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| ≪ 密室からの脱出 ≫ |
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| 沈没船密室 |
ヴェイガムたちが立ち去った後。
部屋にはDWと泣き崩れるガイアの姿があった。
水中呼吸の魔法の持続時間ももうすぐ切れる頃である。
| ■イスカ To:ガイア |
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ふん、心根まで腐り果てた虫けらめ。 ガイア、この仇は必ず我々がとるからね。 |
| ■ガイア |
| …………う、ぅぅ…。 |
| ■カナル To:おおる |
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さあ、あまり時間はないぞ。 あの態度から見て、上の連中も奴の正体については知ってるようだしな。 幸い、あいつらは俺達のことはもう死んだものと考えているようだ。 |
| ■スレイ To:カナル、おおる |
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しかしヴェイガム達が望んでいたようなお宝はなかったようですね。 結局は破られた海賊旗だけ… |
| ■ジャン=バッティスタ To:スレイ |
| とりあえず、それだけでももって帰ろう。 |
| ■スレイ To:バティ、おおる |
| そうですね、じゃあわたしが持っていきます。 |
リグは破られた海賊旗のあたりの床を調べて、何かを見つけた。
| ■リグ |
| (なんだろこれ、後からガイアちゃんに聞いてみよう) |
| ■カナル To:ガイア |
| あの笛は持っているかな? |
| ■ガイア To:カナル |
| ………はい…。 |
| ■イスカ To:ガイア |
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では、お願い。 その音色で、マーマンに助力を請うてみよう。 |
| ■ガイア To:カナル |
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……………。 …わかりました、吹いてみます。 |
ガイアはそう答えると、父の形見の笛を吹き始めた。
美しい音色が部屋の中に響き渡る…。
| ■ガイア To:DW |
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………。 ……でも、この笛で今まで何度もひどいことをしちゃっているんですよね…。 …助けてくれるのかしら…マーマンたち……。 |
| ■スレイ To:ガイア |
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ハイネルさんが友好を築いたんですよ。きっと大丈夫です。 マーマンさんたちを信じてみましょう。 そして我々は我々ができることから始めるとしましょう。 |
| ■ガイア To:スレイ |
| …はい。 |
| ■カナル To:おおる |
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武器の在処は、分かってる。 まずは、それを取り返してからだな。 さてスレイ、そろそろ魔法の方を頼むぞ。 |
| ■スレイ To:カナル |
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わかりました。 それでは期待に応えまして…… ・・・汚れなき水の乙女よ、我らを汝の世界に誘いたまえ・・・ |
リムリィに精神点をわけてもらいながら、スレイは全員にウォーター・ブリージングをかけた。
| ■スレイ To:おおる |
| 成功しました。これであと1時間は水中で呼吸できますよ。 |
| ■ジャン=バッティスタ To:スレイ |
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よっしゃ、これで少し生き長らえた。 やっぱ持つべきは耳の長い友達だな。 |
| ■カナル To:バティ |
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後は、この扉か……。 少し調べてくれるか? |
バティは扉のあちこちをチェックしたあと、おもむろにノブに手をかける。
| ■ジャン=バッティスタ To:カナル |
| だめだ、こりゃ。魔法でカギをかけてやがる。おまえさん次第では、でっかい棺桶になるかもな。 |
| ■カナル |
| 余計な置き土産なんざ残していくなよな……。 |
| ■イスカ To:カナル |
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頼むよ、カナル。 駄目ならこんな扉、ぶち破ってしまおう。 |
| ■リグ To:カナル |
| その時はまかせといて。 |
| ■スレイ To:カナル |
| そう言えば発動体なしで魔法を唱えるのって大変なんじゃありませんでしたっけ? |
その提案にしたがってカナルがアンロックをかける。
| ■カナル To:おおる |
| 開いたぞ。 |
カナルのアンロックが成功し扉が開く。
すると、部屋の中に水が流れ込む…と思いきや水は入ってこない。
どうやらこの部屋は特殊な作りらしい。
取られた武器も扉の外に捨てられていた。
| ■ジャン=バッティスタ |
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こんなところに捨てていくんなら最初から持っていくなよなぁ。 武器を拾うのに10秒かかるんだからさ。 |
| ■スレイ To:バティ |
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(武器を回収しながら)いやー、まるでシーフさんのような手際の良さでしたね〜。 バティってなんでも出来るんですね。 |
| ■ジャン=バッティスタ To:スレイ |
| 最近、不況だからな。歌だけじゃ生きていけないのさ。 |
| ■スレイ To:バティ |
| なるほど、説得力があります(笑) |
すばやく船の甲板まで上がってきたDWの面々。
当たり前のごとく、行きに伝ってきたロープはなかった。
そして…。
船の周りを囲むように、笛の音を聴いてきたマーマンたちが泳いでいた。
数は7匹。それぞれ手には槍を持っており、何やら殺気立っている様子である。
その中のマーマンの1人がDWに向かって話しかけてくる。
が、何を話しているのかよくわからない。
| ■ガイア To:DW |
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どうしよう…私、片言しかマーマン語分からないけど、やっぱり怒っているみたい…「許せない!」って…。 なんていったらいいのかしら…。 |
| ■カナル To:おおる |
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正直に話しても良いんじゃないのか? ガイアの親父さんを騙したヴェイカムのこと、そして、俺達はあいつに騙されていた事を伝えれば。 |
| ■ガイア To:カナル |
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………分かりました。 正直に話してみます。 |
ガイアは今までのいきさつをつたないマーマン語で話しだす。
はじめのうちは殺気立っていたマーマン達だが、ガイアの必死の会話で態度を軟化させてくる。
そのうち、マーマンの中から1人のマーメイドが前に出てくる。
| ■ガイア To:DW |
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………なるほど。 (DWの方に向き直り) えっと、彼女がマーマンたちのリーダーでアクアと名乗っています。 彼女は、昔私の父、ハイネルと一番中がよかったマーマンのリーダーのロウという人の恋人だったそうです。 半年前ほどに人間たちに殺されたと…。 その時、ロウさんは最後に『ハイネルに会いにいく』といっていたということです。 そのため、人間は信用できないが、私たちのいっていることは一応信じてくれるそうです。 |
| ■カナル To:ガイア |
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そりゃ良かった。 ならば、例の捕まってるマーマンを助けるために共同戦線をはるっていうのはどうだ? |
| ■ガイア To:カナル、DW |
| マーマンたちにもそのことを話してみますね。 |
ガイアはカナルの提案をマーマンたちに伝える。
| ■ガイア To:DW |
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“それは願ってもない話、協力しよう”とのことです。 彼らが船まで連れて行ってくれるそうです。 |
| ■イスカ To:All |
| ありがたい。マーマンとはこんなにも情に厚い者たちなんだね。 |
| ■カナル To:おおる |
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それじゃ、元凶を叩きに行くか。 借りはきっちり返さないとな。 |
| ■スレイ To:おおる |
| そうですね。借りっぱなしはいけませんよね(^^) |
| ■ジャン=バッティスタ To:スレイ |
| いや、俺様が貸したのはキッチリ返してもらわなきゃならんが、人から借りたのは別に返さなくてもいいと思うぞ。 |
| ■スレイ To:おおる、独り言 |
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う〜ん、そうなんですか? やっぱり人間社会は難しいですね、借りて借りられ返さなくて返して……。 あう頭が混乱してきました……(^^; |
| ■スレイ To:独り言♪ |
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いやぁそれにしてもマーメイドさんって奇麗ですねぇ……。 これだけでもここに来た甲斐がありました、うんうん♪(^^) |
一行の緊張感をよそにスレイは一人でしあわせに浸っていた…
| ■ジャン=バッティスタ To:スレイ |
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…… すきゅらぢゃだめだったのか? |
| ■スレイ To:バティ |
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あ、すきゅらさんも良かったですけど、バティが仲良しさんになっちゃいましたからねー。 確かに美人は美人だったんですけど………ね?(^^; やっぱり時代はマーメイドさんですよ♪(ぼーっ) |
| ■イスカ To:スレイ |
| こらこら、ぼーっとしてない! さっさと出た、出た! |
| ■スレイ To:イスカ |
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あわわっ、すいませんイスカっ。 け、けっしてよそ見なんかしてませんからね〜〜〜(汗) |