| バロウズ邸・正門 |
ジェスタが聞き耳を立てる。が、特に物音は聞こえない。危険も感じることは出来なかった。
そっと扉の隙間から廊下をのぞき見るが、地下に降りる時に出くわしたあの警備兵がいなくなっていた。
| ■ジェスタ |
| !!! いない!? |
| ■アルティア To:ガイ |
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あれれ?確か……ガイが縛ってたはずじゃなかったですか〜?どこに消えたのでしょうか〜? まさか、新手の警備兵が来たのですかねぇ〜… |
辺りの様子をうかがいます。
| ■ガイ To:アルティア |
| おぅ、確かに縛っておいたぜ。 |
うん、がっちがちにね。骨折れちゃうかってくらいかた〜く。
| ■ランス to アルティア&ガイ |
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なんやて・・・? これはやっかいやな・・・。とりあえず用意はした方がよさそうやな。 ガイはん、準備はええか? |
ヘビーメイスを構えつつ、扉の向こうの様子を探ろうとする。
| ■ガイ To:ランス |
| 準備OKだ。 |
ガイも、モールを構えて、様子を伺う。
アルティアが辺りを調べると、警備兵を縛っていたはずのロープが落ちているのを発見した。
ナイフで切られたらしい切り口が残っている。随分慌てていた様で、あちらこちらに刃を当てた痕も残っていた。
| ■アルティア To:みんな |
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ちょっと、みなさんこれ見て下さい〜。このロープ。これって縛ってた奴ですよねぇ〜。 どうにかして抜け出したようです〜。我々のことがこれで完全にばれましたね〜。 さあ、急いでここを出ましょう〜。 |
態度は急いでいるようだが、言葉は相変わらずである。
| ■ヘルムンス To:ALL |
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もしかしてナイフを隠しもたれていたかもしれませんね。 どちらにせよ、ばれてしまったことには変わりないですが。 |
| ■ガイ To:ALL |
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ちきしょう〜!ナイフを隠し持ってやがったか〜! しかし、さっき鍵を探したときは、何も持ってなかったんだが・・・。 |
確かにガイが調べた時、ナイフなどの類は持ってはいなかった。と、すると……?
階段を上ろうとすると、上の方から騒がしい声が聞こえてくる。
| ■男の声 |
| 貴様ら、もう逃げられんぞ! 抵抗せずに大人しく出て来い! |
誰に向けて、とはっきりしたわけではないが。まあ九割がたパーティに対しての言葉であろう。
| ■ジェスタ |
| ! だれ? |
| ■ガイ To:ランス&ALL |
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とうとう、きやがったぜ! ランス、いくぜ! |
ガイは、モールの先端を進行方向に突き出して、階段を上っていく。
階段を上ると、その先の玄関が開け放たれそこに一人の男が仁王立ちしていた。
後ろには先ほどガイがふんじばった筈の館の警備兵と多数の衛兵が控えている。
| ■衛視長 To:パーティ |
| バロウズ邸不法侵入の罪で逮捕する! 抵抗せず大人しく投降せよ! |
| ■ランス to ガイ |
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おおっ!?なんか雰囲気がちがうでぇ? |
| ■アルティア To:ガイ |
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おおっと、どうも相手が違うようですよ〜。とりあえず、その手の物を下ろして、下ろして〜。 |
そう言うと先頭に出て話し合いに応じる構えを見せます。
| ■ガイ To:アルティア&ヘルムンス |
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どうも、そのようだな・・・。 ここは、リーダーとヘムに任せるか。 ”大きい声”が必要なときは言ってくれ。 |
| ■ランス |
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ふぅ、なんか話しがややこしくなりそうやなぁ・・。 |
少しぼやきつつ、構えたメイスを腰に戻します。
| ■アルティア To:ガイ |
| あああ、はい〜。でもそうならないように努力しましょうね〜(汗 |
ガイは、モールを下ろし少し脇に移動する。
| ■ヘルムンス To:衛視長 |
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おや、これはこれはご苦労さまです。 彼女たちの救出にきてくれたのですね? |
と、連れている娘達を指す。
バロウズが娘たちを見せつけられて、さっと青い顔になる。
| ■衛視長 To:ヘルムンス |
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(娘たちを見て)む? なんだ、その娘どもは……。 そうか、さては貴様ら不法侵入だけでは飽き足らず、誘拐を試みようというのだな。そして人質に取るか……下衆な犯罪者め。 やめておけ、今更そんな事をしても、罪が増えるだけだぞ。 |
なんかシチュエーションに酔ってる風である。
確かにここでパーティ六人とも捕まえたら名誉でしょうなあ……。
| ■アルティア To:衛視長 |
|
ええと、あなたがさっきいた部屋の警備兵達の親分さんですか〜? あの、あなた方が守っていらっしゃった部屋の中で何が保管されてたかはご存じでした〜? そしてあの部屋で何が行われてたかもご存じだったのですか〜? |
| ■衛視長 To:アルティア |
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(警備兵を見て)こいつらは我々の所に通報に来ただけだ。別に同僚と言うわけではない。 聞いた話では地下はバロウズさんの趣味の作業部屋という事だが……? 何か問題でもあるのかね? |
| ■アルティア To:衛視長 |
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いやね、どうも情報が正確に伝わってないようですからちょいと気になっただけですよ〜。 |
衛視長がバロウズを見ると、青くなっているのに気付く。
| ■衛視長 To:バロウズ |
| バロウズさん、どうなさいました? 気分が優れないようですが……。 |
| ■ガイ To:アルティア&ヘルムンス |
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おいおい、バロウズの野郎、顔色が悪いぜ。 アルティアとヘムの言ったことが利いているようだな。 もうひと押しで、やつは落ちるぜ。 |
ガイのことばにヘルムンスは小さく頷き、再び衛兵に話し掛ける。
| ■ヘルムンス To:衛視長&バロウズ&娘達 |
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バロウズさんの顔色が変わったのは、この娘さんたちを見たからではないですか? 衛視長さん、彼女たちに直接聞いてみてはいかがです? 彼女たちがなぜあそこにいて、どんな目にあっていたのかを。 |
| ■娘 To:衛視長 |
| そうです、私たちその人に騙されて連れてこられたんです。ここに着いたら突然地下に監禁されて、『お前は材料だ、その日が来るまで大人しくしていろ』って……。 |
| ■衛視長 To:バロウズ、娘たち |
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『材料』だと……? バロウズさん、これはいったいどういう事ですかな? |
バロウズはますます顔色を悪くして、ぶつぶつと呟き始める。
| ■バロウズ |
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そんな……まさか……。 お前ら、麻薬が目的で入り込んだんじゃないのか……? わしはそうだとばかり思っていたのに……麻薬なら、見つかりさえしななければ隠しおおせると思ったのに……。 何故だ……? なぜそっちなんだ……『材料』の方だったんだ……? |
墓穴。
バロウズの呟きを聞きつけて、衛視長の肩がぴくりと跳ねる。
| ■衛視長 To:バロウズ |
| 麻薬……ですと? バロウズさん、あなたは一体……。 |
狼狽するバロウズに問い詰めようとしている。
| ■ランス To:バロウズ |
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ったく、「語るに落ちた」とはあんさんの為に有るような言葉やな。 |
ランスはアルティアをちらりと見ます。
| ■ランス(心の声) |
| おお、リーダーの目がマジだ・・。 |
アルティアの真面目なシーンって、はぢめてカモ……。
| ■アルティア To:バロウズ |
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ええと、一つよろしいですか〜。あなたは材料、材料と言ってますが私らから言わせてもらうと立派な「人間」なんですよ〜。 金と命の重さの基準が違う者同士、考え方が理解できなくて当然でしょうねぇ〜。 あなたには私たちの考え方が理解できないように、私たちもあなたの考え方が理解できません〜。 |
そういうと衛視長に向かって話しかけます。
| ■アルティア To:衛視長 |
| もっとも、良識ある衛視長でしたらどちらの考え方が正しいかは簡単に判断できると思いますがね〜。 |
| ■ジェスタ To:呟き&衛視長 |
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まあ、人間を監禁していただけでも十分犯罪よね。 わたしたちは監禁されていた人たちを助けるためにここに入ったのよ。 なんなら、わたしたちの所持品を調べてくれたもいいわ。なにも取ってないから。 |
| ■衛視長 To:アルティア |
| う……む。確かに。 |
まだいまいち納得できていない顔ながらも、取り敢えずバロウズに向けて言う。
| ■衛視長 To:バロウズ |
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バロウズさん。誘拐の疑いであなたを逮捕させていただきます。 それと、麻薬の事もお聞きする事になりますかな……? |
バロウズに手錠をはめると、部下に引き渡す。
そして再びパーティのほうを見て言った。
| ■衛視長 To:パーティ |
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貴様らも来てもらうぞ。理由はなんであれ不法侵入の罪は確かだからな。 何よりもお前たちはこの件に関して重要な事を握っている様だし……洗いざらい喋ってもらうぞ。 |
| ■ヘルムンス To:衛視長 |
| ・・・まぁ、確かにそれはその通りですね。もちろん大人しくついていきますよ。 |
少し肩をすくめながら答える。
| ■衛視長 To:部下 |
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おい、連中にも手錠を! 詰め所までしょっぴくんだ。 お嬢さんがたにはマントなり毛布なり掛けて差し上げろ。あの格好じゃ寒かろう。 |
さすがに判断を決めると速い。てきぱきと指示を出し始めた。
そしてその後、パーティの面々は明け方まで尋問されることになる。
ひょっとして衛視長が今回の最大障害だったんじゃないかと思うGMであった……。