「人生は海、船頭は金である。
船頭が居なければ、上手く世渡りができない」(ヴェツケルリン)
歌劇場 ライストンの部屋 |
銀の網亭から一時間ほど。
冒険者一行は、行き慣れない高級な町並みを抜け、大きな劇場についた。
受付に名前を告げると、話が繋がっていたのか、すぐに依頼人であるライストンの元に案内された。
豪奢な部屋では、豊かな口髭をたくわえた初老の紳士が一行を出迎えた。
■ ライストン To:おおる |
おお、君たちか! 張り紙にも書いたが、どうかうちのエレックを護ってくれ! |
挨拶もそこそこに、いきなり話を切り出すライストン。
突飛な話の進め方に、イルミナはちょっとひき気味か?
■イルミナ To:ライストン |
あ、あのぉ〜ライストンさん(^^; エレックさんがあなた方にとって大切な方であるのは充分わかっておりますがまず、現状把握をさせていただけませんか? 具体的にどういったことになっているんです? すでにエレックさんが襲われたことがあるとか、脅迫状が届いたとか... |
■ ジーク To:ライストン |
そうですね、まずは我々に依頼の詳しい話をお聞かせください(^^; |
■ ライストン To:ジーク、おおる |
おお、そうだったな。 と、その前に、名前ぐらい名乗っておかねばな。 私は、ライストンだ。この劇団を主宰している。 |
■ アップル To:ライストン |
こんにちは。アップルリーフといいます。チャ・ザさまにお仕えする者です。(ぺこり) |
■ ジーク To:ライストン |
ジークといいます。よろしくお願いします(^^ |
■ リュセラ To:ライストン |
始めまして、リュセラと申します。 非力な身ですが、知識と技術そして経験をこの度のお仕事に生かせるものと信じています(^^ |
両手を前に揃えて、丁重にご挨拶。
……さすがだ。
■クレフ To:ライストン |
ども〜、クレフって言います。よろしくです〜(^^ゞ |
それにひきかえ、この男はあいかわらずのマイペース。
■イルミナ To:ライストン |
私は、イルミナといいます。 微力ではございますが、誠意あるお仕事をさせていただきたいと思っています。 |
■ アシスト Toライストン |
……あ、オレの番だね(^-^;) オレはアシスト。よろしく〜。 |
仲間が自己紹介を続ける間も、ぼけーっとしている少年。
まだ酒が抜けきってないらしい。
そんなんじゃ、依頼人から信用を得られないぞ。
■ アシスト To:ライストン |
え〜と……それじゃ、依頼の話を聞かせてほしいな。 |
■ ライストン To:ALL |
まず現状だが。 脅迫状などは、以前から来ておった。 しかし、それは有名税のような物でな。名が売れれば、自然とそういう物が湧いて出るもんだ。 しかし……冗談や、笑い事ではすませなくなってきてな。 実際にエレックは狙われておる。 現実に、幾つか被害も出ておるしな。 |
■ リュセラ |
エレック様を狙うなんて、何て卑劣な。 |
■ ジーク |
有名になりすぎるというのも考え物ですねぇ(^^; |
■クレフ To:ライストン |
で、早速なんですが、その…具体的な被害って言うのは…たとえばどんな? |
珍しく話を促すクレフ。
イルミナの愛を引き留めるためにも、頑張って良い所を見せねば!
■ ライストン To:クレフ |
詳しいことは、依頼を受けると決まってからにしたいのだがな。 |
■ アップル To:ライストン |
それもそうですよね。 ご依頼の確認なんですが・・私たちは何をすればいいのでしょうか? もちろん、エレックさんをお守りするのが基本的な役目ということなんでしょうけど。 周辺警護、ということなのですが、エレックさんのまわりに張り付かせていただくかたちになるのでしょうか?それとも、エレックさんの知らないところで、見張りのようなことを行えばいいのでしょうか? ・・あとは、犯人をつかまえることですよね? |
若い身空で枯れてるの? 淡々と仕事のことのみを語るアップル。
■ ライストン To:アップル |
ああ、そうだ。彼を護ってやってほしい。 彼の周りを厳重に警備し、犯人を捕まえることが、今回の依頼だ。 彼に気付かれぬように、と言うことが理想ではあるが、その点に関しては諦めているから、かまわんよ。 |
■ リュセラ To:ライストン |
そうですか。
仕事の進め方については、詳しい話を聞いてから詰めるとして……。 |
■ ライストン To:リュセラ |
無論、犯人を捕まえるまでだ。 途中で放り出されては困る。 |
■クレフ To:ライストン > ジーク |
まぁそうでしょうねぇ。安心できませんもんねぇ… (ジークを仰いで)どうします…? |
■イルミナ To:ライストン&ジーク |
犯人がレリックさんのことを諦めるといったことは考えられないのでしょうか? その場合、追跡するとなると相当な苦労となりますが... |
■ ライストン To:イルミナ |
そうなってくれれば、助かるんだがな。 |
■ ジーク To:ALL&ライストン |
彼女の言う通り犯人が護衛となる我々の存在に対し、諦めたりしばらくなりを潜めることも考えられます。 無論中途半端に依頼を放り出す気はありませんが、その様な場合も考えて依頼の期限を設けて頂きたいのですが? |
■ ライストン To:おおる |
ふむ、それもそうだな。 それでは、当面の期間として、4週間ほどお願いしようか。 ちょうど2週間後から、新しい公演が始まってな。その公演期間がおわるまでお願いしよう。 |
■ ジーク To:ライストン |
4週間ですね、わかりました。 では私たちがレリックさんを公演終了まで護衛いたしますのでご安心を(^^ |
■ リュセラ To:ライストン |
4週間ですか。 (思ったより長い……) 報酬の金額に関しては、詳しい説明の後で。 |
■ アシスト To:ライストン |
それじゃさっそくだけど……狙ってる人間に心当たりはないの?(’’) もしくは手掛かりになるようなモノとか。 ゼロからの捜査は難しいしね。 |
■ ライストン To:アシスト |
犯人の目星がついていれば、わざわざたのまんよ。 恐らくは、ファンの一人かとは思うのだが。 |
その時、軽やかなノックの音と共に、返事も待たずにドアを開け、一人の男がライストンの部屋に入ってきた。
端整な顔立ちは、貴族的な高貴さすら漂い、涼やかな目元に深い知性を感じさせる瞳は、見る者全てを吸い込むようであった。
冒険者を一瞥すると、優雅な足取りでライストンの前に立つと、涼やかなテノールで話し出した。
■ エレック To:ライストン |
団長、そいつらが、話をしていた冒険者ですか? あれほど必要ないと言ったのに……。 |
■ リュセラ |
(この人がエレックかな?) |
■ アシスト To:エレック&ライストン |
そうは言っても、実際に被害が出てるんでしょ? 必要無いってことはないと思うけどなぁ。 万が一の事が起こらないように、団長さんはオレ達を呼んだんだろうし。 |
■ エレック To:アシスト |
誰だい、きみは? 団長が君たちを呼ぶのは勝手だが、私は承知したわけではないのでね。 公演直前のこの大事な次期に、周りをうろうろされると迷惑なんだがね。 |
■ ライストン To:エレック |
まあ、そう言うな、エレック。 私も心配なのだ。 次の公演は、何としても成功させたいからな。 考え得る限り、問題となる要素は排除したいのだよ。 |
■ リュセラ To:エレック |
何か、私達の警護を承知いただけない特別な理由でも? 最近は、得体の知れない犯人が貴方の周りをうろうろしていると、ライストン様から伺いましたが。 |
■ エレック To:リュセラ |
特別な理由などない。 ただ、私は周りに余計な人間が現れて、集中を乱されるのが嫌なのだ。 |
リュセラの言葉に、ムッとしながら応える。
■ ライストン To:エレック |
しかし、こんな状態が続けば、やはり公演に集中できまい? これは、座長としての私の命令だ。 彼らに、お前の護衛を依頼する、分かったな。 |
■ エレック To:ライストン、おおる |
……分かりました。 しかし、くれぐれも私の邪魔だけはしないでくれよ。 |
有無を言わさぬ強い口調に、エレックも渋々頷いた。
■ ジーク To:エレック |
ええ、もちろんそのつもりです。 後のことは私たちに任せていただいて、エレックさんは公演の方に集中してください |