バロウズ邸地下 |
ジェスタが先を覗く。
上と同じように薄暗い中で所々ランプが置かれている。
左右に扉が一つずつ、10Mほど先の突き当たった所にもう一つ扉が見えた。扉はどれも同じ作りで、特に不自然な点は感じられない。
奥までざっと見渡したが、見える範囲内にはこれ以上の警備兵はいなさそうだ。
■ジェスタ To:みんな |
……サルサは地下の奥の部屋にハーピィがいると言っていたわね。 信じられるかは判らないけど、とりあえず行ってみるね。 |
■ガイ To:ジェスタ |
気をつけろよ、ジェスタ。 |
奥の扉に近付いて、チェックし始める。
危険は特になさそうだ。鍵もジェスタがちょっといじくるとあっさりと外れた。
■アルティア To:みんな |
ふうむ、なにか意外と無防備ですねぇ〜。ここまで来られるとは考えてもいなかったんでしょうかねぇ〜。 さて、中にリタさんがいるといいんですが、どうでしょうか〜。 |
■ランス To:アルティア |
ここまで来て、躊躇する訳や暇はないと思うで。 さっさと入ってしまおうや・・・。 |
■ガイ To:みんな |
そのとうりだぜ、早く中に入ろうぜ。 |
■ジェスタ(心の中) |
…………なんで、自分から入ろうとしないのかしら? この男共は、か弱い(?)乙女を守る気なんてないのね。 |
……そうだよねぇ。ガイ、こういう時こそポイントを稼ぐチャンスなのに……。
ま、ジェスタが『か弱い』かという点ではGMも首を捻るが(笑)
ジェスタは大きくため息をつきながら、扉を開け放ち、中に入る。
部屋の中はここまでと違って、明るく照らされている。
家具や調度品は何もなく、部屋が明るいだけに冷たい印象を与える。
そんな部屋の真ん中に、巨大な鳥かごのような物に捕らわれたハーピィがいた。
表情は疲れ切り、こちらを見上げようともしない。
見渡すと部屋の端の方に、六人程の女性が足かせをされた格好で固まっていた。
みな、突然飛び込んできたパーティを見て怯えている。
部屋にいる者たちはそれで全員の様だ。警備の類は全く見受けられない。
■ジェスタ |
………………!!! 早く助けなきゃ。 |
ジェスタはハーピィの鳥かごに向かう。
アルティアもジェスタが入っていった後を付けていく。
■アルティア To:ジェスタ |
ええと、何かありましたか〜? ・・・って、これは・・・。 |
■ヘルムンス |
・・・ひどいですね・・・。 |
■ランス |
なんちゅうこっちゃ・・。完全な「素材」扱いやな・。 |
部屋の惨状を見て一時言葉を失う。
■アルティア To:パーティー |
みなさん、こっちです。とりあえず来てください〜。 |
■ガイ |
・・・ひでぇな・・・、バロウズの野郎、許さねぇぞ! |
■ジェスタ To:アルティア |
そっちの女性たちは任せたわよ。怖がらせないでね! |
■アルティア To:ジェスタ |
ええと、わかりました〜。 では手が空いている人はこちらの方に来てください〜。 |
■ガイ To:ジェスタ |
よし、わかったぜ! |
ガイは、足かせをされている女性たちのほうに向かう。
■ガイ To:女性たち |
みんなぁ!もう心配ないぜ、俺たちが助けてやるからな! |
ガイは、足かせの鍵が落ちていないか回りを探す。
が、どこにもない。
■ガイ |
そうだ!あいつら(警備兵)が持ってるんじゃねぇか。 |
ガイは、眠ってる警備兵のもとに、鍵をもっていないか調べに行く。
■ガイ |
鍵・・鍵っと・・・。 |
ポケットの類を探しては手を突っ込んでみる。
鍵束が出てきたが、見るからにこれは違いそうである。恐らくこの地下室の扉に使う鍵だろう。
他に鍵らしき物は見つからない。
■ガイ |
・・これじゃぁねぇなぁ・・・。 くそっ、持ってやがらねぇ。 |
ガイは、女性たちの所に再び戻ってくる。
ジェスタは鳥かごに近付き、話し掛ける。
■ジェスタ To:ハーピィ? |
……リタさん? ウェンさんとティーアちゃんに頼まれて、あなたを助けに来たわ。 |
ティーアの名前を聞いてふっと顔を上げた。
■リタ To:ジェスタ |
ティーアが? ……ウェンもなの? |
信じられない、といった表情だ。
■ランス To:リタ? |
わいはランス。怖がらんでもええ・・・わいはジェスタはんの 仲間や。あそこにおる連中もな(といいつつ、アルティア達を指さす) 。ところで、怪我はあれへんか? |
■リタ To:ランス |
怪我は……大丈夫。バロウズは私に傷をつけるのを随分嫌がっていたから。 でもその代わり、ここでこうして自由を奪われてしまっているの……。 ティーアが来ているの? お願い、ここから出して。一目だけでもいいから……あの子と会わせて。 |
■ジェスタ To:リタ? |
……えっと、わたしはジェスタ。 ティーアちゃんたちが待ってるわ。ここから早く出ましょう。 |
ジェスタは鳥かごをチェックし始める。
簡単に開きそうに見えたので試してみたが、どうにも上手くいかない。どうやら魔法の鍵が使われている様だ。
■リタ To:ジェスタ |
ダメ。この鍵はバロウズが特別に作らせた魔法の鍵よ。魔法を解かない限り開けられないわ。 |
■ジェスタ To:リタ&ヘルムンス |
そう……それじゃ、わたしじゃ無理ね。仲間と代わるわ。 ヘルムンスさん! こっちお願いします。 わたし、向こうの人たちを助けてくるね。 |
ジェスタは女性たちの方へ行く。
■ヘルムンス To:ジェスタ&リタ |
魔法の鍵ですか・・・私でも解けるかどうかは運次第ですが、やってみましょう。 |
代わりにヘルムンスが鳥かごの前にでて、開錠の呪文を唱える。
ガチリと音がして鍵が外れた。
リタが安堵の表情を浮かべゆっくりと出てくる。
■リタ To:ヘルムンス |
ありがとう。助かったわ。 |
■ヘルムンス To:リタ |
ともかくご無事でなによりでした。 あとはそちらの娘さんたちを助ければここを出ますが・・・ ところで、あの娘さんたちが捕まっていた理由はご存知ですか? |
■リタ To:ヘルムンス |
私と同じよ。……『材料』ですって……。 |
それを聞いたヘルムンスの顔が曇る。
■ヘルムンス To:リタ |
そうでしたか・・・ だとすれば、なおさら早く助けてやらないと。 |
■ガイ |
おりゃーーー!! だめだな、こりゃ・・・。 |
ガイは、女性たちの足かせの鍵を開けようと、引っ張ったりしているが・・・。
鍵がなければ開くはずはない、まぬけなガイである。(笑)
■ジェスタ To:女性たち |
大丈夫? ちょっと待っててね。今助けるから。 |
女性たちの近くに来たジェスタは、足枷を外しにかかる。
■ガイ To:ジェスタ |
おおっー!ジェスタ!助かったぜ! はやく外してやってくれ。 |
■アルティア To:みんな |
鍵がないとなるとちょっと厄介ですねぇ〜。 ジェスタしか鍵外し出来ませんからね〜。時間がかかりすぎるのが気になりますね〜。 この部屋の中に鍵がないか探してみますか。 あああ、でもさっきの事がありますから私はじっとしておいた方がいいですねぇ〜 |
どうやらさっきの転倒のことを気にしているらしい。
■アルティア To:みんな |
でもまあ、気にしても仕方ないですね〜。 みんなで手分けして探しましょう〜。手の空いてる人は探して下さい〜。 |
言いつつ探すが、まず隠せそうな場所自体が見当たらない。おまけにそこはガイが既に探した場所だったりする。
はっきりと、もう一度言うが、無いものはない。
ジェスタが鍵開けを試みる。
割と簡単に開けられると思っていたが、三人目と五人目に取りかかった女性の足かせが外れなかった。
■女性たち To:ジェスタ |
あ、ありがとう。……お願い、この子たちの枷もなんとかならないかしら? |
■ジェスタ To:ガイ |
………むう。叩き壊せないかな? ガイさん、ちょっと…… |
ガイを手招きする。
■ジェスタ To:ガイ |
この足枷、壊しちゃいましょ。自分で歩ける様になるだけでいいから。 ……できる? |
言いながら改めて足かせを眺めるが、ちと壊すのは骨が折れそうだ。
■ガイ To:ジェスタ |
出来なくはねぇが・・・これじゃぁ、足にモールが当たるかもな・・・。 |
■ジェスタ To:みんな |
………とは言うものの、やっばり難しそうね〜。(^^; 誰か魔法を頼めるかしら? |
■ヘルムンス To:ジェスタ |
残念ながらこっちは魔力切れです。 今の魔力じゃ、せいぜい1人だけですね。 |
ジェスタはそう言うと、すぐに部屋の中を調べ始める。
あっちこっち行ったり来たりしていて、忙しいな。(^^;;
ガイ、アルティアに続いて三度目の捜索。……もはや繰り返すのもなんだが、無いと言ったら無い。
■ガイ To:ジェスタ&みんな |
こうなりゃ、俺とランスで1人づつ担いでいこうか? しかし途中で警備兵にでも出会ったら、担いだままじゃぁ戦えねぇな。 やはり、ヘムかリシィアに魔法を頼むか? |
■ヘルムンス To:ガイ&ALL |
ふむ。確かに帰りのことを考えると、それでは問題ですね。 誰か魔力を少し分けてもらえますか?私が開錠の呪文を唱えましょう。 |
■アルティア To:ヘルムンス |
とりあえず、私で良ければ渡します〜。頼り切ることになっちゃってすいませんね〜。 |
アルティアの精神力がヘルムンスへと分け与えられる。
……アルティアの変な精神構造も移ったりして。
■アルティア To:ランス&ガイ |
ヘムが失敗したときは2人とも救出の方、よろしく頼みます〜。 |
■ガイ To:アルティア |
おぅ、まかせとけ! |
そういった後、はっ!と何かに気がついたようにヘルムンスに向かって言い始める。
■アルティア To:ヘルムンス |
って、あああ、ヘムのことを信頼してない訳じゃないですよ〜。いやただ私は万が一の場面を想定してのことであって、決して「失敗する」とか思ってる訳じゃありませんので〜。 |
やぶ蛇だ(笑
■リシィア To:アルティア |
……そのときは、私も解錠の魔法は使えますので……(^^; |
■ヘルムンス To:リシィア&アルティア |
別に気にしてませんよ。(^^; 誰だって失敗というものはあるものですから。 |
ヘルムンスがアンロックを唱えると、残っていた二人の足かせも音を立てて外れた。
アルティア、ヘルムンスは君とは違うんだよ(笑)。
■アルティア To:ヘルムンス |
ま、まあ、うまくいって何よりですね〜。さすがヘム〜。 |
■ジェスタ |
………なんとかなったわね。 |
■ガイ To:ジェスタ&みんな |
やったぜ! よ〜し、はやくこんなとこおさらばしようぜ! |
■ランス To:皆 |
それはともかくとして(^^;) 退路の確保が最大で最後の課題やろうな。警備の連中を縛ったままでほったらかしに してきたのは、かなりまずいかもしれへん。今の所、奴等が踏み込んで来るような 気配はないっぽいけど・・・部屋の外で待ち伏せ喰らうかもしれんし。 どちらにしても、強行突破しかないやろうなぁ・・。帰りは、わいとガイが先頭に立って 退路を確保するわ。ジェスタには頼ってばかりで申し訳ないんやけど、外に誰かおらんか 聞き耳たてて貰えんやろか?誰かおった場合はワイらがなんとかするさかいに。 |
■リシィア To:ランス |
先程大きな物音を立ててしまいましたから、バロウズが起きてしまっている可能性は有りますね……。 それでもさほど時間は経っていませんので、今ならまだ大丈夫では無いでしょうか? |
■リシィア To:ヘルムンス |
ヘルムンスさま、魔力の方は残っていらっしゃいますか? よろしければ、私からも少しお渡ししますけれど……。 |
■ヘルムンス To:リシィア |
いや、大丈夫です。 治癒もできるあなたのほうが魔力を温存しておいたほうがいいでしょう。 |
■ジェスタ To:みんな&独り言 |
先頭に立って、脱出することにしようか? 他の部屋と麻薬は……まあいいか。。 |
ジェスタは少しぼやきながら、リタと女性たちに向かう。
■ジェスタ To:みなさん |
……じゃ、脱出するわね。行きますよ。 |
■ガイ To:ジェスタ |
OKだ!なにか聞こえたらすぐにいってくれ。 ここは俺が体を張ってでも、みんなを脱出させてみせるぜ! |
■アルティア To:独り言 |
こ、今度こそ転ばないようにしないと・・・。 |
ジェスタは時々立ち止まり、聞き耳を立てながら、地下を後にする。
■アルティア To:ジェスタ |
どうです?何か変わった様子とかはありますか〜? |