Sword World PBM #46 |
- Howl from Behind -
獣の声が聞こえる
そして… |
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クロムバード家の裏 |
■フィアルラ To:ガレス |
ガレスさん、とにかくリーアさんを……。 |
リーアの上体を抱き起こしながら声をかける。
■アップル To:ガレス |
リーアさん、さきほどあの少年に斬りつけられまして・・・ とりあえず、魔法で傷はふさぎましたが・・ |
■ガレス To:アップル |
ううむ、しかし………起こしたとして、どの人格が……… |
とガレスがそこまで言いかけたところで、リーア(?)が小さく身じろぎした。
■リーア(?) |
う…うぅん……… |
少し目を開くと、周囲を確かめるようにゆっくりと見回す。
■リーア(?) |
わ………わ…たし……… |
リーア(?)は茫然自失の様子で焦点の合わない視線をフィアルラに向けている。
■フィアルラ To:リーア |
リーアさん……よかった……。 |
■アップル(心の声) |
・・なるように・・・なるよね。 |
■アップル To:リーア(? |
・・・・・具合はどうかな? |
■アルフレッド To:リーア(?) |
大丈夫かい? 傷が痛むだろうからまだ動かない方がいいよ。 |
■リーア(?) |
わ…たし………は……… ………? |
ふとそこで言葉が止まる。
彼女はしばらく逡巡し、震える声で続きを言った。
■リーア(?) |
……………… ………わた……し…………だ…れ? |
■アルフレッド To:リーア(?) |
君には、「リーア」と「アンゼ」、そして「ロナ」の、三つの名前が有るんだけど、覚えてない? |
■リーア(?) To:アルフレッド |
覚え…てる………でも………わからない……… |
■アルフレッド To:リーア(?) |
そうか、もしかして皆の記憶が有るのかな? |
■アップル To:リーア(?) |
・・・これから、ゆっくり考えていけばいいじゃないかな? |
アップルは、リーア(?)の頭を軽く撫でながら話を続ける。
■アップル To:リーア(?) |
話してくれたよね?。ちいさいころの記憶がないって。 記憶がないことって凄く怖いことだと思うんだ・・・。 とりあえず、これでリーアはいろんなことを知ることができたよね。 それをそのまま受け入れればいいと思うよ。 もちろん受け入れたくないことも、たくさん、たくさんあるとは思うけど、それはお父さんが一緒に考えてくれるよ。 お父さんほどリーアのことを見てきた人は、他にいないんだからね。 |
■フィアルラ To:リーア |
(そっと、耳元で囁きます)大丈夫ですよ。一度に思い出す必要なんてない。少しずつ、少しずつでいいんです。 思い出したくない事だったら、忘れてしまったっていい。誰だって、そうして生きているんですから。リーアさんだけが全てを背負う必要はないんですよ。 私も、出来ることならなんでもお手伝いしますから……。 |
■アルフレッド To:リーア(?) |
そうそう、俺で良ければ普段は学院にいるし。 もし何か困った事があれば何時でも言ってきてよ。 |
■クラウディア To:ガレス |
確認させてもらいたいんだけど、この子には、3人の人格以外に別の誰かはいないんだよね? 娘さん、今どうなっているかわかるかい? |
■ガレス To:クラウディア |
………自我が…安定していないな………それ以上のことは分からん……… |
ガレスが首を横に振った。
それを気にした様子もなく、リーア(?)は上の空の様子でぽつりと言う。
■リーア(?) |
わたし……は………リーア………なの………? |
■アルフレッド To:リーア(?) |
リーアでも、アンゼでも、ロナでもいいよ。 もし皆の心があるんなら、もう一度始めからやり直してもいいんじゃない? |
■クラウディア To:リーア(?) |
あんたは、リーアちゃんになりたいのかい? それとも、ロナちゃんか、アンゼちゃんか…… あるいは、他の誰かになりたいのかい? |
■リーア(?) |
わたし………わたしは………わたし………だけど……… |
■フィリス To:リーア(?)さん |
あなたはリーアさんでアンゼさんで、かつロナさんでもあるわけですね。 それなら3人の心を受け継いだあなたはその誰でもない、一つの心なんです。 わかります?あなたが今までの誰かになりたいならその名を名乗ればいい。 でも誰にもなれないなら、新しいあなたで生きていくしかないんです。 そのときは…必要なら…私達でいいなら…名前を付けてあげますよ。 さぁ…どうですか? |
■フィアルラ To:リーア |
新しい名前……それが一番かもしれませんね。 あのリーアさんとはお別れになっちゃうけど……でも、消えたわけじゃない。ちゃんとあなたの中に、一緒にいるんですもんね。 イヤなことはみんな忘れて……新しいあなたで生きていけばいいんですよ。 私は、あなたがどうなっていこうと、ずっとあなたのお友達ですから。 |
■オジイ To:少女 |
そうだね。フィリスやフィアの言うとおりだと思う。 そう、アンナって名前なんてどうかな? リーアのア……アンゼのン……ロナのナ……みんなこれからは一緒ってことだしね。 |
■アップル To:少女 and ALL |
アンナちゃん、か。それ、かわいくていいかも^_^ ・・まぁ、ゆっくり考えようよ。時間はたくさんあるんだからさ |
■リーア(?) |
………はい……… |
リーア(?)は不安げな表情を変えないまま、小さく頷いた。
■アップル To:ガレス |
ガレスさん、とりあえず、この娘を(新しい名前がきまったらあとで差し替えます)休ませてあげたいんですが・・・・ |
■ガレス To:アップル |
………そうだな。 |
■クラウディア To:少女 |
あ、ちょっと待っておくれ。 |
そう言うと、背負い袋からパンフルートを取り出す。
一番長い管は射落とされる林檎の模様が彫られている。
■クラウディア To:少女 |
これ…今回のパーティの結成記念に、あたしが作ったんだ。 みんなの分を作ってくれって頼まれたから、ついでに自分用に作っていたんだけど……あんたにあげるよ。 一緒に調査したリーアちゃんも、お茶したアンゼちゃんも追いかけっこしたロナちゃんも…“幸せを求める者達”の一員だから。 あたしらの友情の記念として…。 これから先、大変かもしれないけれど、どんなときもあんたの味方がいるってことは忘れないでいてほしいね…8^_^8… |
■クラウディア To:ALL |
みんなの分の楽器もできあがっているから、今度演奏しようよ。 あたしらの歌を作ったんだ“幸せを求める者達”のテーマソングをね。 できればアンナちゃんも一緒に…ね。 |
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