Sword World PBM #46 |
- Howl from Behind -
獣の声が聞こえる
午後7時半…夜 |
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クロムバード家 |
■フィリス To:ガレスさん |
それで…今はできるだけ情報が欲しいのですが、3人組についてとか昼間言われていたリーアさんの不調の心当たりとか、何か私達に話していただけることはありませんか? |
■オジイ To:ガレス |
あと、リーアさんがいつから二重人格……リーアとアンゼ……になったのかと……どうしてそうなったのか……なんてのが多分事件と関わってきていると思うんですが、その辺の事情も教えていただければと……。 話しにくいことかもしれないですが……。 |
■ガレス To:フィリス |
……… ………君たちは一体どこまで知っているのかね。 いや……… |
そこまで言ってガレスは嘆息し、かぶりを振った。
■ガレス To:ALL |
………単刀直入に聞こう。 君たちは何のためにロナに近づいたのだ。それとも、私が目当てかね? 残念だがロナはもういない、私が処分した。いるのは、リーアという名の無力な娘だけだ。君たちの後ろに誰がいるかは知らないが、帰ってそう伝えたまえ。 |
■クラウディア To:ガレス |
……これは思っていたより根が深い事件みたいだね。 リーアちゃんが,鏡のメッセージを見て,思い詰めて,あたしたちに相談してきたのは本当のことだよ。 だから,あたしたちのうしろにいるのは,リーアちゃんってことになるね。 あたしたちのことが信用できないのは…無理もないけど…なんだったらリーアちゃんに聞いておくれよ。 ……そもそも,女の子が自分の部屋に,殺人犯のものらしい血文字をみつけてご両親に相談しないなんて,普通じゃないじゃないか。はっきり言えば,あたしらは先生を疑って……それで本当のことを言わなかったのさ。 |
クラウディアが真剣な目をガレスに向ける。
■クラウディア To:ガレス |
前も言ったけど,あたしはリーアちゃんの友達になりたいし,リーアちゃんのために動きたいと思っている。 先生が信用してくれないのは,あたしらにも責任があるし,残念だけど仕方がない。 裏にどんな事情があるかは知らないが,リーアちゃんの身は守らせてもらうよ。 先生が今晩は危険だと考えているんなら,なおさら離れないからね。 |
■フィリス To:ガレスさん |
ロナさんという名前は初耳ですが… 私達に助けを求めてきたのはリーアさんですし、私達もリーアさんの為に できるだけのことをしようと動いています。誓って他の誰かの為ではないんです。 私達の目的は得体の知れない何かに怯えているリーアさんを、その不安から解放してあげたいということ、それだけなんです…。 …ガレスさんの力を貸してくださいませんか。 どうか、リーアさんのコト…過去のコトを教えてください。 |
■ガレス To:ALL |
………リーアにも妻にも話していないのだがね………というよりも、事情を知らない者に話すのは始めてだな。 |
ガレスは少し疲れたように、椅子に深く腰掛けた。
■ガレス To:ALL |
あの子が産まれたのは15年前だ。その時点では、まだリーアという人間はいなかった。 |
■オジイ To:ガレス |
え、じゃあ、もしかしてリーアさんは……ロナさんって名前だったんですか……。 |
■ガレス To:オジイ |
産まれた時は、あの子を産んだ人物なりが名前を付けたのだろうな。あの子が売られて来た時は番号で呼ばれていたがね。で、二歳まで生き残っていた子には名前が与えられ………誰が付けたのかは知らんがあの子はロナになった。 |
ガレスはそこで言葉を切ると、ゆっくりとパーティの面々を見回した。
■ガレス To:ALL |
私はかつて、ある組織で働いていた。単純に言えば、最高の戦士を作り出すことが目標だった。ロナはその最高の戦士として作り出された試験体の一人というわけだ。 |
■アップル To:ガレス |
そして、今、ガレスさんと15才になったリーアさんは、ここにいらっしゃるわけです・・ 7年前に引き取られた、とリーアさんご自身からはうかがっていますが・・ |
■ガレス To:アップル |
嘘はついておらんよ。もっとも、私があの子を自分の娘として扱うようになったのは8年前からだがね。 8年前、7歳の時点でロナは戦士…というよりも殺人者としてほぼ完全だった。今のリーアを7歳まで縮めて、その子が野生動物の筋力と敏捷性と、精密な判断力を詰め込んだようなものだからな。 だが、決定的な欠陥があってね、殺人者として完全とすることを求めた反動で………というよりもそのために投与した大量の薬物のせいかもしれんが………、ロナの精神は完全に壊れていたのだよ。 私はロナを破棄することを提案したが、結局普段の生活を送らせるためのダミーの人格を植え付けて当座しのぐことに決定した。 元々ロナ自体、薬物投与だの暗示だの洗脳だのしていたせいで、作業はさほど難しくなかったのでね。そうやって、薬師の娘として7年間育ってきた仮の記憶を与えられた人格が、アンゼだ。 |
ガレスは一旦息をつき、そして続けた。
■ガレス To:ALL |
だが、結局アンゼではロナは抑えきれなかった。必要な時にロナが出てこられるように作られた人格だったせいで、決定的に感情が高ぶったり、極端なことを言えば名前を呼ばれただけでもロナが出てきてしまうのだ。 まぁ、私はそんな仕事に飽きてしまっていたのだがね、最後にとっておきの実験をやってやろうと思ってね。ロナもアンゼも完全に消去して、人格も記憶も真っ白なリーアを作り出したというわけだ。 |
■フィリス To:ALL |
………薬で心をコワして…都合が悪くなれば消して、やりなおし…? そんな… |
フィリスの言葉にもガレスは表情を変えない。
■クラウディア To:ALL |
まったく…… ……ちょっと待った!名前を呼んだだけでだって? さっきの3人組,ロナって呼びかけていたよね。あの後,アンゼちゃんの様子がちょっと変わったみたいだったけれど……と言うことは,今,あの娘は…… |
■オジイ To:ガレス and ALL |
さっきここにいたのはリーアさんじゃなくてアンゼさんだったんですよ……。 これはやばいかもしれないです……。 とりあえず、リーアさんの所へ行きましょう。 |
■アップル To:ガレス |
リーアがもしかして、ロナにもどってしまってるかもしれません! リーアたち、どちらへいったか見当つきますか?? |
■クラウディア To:ガレス |
ロナちゃんがアンゼちゃんやリーアちゃんにかわるきっかけっていうのはなにかないのかね?こちらから働きかける方法があれば一番いいんだけれど…。 |
■ガレス To:クラウディア |
そんな便利な方法があれば最初から苦労していない、と言えば答えになるかね。 ………ともかく、客間は奥の部屋だ。私も行こう。 |
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