Sword World PBM #49「その瞳に映るのは」





「ハッとしてニッキ!」





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遺跡−広間にて

 3日目の朝方……、法廷の方を見張っていたシェルが最初にその異変に気付いた。
なにやら、ニッキが急に苦しがり始めたのである。
■シェル
あふ…。
そろそろ、夜明けかな…。

■ ニッキ
 うぐぅ。あがぁ。
ひ、ひ、いぃ。

■シェル To:ニッキ
!?
ちょっと、どうしたの?
しっかり!!


おそらく、床に寝たまま苦しがっているであろうニッキを抱き起こしながら、シェルはセンス・オーラをした。
なにやら、精神の精霊の働きが乱れているが、どうおかしいのかはよく分からない。
ただ、やや恐怖の精霊力が強いようにシェルには思えた。
■シェル To: 裁きの間のメンバー
(…?…精神の精霊の働きが…おかしい…でもどこが…?…怖がってる…?)
クソっ、ボクの力だけじゃダメだ!
アフル!、ヴィクター!!、みんな!!!
急いでこっちに来て!!!!


 ニッキを抱いたまま、あらん限りの大声で叫ぶシェル。
■ アルト To:ALL
シェル!?

っっ―――どうやら、向こうで何かがあったみたいだね。
ほら、みんな、出番だよ!


■ アフル To:フェイス、ヴィクトール
うん、ほら、フェイスもヴィクターも起きてっ!!

■ フェイス To:アフル
ああん! …あー、アフルおはよう〜。
何かあったの?

寝てるメンバをげしげしばしばし叩き起こしてから、法廷の間の方に向かって駆け出すアルト。
さすがはパーティ一の怪力……みんな起きたようである。
■ ヴィクトール To:アルト&アフル
ん〜、おはよー。もう朝なのぉ〜。

ごしごし寝ぼけ眼を擦りながら起床して、みんなの後から着いていくヴィクター。
■ アルト To:ALL
みんな、無事かい!?

とりあえず、急いで部屋へと駆け込んだ一行。
そして、同時に寝ていたメンバーも皆起きたようである。
■シェル  To:ALL
みんな!
ニッキさんが急に苦しがりだしたんだよ!
精霊力で調べたら、錯乱してるうえに怖がってるみたいなんだ。
フェリオか、ヴィクター、お願い!

■ラッドル To:ALL
 どうしたんです?
え、ニッキが……。
ニッキ。大丈夫か?

 といってから、ニッキの方へラッドルは駆け寄っていった。
ラッドルに続いてニッキの方へ駆け寄るヴィクター。
駆け寄ってからニッキの状態を調べるようだ。
■ ヴィクトール To:シェル
えっと怖がって錯乱してるだけなの?特に怪我とかした訳じゃないんだよね。
それなら・・・。

 ヴィクターがニッキの身体に手を当てて、サニティを使用した。
サニティが発動。
とりあえずニッキはおとなしくなったがなにやらぼーっとしていて目の焦点が合っていない。
■ アルト To:ニッキ
大丈夫かい?
ほら…これでも飲んで、落ち着きなよ。

水袋から、コップに水を一杯汲んで手渡すアルト。
とりあえず落ち着いたみたいだがしゃべることは出来ないみたいである。
■ アフル To:ALL
おとなしくはなってくれたけど…。
やっぱり、普通の状態じゃないよね。

■ アルト To:ALL
………一体何があったんだろうね?
怖い夢見て苦しむにしちゃ、ちょいと今のは尋常じゃなかったけど…

■シェル To:ニッキ&ALL
うん。たしかにね…。
おかしいなぁ、さっきまでは普通だったのに…?
ニッキさん、大丈夫?、落ち着いた?

そういいながら、ニッキのほほをぺしぺし叩くシェル。
またおかしくなったらどうするんだろうか。
■ ヴィクトール To:ALL
・・・う〜ん、どうしようか?
もしかすると毒とか何かの病気かも知れないし、他の魔法も試してみた方が良いかな?

 アフルが再度センスオーラをしたところ、やはり、精神の精霊の働きが乱れているが、どうおかしいのかはよく分からない状態が続いている。
そこへラルフが横から口を挟んできた。
■ ラルフ To:ALL
 おいおい。なんだよ、こりゃ!
こんな話聞いてないぞ。
やばいんじゃないのか?
おい、ラッドルさん、だましてたのか?

■ アルト To:ラルフ
騙す?
………そりゃ、どういう意味だい?

■シェル To:ラルフ&ラッドル
もしかして、この遺跡のことでボクらやラルフさんたちに話してないことがあるの?

■ ラルフ To:ALL
 だましてんじゃねえか。
安全な遺跡だって聞いていたから雇われてみりゃ、こんな気がふれた奴ができちまったじゃねえか。
それとも、それでもだましてないっていうんかい?

■ ラッドル To:ALL
 私が知っている限りのことはすべて話しています。
こんな現象が起こるなんて思っても見なかったんですが。
とりあえず、調査して何とか直るすべを見つけないと…。

■ アフル To:ラルフ&ALL
 ま、予想がつかなかったんだったら仕方が無いじゃない。
それより、まず、どうしてこうなったのかとどうしたら直るかだよ。

■ アルト To:ラッドル
何か、原因について心当たりはないのかい?
昨日の調査中に、彼が何か特別な事ををやったとかさ?

■ ラッドル To:ALL
 いや、そんなことはないんですが……。
調査は壁に描かれてある文言の解読がメインですからねえ。
誰か、ニッキが何かをやったかとか見てなかったです?

■ イルミアーナ To:ラッドル
 何もなかったと思うんですが……。

■ アルト To:ラッドル
う…
じゃあ、実は彼は元々、夜中に悪夢を見ると突然のたうち回る愉快な性癖の持ち主だったとか、そういう事は……

■ ラッドル To:アルト
 昔からそういうのはなかったですなあ。

■シェル To:ラッドル
壁に描かれてた言葉って、もしかして古代語?
もしそうなら、古代語の解読のときにそれを口に出しちゃって、
そのせいでなんかの魔法にかかっちゃったとかっていうことはない?

■ ラッドル To:シェル
 そんな危ない文言は書かれてなかったと思うんですが……。
何があったんだろう……。

■ アフル To:ラッドル
 だったら、こんな所に泊まったのが悪かったのかなぁ…?
一応、レダって人の執務室だったところだし気を悪くしたのかも…
まだ、魂があの像に閉じ込められているようなら、聞いてみるのもいいんじゃない?

■ ラッドル To:アフル
 そうですねえ。
とりあえずニッキは寝かせて置いて、早くに調査して何とかしないといけないですね。
文献を調査する方のみなさんもできるだけ、ニッキの現象に関わる文献がないか探してみて貰えますか?

■ エスニャ To:ALL
 そうですわ。
調査さえうまく行けば、ニッキもすぐに大丈夫になると思いますわ。

■シェル To:ALL
そうだね。
ニッキさんも、このまんまじゃかわいそうだしね。
レダさんがまだ像の中にいるんなら、話かければ答えてくれるかもね。
でも、レダさんて、古代王国の人でしょ?
ってことは古代語じゃないとわかんないんじゃないかなぁ?
「レダ裁判官との話し方」とかっていう文献があれば楽だけど…。

■ アルト To:シェル
どうせなら、「このまま何事もなく依頼終了して頑固導師が気前よく報酬を出してくれる本」ってのがないもんかねぇ…

■シェル  To:アルト
ははは(^▽^)
そんなのがあったら楽だねー。
って、そんなのあるわけないじゃん〜。

といいつつ、笑顔でアルトにツッコミを入れるシェル。
■ アルト
Σ( ̄ロ ̄;)シェ、シェルにつっこまれた!?

何やら、激しく衝撃を受けているアルト。
一瞬固まったみたいである。
■シェル To:アルト
とにかくさ、裁きの間に行ったらレダさんの像に話し掛けてみてよ。
いい人みたいだから、わけ話せば力になってくれると思うんだ。

■ アルト To:シェル
っと、そ、そうだね…
とりあえず、まだコンタクトが取れるかどうかだけでも試してみるとしようか。

……シェルも、何か話し掛けたいようなら、古代語の一言二言くらい教えてあげるよ?


■ ヴィクトール To:ALL
オレ、一応こっちに残ってようか?
またニッキさんが同じようなことになっちゃうかも知れないし。

■ ラッドル To:ヴィクトール
 それは、ダイスさんとサムスさんにお願いしましょう。
何かあったら、連絡を貰うということでどうでしょう。
こうなったら、調査人員は多い方がいいですからねえ。

■ アルト To:ALL
これ以上、また妙な騒ぎが起きなきゃいいけど…

ま、それじゃ、また今日も一日張り切って調査といこうか。


遺跡−裁判官の私室にて

 さて、とりあえずニッキを寝かせて置いて、皆で3日目の調査に取りかかった。
フェリオとシェルが途中で睡眠をとりに帰るのも2日目と同様である。さて、調査結果は全班合わせて以下の通りである。
・6人が追放された異世界には「太陽が永遠に落ちる事の無い世界」、「音が見え、色が聞こえる世界」、「音が存在しない世界」、「暗闇だけの冷たい世界」、「色が存在しない世界」、「物の形の無い世界」がある。
・ヴァルムロは「音が存在しない世界」に追放された。
・ロプトーは「物の形の無い世界」に追放された。
・ゾドは「太陽が永遠に落ちる事の無い世界」に追放された。
・レプラスは「色が存在しない世界」に追放された。
・ドゾンは「暗闇だけの冷たい世界」に追放された。
・ガルネックは「音が見え、色が聞こえる世界」に追放された。
・「裁きの門」は「レダの像」によって、門を封印している。像の破壊は門の解放を意味する。
・レダの瞳の正式名称は「月の魔石」である。
・「裁きの門」より追放された者は「レダの瞳」を介して、その門の位置を知る事が出来る。
つまり「レダの瞳」が失われれば、追放された者はこちらの世界に戻ってくる事はできない。
と、以上である。
残念ながら、ニッキの症状に関しての文献は見つけることができなかった。
■ アルト To:ALL
月の魔石……聞いたことがあるね。
確か、異界へ通じる通路を見出す為の魔法の品で……媒体がかぁ〜なり、嫌なものでできてたっけ(--;

ま、元はどうあれ、物としちゃかなりの値打ち物だよ。
こんな所でお目にかかれるとはねぇ…


■ ヴィクトール To:アルト
アルト姉ちゃんって物知り〜。

■ アフル To:アルト
媒体が嫌なもの…って単なる宝石じゃないの?

■ アルト To:アフル
………ふ・ふ・ふ♪
知りたいかい?リーダー。

 にこにこにこにこ笑顔でアフルの顔を覗き込むアルト。
何をたくらんでいるんだか……。
■ アルト To:アフル
それじゃ、実物を見たときに教えてあげるよ(^^)
お楽しみにね?

■ アルト To:ALL
思うに、今回の一連の騒動にはこの魔石も一役かってそうだね。
今晩の見張りの時にでも、ちょいとじっくり像の辺りを調べてみるとしようか。

■ ヴィクトール To:ALL
うん、おっけーい。でも張り切りすぎて、像を倒しちゃったりしないようにしなきゃね!

というわけで、今晩も野営に入った一行であった。

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原   作:狼鬼

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