ハーピィの涙

侵入

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バロウズ邸内
門をくぐると、目の前に玄関が見える。
人の出てくる気配はない。
■アルティア To:みんな
ふうむ、こう静かですと帰って不気味な感じがしますねぇ〜。私らが来るということを予測していてどこかで待ち伏せしてるとか………。
考えすぎですよね、ちょっと。

■ランス To:アルティア
それは確かに考えすぎやと思うで・・。奴にしてみたら、リタはんは単なる素材と材料としか思てへんやろうから、人質を護るような警護はしてへんと思うで。扉に罠もなかったみたいやし・・

一般家庭の門や扉に罠は普通ないと思うの。
■リシィア To:ALL
ギルドに無断で麻薬を作っているのですし、なんらかの侵入者対策は有ると思って良いと思いますけど……。
とりあえず時間経過と共に危険が増すのは確実ですし、急ぎましょう。

■ガイ To:みんな
そうだぜ、はやく中に入ろうぜ。
どのみち、麻薬の件はバロウズに直接聞くしかないだろうからな。

■ヘルムンス To:ALL
確かに、こうなった以上急いでいかなきゃならないのも事実ですね。
ジェスタさん、誰かいそうな気配はありますか?

といいつつヘルムンス自身も精霊達の動きを探る。特に不審な点は見当たらない。
■ジェスタ To:ヘルムンス
……うんと、ね。。先に行ってみるね。

辺りを警戒しながらも急いで玄関に行く。扉をチェックし始めた。危険も物音も感じることはない。鍵はあっけなく開いた。
■ジェスタ To:ヘルムンス
扉は開けたわ……
……誰もいないみたいだけど、ヘルムンスさんはどう?

■ヘルムンス To:ジェスタ
こちらも精霊達が危険を知らせてくれるような様子はないですよ。
もっとも、罠のたぐいまでは私では分かりませんけどね。(^^;

■アルティア To:ジェスタ
ふむう、開いたようですね〜。中の様子はどうですか〜?大丈夫なようでしたら先を急ぐとしましょうか〜。

館内は静まり返っていて、人のいる気配はない。
壁に沿っていくつかランプが灯っており、薄暗いとはいえ全く見えないということはなさそうだ。
床にはじゅうたんが敷き詰められ、気をつけて歩けば足音だけは殺せそうである。

入ってすぐの所に上へ登る階段、脇を通って通路が見える。
階段を抜けた通路の向こうに2つのドアが向かい合っている。
その向こうにはぼんやりと地下へ降りる階段が見えた。
■リシィア To:ALL
暗いですね……。

■アルティア to:みんな
えーと、リタさんが捕らえられてるというのは確か地下室だとサルサがいってましたね〜。
あの階段でいいんでしょうか〜。

地下への階段は後ろからのランプで照らされ、かなり不気味な印象を与える。
途中で反対方向に折れ曲がり、先のほうまでは分からない。
■ジェスタ To:ヘルムンス&リシィア
とりあえず明かりがあるから、大丈夫だとは思うけど。
急に明かりが必要になるかもしれないから、その時は魔法でお願いね。

■ヘルムンス To:ジェスタ
了解です。

ジェスタは先頭に立って、警戒しながら静かに階段を降りていく。時々立ち止まって、耳も澄ませているようだ。

危険は特に感知出来ない。……階段の折れた先に扉が見えた。
ジェスタが耳を澄ませると、扉の向こうからぼそぼそとした話し声が聞こえてくる。

ジェスタは人差し指を口に当てて、みんなを振り返った。指を扉に向けて、再び人差し指を口に当てる。
■ランス(心の声)
くぅ〜、こんな事になんのわかっとったら皮鎧にしといたんやけどなぁ・・・

音を立てないように注意して進む一行。
ランスとアルティアの金属鎧がネックだったが……ランスはどうにか音を立てずにすんだ。が……。

どっしゃん!

アルティアが絨毯に足元をすくわれ、派手に転んでしまった。
当然のごとく鳴り響く鎧の音。
……うむ、アルティアにとって足もとにあるふっかふかの絨毯は慣れない物だったらしい。
■アルティア To:独り言
いっ・・・!!!!!!!

声を一瞬発したが、何とか必死でこらえる。が、モロばれ。
■リシィア(心の声)
……リーダー……なんてタイミングの悪い……(;_;)

■ランス(心の声)
なんちゅうこっちゃ(T_T)

■ガイ(心の声)
やばいぜ、こりゃ・・・・。

■ジェスタ(心の声)
…………ばか。

一同思わず、頭を抱える。
■ドア向こうの声A To:パーティ
なんだ? 何の音だ!

突然近くで鳴った音に驚いて、ドアの向こうで騒いでいる声が聞こえる。
■ドア向こうの声B To:ドア向こうの声A
この扉の向こうだ! ひょっとして侵入者か?

ガチリ、というノブの回る冷たい音が響く。
■ヘルムンス
危ないっ!
鍵よ、封印となりて我に従い、その役目を果たせ!

一瞬早く、ヘルムンスのロックが発動する。
■ドア向こうの声B
む? なんだ、開かないぞ?

■ヘルムンス
・・・間一髪でしたね・・・

■アルティア To:みんな
ふうぅ、た、助かりましたぁ〜。でも、この扉を開けないことには救出できないのですが・・・。
すいませんが、扉を開けると同時にリシィアとヘムは魔法で相手を眠らせるようにして下さい〜。
眠らなかった分の相手はランスとガイ、頼みますね〜。まあ、お手柔らかにお相手して上げて下さい〜。
で、ジェスタ。ガイとランスが相手をしている奴らの隙を見てリタさんの救出に向かって下さい〜。
とまぁ、こんな感じでよろしいでしょうか〜?

アルティアがちゃかちゃかと作戦を決めていく。ま、自分が悪いんだけどさ。
■ガイ To:アルティア&みんな
おぅ、いよいよだな、その作戦でいいぜ。
眠らなかった奴の相手はまかせときな。

というと、ガイは感触を確かめるように、モールを握り直す。
■ジェスタ To:みんな
わたしは反対。戦闘中に別行動するのは危険だよ。
まだ死にたくないし。

■アルティア To:ジェスタ
そうですねぇ〜。じゃあこうしましょう〜。扉が開いたときに部屋を確認しておいて下さい〜。
後はリシィアに暗闇を作ってもらいましょう〜。そうすればだいぶ安全になるはずです。

なんて事を言ってるうちに、
■ドア向こうの声A To:ドア向こうの声B
くそっ! どうなってるんだ、開かないぞ。

■ドア向こうの声B To:ドア向こうの声A
侵入者だったらコトだな……仕方ない、ドアを壊そう。バロウズさんの様子も見に行かないとまずいしな。

■ヘルムンス To:ALL
・・・流石に扉を壊されたら呪文はもちませんよ・・・。

■アルティア To:みんな(小声で)
では、さっきいったことも踏まえて、もう一度確認です〜。
まず最初に、ヘムに扉の鍵を開けてもらいます〜。で、次に前衛のランスとガイは扉を開けて下さい〜。
その後、ヘムが魔法を使って眠らす。
眠らなかった人に関しては、ガイとランスお相手よろしく〜。
しかし、眠らなかった人が2人以上いたときにはリシィア、暗闇で閉ざして下さい〜。
で、そうなったときはじめてジェスタがリタさんを救いに行くと。
ああでも決して無理はしないで下さい〜。相手を見て、隙が出来ていけそうだと思ったときで結構です〜。その判断はお任せします〜。

■ヘルムンス To:アルティア
そんなところでしょうね。私のほうは異存ありませんよ。
あと、私なら暗闇でも精霊達が熱源を教えてくれますし、万一のときも身を隠す程度はできますから、ジェスタさんについていきましょう。

■アルティア To:ガイ&ランス
ジェスタが相手の隙を見つけるまでは何とか耐えて下さい〜。

■ガイ To:アルティア
OK、わかったぜ。

■ランス To:アルティア
よっしゃ、まかしとき!

腰からメイスを外し、グリップの感触を確かめています。
■アルティア To:みんな
かなり連携を要求されますが、リタさんはもう目の前です。なんとか救い出して上げましょう〜。

■アルティア To:ヘルムンス
今からはヘムの魔法が頼りです〜。頑張って下さいね〜。

■ガイ To:ヘルムンス
ヘム、頼んだぜ!

■ヘルムンス To:ALL
り、了解です。

ちょっとプレッシャーを感じているらしい。

扉の向こうを聞き耳して、様子を伺うジェスタ。 

がっつんがっつんという金属音が響いている。
ドアノブの辺りががたがた震えて、いまにも壊れそうだ。
あとニ、三度叩けば開いてしまいそうな感じ。
■ジェスタ To:みんな
警備はそんなにいないみたいよ。多くても4人かな。。

■アルティア To:ヘルムンス
あああ、ドアが壊れそうです〜。こっちから開けて先手取りましょう〜。
では行きますよ〜!。

■ヘルムンス To:ALL
了解です。ではロックを解除しますよ。
リリースワード、『ナ・ソム・テ・アー・ロー』!

ヘルムンスの開錠の合い言葉でロックが解ける。
■ヘルムンス To:ALL
今です!扉を!

ドアが開いた瞬間、ヘルムンスの渾身のスリープクラウドが襲う。
■ヘルムンス
我は示す、安らかなる夢郷への道を・・・

飛び出してきた警備兵二人は成す術もなく眠り込んでしまった。
■ガイ To:ヘルムンス
やったぜ!
さすがヘム、決めるときは決めてくれるぜ!

ジェスタがドアの向こうを覗く。が、特にこれ以上の人員は見受けられない。
■ジェスタ To:みんな
……二人だけみたいね。縛っとく?

■ガイ To:ジェスタ
おし!じゃ俺が縛っておくぜ。

ガイは、警備兵をロープで縛る。がっちがちのぐ〜るぐる、っとな。
■ジェスタ To:ガイ&みんな
……ありがと〜☆
じゃあ、先に進むね。

ジェスタは先に立って地下への扉を開けた。

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連絡先:真琴