バロウズ邸正面 |
時刻は既に深夜。
バロウズ邸の前。表門には警備の者が一人。敷地内に犬が歩いているのも見える。
館の外観は2メートルくらいの壁にぐるりと囲まれていて、二階建てのように見える。
広さとしては、普通サイズの家が4つくらいすっぽり入りそうだ。
■ジェスタ(心の中) |
………まずいわね。犬がいる…… ううん…… |
ジェスタは見張りに見つからない(かなり離れた)ところまで下がって、みんなを手招きする。
■ガイ To:ジェスタ |
ジェスタ、どうだった? |
■ジェスタ To:ガイ |
犬がいるのよ。潜入は難しいわね…… |
ジェスタはちょっと考えて、話し出す。
■ジェスタ To:みんな |
えとね。サルサが仕事に来たことにすればいいと思うの。 どうせ、昼間寝ていたということは、サルサは夜行性でしょ? サルサの手伝いとして、誰か付いていくといいと思う。でも武器や防具は怪しまれるわよ。 せいぜいダガーにソフトレザーね。上着で隠れるから。 ………わたしが行くわ。 |
……GMはサルサが夜行性だなんて言った覚えはないぞ(笑)。
ジェスタは地図を覚えて、残る人たちに渡す。
■ジェスタ To:みんな |
とりあえず、リタさんを助けるのを優先させるわね。場所は判ってるし。 助け出して、なんとか逃がそうとするから、その時外から警備を攪乱してほしいな。 合図だけど……時間を決めましょう。今から30分たったら、警備と犬を外に引き寄せておいてね。 麻薬はそれからにした方が良いと思う。あったら、取ってくるけど。 |
■ランス To:ジェスタ |
段取りは大体そんなもんでええやろ。しかし、一人で行くのはちょいと危険すぎへんか?とはいうものの、わいやガイはんが行ったら確かに怪しまれるかな・・・。 |
■ジェスタ To:ランス |
そうねえ。武器と鎧を脱げばいいけど。 どちらにしても、助手として怪しまれないのは二人ぐらいまでよね。。 |
■アルティア To:ジェスタ&ランス |
まあ力仕事用の助手ということでガイがいった方がいいでしょうねぇ〜。 鎧もハードレザーだし、まあこの程度ならなんとかごまかすことも出来るんじゃないでしょうか〜。 無理だと思うのなら脱いでいってもかまわないですがね〜。 |
というとヘルムンスの方に向かって話しかける。
■アルティア To:ヘルムンス |
そういえば、精霊使いは魔法の力によって自分の姿を消すことも出来るという話を聞いたことがあるんですが、ヘムには出来ますか〜? できるんだったらジェスタ達についていくというのも一つの手ですねぇ〜。 |
■ヘルムンス To:アルティア |
確かに古代語呪文にはそのようなものもありますが・・・ 残念ながら、私が使えるのでは足音や足跡までは消せませんよ。 犬たちなら、においも嗅ぎ分けるかもしれませんしね。 武器などだったらまだごまかしも効くかもしれませんが、私が見つかった場合はまず言い逃れはきかなくなりますが・・・ |
■ガイ To:ジェスタ |
いや、やはり俺が一緒に行ったほうがいいな。 まがりなりにも捕らえられてるんだぜ、2人で行ったほうがいい。 サルサが裏切るかもしれんしな。 |
と言って、『ギロリ』と凄みのある目でサルサを睨みつける。
■ジェスタ To:ガイ |
モールは勿論だけど、ハードレザーも脱いだほうが良いと思うの。万全を期す為にね。 誰かに預かってもらった方が良さそう。 携帯武器は持ってない? 誰かに借りた方がいいかも…… |
■ガイ To:ジェスタ |
おう、そうだな。よいしょっと! |
ガイは、ハードレザーを脱いだ。んなあっさり脱げるモンじゃないんだけどなあ……(笑)。
■ガイ To:アルティア&みんな |
アルティア、悪いがハードレザー持っててくれねぇか? それと、ダガーだな・・・誰かダガー借してくれ。 |
■アルティア To:ガイ |
わかりました〜。ついでにモールも預かっておきますね〜。 気をつけて下さいね〜。 |
■ランス To:ガイ |
すまん、わいはもってへんわ・・。 |
■ヘルムンス To:ジェスタ&ガイ |
私はダガーをもっていますが・・・ 残念ながら銀製のものなんで、逆に怪しまれる可能性はありますよ。 |
■ガイ To:ヘルムンス |
ヘルムンス、銀製でもいいから、ダガー借してくれ。 見えねぇように隠していくから大丈夫だろ。 |
ジェスタは待っているサルサの方に行く。
■ジェスタ To:サルサ |
ところでハーピィがいる近くに、いつも警備か誰かがいるの? |
■サルサ To:ジェスタ |
いや、地下だし特には。逃げ出しても上の階で捕まえられるって思ってるんじゃない? |
■ジェスタ To:サルサ&みんな |
ううん……捕まったら、終りね。 中で何かあって、外から判ったら踏み込んでね。(^^; |
■リシィア To:ジェスタ&ガイ |
お二人とも、お気をつけて……。 |
用意をしてからガイは、ジェスタとサルサの所に行く。
■ジェスタ To:ガイ&サルサ |
わたしとガイさんはサルサの弟子と言う事にするわね。 がんばろうね☆ |
にっこりガイに微笑むと、サルサの後ろに付き、バロウズ邸の門に向かっていく。
■ガイ To:ジェスタ |
おぅ!がんばろうぜ、ジェスタ! |
ガイもジェスタに微笑んで、ジェスタの後ろに付きます。
三人が近付くと門番がこちらに気付く。
■門番 To:サルサ |
ん? ……サルサじゃないか。こんな夜更けに何をフラフラしてるんだ。 バロウズさんならもうお休みだし、取次ぎなんか出来ないぞ。 |
■ジェスタ To:サルサ |
へえ! ここが新しい仕事場ですかい? 立派なお屋敷でさあ! 親方! 遅れている分、さっさと仕事を始めましょうや!! |
柄の悪い下町言葉を使いながら、門番にばっちり聞こえるように、サルサに向かって言う。
とても女の子とは思えない言葉を平然と使っている。
ガイは、背を丸めて、出来るだけ小さくなっているが……かえって目立つかも。
■ジェスタ To:門番 |
夜分遅くすまねえ、親方がなかなか起きねかったんだ。 あまりぐずぐずしてるとバロウズさんに申し訳がたたねえ。 早く仕事を進めるためにも、俺たちが親方を盛り立てなくちゃいけねえんだ。 これからすぐにでも、仕事を始めなくちゃなんねえんだよ。 |
促すように、サルサを見る。
■ジェスタ To:サルサ |
親方、急いでくだせえよ。まったく、親方が早く起きてれば、こんな遅くなんなかったってのに…… |
■門番 To:サルサ |
まったく、仕方ないな……ちょっと待て、入れて良いか聞いてくるから。 |
と、後ろを振り向いたところで立ち止まり、再びこちらに振りかえる。
■門番 To:サルサ |
サルサ……お前、なんで助手なんか雇った? バロウズさんからここでの仕事は一人だけでやれと言われていた筈じゃなかったか? 第一、仕事が遅れているなんて話は聞かないぞ。昨日だって予想以上にはかどってるなんて自慢していたじゃないか。 |
見るからに不審そうな目つきでサルサを、次いでジェスタとガイを睨みつけてくる。
■門番 To:ジェスタ、ガイ |
おまえら、一体……? |
■ガイ To:(心の中) |
こりゃ、やばいな・・・・。 |
ガイは、相手から見えないようにダガーを手にして、いつでも飛びかかれる準備をします。
■ランス To:リシィア |
(ガイの様子を見て)あちゃ・・・あれは、ちょいとまずそうやで・・。 |
■リシィア To:ヘルムンス |
……これは、騒ぎにならないうちに、魔法で眠らせてしまった方がよろしいのでは無いでしょうか……? |
■ヘルムンス To:リシィア |
・・・確かに。 いつでも支援できる準備をしたほうがよさそうですね。 |
リシィアの問いに、ヘルムンスは小さく答えて、スタッフを握り直した。
■ジェスタ To:門番&サルサ |
そんなこと知りませんぜ。 俺等は昔親方の元で働いてたもんで、親方が突然呼び出したんだ。 昨日会ったと言う事は、朝まで仕事してるんだろ? 何かおかしいのかい? だいたい、アレは一人で仕事できる大きさではないだろ?(ニヤリ) バロウズさんから昼間使いが来て、許可が出たんだよなあ?バロウズさんを起こすのはいいがあまり余計なことをして、心象を悪くするのはどうかと思うぜ? なあ、親方。 仕事が順調だってえ? 出任せに決まってんじゃねえか! おめえさんの目は誤魔化せても、バロウズさんは気づいてるんだよ! だから俺等が助っ人ではいるんだろうが。 ……だいたい、こちとら時間が惜しいんでい。仕事の遅れはアンタのせいにするぞ! 親方、さっさと入ろうぜ! |
ジェスタはたんか(口からでまかせとも言う)をきり、サルサの後ろから、(門番に見えないように)背中をダガーの柄で突っつきつつ、屋敷に入ろうとする。
■門番 To:ジェスタ、サルサ |
昼間? 使い? そんな者は出したはずはないぞ。 それにバレる嘘ならわざわざサルサが言う筈ないだろう。それこそバロウズさんの心象を悪くするだけじゃないか。 ……サルサ、お前一体何を企んでる? いや、そっちの二人組か? |
門番が更に視線をきつくすると、
■サルサ To:門番 |
ひっ! た、助けてくれぇっ!! |
背中になにか押しつけられたのを感じた途端、サルサは弾かれた様に門番に駆け寄ろうとした。
■ヘルムンス To:リシィア |
どうやらまずそうですよ!支援にいきましょう! |
■リシィア To:ヘルムンス |
はい。 |
■ランス To:リシィア&ヘルムンス |
おっと、わいも行くで! |
ランスはリシィアを護るように走り出す。
■アルティア (独り言) |
あああ、ヤバイ…。私も急がないと…。ええと、ガイから預かったハードレザーにモールでしょ。 預かり物はこれくらいか。後はこれでも置き土産にくれてやりますか。 不味いかもしれないけどたーんとおあがり。 |
みんなの方に向かって走りながら、犬に保存食を投げつける。
ヘルムンスの唱えたスリープクラウドは、なんと何の効果も起こせなかった。
こんな時に限って……。
■ヘルムンス |
くっ、焦りすぎたか! |
リシィアの方はどうにか眠りの雲を発生させる。が、ガイとジェスタを含めた四人とも抵抗してしまった。
ガイは門番に駆け寄るサルサに体当たりを食らわせる。
■サルサ To:悲鳴 |
ぐえっ!! |
■門番 To:悲鳴 |
ぐっ。 |
二人は折り重なる様にして倒れ込んだ。
ちなみにガイのサルサへの容赦ないタックルによって、彼は瀕死の重傷になっていたりする(笑)。
一般人に向かって、えげつない奴である。
ガイは、すぐさま倒れた門番に駆け寄り、口を塞ぎ声を立てさせないようにすると、ダガーを喉に突きつけ、凄みを利かせた小声で言った。
■ガイ To:門番 |
声を立てるんじゃねーぞ。 少しでも声をたてやがったら、おめえの頭と体は永久におさらばだぜ。 |
■門番 To:ガイ |
わ、分かった。 |
続いてヘルムンスのスリープクラウドが再度飛ぶ。今度はサルサだけに効果範囲を縮小。見事にサルサは寝てしまった。
■サルサ To:悲鳴 |
(ガイの体当たりのせいで)ひい〜、痛い、痛いよ〜……ん……ぐぅ。ZZ……。 |
痛みを忘れて眠れたんだから、かえって幸せかもしれない。
向こうではアルティアが投げつけた保存食を巡って犬たちが大ゲンカを始めそうな勢いだ。
■ヘルムンス To:ALL |
・・・・どうやらなんとかなったみたいですかね。 犬達をもう少しエサでひきつけておきますか。 |
と言って、保存食を2つとりだし犬たちに投げ与える。
■ジェスタ To:みんな |
……随分あっけなかったわね。犬もたいしたことないみたいだし。 他の警備も気づかないみたいだし、意外と大した事ないかな? ……どうしようか? この人…… |
門番を見ながら、みんなに聞く。
■ジェスタ To:みんな |
身包み剥いで、口を塞いで縛っとく? |
ジェスタってば、段々言動が過激になってきてない?
■アルティア To:みんな |
まあ、かわいそうですが仕方ないでしょうね〜。ガイ、ほどけないように縛っておいて下さい。〜 |
■ガイ To:アルティア&みんな |
OK!ついでに眠っててもらうぜ。 |
ガイは、門番の口をロープで塞ぎ、体縛りつけて動けないようにすると、後ろからダガーの柄で殴って門番を気絶させる。
■アルティア To:みんな |
さてと、こうなったからにはもたもたしてられませんね。 ジェスタに様子を見てきてもらいますか?それともこのまま一気に突っ切りますか? |
■ジェスタ To:アルティア&みんな |
さっさと行くに決まってるでしょ! まあ、失神してるなら、放っておいてもいいかもしれないわね。 |
■アルティア To:ジェスタ |
き、決まってるっていうことは無いでしょうけど、まあここまで来たらそう色々考えてる場合じゃないですねぇ〜。 じゃあ、行くとしますか〜。 |
■ガイ To:みんな |
お〜し!じゃあみんな、中に突入しようぜ。 |
ジェスタが門を開く。軋んだ音を立てて、それはゆっくりと開かれた。
■ジェスタ To:みんな |
……さあ、早く地下へ行きましょ。 |