「人の心はパラシュートのようなものだ。
開かなければ使えない」(オズボーン)
歌劇場 舞台 |
■ イルミナ To:エレック |
いたたた... エレックさん。エレックさん... |
咄嗟に舞台から転がり落ちたイルミナとエレック。
エレックは、気を失っているのか、ぴくりともしないが 多少の打ち身はあるものの、どうやら酷い怪我はないらしい。
その襟元から、豪奢な意匠の施されたペンダントがこぼれ落ちた。
■ イルミナ |
ん?これは? |
と、そのペンダントに目をやるイルミナ。
美しい模様だが、残念ながらそれが薊の花をあしらっていると言うこと以外は分からなかった。一部始終を見ていたジークの目には、先程エレックの危機に声を上げた者の姿が見えていた。
劇場の天井付近にいたその小柄な男は、慌てて逃げ去って行く。
■ ジーク To:男 |
?! 待ちなさい! |
エリックの方は無事と判断したのか、男を追いかけるジーク。
■ アップル To:ジーク |
え、なに? だれか追いかけるの? |
訳も分からないまま、取り敢えずジークの後を追い、走り出したアップル。微かなうめき声と共に、エレックはゆっくりと瞼を開いた。
徐々にはっきりしてくる視界の中、目の前にイルミナの姿を見たエレックは、自分がイルミナに抱きかかえられていることに気付くと、咄嗟にイルミナを突き飛ばした。
■ イルミナ |
きゃっ(><) |
■ エレック To:イルミナ |
な、なにをする!
|
しかし、漸く状況が飲み込めたエレックは、非常にバツの悪い顔をしながらイルミナに頭を下げた。
■ エレック To:イルミナ |
き、君が助けてくれたのか? ありがとう。 …………急なことに驚いてしまって……申し訳ない。 |
■ イルミナ To:エレック |
い、いぇ。 それより、お怪我はありませんか? 私の体では、あなたを弾き飛ばす以外方法がなくて...手荒な形になってこちらこそごめんなさい。 |
■ エレック To:イルミナ |
いや、助かったよ。 私は大丈夫だ。君の方こそ、大丈夫かい? |
心配そうにイルミナの顔を覗き込むエレック。
そこへ、物音を聞きつけたクレフたちが駆け込んできた。
■ イルミナ To:エレック |
えぇ(^^ このくらいでひるんでいるようでは護衛なんて勤まりませんから(^^ |
■ クレフ To:イルミナ&その他大勢(爆) |
だっ、大丈夫ですかっ!?な、なにがあったんです!? |
■ イルミナ To:クレフ |
またセットに仕掛けがあったみたいだけど、みんな無事よ。 ちょっと、こっちにきて〜 |
■ クレフ To:イルミナ |
あっ、ミナ!…(よかった、無事だったんだ)あぁ〜、ハイハイ。 |
慌てているクレフに対し一言声をかけた後、案外(笑)素直なエレックの態度に、にっこり微笑み返し握手を求める。
■ イルミナ To:エレック |
あなたが公演に向けて集中できるように、私達は犯人逮捕及びあなたの護衛に全力を尽くします。 お互いが最高の仕事をしましょ(^^ |
■ エレック To:イルミナ |
ああ。お願いする。 この公演だけは、必ず成功させたいんだ。絶対に……。 |
イルミナの手を取りながら、思い詰めたように呟くエレック。
■ リュセラ To:イルミナ |
イルミナが(エレックを)助けたんだ。 あの下敷きになってたら、大怪我で済まないところだったわよね。 |
と、めちゃめちゃになったセットを見ながらうそぶくリュセラ。
しかし、ふと見ると他の仲間の姿が……。
■ リュセラ |
……下敷き? |
名誉の殉職。二階級特進だね。そんなリュセラの不吉な冗談(?)に言葉を返す暇もなく、イルミナは思いつめたエレックの様子に、
■ イルミナ To:エレック |
何かわけありな印象をうけますが... 私達を信用していただけるのでしたら話していただけませんか? |
■ エレック To:イルミナ |
…………すまないが、そこまで立ち入って欲しくはないね。 護衛の件はよろしくお願いするが、あまり干渉はしないでくれ。 |
■ イルミナ To:エレック |
ごめんなさい...気を悪くされたようですね。 |
■ リュセラ To:イルミナ |
イルミナが謝る事ないって。 (もう、何だか仲良く握手しちゃって) それで、あれが落ちて来た時の様子は? |
イルミナの説明で、リュセラもおおよその話は飲み込めたようだ。
■ イルミナ To:クレフ |
落ちてきたセットに細工がなかったかどうか調べたいんだけど、手伝ってくれる?(^^ |
■クレフ To:イルミナ |
分かりました。調べてみましょう。 |
そういうと、落ちてきたセットを調べ始めるクレフ。
■ リュセラ To:アシスト |
私達も手伝おっか。 |
ジークとアップルがまだ戻って来ないのが気になるが、落ちたセットに向かうリュセラ。
話を聞いて少し目つきが厳しくなっているアシスト。
周囲を見渡しながら、
■ アシスト To:エレック&ニケル |
いや、その前に少し聞かせて欲しいんだけど、裏方のヒト達はどこにいるの? 話を聞いた限りじゃ誰かが警告してくれたってことだけど、ここは出入りも厳しくなってたはずだよね? |
■ ニケル To:アシスト |
ちょっと待ってくれ。 |
ニケルが、慌てて確認するが、裏方のスタッフも、全員揃っている。
■ エレック To:ニケル、アシスト |
さっきの声……スタッフの物ではなかった。 |
■ ニケル To:アシスト、エレック |
だとすると、どこから入り込んできたんだ? |
イルミナは、クレフ、リュセラがセットを調べている間、再び辺りの様子に気を配る。
しかし、どうやらさらなる仕掛けはないようだった。一方、落ちてきたセットを調べてみると……。
■ リュセラ To:イルミナ、クレフ |
ね、来て。ほら、これこれ、見て見て。 ここの所、切れ目入れた跡があるよね? |
得意顔で指し示した部分には、かなり上手く隠してあったが、ナイフ等の鋭利な刃物で人為的に細工がしてある。
■ クレフ To:リュセラ |
はぁ〜…さすがですねぇ。私、見つけられませんでしたよ(^^ゞ |
■ リュセラ To:イルミナ、クレフ |
日頃の行いの賜物かな(^^ |
(日頃の行いって、街中で鍛えてるんじゃないでしょーね)等という考えは、おくびにも出さず、
■ クレフ To:イルミナ&リュセラ |
さて、…これは夜中に舞台も監視しなきゃいけませんかね?(-_-;) |
護衛の方法について色々と検討する必要がありそうだ。
■ イルミナ To:クレフ&リュセラ |
そうね...私は舞台の監視をした方がいいと思うわ 舞台の安全が確保されなければ、エレックさんも練習できないでしょうしね |
一方、ジーク達はというと?