| ≪ 事態急変 ≫ |
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沈没船船長室 |
見つけ出した布についてしばらく一同が調べていると、そのうちローゼが独り言をつぶやきだした。
■ローゼ |
……………そうか、ただのボロの海賊旗………。 ……………。 ………ふ、ふっ ……ふははっ、ふはははははっ、はあっ、ははははっ!!! |
しばらく黙っていたローゼが突然大きな声で笑い出す。
これにはキースたちを含めた一同あっけにとられた。
■ジャン=バッティスタ |
ふ、ははははっ!!! ふっ、笑い声のでかさなら俺様のほうが上だな。 |
対抗して大笑いをするバティ。
どこまでも、人をおちょくるのが好きなようで、緊迫感台無し(^_^;)。
■リグ To:バティ、ローゼ |
二人ともうるさいよぉ。 ………。 |
■スレイ To:バティ、ローゼ |
…あんまり誇れないと思いますけどねぇ(--; ……しかしどうなされました、ローゼさん? |
ローゼはDWたちの問いには答えず、ガイアが持っていた海賊旗に手をかける。
■ローゼ |
はっはっはははは… ふざけやがって、ハイネルめ!! こんなものが宝だと!? 死んでもなお、俺をなめるのかっ!! |
ローゼはそう叫ぶやいなや、ガイアから海賊旗を取り上げてビリッと引き裂いた!
そして、一転ガラッと冷酷な表情に戻り、バッとガイアを後ろから捕まえて羽交い絞めにし、すばやく首筋にナイフを当てる。
■ガイア To:ローゼ |
………ろ……ローゼ…さん……? |
今まで驚きで一言も発せなかったガイアが、愕然とした表情をしながらローゼを見る。
■ローゼ To:ガイア、DW |
おっと、動くなよ。 (DWの面々を見て)お前らもな、ガイアの命が惜しかったらその場を動くな。
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■ジャン=バッティスタ To:ローゼ |
無理! 動かないことなんて絶対無理さ。こうして口が勝手に動いちまうんでね。 あと、心臓とか、呼吸器系とか、循環器系とかさ。動くなってのは死ねってことと同義語だろ? |
■スレイ To:ALL、ローゼ |
…バティの場合、口が止まっても死んじゃいそうですね。 ………で、なんでそんなことをするんですか? |
軽口を叩きながらもその場にとどまり相手の観察を始めた。
■カナル To:ローゼ |
確かに、ここまで苦労した結果がそれじゃぁ報われないって気持ちも分かりますが……。 幾らなんでも女の子を人質に取るようでは、それじゃ男が下がりますよ? |
■イスカ To:ローゼ |
なんて無様な・・ |
■リグ To:ローゼ |
何を怒っているのかわかんないけど、ガイアちゃんを離しなよ! それじゃあ、ただのダダッコだよ、ローゼさん。 |
■ローゼ(ヴェイガム) To:ALL |
(ガイアに向き直り)………ローゼ? …フン。人違いだな。 ローゼの野郎は俺が… この、ヴェイガム様が殺してやったよ………。 ガイア、お前のオヤジと同様にな!! それにもう…、お前らは用済みだ。 |
■イスカ To:ローゼ |
なんだって! |
■カナル To:ヴェイカム |
だから、マッシュにも、そうそう会いに行けなかったって事か? |
■ヴェイガム To:カナル |
……………フン、…知らんな… |
■ジャン=バッティスタ To:ヴェイガム |
そういう言わなくてもいいことを自発的にツラツラ語ってくれるとは…… これで、心置きなく叩きのめす大義名分ができたぜ。 |
■ガイア To:ヴェイガム |
………!!……あ……あ…。 …………あああ…。 …あ、あああ、あああああああああっ!! |
声にならない叫びをあげるガイア。
しかし、ヴェイガムが首を強引に締め上げ、ガイアの声を封じる。
■ヴェイガム To:ガイア、DW |
うるっせえんだよ、このガキが…っ!! 今までもさんざん手間かけさせやがって…! (DWに向かって) |
そういって、ヴェイガムたちはDWの方を見つつ扉の方へ歩いていく。
■スレイ To:ヴェイガム |
(一瞬カナルの方を確認)待って!一体なんでこんなことを?! |
■カナル |
(スレイ、ここで片を付ける気か?) |
■ジャン=バッティスタ To:ヴェイガム |
しかしなぁ、素直に道を譲ったところでガイアの命の保証がないんじゃなぁ 出て行って殺されるよりは、ここでおまえさんごと葬ってしまうほうがお徳かも知れんなあ。 どうせ、解放する気ないんでしょ、ガイアのこと? |
■カナル To:バティ |
おいおい、もう少し信用してやれよ。 幾らガイアの親父さんやローゼを闇討ちする様な男でも、少女を人質にするような男でも、約束ぐらい守ってくれるさ。 |
■ヴェイガム To:DW |
ああ、約束は守ってやるさ。ただし、お前らが武装解除したらだけどな。 第一、こんなガキ連れて帰るなんざ手間かかるだけじゃねぇか。 お前らにも手は出さない、俺たちが外に出るまで黙っていればいい。 これでいいか? まだ時間を稼ぐようなら、ガイアが無事ですまないと思えよ。 |
■カナル To:ヴェイカム |
こっちも、時間は惜しいな。 せっかくの水中呼吸が切れる前に上に戻りたいからな。 そっちも、そろそろやばいんじゃないか? |
■ヴェイガム To:カナル、DW |
まあ、こっちにはキースがいるから心配はない。 確かにもうすぐ切れる頃だ。知ったことではないがな・で、どうするんだ? |
■ジャン=バッティスタ To:ヴェイガム |
ふーん、まっ、こっちも家宝モンのレイピア提供するわけで、交換条件って程でもないんだが、ひとつ質問に答えてくれねぇかな。 俺達ゃ、所詮雇われ兵士なんで、どこまで退けば命があるのか、どこまでツッパれば報酬金がもらえるのかを考えちゃうわけよ。で、だ。正直なところ、話が見えなくて判断しにくいんだよな。 あんた、何モンだい? |
扉の前まで進んだところで、ヴェイガムが向き直る。
■ヴェイガム To:ジャン=バッティスタ、ALL |
俺か…? フン………まあ、いいだろう、冥土の土産に教えてやろう。
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■カナル |
(おいおい、もう殺した気でいやがるぞ) |
■ヴェイガム To:ジャン=バッティスタ、ALL |
俺は昔、ハイネルやローゼたちと同じファイナルウインドの一員だった。 が、海賊と思って入ったものの、やつらは偽善的な行動をしてばかりでまったく儲かりゃしなかった。 そこで、俺はハイネルがマーマンと仲が良かったところに眼をつけた。 ハイネルはマーマン狩り集団の連中から何度もマーマンを助けてやっていたから、よくマーマンのやつらから色々秘宝を頂いていたようだった。 ガイアが持っているその笛もマーマンの秘宝だ。 その笛の音にはかなり遠くにいるマーマンにも聴こえる不思議な力があるらしい。 何か手はないかと調べているうちにハイネルの残した日記に娘のことについての記述があった。 |
■ガイア To:ヴェイガム |
あ、…あぁ…そんな………。 |
■ヴェイガム To:ALL |
…さあ、話はここまでだ。 とっとと武器をこちらに渡してもらおう。 渡さないのなら、ガイアの指を1本落とす。 |
憤りを隠すようにきつく歯を食いしばって、イスカがショートスピアをからりと投げ出す。
■イスカ To:ヴェイガム |
いいだろう、武器を捨てるよ。 みんなも、そうして。 |
■スレイ To:イスカ |
了解です・・・(ぽいっ) |
■リグ To:ヴェイガム |
言うとおりにするから、絶対ガイアちゃんを傷つけないでよね。 |
■カナル To:おおる |
ふぅ、仕方がないな……。 しかし、どうするんだ? このままガイアが戻らなければ、上の船員達も騒ぎ出すんじゃないか? |
杖を投げます全員が武器を渡したら…
■ヴェイガム To:キース、ALL |
よし、キース、武器を回収しろ。 では、世話になったな、諸君。 |
■カナル To:ヴェイカム |
残り少ない人生か……それなら、その杖ぐらい返して欲しいもんだな。 それは一応、母親の形見なんだ。 |
■ヴェイガム To:カナル、ALL |
悪いがそれはできないな。 部屋の外に置いておくから、私たちが出ていった後で取りたければ取ればいい。 まあ、できれば、だがな。ハハハ… |
ヴェイガムたちはそういい残して、DWたちの武器をすべて持ったまま部屋の外に消えていく。
そして、部屋の扉は閉められた。