Sword World PBM #49「その瞳に映るのは」





「スリラー(人間大)」





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銀の網亭−テーブルにて

■ アルト To:ラッドル
ところで…何でまたこんな遠出をしてまで、今回わざわざその遺跡を調査しに行くことになったんだい?

■ ラッドル To:ALL
 あ、すでに学院が一度調査した遺跡なんですよ。
ただ、最近その遺跡で怪異が生じているそうなので、それを調査に行くんです。
あと、今回の依頼は主に道中の護衛をお願いしていますが、みなさんにも遺跡の調査を手伝って貰うことも含まれているんでそれもよろしくお願いしますね。

■シェル To:ラッドル
あ、1回調べたことがある遺跡だったの。
それなら、調査も楽だね。
それじゃ、その遺跡ってどこにあるの?
その遺跡って古代王国の時代には何に使ってたの?

■ ラッドル To:ALL
 遺跡は、ブラードから北に3日程度行ったところにあります。
遺跡自体は、古代に裁判所として使われていたみたいですね。
先ほども話しましたが一度調査を終わってますので、地図なども学院にはありますよ。
出発日……といっても明日ですが……明日には地図を見せることが出来るでしょう。

■ アフル To:ラッセル
その地図ってのは遺跡の内部の?

■ ラッドル To:ALL
 ええ、そうです。
以前に、レプトール・フリージという導師がその遺跡の調査に成功しまして、そのときに精密な地図が書かれていますからそれを元に調査する予定になっています。

■ アルト To:ラッドル
へぇ……なるほどね。

ま、護衛も調査も、両方ともどーんと任せときなよ(^^)
私たちくらいの優秀な冒険者達の手にかかれば、怖いものなんて無いも同然!ってやつだね。


 いかにも自信たっぷりっぽく、二人ににっこり笑ってみるアルトであった……でも遺跡に一度もいったことがないのは秘密である。
■ フェリオ To:ラッセル
怪異ってのは具体的に言うとどんなもんだい?
例えば……夜な夜な中から狂人じみた高笑いが聞こえるとか、ゴキブリが大量発生してるとか、急に観光名所になりつつあるとか……色々あるだろ?

■ アルト To:フェリオ
―――!!
ゴ…!?

 ザザッと二、三歩後ずさりするアルト。
さっきの強気な台詞はどこへやら。
■ アルト
ゴ……ゴ…ゴ…ゴ、ゴ、ゴゴゴゴ……!!?(’□’;)(ゴキブリと言いたいらしい)

た…た…た、た、た、た、たたたたた………!!!(T□T;)(大量発生と言いたいらしい)


 そうして、よろりと壁に手をつくと、そのままよろよろと床に崩れ落ちるアルト。
■ アルト
……………あ、ぁぁぁぁぁ…………
……そ、そんな恐ろしい地獄絵図のような場所に、わ、私たちは今から……?

 錯乱というか狂乱というか恐怖のあまり周りが見えていないアルト。
どうやら、アルトは節足動物(クモとかゴキブリとか)が苦手らしい。
■シェル To:アルト&フェリオ
…ア、アルトさん…?(^^;;)
アルトさんてそうゆうの苦手だったんだ…(ポリポリ)
(こんなアルトさん、はぢめて見たよ…(苦笑))
大丈夫だよ。ゴキブリがいっぱい出てきても、フェリオがなんとかしてくれるって。
ねぇ、フェリオ?

■ ラッドル To:アルト
 お嬢さん大丈夫ですよ。
ゴキブリなんか出てきたっていう報告はないですから。
まあ、出てきても一匹か二匹でしょうし俺が潰してあげますよ。
それに……ゴキブリの発生はともかく、急に観光名所にはならないと思いますよ。

■ アルト To:ラッドル
!ほ、ホントかい?

 ラッドルの言葉に、ぱっと顔を輝かせます。
■フェリオ To:ラッドル
へぇ?ソイツは頼もしいな。
世の中には人間大のサイズの狂暴なゴキブリもいるって話だけどな。
まぁ、そいつ等が出てきたら、ラッドル君に半分任せる事にするよ、うん(^-^

そうそう、食われない様に気を付けてな(^-^


 仮面の笑顔で微笑むフェリオ。
■ アルト
!!!
に…ニンゲンダイ―――!

……に、にににににににニンゲン大………(@□@;)
ニンゲン大…ニンゲン大…ニンゲン大…ニンゲン大…ニンゲン大…ニンゲン大…ニンゲン大………………


 遠い目をして、何やらぶつぶつ呟き始めている……。
どうやら精神がどこかに旅立っちゃったらしいアルトである。
■ フェイス To:アルト
大丈夫だよ、アルト〜。
ゴキブリくんたちって、けっこう話せば分かる奴ばっかりだから♪
お友達になれるように通訳してあげよっか?(^0^)/

■ アルト To:フェイス
と、トモダチ……?

 おそるおそる、フェイスの方を振り向きます。
■ アルト To:フェイス
友達……………………………………。
…………………………。
………………。
!!!!?(←何かを想像したらしい)

あ、ぁぁぁ…あぁ……!…………ふ、ふふふ………………さよなら、私の青い空……ふふふ…


 どうやら、アルトはさらに遠いところに行ってしまったらしい。
■ ヴィクトール To:ALL
・・・え、えーと、アルト姉ちゃん落ち着かせた方が良いのかなぁ?

 サニティを使おうかどうか迷っているヴィクター……。
でも、使ってもあまり意味がないと思うのは気のせいだろうか。
■ ラッドル To:フェリオ
 あることないこといって、人を怖がらせるのもなんかと思いますけどねえ。
まあ、とりあえず話が脱線したみたいですし元に戻しましょう。
で、怪異の話ですが、最近遺跡近辺の村から夜中に遺跡の方角で、あたかも天に向かって放たれる光の柱のような発光現象が目撃されているんですよ。
で、時々その光の柱の中に巨大な人影が見られたり、女の啜り泣き声が響いてきたりするって報告があったですよ。
で、その調査のために現地へ行こうということになったんです。

■シェル
光の柱かぁ。
なんか面白そうだな〜。

■ ヴィクトール To:ラッドル
遺跡の方角って事は、正確に遺跡の何処から光が出ているとかは分かってないんだね。
巨大な人影って言うと、その光の柱ってすっごく大きいってこと?

■ ヴィクトール To:ラッドル
ん〜、そっかぁ、もう調査済みなんだぁ。ちょっと残念だな。
でも新発見がないとは限らないよね。

あ、そうそうオレもひとつ聞きたいんだけど、道中の護衛って事は途中に何か危険なことでも起こりそうなの?妖魔とか山賊とかがよく出るって噂があるとか?

■ ラッドル To:ALL
 多分、そういう危険は今のところ報告されていないんでないと思いますよ。
雲の上の街道は、安心して通ることの出来る街道ですし、街道を離れた後は、住む人も少ないので、山賊をしようにも儲けが少ないでしょうからね。

■ アルト To:ラッドル
Σ( ̄ロ ̄;)はっ…!
そ、その遺跡の中には、ニンゲン大―――じゃなくて…えっと、か、怪物なんかは出てこないのかい?
裁判所だったってことは、大きさも結構広いんだろう?

■ ラッドル To:ALL
 規模としては、そこそこの大きさの遺跡でしょうねえ。10室以上の部屋がありますので。
モンスターは、まず出てこないでしょう。
それというのも中に入るのに魔法の合い言葉が必要なんですよ。
しかもしばらくしたら扉が勝手に閉じるという念の入れようです。
ですから、誰もいない間に誰かが住み着いたということは考えられないでしょうねえ。

■ アルト To:ラッドル
……に、ニンゲン大は、合い言葉なんか知らないよね………?
ふぅ……

 ホッとかるく息を付きながら、少し気を取り直して額に流れる冷や汗を拭っている。
■ ヴィクトール To:ラッドル
じゃあ、こういうこと?
遺跡に行くまでの街道も多分安全で、遺跡に到着しても怪物なんかが出てくるとは思えない?
って事は、オレ達は遺跡に着いてから例の光の柱とかについての調査を手伝うのが主なお仕事なの?

■ ラッドル To:ALL
 いえいえ、そういうことじゃあないです。
いくら安全とはいっても、途中から大きい街道を外れるわけですから、何が起こるかは分からないですからねえ。
もし、野生動物とかが襲ってきたりしただけでも、隊員に戦える人は1人もいないんですよ。
それに、学院の調査隊が来ているって山賊とかにばれれば、宝があると思って襲ってくる莫迦もいますからねえ。
もちろん、調査を一緒に手伝って貰うのも仕事の中に入りますけど。
まあ調査をする方が、現地についたとたん暇をするよりはよっぽど良いと思いますよ。

■ ヴィクトール To:ラッドル
魔法の合い言葉って事は、上位古代語が話せないとダメって事だよね?
入るのに必要って事は、遺跡から出るときはどうなの?やっぱり必要なのかな?

もし出るのにも合い言葉が必要だったら、古代語喋れない人が閉じこめられたら誰かが開けてくれるまでもう出れないってこと?

■ ラッドル To:ALL
 あ、合い言葉は一応下位古代語です。
それに、別に発音さえあっていれば意味を知らなくても大丈夫ですから、誰でも唱えることは出来ますよ。
皆さんにも教える予定ですが、くれぐれも今回の調査隊以外の人には教えないでくださいね。

■ ヴィクトール To:ラッドル
あぁ、そうなんだ。
・・・って事は、どっかで合い言葉を知った誰かがもう遺跡に入ってるって事も考えられるんだね。

 後半は殆ど独り言のような感じでボソボソと呟いているヴィクター。
■ アルト To:ラッドル
もちろんだよ。
例えこの命が尽きようとも、何があってもニンゲン大なんかに合い言葉は決して漏らさないことを固く誓うよ。

 ぐぐっ、と握り拳を作りつつ宣言しているアルト。
そんなアルトを見て少しため息をつくアフル。
■ アルト To:ラッドル
で、その合言葉ってどんなのなんですか?

■ ラッドル To:ALL
 合い言葉は全部で3つあります。
ただ、その合い言葉は学院に保管してあってまだ俺も知らないんですよ。
今日にでも師匠に聞いておきますね。

■シェル To:ラッドル
依頼の期間は40日だったよね。
ブラードの近くってことは移動だけで2週間くらいかかると思うけど、
遺跡の調査は何日くらいやるつもりなの?

■ ラッドル To:ALL
 行程は、移動を往復に合計30日、遺跡調査5日予備日を5日合計40日で考えています。

■ アルト To:ラッドル
遺跡内で見つかったアイテムなんかはどうするんだい?
今回の調査で、隠された財宝がざっくざく……なんて時とかさ。

■ ラッドル To:ALL
 一度調査されている遺跡なのでそういうものが出てくることはほとんどないとは思うんですが、魔法のアイテム類は学院が全部引き取ります。
他のものについては、相談次第といったところでしょうねえ。
まあ、どうみても学院に不要なものなら皆さんに差し上げますよ。

■ アフル To:ラッドル
と言う事は、単なる装飾品とかが残っていた場合は俺達の物って事で良いんですね?

■ ラッドル To:ALL
 いえいえ。
調査隊全員で山分けです。
まあ、これは秘密ですけどね。

■ アフル To:ラッドル
あ、やっぱりそうですか(^^;;
ま、「学院に全部没収」じゃないだけましって事ですね(笑)。

■ フェイス To:ラッドル
わ〜い、それは楽しみだね♪
ところで、シードさんとラッドルさんは、学院とどういう関係があるの?
いつもはどんなお仕事しているの??

■シェル To:ラッドル
わぁ、ほんと?
面白いアイテムとか見つかるといいな〜♪

■ ラッドル To:ALL
 俺達の仕事?
師匠は、遺跡の発掘とそこで回収された文献の調査が主な仕事かな。
俺は、ありゃ仕事じゃなくて趣味だって思ってんだけどね。
一応、俺はその助手ってことになってんだよ。
ちなみに、師匠はシードじゃなくて、シドーなんだけど……。

■ フェイス To:ラッドル
あ、シドーさんか、ごめんごめん(^_^;)今後は間違えないようにシドーしときますんで許してやってね♪ なんちて、ぷぷー。

■ アフル To:ラッドル
調査隊は何人なんですか?

■ ラッドル To:ALL
 調査隊は、あなた方が6人ですから、全部で16人になりますね。
隊長はあのくそじじい……じゃなくて、師匠が、副隊長は俺がやることになっています。
他に、先ほど話したレプトール導師の孫娘のエスニャ・フリージ、それに若手の学院の学者が3人、後荷物運びなどをして貰うための人足が4人ですね。

■ ヴィクトール To:ラッドル
ねえねえ、その調査隊の人達って何人くらいソーサラーの人がいるの?

 ちょっとわくわくしているヴィクター。
そりゃ、学院の調査隊だから1人2人はいるとおもうけど……。
■ ラッドル To:ALL
 ソーサラーっていうか、魔法が使えるのは師匠1人だけですよ。
後の学院のメンバーは下位古代語が分かるだけです。
だから、アルトさんは若いですが、実力的には2番目ってことになるんでしょうなあ。

 アルトの魔法の杖をみながらそう答えるラッドルであった。
とりあえず、質問が一段落したところを見計らって、ラッドルが交渉のまとめに入りだした。
■ ヴィクトール To:ラッドル
なんだあ、そうなんだ。ちょっと残念だなぁ。

 期待に反してソーサラーが少なかったことにちょっとがっかりした様子っであった。
■ ラッドル To:ALL
 で、大体状況は、飲み込んでいただけましたでしょうか?
よろしければ出発は明日の7時ですので、それまでにオランの東門へ来ていただけますか?
そうすれば残りのメンバーを紹介して出発することにしますので。
行程及び調査に必要なものはすべてこちらで準備します。
あ、後、下位古代語が使える方……多分そちらのお嬢さんは使えると思いますが……何人おられますか?
その方には人足と、もしくはみなさん同士でペアを組んでいただいて、現地で文献調査を手伝って貰うこととなると思います。
その人数分の筆記用具と羊皮紙を準備しますので。

■ アフル To:ラッドル
 うん、明日の7時ですね。
下位古代語は、読むだけならなんとか…
会話はちょっと無理ですけど(^^;;

■ ヴィクトール To:ラッドル
オレも読むだけなら出来るよ。

■ フェイス To:ラッドル
はっはっはっ、分かっていると思うけど僕にはさっぱりだよっ!!(^∇^)

■シェル
…やっぱ、古代語勉強しとくんだったかな…(--;;)

■ ラッドル To:ALL
 あ、会話する必要はないです。
読めれば十分です。
読んだ文章の中から重要そうなものをピックアップして、相棒に共通語で書き写して貰うのが仕事になりますから。
なにぶん、裁判所だったもんで本ですとか資料ですとかが多くて、すべて持ち帰ることが出来ないんですよ。

■ アルト To:ラッドル
共通語で書き写す……
ってことは、その相棒も下位古代語を使える人間でなきゃいけないって訳じゃないんだね。

 何やら嬉しそうなアルトである。
■ ラッドル To:ALL
 もちろん出来る必要はないですね。
後、お嬢さんももちろん古代語は出来ますよねえ。

■ アルト To:ラッドル
古代語なら手慣れたもんだよ。これでも、一応魔術師だしね。

必要ってのなら、幾らでも手は貸すけど……
その分、例の『役に立ったら』報酬400ガメルってやつの方にも、勘定よろしく頼むよ(^^)


■ ラッドル To:ALL
 じゃあ、合計3人ですね。
それだったら6人だから、2人×3チームで調査して貰うことになると思います。
報酬の方はもちろん任せてください!
必ず1人頭400ガメルでるようにしっかりと俺の方で確保しますよ。

■ フェイス To:ラッドル
おお、力強いねぇ(^^)♪
じゃ、よろしくお願いするね。

 というわけで依頼決定。
明日は出発である。

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原   作:狼鬼

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