|
「腕のもがれたエンジェル」 |
|
トップページへ | 前のページへ | 次のページへ |
遺跡−裁きの間にて |
ということで、一行は裁きの間へと移動してきた。
扉はすでに、ラッドル達によって合い言葉が唱えられていたため開いている。
中に入ると、直径10メートル、高さは5メートルほどの円形のドーム状の部屋が広がっていた。
内部は既にボロボロの状態で、部屋の中央には両腕が失われた翡翠の女人像があった。
また、北壁、東壁、南壁それぞれに2つずつ高さ3メートル、幅2メートル程の黒曜石の門が設けられていた。
■ アルト |
へぇ…… |
■ アフル |
あ、門って6つも有ったんだ… てっきり1つだけかと思ってた(^^;; |
■シェル |
これが「裁きの間」なんだ……。 なんか、すごいや…。 |
アルトは興味津々の様子で部屋の内部を見回しつつ、ラッドル達に声を掛けた。
■ アルト To:探索班 |
みんな、お疲れさん(^^) 何か良い収穫はあったかい? こっちの調査の方は、ひとまず片が付いたよ。 |
■ ラッドル To:アルト |
あ、お疲れさまです。 もうそんな時間ですか。 こっちはどうにも収穫がないですなあ。 後で調査内容を見せてくださいね。 |
■ アフル To:ラッドル |
うん、いろいろ分かりましたよ。 たとえば、そっちの門が罪人の人を異世界に追放する門だとか、 そっちの女人像にここの裁判官だった人の魂が封じ込められた事とかね。 |
■ ラッドル To:アフル |
なるほど、そのあたりは今までに分かっていなかったことですからねえ。 魂が封じ込められている……。 調べた感じではよく分からなかったですねえ。 師匠はどうでした? |
■ シドー To:ALL |
うむ。 あの像に何らかの魔法的な力がかかっていることは分かったがそこまでは突き止められなかったのう。 アフル君達もそれはお手柄お手柄。 |
■シェル To:ALL |
あ、やっぱり魔法がかかってたんだ。 じゃあ、この像の中にレダさんがいるの? |
そういいながら女人像をしげしげ眺めるシェルであった。
■ ヴィクトール To:ALL |
調べても分からなかったって事は・・・きっと今は寝てるんだ! |
何故か断言するヴィクター。
■ アルト To:探索班 |
あの門は、開けられるのかい? |
■ シドー To:アルト |
どうやら、門というよりは封印の意味合いがつよそうじゃな。 開けることはできないみたいじゃ。 |
■ アフル To:ALL |
封印かぁ… でも、開けられなくてよかったのかも。 罪人の人を追放する所なんて、どうせロクな所じゃないだろうし… |
言いつつ、門の側に近付いて行ってしげしげと門を観察するアルト。
観察の結果、門には細かく上位古代語で文字が記してあることが分かった。
ただ、長年放っておかれたため表面には埃などが積もっていて、しっかりと読みとることはできなかった。
また、門には取っ手などなく、開くことはできそうにもなかった。
開くには何らかの条件が必要なのであろう。
ただ、それに関わる装置はどうやら周囲には見あたらないみたいである。
また、シェルはセンスオーラを試みたが、特に特殊な精霊力は働いていないみたいであった。
■ ラッドル To:ALL and ヴィクトール |
あと、どうやら遺跡の盗掘者がいたみたいで白骨が2体分転がっていました。 ヴィクターさん、後で埋葬してやってください。 |
そういって、ラッドルが奥の方にある布がかけられた場所を指さした。
■ ヴィクトール To:ラッドル |
うん、分かったよ。そういう経験ないからあんまり得意じゃないけど、これも神官の仕事の内だもんね。 お墓も作らなきゃいけないから、穴掘るのは手伝ってね。 |
思い出したようにごそごそとポケットの奥を探って聖印を取り出し、首に掛けておくヴィクター。
■シェル To:ALL |
かわいそうに… でも、どうしてこの中で死んじゃったんだろ? 遺跡の外に出られなかったってことはないはずなのに…? |
■ ヴィクトール To:シェル |
う〜ん、そういえばそうだね。合い言葉で入ったんなら出ることもできるだろうし。 何か別な方法で入っちゃったのかな? |
ヴィクターは興味が湧いたのか埋葬の準備でも始めるつもりなのか、白骨の方に近寄り布をめくって中を覗いてみた。
すると、片方の白骨の脇に魔法の杖が転がっていた。
どうやら1人は魔術師だったらしい。
ヴィクターの横に立って白骨をチェックするアフル。
しかし、短い時間でもあり詳しいことは分からなかった。
■ アフル To:ALL |
うーん、前の調査隊の人達が入った隙にもぐり込んでそのまま出られなくなっちゃったとかかな…? それで、そのまま餓え死にしちゃったとか… |
みんなの後ろから白骨を覗き込むと、落ちている魔法の杖を、ひょいと地面から拾い上げます。手に取ってしばしそれを眺めると、ちらりと白骨の方に視線を移して、
■ アルト |
お仲間、か… 何だか他人事とは思えないねぇ…… ……………………いい夢、みなよ。 |
杖をまた白骨の側にそっと戻すアルト。さすがに粛々としている。
■ ラッドル To:ALL |
じゃあ、そろそろ日も暮れるでしょうから馬車の方に戻りますか。 |
■ アルト To:ALL |
そうだね、詳しい報告はまたそっちに行ってからさせてもらうよ。 |
■ ヴィクトール To:白骨 |
お墓は明日必ずつくるから、今日はここで我慢しててね。 |
語りかけつつ、聖印を手にして冥福を祈るヴィクターであった。
トップページへ | 前のページへ | 次のページへ |
ページ管理:OZZY<OZZY>