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「レダの瞳は10000万ボルト」 |
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遺跡−裁きの間にて |
3日目の夜、この日もアルトたちは裁きの間で異変が発生しないか見張りを続けていた。
アルトとアフルが見張りを行っていると、また泣き声が響き始めた。
そして、アルトの頭に直接何か声が聞こえだした。
■ アルト To:アフル |
さぁて… いよいよ今夜もまたお出ましのようだね。 リーダー、ひとまずみんなを起こそうか。 |
そう言いつつ、アルトはフェイスの身体を揺すった。
■ フェイス To:アルト |
にゃあ〜…あ、おはよう〜。 |
■ アフル To:アルト |
うん、でも、別に目に見えて変わった事は起こらないね…(^^;; |
と、ヴィクターを起こすアフル。
■ ヴィクトール To:アフル |
・・・ん〜、もう朝なのぉ〜? |
ひどく眠そうな顔で起きたヴィクター。
緊張感0である。
■ 謎の声 To:アルト |
……ね……。 ……おねが……あ……。 |
■ アルト To:謎の声 |
っと、ん………?今のは… 誰だい? |
その声を聞いてアルトはレダの像の方を見つめ確認した。
すると、レダの像、実際には昔は瞳がはまっていたであろうところから涙が流れていた。
■ アルト To:独り言 |
おねがいが、ある……って言ってんのかな… (……おかねが、ありません―――じゃないよね…やっぱ…) |
それはフェリオ……。
■ アフル To:アルト |
ん…、どうしたの? 何か気がついた? |
■ アルト To:アフル |
? ……聞こえてないのかい? |
■ 謎の声 To:アルト |
私の声が聞こえるのですか……。 やっと、答えてくれる人が……。 ……人が他にもいることを感じます……。 |
何か違和感を感じた後、今度はほかの皆にも謎の声が聞こえるようになった。
■ 謎の声 To:ALL |
……聞こえますか……。 ……聞こえますか……。 |
■ アフル To:謎の声 |
え、誰? あの、泣き声の人? |
■ ヴィクトール To:ALL |
何か聞こえるね。誰かお客さんでも来たの〜? |
まだ寝ぼけ中らしいヴィクター……。
■ アルト To:謎の声 |
あんたが、噂のレダさんかい? |
■ 謎の声 To:ALL |
……そうです……。 私はレダといいます……。 あなた方にお願いがあってずっと呼びかけていました……。 |
■ アフル To:謎の声 |
お願いって? |
■ アルト To:レダ |
……お金は貸せないよ? |
■ レダ To:アルト |
……お金には困ってません…… |
■ フェイス To:レダ |
…お金持ちはおっかね〜(恐いの意)。…なんちて、うぷぷぷ(>ω<) |
3秒ばかり固まった後……石像なんだから元々固まっているが……呆れたようにそう答えるレダ。
そして気を取り直して話を再開した。
■ レダ To:ALL |
……この像の目のところにはまっていた…… 蒼い宝石を見つけだして……そして…… 破壊して欲しいのです……。 |
■ アルト To:レダ |
ってことは… やっぱ、何かやばい事が起きてるってわけだね。 一体何があったんだい? |
■ レダ To:アルト |
……実は、この部屋から異世界に追放された6人の罪人の内1人……ロプトーが力を得て、こちらの世界に干渉しようとし始めています。 ……しかしながら、彼はその蒼い宝石……私たちはレダの瞳と呼んでいますが……そのレダの瞳を用いてしかこちらの世界には干渉できません……。 ですので、そのレダの瞳さえ壊せば二度と彼はこちらに干渉できなくなります……。 レダの瞳は二つあります……。 どうか探し出して壊して欲しいのです……。 |
■ アルト To:レダ |
ロプトー……確か、「物の形の無い世界」ってとこに追放された男だったっけね。 何でまた急に、こっちへ悪さ出来るようになったんだか… …追放されたのは6人なんだろう? |
■ レダ To:アルト |
……ロプトーは元々不老不死の魔術を極めようとした魔術師でした。 元々は、相手の了承を得て実験を行っていたのですが、それではもの足りず、病人などをだまして実験を行うようになりました。 その罪により異世界追放となったのですが……異世界にいるうちに気が狂ったようです……。 そして異世界で力を蓄え、レダの瞳を通じて精神力の弱いものに対して力の波動を送れるようになったのです……。 実は……私が病に倒れ死ぬ際に、知り合いの付加魔術師にお願いして、私の瞳を用いて、異世界に追放された人が少しでもこの世界を感じられるようにとレダの瞳を作ってもらいました……。 ……同時に私の魂をこの像に封印して貰いました……。 本来瞳を通して力を発揮することは出来ないはずなのですが……しかし、ロプトーの執念はそれを越えていたみたいです……。 瞳がこの像から外されたのも原因の一つかもしれません……。 ちなみに、後の5人は……異世界ですでに死亡が確認されています。 どうやら、ロプトーは異世界に行く前に不老不死に関わる秘術を使っていたのでしょう……。 |
■ アルト To:レダ |
不老不死ねぇ… いつの時代も、人が考えることは大抵同じ、ってことかな。 |
■ ヴィクトール To:レダ |
はぁーい、オレしつもーん! レダの瞳が今どこにあるのか見当は付いてるの〜? あとその宝石を壊した場合、何か悪い事とかは起きないの? それと宝石さえ壊せば、そのロプトーっていう悪い魔術師の人はこっちの世界にもう絶対に干渉できなくなるの? |
しゃきっと片手を上げつつ、続けざまに質問責めするヴィクター。
■ レダ To:ヴィクター |
瞳の場所は……残念ながら詳細までは分かりません……。 ただ……、この遺跡の中もしくはこの近くにあることは間違いないと思います……。 瞳を壊しても……あなた方に影響などはないでしょう……。 また、ロプトーがこちらに影響を与えることも出来なくなりますから……今ロプトーの影響を受けている人がいても、その影響がなくなるはずです……。 ロプトーが干渉できなくなりますから……。 |
■ ヴィクトール To:レダ |
ふんふん、じゃあとりあえずは宝石探しから始めなくちゃいけないんだね。 |
■ レダ To:ヴィクトール |
はい……。 お願いします……。 |
■ アフル To:レダ |
ロプトーの干渉って、例えばいきなり怖がり出したり、ボーッとしたりとか? |
■ レダ To:ヴィクトール |
……私にもどんな干渉になるのかは……分かりません……。 |
■ アルト To:ALL |
ま、遺跡の中のことなら、導師かエスニャ嬢に聞けば何か知ってるんじゃないかい? エスニャなら、きっとこういう妙なことにも詳しいだろうだしさ。 |
なぜかに「妙な」に力がこもっているアルト……。
理由が知りたい人は18章を読むべし!?
■ アルト To:ALL |
まぁとりあえず、一旦フェリオ達と合流しようか。 |
■ ヴィクトール To:ALL |
はぁーい、ちょっと眠いけど頑張っていこー。 |
■ フェイス To:みんな |
おっけ〜、えいえいおー! |
ということで、合流するため皆が休んでいる広間へと向かった一行であった。
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