SW-PBM Scenario #61B | 目次 |
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山頂付近 |
平和な夕食時のオラン市街から、夜を徹しておよそ半日を騎馬で駆け通した。ヴィクトールは居眠りしながらのギャロップで落馬しそうになったが、リッキーがすかさず手綱を締めてなんとか持ちなおした。
一行はとうとう目指すバル・ファリス山の 7 合目に到達した。ここから先は獣道を徒歩で登るしかない。空は既に白んで来ている。
■通商ギルドの男 To:ALL |
では、俺はここで引き返すが…… みんな、生きて帰って来いよ。 |
■ソフィティア To:通商ギルドの男 |
えぇ、あなたも帰り道気を付けてね。 |
山の中は鬱蒼と木が生い茂り、森閑としている。自分達の進む音以外は遠くで鳴く鳥や甲高い獣の声が聞こえて来るだけで、特に異常は無かった。
■ソフィティア To:ALL |
ダークエルフがいるって言う話だから、ここから隊列を組んだ方がいいわよね? |
■カナル To:ソフィティア |
ああそうだな。 それと、こいつに一足先に村の様子を見てきて貰うとしよう。 |
カナルは使い魔のミミズクを空へ放った。ミネルヴァは木立の間を抜けて高く舞い上がる。
■ヴィクトール To: |
・・・すごーい。リッキーじゃあ、こうはいかないよね。ふぁ〜ぁ。 |
とかなんとか呟きつつ、かなり眠そうに欠伸。
■アスタルテ To:ヴィクトール |
ヴィクトール、シャンとしなって。 今度こそ落ちるよ。 |
■ヴィクトール To:アスタルテ |
あ、うん・・・ありがと〜、大丈夫。 |
ごしごし顔を擦ってみるも、やっぱり眠そう。
その間に、ミネルヴァが山頂上空に到達した。その視界はカナルと共有されている。
■カナル To:おおる |
おお、確かに何事かは起こってるらしいぞ。 ありゃ、襲われた跡か? 焼けこげた家が見えるな。 今、戦いがあるわけじゃないようだが、急いだ方が良いな。 |
■アトール To:おおる |
あの、おっさんの言ったとおりだな。 戦いが見えないってことは、既に村中占拠されてるのかも・・・ 気を付けて近づいた方がいいな。 |
■ソフィティア To:カナル |
そろそろ、村も朝ご飯の時間じゃないかしら?村の人とか炊きつけの煙は見える? |
■カナル To:ソフィティア |
……生憎と。 煙どころか、人の影すら見えないぞ。 アトールの言うとおり既にやばい状況になっているのか、それともダークエルフを警戒して、火を焚いていないのか。 ここらでは判別しにくいな。 |
■ソフィティア To:カナル |
煙も人の影も見えないなんておかしいわね。村が無事なら見張りぐらいは居るかも、と思ってたのに。 |
■カナル To:ソフィティア |
確かにな。 もしかしたら、教会にでもこもって神に祈ってるだけかも知れないぜ? さて、ミネルヴァをもう少し近づけてみるか……。 |
■ソフィティア To:カナル |
えぇ、お願いするわ。 |
ミネルヴァは高度を落とし、村の近くの木に舞い降りた。
■アフル To:ALL |
そっか…。 じゃ、俺が先に立っていくよ。 相手がダークエルフならセンスオーラしながら進んだ方がいいだろうしね。 |
■ヴィクトール To:アフル |
ん、ダークエルフって魔法で消えたりとか出来るんだっけ? ってことは見えないだけで今も近くにいたりするかも知れないんだ・・・。 |
ドキドキしながら辺りを見回す。
■アフル To:ヴィクター |
うん、でも、魔法で消えてたら、スプライトの力が働いてるからすぐわかるはずだから、大丈夫だと思うよ。 |
と言いつつ、センスオーラで周囲を確認する。
特に妙な精霊は感じない。
■アフル To:ALL |
うん、別にスプライトの力が強いって事も無いし、魔法で姿を消してるって事は無いはずだよ。 |
村近くの木に舞い降りたミネルヴァが得た感覚がカナルに伝わってくる。彼には、上空からでは分からなかった細かい点、匂い、音などが新しく感じられている。
■カナル To:おおる |
(……この匂い……肉の焼ける匂いだ……) どうやら、間に合ったとは言え無いみたいだな。 既に犠牲者が出ているようだ。焼けこげた死体がある。 村人全滅という風ではないから、籠もっているのか、それとも連れ去られたか。 そこまでは分からないな。 |
■アフル To:カナル |
そっか…。 できるだけ急いだほうが良さそうだね。 |
一同は警戒しながら先に進んだ。
しばらく進むと、アトールとカナルは空気に微かではあるが異臭が混じっているのに気が付いた。何かが焼けるような匂いだ。
■アトール To:おおる |
ん? 何か臭うな。焼けこげた臭いのような? |
■アフル To:アトール |
え、そう? まさか、人の焼けた臭い…? |
■ソフィティア To:ALL |
状況からして火葬ってわけでもなさそうだし、先を急ぎましょう。 |
山の傾斜が緩やかになり、頂上が近くなって来た。
行く先は明るくなり、そこで森が途切れていることが分かる。木で作られた簡単な門が見えてきた。どうやら、村の入り口のようだ。
■カナル To:おおる |
敵と間違われて、いきなり、村人に襲いかかられるなんて事はないよな……。 周りに、何か見えるか? |
門の外に誰か倒れていた。一人、マントを被ってうつ伏せになっているようだ。伸ばされた腕の肌の色が黒い。側にショートソードが投げ出されている。体の下には血溜まりができている。既に息はなさそうだ。
■ソフィティア To:ALL |
あの倒れてるのってダークエルフかしら? |
■ヴィクトール To:ソフィティア&ALL |
ホントだ、肌が黒いや。 この人がダークエルフなの?オレ、本物見るのって初めて・・・。 |
ヴィクトールは、倒れいている人影に駆け寄った。
■ソフィティア To:ヴィクトール |
あ、村がダークエルフに占領されてたら……。いっちゃった(^^;;;; |
■ソフィティア To:ALL |
わたしはヴィクターを追いかけるけど、何人か残っていざと言う時は援護して。 |
そういうとソフィティアもヴィクトールの後を追った。
■アフル To:ソフィティア |
ち、ちょっと… もう、しょうが無いなぁ |
と、アフルもそれを追って駆け出す。
■アスタルテ To:ソフィティア・アフル |
えぇぇぇぇぇ! ボクも行きたぁぁぁぁぁい!! ・・・ボクもダークエルフ見たこと無いのになあ。 |
ヴィクトールは冥福を祈りながら状態を調べてみるが、やはり既に死んでいた。他のメンバーは注意深く周囲を警戒するが、特に変化はない。相変わらず静かなままだ。特にダークエルフのインビジビリティを警戒したアフルは、その近くに立ってセンスオーラで警戒する。
■アフル To:ヴィクトール&ソフィティア |
そのダークエルフってカレブさんが殺したってやつかな? |
■ヴィクトール To:アフル |
んっと・・・死んじゃってから一日くらいだし、剣か何かで斬られた怪我が原因みたいだから多分そうなのかな? |
■ソフィティア To:ALL |
とりあえず村の入り口まで行ってみましょう。 |
ソフィティアは、周りを警戒しながら村の入り口まで近づき中を観察した。
それは悲惨なものだった。
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