| Sword World PBM #46 |
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- Howl from Behind -
獣の声が聞こえる
来訪者、そして… |
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| クロムバード家の裏 |
足の速いアップルを先頭に、ロナを追いかける。
廊下の突き当たりの勝手口までおよそ5秒、それまでに開いた差はロナが勝手口のドアを開くために費やした一瞬の時間で追いついた。そこからドアの外に出て左右を見て右に走る。その時点で、ロナの背中はアップル達の視界から失われた。
そして、アップルが勝手口から出てロナが走り去ったはずの方を見てきっかり4歩進んで立ち止まる。ロナもその1歩先の場所で立ち止まっていた。
さっきクロムバード家に入る前にすれ違った長身の男がそこに立っていた。
| ■ロナ |
| ……… |
ロナはその男の方を少し見てから振り返った。
| ■ロナ To:アップル |
| 追いつかれちゃった? |
| ■アップル To:ロナ |
| あなたが止まったんでしょ? |
そこまで言って長身の男の方に向き直る。
| ■アップル To:長身の男 |
| あれ?、さっきの・・・・? |
| ■フィアルラ To:アップル、長身の男 |
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アップルさん、彼女は……? (男性を見て)あ、あれ? |
| ■フィアルラ To:長身の男 |
| えっと、あの……ま、またお会いしましたね(ぺこり)。 |
| ■アルフレッド To:ロナ |
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はぁ、はぁ、・・ 。 え〜とっ、彼、君の知り合い? |
アルフレッドは、息を切らせつつ男を指さす。
| ■ロナ To:アルフレッド |
| ううん、知らない。でも一緒にいた……… |
| ■少年の声 To:ALL |
| 俺のことは覚えてるんだ? |
男の後ろから、さっきの少年と女が歩いてきた。
| ■少年 To:ALL |
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で、姉ちゃん達どうするんだ? 俺達、ロナに用があるんだ。邪魔しないなら行っていいぜ。 |
| ■アルフレッド To:セラ |
| やあ、また合いましたね |
| ■セラ To:アルフレッド |
| ええ、こんにちは。 |
| ■アップル To:少年andALL |
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邪魔するつもりはないんだけどね、 とりあえず、ロナを家につれてかえって、話を聞きたいんだけどな? この子のおかあさんのことも心配だし。 |
| ■セラ To:アップル |
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残念ですけれど、これ以上ロナのことには関わらない方がよろしいですわ。 あまり深入りされてしまいますと、あなた方の口を封じないといけなくなってしまいますもの。 ……… |
そこまで言うと、セラは小さく首を傾げた。
| ■セラ To:アップル |
| ………それも名案かもしれませんわね?どういたしましょう。 |
| ■フィアルラ To:セラ |
| ど、どういたしましょうって……死にたくはないですよぉ。 |
| ■セラ To:フィアルラ |
| 残念ですわ、名案だと思いましたのに。 |
| ■アルフレッド To:セラ |
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そう、答えを急ぐ事も無いでしょう。 まだ知り合ったばかりなんだし、ゆっくり話しをするのも良いんじゃない? |
| ■アップル To:セラandロナ |
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それじゃぁさようなら・・・っていうわけには、いかないのよね。 ロナ、この人達についていきたいの? |
| ■ロナ To:アップル |
| べっつにー、わたしは行きたいところに行って、やりたいことをするの。 |
ロナはさも当然とでも言いたげな口調である。
| ■アルフレッド To:セラ |
| わざわざ確認するのも芸が無いけど、もしかしてあなた達は昔彼女(ロナ)が居た怖い組織の方々(笑)で、彼女を連れ戻しにきたとかそんなとこかな? |
| ■セラ To:アルフレッド |
| そうですわ。ドクター・ガレスが作ってくださった最高傑作───というより唯一の完成品ですもの。こんなところで、偽物の人格に使わせるには惜しいと……… |
| ■少年 To:アルフレッド |
| 正確には─── |
セラの言葉を遮り、少年が少し苛立ったような口調で言う。
| ■少年 To:ALL |
| 失敗作のロナなんかオマケさ。俺達はガレスを連れ戻しに来たんだ。中にいるんだろ? |
そこに、後から追ってきたオジイ達がやってきた。
| ■オジイ To:ALL |
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あれまあ、皆さん待っていてくださったんですか? ロナさんも逃げ出さないでくれて嬉しいですねえ。 とりあえず、ガレスさん達も待っていますし、向こうに戻りましょう。 あなた方も今ちと立て込んでいるんで帰って貰えますでしょうか? |
| ■少年 To:ALL |
| おい、何だよ、そいつ。誰か黙らせろよ。 |
そう言いながら、少年は腰の剣を抜いた。
| ■少年 To:ALL |
| それとも俺が黙らせるか? |
| ■アルフレッド To:少年 |
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あ〜、ごめんごめん。 俺が黙らせるから、その物騒な物はしまってよ。 こっちも、出来れば君達と事を構えたくは無いんでね |
言いつつオジイに耳打ち。
| ■アルフレッド To:オジイ |
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駄目ですよ〜、そんな彼らを刺激するような事言っちゃ。 まずロナの気持ちを確認しないと、あの三人と殺り合った上に彼女に逃げられたんじゃ元も子も無いですよ |
| ■アルフレッド To:ロナ |
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ところでさ、行きたいとことか、やりたい事ってどんな事? もう決まってんの? 「人殺し」とか言わないでよ。(´▽`) |
| ■ロナ To:アルフレッド |
| 他に……… |
ロナは笑みを絶やさず、アルフレッドに一歩近づいた。
| ■ロナ To:アルフレッド |
| することないもん。 |
| ■オジイ To:アップル |
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アップルさん、さっきロナさんにやられたところ、実は骨までいってそうなぐらい痛いんですわ。 何とかならんかな? |
オジイの言葉に黙って頷き、少し下がりながら小声で≪キュアウーンズ≫を唱える。
| ■アップル(魔法) |
| ・・チャ・ザさま、我が友の傷をいやしたまえ・・・ |
すぐに痛みは消え、オジイは再びロナに向き直った。
| ■オジイ To:ロナ |
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そんな刃向かわないことが分かっている人をいじめても面白くないんじゃないですか? どうせなら貴方を襲おうとしている向こうの彼らとやり合った方がいいんじゃないんです? |
| ■フィアルラ To:オジイ |
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オジイ先輩っ! そんな、リーアさんにけしかけるような事言わないで下さい! リーアさんは、普通の女の子なんですよっ。やりあうとか、殺すとかなんて……そんな、リーアさんには似合いません。……私たちとは、違うんですから……。 |
| ■フィアルラ To:少年たち |
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あなたたちもです。お願いですから、このまま帰ってください。 無駄な戦いをして、傷つく事はありません。私は、そんな事はしたくない。そんな人は、見たくない……。 |
| ■少年 To:フィアルラ |
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無駄な戦いなんかないよ、俺達は戦うために生きてるんだから。 ………ロナもね。 |
| ■フィアルラ To:リーア(ロナ) |
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お願いです、リーアさん……元に戻ってください。あの、ちょっと大人しくて優しいリーアさんに。 本当のあなたは、優しい人のはずなんです。だって、そうじゃないですか……『また人を傷つける前に、自分を殺してくれ』なんて、優しい心を持った人じゃないと、言える言葉じゃないですよ。 |
| ■ロナ(リーア?) To:フィアルラ |
| ………私は………リーア…じゃない………ロナ………でしょ………? |
| ■フィアルラ To:リーア |
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いいえ、あなたはリーアさんです! 確かに、ロナさんもアンゼさんも、あなたの中に居るのかも知れない。けれど、同じようにリーアさんだって居るはずなんです。 そして、悲しい事だけれど……今のあなたの姿は望んでいない。私が望むのはリーアさんなんです! お願いだから、戻ってきてリーアさん! |
| ■ロナ? To:フィアルラ |
| ………私は……… |
| ■ロナ? To:フィアルラ |
| ………じゃあ、やっぱり………あたしはいらないんだ……… |
そう呟いて………ロナはゆっくりと倒れた。
| ■フィアルラ To:リーア |
| リーアさんっ! |
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