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| ≪ 炊事洗濯は女のたしなみ ≫ |
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| 調理場にて |
ガイアに連れられて調理室にきたリムリィ。
中には他に2人のコックらしき人物がたっていた。
| ■ガイア To:リムリィ、コックたち |
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さて、一緒に頑張りましょうね。 (コックたちに向かって) 航海中お手伝いをさせて頂くわ。よろしくね。 |
| ■コックA To:ガイア、リムリィ |
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あ、これはガイアお嬢様。 今回はお手伝いをしてくださるそうで…申し訳ありません。 それでは…そうですね、あなたたち2人にはじゃがいもの皮むきをお願いできますか? |
| ■リムリィ To:コックA |
| は、はい。 |
| ■ガイア To:コックA |
| まっかせて! |
こうしてじゃがいも向きをしはじめる2人。
手際の方はというと…。
リムリィはとってもお上手。テキパキとじゃがいもの皮をキレイにむいていく。
一方、ガイアの方はというと…
| ■ガイア To:鼻歌 |
| ふんふんふ〜ん♪ |
鼻歌交じりに作業をしており、驚くべき速さで次々にじゃがいもをむいていた!
だが、しかし…。
皮をむき終えたじゃがいもは見るからに元の大きさより小さい玉になっていた。
むいた皮にはごっそりとじゃがいもの身がついている…。
| ■リムリィ |
| (う゛………) |
| ■ガイア To:鼻歌 |
| ふんふんふ〜ん♪ あ〜たのし。 |
彼女はまったく変と思っていないらしく、その高速な動作は止まらない…。
| ■リムリィ To:ガイア |
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あ、あの… ……… ……そんなに急がなくていいですから、手を怪我しないように気を付けてくださいね。 |
| ■ガイア To:リムリィ |
| ありがとう。でも大丈夫よ、はやく終わらせちゃいましょ♪ |
リムリィの忠告もむなしく、さらに加速するガイアの手。
さらに小型じゃがいもの玉が大量生産されていくことに…そこに様子を見にきたコックAが現れた。
少しの間冷や汗を流していたが、そのうちリムリィに近づき、小声で声をかける。
| ■コックA(小声) To:リムリィ |
| …あの〜、あの大量の小さなじゃがいもはガイアお嬢様がむいたやつで? |
| ■リムリィ To:コック |
| ………たぶん… |
| ■コックA(小声) To:リムリィ |
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………やはり。 …すいませんが、それとなくガイアお嬢さんに料理の仕方とか教えてあげてくれませんか。 「こうやった方が効率的ですよ」…みたいな感じで。………あの人の娘だからなぁ…。 |
| ■リムリィ To:コックA |
| ええと……… |
コックはガイアのほうにも向きなおって新たな指示を出す。
| ■コックA To:リムリィ、ガイア |
| じゃ、すいませんが、次はこの卵を全部割って、そこのボールの中に入れてください。よろしくお願いしますね。 |
2人の前に大量の卵が差し出される。
コックとリムリィのやりとりにまったく気づいていなかったガイア。
またもや鼻歌まじりに調理をはじめる。
| ■ガイア To:鼻歌 |
| ふんふふふ〜ん♪ |
そして、おもむろに卵を割り始めるガイア。
…いや、むしろ砕き始めたといった方が妥当か。
てのひらでグシャッとつぶしたものをそのままボールの中へ放り込んでいく。
なんというか、殻ごと。
| ■リムリィ To:ガイア |
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ええと……… ……………… ………ガイアさん、卵の殻は食べられないと思うんですけど……… |
| ■ガイア To:リムリィ |
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そう?あたしがはじめて目玉焼きつくったときも殻入りだったけど、カンナムは喜んで食べてくれたわよ。 それはもう涙まで流してたんだけどなぁ。 |
| ■リムリィ To:ガイア |
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………。 カンナムさんが卵に対して例外的な嗜好を持っているかどうかを詮索するつもりはないですけど、普通の人は卵の殻は食べないと思います………。 |
執事というのも、案外つらい仕事なのかもしれない。
| ■ガイア To:リムリィ |
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そうなの? じゃあ、仕方ないから出しちゃうわ。 |
ガイアはしぶしぶといった表情で、割った卵に入った殻を取り出しはじめた。
しかし、細かい欠片はまだかなり残っているようだ。
| ■ガイア To:リムリィ |
| ……くぅぅ、ぬるぬるしてて取り出しにくいったらありゃしない、まったくぅ。 |
| ■リムリィ To:ガイア |
| ええと……残りボクでやっちゃいますね。 |
殻と格闘しているガイアを横目に、リムリィは黙々と作業を進めた。
| ■コックA To:リムリィ、ガイア |
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あ、だいたいおわったみたいですね。 じゃ、あとの料理のほうはこっちでやっちゃいますから、お2人はそこの長テーブルに食器をならべておいてください。 |
| ■リムリィ To:コックA |
| あ、はい。 |
| ■ガイア To:コックA |
| はーい。 |
食器は幸いなことにすべて木製であった。
おかげで落として割るということもなく、2人は食器を並べていった。
いや、確かにガイアは2度ほど食器を落としたりひっくり返したりしたのだが。(^^;
| ■ガイア To:リムリィ&コックA |
| よし、これで最後。終わったよっ。 |
| ■リムリィ To:ガイア&コックA |
| ふぅぅ……… |
思いっきりほっとしているリムリィ。
| ■コックA To:リムリィ、ガイア |
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あ、終わったみたいですね。ご苦労さまです。 それじゃもう部屋に戻っていただいて結構ですよ。 |
端からみても、食器のならべ方がリムリィのものとガイアのものでは格段に差があるのが見て取れるが、それにはコックも言及しないことにしたようだ。
| ■リムリィ To:ガイア |
| はぁ…お疲れさま。 |
| ■ガイア To:リムリィ |
| お疲れ〜。それじゃあ部屋にもどりましょっか。 |
2人はそれぞれの部屋へと戻って行った。