| ≪ 力仕事はお任せアレ ≫ |
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力仕事部隊 |
キースに呼ばれて揚錨室(地図(15)参照)にきたバティとリグ。
そこには屈強な男が数名、錨を巻き上げる作業をしていた。
2人に気づいた船乗りの1人が声をあげる。
■船乗りE To:ジャン=バッティスタ、リグ |
なんだぁ? こいつらが例の助っ人か? こんな貧弱そうなヤツらいてもいなくても一緒だろ? |
■船乗りB To:船乗りE |
いや〜、そうでもないんだよな…。 |
■船乗りE To:船乗りB、ジャン=バッティスタ、リグ |
…? …まあ、いい。この錨を完全に巻ききるのを手伝ってくれよ。 |
■ジャン=バッティスタ |
やなこった…… |
■リグ To:船乗りE |
は〜い。 よいっしょっと |
リグが作業に参加すると、先ほどに比べて明らかに錨を巻き取るスピードが速くなった。
■船乗りE To:リグ、ジャン=バッティスタ |
うおっ、何か急に軽くなったな。 ねえちゃん、力あるねえ…。 ………で、そっちのあんちゃんは手伝ってくれないのかい? |
と、バティの方をジロリと見る船乗り。
■ジャン=バッティスタ To:船乗りE |
やれと言われればやるさ。食事代だと思えば仕方がないさ。 |
しぶしぶながらバティも作業に加わわった。
■船乗りE To:ジャン=バッティスタ、リグ、他の船乗り |
おっ、なんだお前さんら、見かけによらず結構使えるじゃねぇか。 じゃ、一気に終わらせちまおうぜ、みんな!! |
リグとバティの2人が加わったことで一気にスピードアップし、ほどなく錨の巻き上げ作業は終了した。
■船乗りE To:ジャン=バッティスタ、リグ |
よ、お疲れ、助かったぜ。 しばらく休憩だ。ここで休んでいてくれ。 |
船乗りたちも、その場にドッカと腰を下ろす。
そのまま寝っころがる者、何かぶつぶついっている者、2人でヒソヒソ話をしている者などなど、それぞれ好きにに休憩をはじめる。
■ジャン=バッティスタ To:船乗り |
ん、じゃあ、部屋に帰らせてもらうよ。あんたらはあんたらの、俺様は俺様の仕事をすればいい。俺様たちの仕事は、別件で呼ばれているんでね。あんたらがこういう仕事のプロであるように、俺様も自分の仕事のために準備をさせてもらうよ。 もっとも、こいつ(リグ)はこういう仕事も好きそうだから置いてくけどね。こいつがいれば俺様の分も働いてくれるさ |
■リグ To:バティ |
まっかせといて! (^ー^)ノ |
■船乗りE To:ジャン=バッティスタ、リグ |
ふん、まぁ確かに中途半端な覚悟で仕事をされても事故起こすのがオチってもんだからな。 別に止めはしないが、こんなかわいい嬢ちゃんを1人残して心配じゃないのか? |
■ジャン=バッティスタ To:船乗りE |
別に。妙なちょっかいかけて怪我しないようにな。 |
■船乗りE To:ジャン=バッティスタ |
ぬかせ。俺はこう見えてもジェントルマンなんだぜ。 |
彼の言葉を聞いた皆の反応を見ると、あんまり信憑性はないようだ。
■ジャン=バッティスタ To:船乗りE |
ふーん、なら「心配」なんて関係ないじゃないか(笑) |
背を向けたまま、手を振りながら自室に帰るバティ。
■ジャン=バッティスタ |
(どうせ、隣の部屋だし…… リグが悲鳴をあげるくらい緊急事態にかけつけりゃいいだろ。) |
■船乗りE To:リグ |
…あの兄ちゃんは、いつもあんなふうなのか? |
■リグ To:船乗りE |
いつもはノリの良い人なんだけど、今回は気分が乗らなかったんじゃないかな。 なんてったって、芸術家だから。 それじゃ、次は何を手伝おうか? |
■船乗りE To:ALL |
よし、みんなそろそろ休憩は終わりだ! 次は甲板に上がって帆のロープ引きだぞ! |
その声に反応して皆は立ち上がり、次の作業へと向かっていった。
リグはその後も作業を手伝い、顔に似合わない怪力ぶりで船員達の肝を何度も抜いたのであった。