Sword World PBM #46 |
- Howl from Behind -
獣の声が聞こえる
午後4時…獣たちの午後 |
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クロムバード診療所 |
患者B…C………と来て患者D。
やはり全身拘束され、くつわを噛まされ、目隠しまでされている。
■患者D |
ウ……ゥウ……ゥ…… |
患者Dは、患者Aと似たようなうめき声を上げている。もっとも、この状態ではオリジナリティあふれるうめき声を上げるのは困難だろう。
■フィリス To:ガレスさん |
そういえば拘束具破って暴れた患者さん,どんな方なんですか? |
フィリスの質問に、ガレスは患者Dを指さした。
■ガレス To:フィリス |
どんな方に見えるかね? |
■フィリス To:ガレスさん |
うーん…あまり力持ちの人には見えませんけど…. 拘束具を引きちぎるなんて凄い力ですよね. それも薬の作用の一つなんですか? |
■クラウディア To:ガレス |
さっき慣れているっていっていたけれど…患者さんが暴れるとか,逃げだすとか,よくあることなのかい? |
■ガレス To:クラウディア |
暴れるのはいつものことだ。自力で逃げ出したケースも今のところないな。 だが、二重の壁のうち内側の一枚を体当たりで破った患者なら一人いたな。肩の骨が砕けて倒れていたがね。 |
■ガレス To:フィリス |
で、だ。人は自らの筋力に常に何らかの制限をかけている。まあ筋力に関わらず、あらゆる能力的にそうだな。 だが、極限状態に陥った人間は自身への負担を省みずに最大限の能力を発揮することもできる。まあ、分かりやすく言えば火事場の馬鹿力というやつだがね。 つまり、薬物に筋力増強の作用がある必要はないのだよ。能力を抑えている精神的な部分を取り払うくらいトランス状態に陥らせれば、見かけ上は本来を遙かに越える筋力を発揮したりもするわけだ。 その結果、肩の骨が砕けたりするわけだがね。 |
■フィリス To:ガレスさん |
なるほど…. |
■クラウディア To:ガレス |
そんな患者を相手にしているんじゃ,命がひとつじゃ足りないんじゃないかね。 本当に立派だと思うよ。お医者さんならもっと楽な生き方だって出来るだろうに…先生はいったいなんでこんな道を? |
■ガレス To:クラウディア |
私にできて、他の連中にできないなら、私以外誰がやるというのかね。 ふぅむ、この患者は今晩はこのままにしておくか。さて、次に行くか。 |
そんなこんなで一通り見て回ると、一行は待合室に戻ってきた。
■ガレス To:ALL |
ああ、もうこんな時間か。 で、どうするのかね、まだ何か知りたいことはあるかね? |
■フィリス To:クラウディアさん |
うーん…あとはまた後日,ということにしましょうか? |
■クラウディア To:フィリス&ガレス |
…そうだね,そうしよう。 ほんと,お忙しいところおじゃましちまって,ごめんなさいよ。 いろいろ教えていただいて,本当に勉強になったよ。 リーアちゃんも,そんなお父さんを見て,薬の勉強をしているんだね。 |
■ガレス To:クラウディア |
私も妻も反対しているのだがね。あの子が自分で決めたことだ。 |
■クラウディア To:ガレス |
そうそう,最初の頃持病が…とか言っていたみたいだけど,あたしらはなにがあろうとリーアちゃんの友達のつもりだよ。 そのことだけは,信用しておくれ(^^) |
■フィリス To:クロムバード夫妻 |
今日はお忙しいところありがとうございました^^ |
■クラウディア To:クロムバード夫妻 |
それじゃ,失礼させていただくね。 |
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