- Diva the Soul Saver - 魂のディーヴァ |
領主の屋敷・厨房 |
声の方に向かってしばらく廊下を進むと、開いた扉の前に何人かの人影が倒れているのが見えた。奥の部屋はどうやら厨房らしい。
と………ポムとミュンが、厨房の中で何者かが息を潜めていることに気付いた。
明らかに、シーフなどの訓練を受けた者とは思えない隠れ方だ。
■ルタード To:みんな |
おっ、何人か倒れとるぞ。 |
ルタードは、倒れている人の様子を探ろうと目を凝らした。
■ポム To:ルタード&みんな |
台所に誰かいるぜ まるでこっそりつまみ食いしに来た子供みたいだ |
■ルタード To:ポム |
こんな物騒な屋敷でつまみ食いというのも、どうかと思うがの。 |
■ポム To:ルタード |
…そのままとるなって(^^; もしかして狙ってたとか言うか? |
■ルタード To:ポム |
狙ってた? わしが、つまみ食いを……? まさか、ポムどのじゃあるまいし(笑)。 それはそうと、何者かを確かめねばならんじゃろうの。 |
■ポム To:隠れてる人(?) |
おい!そこの台所の人 生きてるか〜? |
■ルタード To:隠れてる人(?) |
亡者どもから逃れようとしているのなら、心配ない、わしらは味方じゃ。返事をしてくれんかな? |
■隠れてる人(?) To:ALL |
……… |
その人物は黙っていたが、さすがに完全にばれていることを理解したのか、意を決したように一同の前に姿を現した。
現れたのは、茶色の髪を三つ編みのおさげにした小柄な少女だ。左手に剣を持っているがそれは構えておらず、かわりに右手の掌をこちらに向けている。
■少女 To:ALL |
亡者が自分から、私は敵です〜、なんてわざわざ言うわけないじゃない! 聖なる光よ、来たれ!≪ホーリー・ライト≫!! |
向けられた掌の前に、小さな光の球が現れ、そしてそれは即座に弾けた。
視界が聖なる光で真っ白に塗り潰される………。
■ルタード |
うわっ、目つぶしかっ! |
ドワーフのルタードは普段暗闇でも視界を失うことがないので、かなり狼狽。
■バジル |
なんだなんだ!? |
■アイシャ |
ひゃ〜。 |
光る前にとっさに目を閉じることができたアイシャは、目を細めながら相手の方を見た。
■ルタード To:少女 |
し、しかし、自分から味方と名乗る亡者もまた、おらんと思うがの。 |
■アイシャ To:少女 |
(茶色の髪…。) ねぇ、もしかして…アディ? |
■バジル To:アイシャ |
え?ホント?どこどこ? |
■少女 To:ALL |
………って、あれ?ホントに生きてるの? |
少しきょとんとした表情だが、半身引いたままの体勢で、まだ警戒は解いていないようだ。
■女の声 |
なんだ、生きた人間がいるのかい? |
入り口を挟んで、少女と反対側の陰から大柄な女が出てくる。びっしりと入れ墨の彫られた左手に剣を握り、怪訝そうな様子で言う。
■大柄な女 To:ALL |
ふーん……とりあえず、あんたら何者だい?通りすがりの旅人だとか言うんじゃないよ。 |
■ミュン To:ALL |
僕たちは、ハンク=ラヘンストンという人間に、依頼され者です。アディ=ラヘンストンという人間とレイザ=チョルキーという人間の様子を見にいってくれと、依頼されました。 貴方がたがその2人ですか? |
■大柄な女 To:ALL |
あたいがレイザだ。それから、こっちの暴発ぴかぴか娘がアディ。 |
■少女(アディ) |
暴発……… |
何やら紹介に納得がいかなかった様子で、アディが半眼で呟く。
それを無視してレイザは続けた。
■大柄な女(レイザ) To:ALL |
で、様子は見終わったかい? 帰るんなら早めに帰った方がいいよ、今日はゾンビどもも大人しい方だからね。 にぎやかになってくると、帰るに帰れなくなるよ。 |
■ルタード To:レイザ&アディ |
と言われても、わしらも手ぶらで帰るわけには行きませんでな。 アディどのの兄上、ハンクどのからは、あなたがたの様子を見てくるだけでなく、お二人と一緒に例の祭器を持ち帰るよう、御依頼を受けておるのですよ。 |
■アイシャ To:レイザ&アディ |
えっとぉ……2人はここで何をしてるの? あっ、それからディーヴァはどうなったの?持ってる? |
■バジル To:レイザ&アディ |
帰った方がいいよ、って、二人とも帰ろうと思えば帰れるのに、どうしてここに留まってるの? 村の状況をなんとかしようにも、二人じゃ大変でしょう?援軍を呼びに行く方が賢明なんじゃないの? |
■ミュン To:レイザ&アディ |
この村になにが起こったか説明して頂けますか。 |
立て続けに質問されて、レイザは少し困ったように頭をかいた。
■レイザ To:ALL |
はぁ、仕方ないね。こんな所じゃ落ち着いて話もできないだろ、とりあえず砦に行くかい。 生き残った村人や領主も砦にいるよ。 |
■ポム To:レイザ&アディ |
ほんとか!それは早速お邪魔しないとな |
■アイシャ To:レイザ&アディ |
良かった。他にも無事な人がいるんだ〜。 |
■バジル To:レイザ&アディ |
この屋敷からどうやって行くの?遠いの?生き残った人は沢山いるの? ああ、ごめん。とりあえず行ってから話すればいいんだよね、行こうよ、すぐにでもそこに。 |
■ミュン To:バジル&ALL |
そうですね。ここにいると僕たちまで変なオーラになりそうな気がしますから。 |
■ルタード To:レイザ&アディ |
ということで、お願いしてよろしいですかな? |
■アディ To:ALL |
じゃあ、案内するわ。砦はこの近くだから。 |
そう言うと、アディは厨房に入っていき、隅にずらっと並んだ壺の一つを抱え、こちらを向いた。
■アディ To:ALL |
あ、もし手が空いてるなら、その辺の使えそうなの持ってくれないかな。砦にある食料がイモばっかで困ってるの。 塩もなくなっちゃったし。 |
アディは壺の蓋を開けて中をこちらに見せた。中には真っ白な塩が詰まっている。
■レイザ To:ALL |
どっちでもいいさね。無理する必要はないよ。 |
レイザは手頃そうな───アディが抱えているものより2回りは大きい───壺を軽々と抱えると、どかどかと厨房の裏口に向かう。
■レイザ To:ALL |
行くよ。 |
■ラウル |
む……。 |
対抗意識を燃やし、レイザが抱えていったものより大きな壺を探すが見つからず、とりあえず同じくらいの大きさの壺を抱えた。
■アイシャ |
アイシャも持つの〜。 |
アイシャも手頃そうな壺を一つ抱える。
そして、一行はどかどかと裏口を出ていくレイザを追った。