後の魔法(攻撃?)は、どーぞ美少女神官戦士アスタを狙ってくれ(笑) |
と、笑いながらアスタルテの方を指さして、自分はケニのカバーにさりげなく下がるアトール(笑)
■アスタルテ To:アトール |
(ぎく・・・) (し・しまった、調子に乗って悪ノリが過ぎたかな・・・) |
アスタルテは頬に一筋の汗を流しながら、ギ・ギ・ギと機械仕掛けのようにアトールを振り返った・・・瞳が「アトールってば怒ってる? 怒ってる?」と訴えかけている。
■カナル To:アスタ |
アトールパパさんは、それぐらいで怒るような狭量じゃないさ。 |
実は状況を楽しんでるだけのアトールであった(笑)
戦闘(3 ターン) |
戻ってきたアトールに、ケニが話し掛ける。
■ケニ To: アトールさん |
あの、狼達は死んだんでしょうか? |
■アトール To: ケニ |
いや、とどめはさしていない。 2匹とも気絶しているだけだ。 |
■ケニ To: アトールさん |
じゃあ、あの、ダガーを貸してもらえませんか? わたしが…… とどめをさします。 |
緊張の面持ちでケニが言う。
■ソフィティア To:ケニ |
ケニちゃん、気絶してるのはほったらかして置いても大丈夫だから、魔法攻撃のほうに注意しておいて。 |
■ケニ To: ソフィーさん |
でも、生かしておいたら後で気がついて、またここにダークエルフを連れてくるかもしれません。息の根を止めておかないと…… |
■ソフィティア To:ケニ |
ダークエルフを倒してからで十分よ。 |
■ヴィクトール To: |
・・・・・・・・・。 |
何やら難しい顔をして会話を聞いているヴィクトールだった。
■アトール To: ケニ |
ま、確かに一理あるな。 良いだろう、貸してやる。 |
腰から、銀のダガーを取り出してケニの方へ差し出す。
■アトール To: ケニ |
ただし、とどめをさすからには責任を自覚して貰うぞ。 生き物の命を絶つと言うことはそんなに軽々しく出きることじゃない。 この狼だって、元は森の中で人間に関わることもなく幸せに暮らしていたところを、たまたま、ダークエルフに捕まって操られて俺達に襲ってきただけかもしれない。 とどめをさすことで、森でお腹を空かせて親が帰ってくるのを待っている狼の子供達が、親無しになって野垂れ死ぬかもしれない。 どんな理由があれ、この狼の命を絶つことが、現在の最良の方法だと責任を持って言えるか? |
■ケニ To: アトールさん |
……… |
ケニは、アトールの差し出したダガーに伸ばしかけた手を止めた。
その間にも戦闘は進む。
ダークエルフはダガーをアフルに向けた。しかし、簡単にかわされた。
アフルはダークエルフに力の限りスピアを叩きこむ。これはかなりのダメージを与えた。ダークエルフは怯んだが、まだ倒れない。
■カナル |
エルフ相手に何やってんだか……。 (自分のことは棚上げ) |
ダークエルフの魔法を食らいっぱなしのソフィティア。アフルと並んでここぞとばかりにスピアで攻撃をかけるが、ダークエルフはこれを軽く避ける。
しかし、戦況はまったくのところ冒険者に有利である。ダークエルフも簡単に逃げる訳にはいかない事情があるようだ。しかし、このままではいずれスピアを持った二人に倒されることは目に見えている。ダークエルフの顔には動揺が見て取れるようになった。
■ソフィティア To:ダークエルフ |
毎回毎回、何度も何度も……! |
握った拳がフルフルしている。
以前の冒険で、ダークエルフにスリープを食らって眠り姫してしまったイヤ〜んな思い出が忘れられないソフィティアであった。
■カナル |
(降伏勧告……も面倒だな。 若いの二人に頑張って貰おう) |
戦闘(4 ターン) |
次の瞬間、ダークエルフはアフルとソフィティアに背を向けて逃げ出した。
■ソフィティア To:ダークエルフ |
おのれ、逃がすかこの○×△! |
あまりにもお下品なので自主検閲(笑)
アフルはバーサークの赴くまま、力の限りダークエルフに攻撃した。これはダークエルフにかすり傷を負わせた。しかし、逃げる足を止めさせるには十分だった。
さらにソフィティアがスピアを両手に持って襲いかかる。この一撃をもって、ついにダークエルフは倒れた。
出会い頭の戦闘は終了した。敵はすべて戦闘不能、気絶している。
■アスタルテ |
ふう、おわった〜。 |
■カナル To:ソフィティア |
おっと、とどめは刺すなよ。 殺すのはいつでも出来るが、死体からじゃ話は聞けないからな。 (……まぁ、俺に出来ないってだけで不可能じゃないがな) |
戦闘後 |
その後ろでは、先程アトールに言われた言葉について、ケニが一生懸命考えている。
アフルからも殺気が消えた。バーサークの効果が切れたようだ。
戦闘終了を確認したアトールは、ケニの眼を真剣に見つめながら続ける。
■アトール To: ケニ |
それに、まさかと思うが自分より格下の狼だから、とどめをさしたい、って言ってるんじゃないだろうな? これが、そう、例えば村の人間が同じようにダークエルフに操られて、俺らを襲ってきたとして、同じように気絶させたら、ケニは同じように自分の手でとどめをさしたいと言えるのか? |
■ケニ To: アトールさん |
わたし……。もしその人がダークエルフに操られて、もう元に戻せないなら、きっと同じことを言うと思います。 その狼が、無理やり言うことを聞かされていて、気がついたらぴゅうっと逃げちゃってここに戻ってこないことが確かなら、わたしも殺したくはないです。でも、狼に話を聞くことはできないし…… |
どうしたらいいのか分らなくなったケニは、助けを求めるように回りを見まわした。
■カナル To:ケニ、アトール |
殺したいなら、それで良いじゃないか。 操られていたかどうかは分からないが、こいつらは敵として俺達の前に立ったんだ。 自分より格下かどうかなんて話でもないだろう。 結局は、相手をどうとらえるかじゃないか。 |
■アトール To:カナル |
もちろんそうさ。 ただ、俺達のように殺すことの意味を解ってやるのと、ケニのようなまだ物事の一方面しか考えられない子供が殺すのじゃ、ちょっと訳が違うかな、と思ってな。 別に、殺すなと止めている訳じゃないんだ。 全ての生は、別の死の上に成り立っている。 それを少しでも解った上でやるんだったら何も言うことはないよ。 |
ケニの方に向き直って。
■アトール To:ケニ |
どうする? 何なら俺がさっくりトドメをさしてあげても良いが・・・ |
■ヴィクトール To:ケニ&ALL |
オレ・・・オレは反対だな。 確かに狼と話は出来ないよ。でもだからこそ、それで勝手に判断しちゃいけないんじゃないかな。 それに戦ってるときならともかく抵抗できなくなった者にトドメを刺すのは正しいことなのかな? 命を奪わないでお互いに争わずに解決できる道があるなら、オレはそれを探したいよ。例え相手が狼でも・・・。 |
ダークエルフでも。と最後に付け加えるべき言葉は言わずに呑み込む。
■アフル To:ヴィクトール&ケニ |
それは違うんじゃないかな? 結局、俺達がわかる事ってほんの一部だけだと思うんだ。 でも、それから判断して行動しなくちゃならない。 だからこそ、その結果に責任を持たないといけないんだと思う。 ヴィクターは、この狼を逃がしたとして、もしこの狼がダークエルフ達に飼い慣らされていて、息を吹き返してまた襲ってきたって時に責任が取れる? 今は、この狼を殺すことは確かに最良の道だと思うよ。 |
■ヴィクトール To:アフル |
・・・最良なんて言われても、オレには分からないよ。 悔しいけど確かに責任はとれないと思うよ。 でも、でもさ、それで・・・ここでこの狼たちの命を奪って、それで本当に安心できる日なんて来るのかな? 結局、また別なことが気に掛かるだけなんじゃないかな? 無責任かもしれないけど、オレやっぱり納得できないよ・・・。 |
ケニはまだ決められないでいる。ヴィクトールの言葉にすがるように、尋ねる。
■ケニ To: ヴィクターさん |
……狼は、相手が強いとわかるとすぐ逃げちゃうのが普通だと思います。山に住んでる狼はそうでした。でも、この狼は…… カ、カナルさんの炎でも、アスタさんが殴っても、ヴィクターさんが追い払っても逃げませんでした。ホントに、ホントにもう私達の敵にはならないんでしょうか? |
■ヴィクトール To:ケニ |
・・・ゴメン。オレにも絶対に安心だって確信はないし、そんな事言えないよ。 この狼たちがダークエルフの人達に飼い慣らされて、それで襲ってきたのかそれとももっと別な魔法の力とかで操られていたのか、ホントの所はオレには分からないし、仮に分かったとしても気がついたあとにこの狼たちがどんな行動をするのか今のオレにはやっぱり分からない。 でもオレは信じたいんだ。もう襲ってきたりしないって。 そうやって相手を信じることが出来なきゃ、争いも恐怖も無くならないと思うんだ。 信じても報われないかもしれない、けど信じることをやめたら報われることもないから。 だからオレは信じたい。少しでも可能性があるなら信じることを諦めたくない。 |
■ケニ To: ヴィクターさん |
………信じることを諦めたくない……… |
ケニはようやく決心したらしい。
■ケニ To: ALL |
わたしも、信じることを諦めたくないです。 やっぱり、狼はこのままにしておきたいです。ダメでしょうか? |
■アフル To:ケニ&ヴィクトール |
「信じることを諦めたくない」…か、ま、いいけどね。 でも、そう言った無責任な思いこみ通りにならない事もあるって事は覚えておいた方が良いと思うよ。 |
アフルの心には、あの時、壊れてしまったミシャルカの顔(#17 参照)が蘇る。アトールは、アフルが何のことを言っているのかすぐ理解した。
■アトール To:ALL |
だから、トドメをさすにしろ信じるにしろ、その行動に覚悟が必要なんだ。 自分の取る行動に責任を持つためにね。 |
ちょっと難しかったらしい。ケニは、真剣な顔でしばらく考えた。
■ケニ To: アフルさん、アトールさん |
えっと、自分が信じたことでも、他の人に無責任な思いこみって言われてしまうことがあるかもしれない、っていうことですよね、アフルさん。 後になって無責任な思いこみだったかもしれないって自分で思ったりしないように、しっかり覚悟しておかなくちゃいけない、っていうことですよね、アトールさん。 |
間違えたかな?という表情で、2 人の顔を交互に見る。
■アフル To:ケニ |
うーん(^^;; 「信じる」のもいいけど、その通りには行かない場合もあるって事を考えた上で決めた事じゃないと、「無責任な思いこみ」にしかならないって事だよ。 |
■ケニ To: アフルさん |
はい、わかります。わたしが信じたからといって、他の人が信じてくれるわけでも、わたしの信じた通りになるわけでもないです。 見逃した狼がまたダークエルフを連れて現れたとしても、もしわたしがその時も生きていれば、今度は自分の力で立ち向かいます。ファリス様のお力を借りて……。みなさんみたいに強くなりたいです。 |
■カナル To:ケニ |
別に良いがね。 なるようになるだろうさ。 |
■アトール To: ALL |
ま、トドメを刺さなくても、おそらく動けるようになるまでに1〜2時間はかかるだろう。 その前に、ダークエルフの方の方をつけちゃえば問題はないさ。 じゃあ、先を急ごうか。 |
そう言いながら、ケニに差し出していた銀のダガーをしまう。
■ソフィティア To:ALL |
このままほったらかしてても、害はないわよ。それに、ダークエルフとの戦いがあっても、それまでには終わってるだろうし、その後襲ってこようが敵じゃないわ。トドメを差すならそのとき「ついでに」してあげるわよ。 |
頼もしい限りである。
■アスタルテ |
ん〜、なんか難しい話してたみたいだけど、終わったみたいだからいっか・・・ |
実にとんでもない神官である。
■カナル To:アトール |
少し待ってくれ。その前に……。 一つしておきたいことが有るんだ。 |
■アトール To:カナル |
? ああ、すっかり、忘れていた(^^; すまん、すまん。さっさと終わらせちゃおうぜ。 |
冒険者達は、気絶したダークエルフに向き直った。
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