SW-PBM Scenario #61B | 目次 |
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銀の網亭 1 階 |
階下では、おやじとその隣の黒い髪の男の周囲に小さな人だかりができていた。集まってきた人が何事か話し掛けるたびに、黒い髪の男が難しい顔をして首を横に振っている。
■黒い髪の男 To:ALL |
駄目だな。一人で行ってどうするってんだ?何があるかわからんのに。 ……若すぎる。子供の使いじゃないんだ。行って帰って来れば良いというものじゃない。ある程度現地で自分で判断できる奴じゃないと…… |
集まっている人間では、どれもこれも男の眼鏡には適わなかったらしい。
■カナル |
なんか、偉そうな男だな。 |
■黒い髪の男 To:おやじ |
ケチを付けてるわけじゃない。ある程度できる奴じゃないと、死にに行かせるようなもんだ。 |
■おやじ To:黒い髪の男 |
そうだなぁ… |
そこへ、我等が冒険者達が 2 階から降りてくる。
■カナル |
そうそう。 命は無駄にするもんじゃないよな。 |
■アトール |
でも、出来る奴ほど過信におぼれて自滅するとも聞くけどな(^^; |
■ヴィクトール To:おやじ |
やーほー!ねえねえ、おっきな声聞こえてきたけど何かあったのー? |
■ソフィティア To:おやじ |
おじさん。怒鳴り声が上まで聞こえてきたけど何かあったの? |
■アトール To:おやじ |
俺には、どう考えても俺達の部屋にめがけて叫んでるように聞こえたけど?(^^; |
■おやじ To:アトール |
ハハ、ばれたか。さっき酒を持っていったばっかりだっただろ?まだ酔っ払ってなくて腕の立つ奴等って言ったらお前達が真っ先に思い浮かんだんだよ。 |
■アスタルテ To:おやじ |
さっすが、見る目あるわねえ。 |
■おやじ To:アスタルテ |
おっ。頼もしいねぇ、お嬢さん。 |
ほっとしたのか口が軽くなるおやじ。
■黒い髪の男 To:おやじ |
……確かに、彼等なら十分だ。 経験も積んでいるようだし、今の言動からすれば力に頼りすぎて無駄死にする事もあるまい。 |
■おやじ To:ALL |
こいつはカレブ。俺が冒険者だった頃の昔馴染みだ。 危険を売りつけに来たらしいぜ。 |
■カレブ To:おやじ |
人聞きの悪いことを言うな。 |
カレブと呼ばれた男はおやじを拳で軽くどついて、改めて一同に向き直る。
■カレブ To:ALL |
近郊の村がダークエルフに襲われている。俺はこれからオラン軍の出動を要請に王宮へ行くつもりだ。が、軍が出るには時間がかかる。先発隊として先に現地の偵察を行ってくれる奴等を探しているんだ。 |
■カナル To:カレブ |
(ダークエルフに、オラン軍だ? 嫌な単語が続くな……) そうですか。申し遅れました、私はカナルと申します。 |
■カレブ To: カナル |
カレブだ。放っておけばきな臭いことになりそうだと俺も思う。 何やら謎かけのようなことを言うが、俺には難しくてよく分らんな。俺が売るのだから代価を支払うのは買う方だろう? むぅ、この仕事を遂行して自分達は何が得られるのか?という事ならば、俺から約束できるのは「名誉」だけだ。 |
■アフル |
「名誉」だけって…(^^;; |
■アスタルテ |
よっしゃ!!(アスタは心の中でガッツポーズをした) |
条件に渋る冒険者の中、1人だけアツイ奴がいる……
■カナル To:カレブ |
それでは、分かりやすく参りましょう。 「名誉」で腹はふくれません。 仲間が何と言うかは分かりませんが、私の個人的な見解ならば、見ず知らずの村のために無料で張る命は持ち合わせてはおりません。 |
■ソフィティア To:カレブ&おやじ |
ちょっと良いですか?ややこしい言葉遊びは置いておいて、このパーティーのリーダーとして言わせてもらいます。 冒険者の事は十分ご存知でしょうからわかると思いますが、人助けの為だけにこの仕事をしてるわけではありません。全員一致の意見ならば断る理由はないんでしょうけど、リーダーとして、「名誉」だけの為にパーティーの命を危険にさらす事には反対です。名誉より大切な物があるメンバーもいますしね。そこらへんをわかっていただいた上での相談ですか? |
■カレブ To:おやじ |
おい、俺達の時代は遠くなっちまったみたいだなぁ…… |
■おやじ To:カレブ |
そう言うな。正論だぞ。 |
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