村長宅(続き) |
村長が家を出てから10分ほどたって、一人の老人を連れて戻ってきました。
老人とは言っても、胸まである長い顎髭と同じくらい髪の毛も残っており、足腰もしっかりしているのでそれほど年をとっているようには見えません。見た目から判断すると60前後くらいでしょうか。
口調もはっきりしていて、髪の毛が白でなければもっと若く見えるかもしれません。
■ヘクター |
わしはヘクターと申すものじゃが、村で一番年をとったものに用があるとか。 わしになんか用ですかの? |
■ルタード To:ヘクター |
これは、わざわざご足労いただいて恐縮でございます。 わしはルタードと申しまして、いわゆる冒険者をやっております。 このたび、こちらの村で最近起こっている事件の解決を村長どのから依頼されまして、仲間とともに調査しておる次第でして。 |
■ヘクター To:ルタード |
ああ、今回の墓荒らし騒ぎについて調査していただいて下すっている方ですな。よろしく頼みますじゃ。 して、質問とは? |
ルタードは早速質問を切り出しました。
■ルタード To:ヘクター |
実は、昨日からの調べによりまして、どうやらこの村の地下に人工的な構造物があるらしいことをつかみました。 ところが、それがいつ何者によって作られたものなのか、どうしても調べがつかないのです。 そこで、この村にもっとも古くからいらっしゃるご大人ならば、何事かご存じではないかと考えたのでございますが。 |
■ヘクター To:ルタード |
はぁ、要はいわゆる「だんじょん」とか言うもののことですかのぅ? う〜む………少なくともこの村にそのようなものがあるという話は、70年近く生きている中では聞いたことはありませんがのぅ………。 そもそも、どこに見つかったんですかな? |
■ミュン To:ヘクター |
この村の北のはずれのほうにある家でです。 |
ミュンの回答にしばしヘクターは考え込んでいたようですが、やがて何か思いだしたようです。
■ヘクター To:ミュン |
………おお、あの古い家のことですかの。 あの家は確かに地下貯蔵庫を持っておりましたな。行商から買い取ったものを保管しておくんですじゃ。 埋められていなければまだあっても何ら不思議はありませんのぉ。 |
■シーアン TO:ヘクター |
地下貯蔵庫! それはどのぐらいの大きさなんだ? 階段降りたところにある扉はどーやって開けるのか知ってっか? |
にわかに興奮しだしたシーアンは微妙に口調がおかしかったりします。
■ヘクター To:シーアン |
どれくらいと言われましてものぉ………む〜、わしが幼い頃行商は2,3週間おきにやってきておりましたんで、その間は保つくらいの大きさはありましたかなぁ。 まぁ、かなり広い部屋と同じくらいの空間はあったと思いますがの。 扉?扉はもちろん押すか引くかして開けるもんに決まっておりましょうがの。 |
シーアンが意図した質問とは微妙に回答がずれていたり(笑)
■シーアン TO:ヘクター |
押しても引いても駄目な扉はどーすんだよっ?! |
■ヘクター To:シーアン |
何をそう怒りなすっているのかのぅ? 押しても引いてもダメなら上や横にずらすなりすれば開くと思いますがの。開かなければ扉ではありますまい? とはいえ、その扉は普通の扉じゃったと思いますがの。 |
怒ってるのではなく、感情が高ぶってるだけなのですが、シーアンの風貌では大声を出せば怒ってるように見えるかもしれません(^^;
シーアンはあばら家の地下で見た扉がどんなものだったか、思い出そうとするが、扉についてはポムの後ろで見てただけなので細部まで思い出せそうにありません。 そこで視線をポムに移し、自分は黙る事にしました。 「目は口ほどにものをいう」、その視線はポムに「扉に関する質問を交代してくれ」と、頼んでいるようでした(笑)
シーアンの視線を受けてポムは困った顔でルタード、ミュン、バジル、アイシャに順番に視線を向けます(笑)。
■ポム To:シーアン |
(何でルタードじゃないんだ〜) |
ちょっと恨めしそうです(笑)。
■シーアン To:ポム |
(何恨めしそうに見てんだ(^^; 扉とか鍵とかはお前の仕事だろー) |
■アイシャ To:ヘクター |
でも、取っ手がついてなかったよ〜? |
■バジル To:ヘクター |
すごく階段狭かったしね。 |
■ヘクター To:アイシャ |
ほぉ、取っ手が付いていないですと? 昔はあったんじゃがなぁ。付け替えたのかもしれませんのぉ。 さすがにそのような扉までは知りませんでな。 |
■ポム To:ヘクター |
ついでに鍵穴もついてなかったぜ そんでもって押しても開かなかった 元は誰の家だったんだ? どうして誰もいなくなっちゃったんだ? |
■ヘクター To:ポム |
それは珍しい扉もあるもんですのぅ。内側に閂でもかけておるんかな? それはそうとあの家は先代の領主殿が別荘代わりに使われておったんじゃよ。 今の領主殿になってから村に来ることはなくなったでな、誰もつかわんので荒れ放題になったわけじゃよ。 |
■バジル To:ヘクター |
へぇ…領主さんの別荘だったんだ。 今の領主様になったのっていつ頃の事? |
■シーアン TO:ヘクター |
ついでに先代の領主様の名前は? |
■ヘクター To:バジル、シーアン |
屋敷が使われなくなったころからじゃよ。2,30年前だったかの。 先代殿もやはりゴート様じゃ。要は代々襲名しているんじゃな。 |
■ポム To:ヘクター |
前の領主様ってどんな人だったんだ? 今の領主様はなんで来なくなっちゃったんだろう?(・・) |
■ヘクター To:ポム、ウェイン |
先代殿もやはり優しいお方おいでなすったよ。 こなくなった理由まではしらんのぉ………ウェイン殿はしらんの? |
ヘクターに話を振られた村長、ちょっと考えていましたがすぐに返答します。
■ウェイン |
今の領主様は直接治められている町の発展の訪日からを注いでいらっしゃってそれがとても忙しいらしいですね。 それにこの村の周辺には森などがありませんから狩りをするような場所もありませんし。 |
■ポム To:ヘクター |
………なぁなぁ。 その地下への扉は一つだけなのかな? お墓の近くにもう一つあるってことない? |
■アイシャ To:ヘクター |
地下貯蔵庫のあるお家って他にもあるの〜? |
■ポム To:ヘクター |
そうだ、あとイールンって言う名前に何か覚えない? |
矢継ぎ早の質問にヘクター少し途方に暮れたような表情になります。
処理速度がついていけてないのでしょう(笑)
■ヘクター |
も、申し訳ないのじゃが質問はゆっくりしてくだされ(^^;; 老いた頭では早い質問にはついていけんのじゃ(^^; 地下への扉はわしが知っている限りではそこだけじゃ。他に秘密裏に作った人でもいなければの。 |
■ポム To:ヘクター |
名前と墓以外に知らないか? |
■ヘクター To:ポム |
わしの前に生きとった人じゃからのぅ………名前だけしかわからんのじゃ |
■ルタード To:みんな |
つまり逆に言えば、例のもう一つの扉のほうは、秘密裏に作られた可能性が高いということじゃな……。 となると、それがどこに通じているかも、実際に潜入してみなければ分からんというわけじゃ。 |
ため息でもつきたそうな表情です。
■ポム To:ルタード |
可能性がありそうなとこは全部入っちゃえって事さぁ(にやりん) |
■バジル To:ポム&みんな |
ま、それしか無いだろうね。 そうと決まれば、早速移動しようよ。 |
■シーアン TO:みんな |
他に長老に質問がなければ、昨夜の続きからだな。 |
というわけで、質問をうち切り村長宅をでることにしました。
あばら屋 |
一行は再びあばら屋に来ました。
日の光の下で見ると、昨日薄暗かった夕暮れの下で見るより遙かに傷んでいることが分かりました。
それ以外は特に変わった様子はないようです。
■シーアン TO:ポム、みんな |
鍵は開いてるかな? |
■ポム To:シーアン |
いんや、昨日のままみたいだ |
扉はポムにまかせて、シーアンは窓の明かりや中の音など家の中の様子をうかがってみました。
周囲が明るすぎて明かりが漏れてくるかどうかはよく分かりませんでしたが、何らかの物音は聞こえてきました。何の音かはよく分かりませんでしたが、少なくとも昨日のオオカミの吠え声やうなり声ではないようです。
家の周りには目立った変化はありませんでした。
■シーアン TO:みんな |
明かりは・・・わかんねーな。 物音はなんか聞こえてくるけど、狼の唸り声とかじゃなさそうだぜ? もう昨夜の狼はいねーのかもな。だからと言って気を緩めちゃいけねーけどさ。 |
■アイシャ TO:みんな |
ここの人が戻って来たのかな〜? |
■ポム To:アイシャ |
鍵とかがそのままだったからな… 戻って来たとしたら玄関からじゃないな(笑) |
■アイシャ TO:ポム |
じゃあ、どこから…あっ。 地下の扉の反対側から戻って来たのかな。 狼と会わなかったのかな……ここの人が飼ってたのかな? 聞いてみないとわからないねぇ。 |
■バジル TO:アイシャ |
それなら一旦声かけてみる? |
■アイシャ TO:バジル |
うん。そうしよ〜。 |
■バジル TO:ドアに向かって |
もしもし!! こんにちは!誰か中に居ますか? |
バジルが呼びかけてしばらくしてからドアの鍵がはずれる音がしました。
それからノブが回され、指が入るか入らないか程度にゆっくりと開けられました。
■バジル TO:ドアに向かって |
あれ?人が居る…みたい? |
■ポム To:バジル |
……みたいだ |
■ルタード To:ポム |
じゃな。 |
中にいる相手はこちらの様子をうかがっていたのでしょう、しばらくしてから今度は大きく開けられました。
ドアの前には一人の男が立っていました。体全体を覆うフード付きのローブ様な服を着ているため、体格ははっきり見えませんが、身長は高めのようです。顔は若いようですが無精ひげを生やしていてやつれ気味であるため、もう少し老けて見えます。腰には剣を差していました。
一同をもう一度眺め回すようにして低い声で訪ねてきました。
■青年 |
………なんのようかな? |
■バジル TO:青年 |
あ…こ、こんにちは。 僕達、最近村で起こった不思議な事件について調べてるんです。 それに関して、お話を聞かせてもらっても良いですか? |
青年はしばし考えて込んでいましたが、やはり低い声で答えてきました。
■青年 To:バジル |
………よかろう、手短に頼む。 |
■シーアン TO:青年 |
まず、お互い名乗ろうぜ。 俺はシーアン。あんたは? |
■シーアン TO:青年 |
昨日の夕方、一度ここへ来たんだけど留守だったようなんだ。 どっか出かけてたか? |
シーアンの質問に対して青年は鋭い視線でちらりと一瞥しただけでした。
■青年 To:シーアン |
………用件だけ聞こう。 事件とは何の関係もなかろう。 |
■シーアン TO:青年 |
名無しじゃ話がしづれーんだけどな(苦笑)。 |
■ポム To:青年 |
なぁ、お兄さん。あたしはポムって言うんだけどな 今は事件解決のために、不思議に思った事を全部調べるのがあたし達の仕事なんだ 村の人は信用して任せてくれるし、あたし達もそれに答えようって努力してるところだ 遺体だけじゃなく駐在さんまでいなくなるし、これ以上何か起きないようにしたいんだ 表面は平和でも、見えないとこで悪い事が進んでいるのかもしれないしだろ? ところで、村の人の話しを聞けば聞くほどお兄さんは不思議だらけだ その全てをはっきりさせるのも用件の一つなんだぜ 正しい答えを知る為にさ |
■青年 To:ポム |
それが人にものを聞くときの主らの態度であらば話すことは何もない! お引き取り願おう! |
青年はひときわ大きな声で語気を荒げて言い放つとすぐに下がって戸を閉じようとしましたが、閉じられようとした扉を、ルタードは片腕でぐっと押しとどめました。
■ルタード To:青年 |
お気に障りましたならば、謝ります。 改めて申し上げますが、わしらはあなたに事件に関するお話を伺いたいと思っています。そして実は、あなたが昨晩どこにいらっしゃったかということが、事件の真相と関係しているやも知れぬのです。 |
ルタードはそのまま言葉を続けます。
■ルタード To:青年 |
わしらが聞き込んだところでは、事件のあった夜、幾人かが狼の遠吠えを聞いたというのです。 そしてまさに昨晩、ほかならぬお宅の中から狼の鳴き声がするのを、わしらは聞きつけました。 普通に考えれば、一般の人の家の中から狼の声がするのは不自然です。 そこで、わしらはまず、あなたが昨晩どこにいらしたのかを知りたいわけなのです。 |
■青年 To:ルタード |
………逆に聞かせてもらいたいのだが、どうして私の家からオオカミの鳴き声が聞こえてきたと断言できるのかな? |
観察してみれば分かりますが、表情の変化は特に見られません。
■ルタード To:青年 |
どうしてなにも、この耳で間違いなく聞きましたでの。 |
■ミュン To:青年 |
ええ、僕は確かに、ここの建物のなかから聞こえてくるのを聞きました。 それに・・・・ |
■バジル To:ミュン |
あっ、ミュン、それは… |
バジルは慌ててミュンの言葉を遮ったが、青年の耳にはしっかり届いていたようだった。
■青年 To:ミュン |
それになにかな? まさか家の中に入って確認したわけではなかろうかな? |
■シーアン TO:青年 |
入ったぜ。 おっと、待てよ。これは村長の了解済だぜ。 俺達はあんたの身を案じて中に入ったんだ。 |
シーアンの言葉に青年は何かを言いかけたようでしたが、それを遮ってシーアンが言いたいことを一気に吐き出しました。
■シーアン TO:青年 |
だけどあんたはいなかったな。 そして俺達は地下からはっきり狼の声を聞いた。あれが狼の声じゃなかったらなんだ?あんたの寝言か? |
■バジル To:青年 |
じゃなかったら歯軋りかも。 |
チャチャを入れるも、相手にされずにすごすごと引き下がる。
■シーアン TO:青年 |
昨夜はそこまでにして、家に住人が戻ってきたらわかるように入り口の扉にちょっとした細工をして帰ったのさ。 そしたらどうだよ?扉には人が出入りした形跡がないのに、家には人が戻ってる。 そこで聞きたいんだ。あんたはどっから戻ってきた? |
■シーアン TO:青年 |
ワーウルフってのを知ってるか? 狼に変身する能力を持った人間だ。 一種の伝染病だとか、呪いだとか・・・。 俺はあんたはそれじゃないかと疑ってるんだよ。 |
言い終わるとシーアンは相手からの返答を待ちました。
しかし、何の返答もありません。しばらくしてからようやく口を開きました。
シーアンに対して話しかけると言うよりも独り言様な口調でしたが。
■青年 To:シーアン |
………たとえ村長であろうとも所有者の許可なしに立ち入る権限までは有しておらぬと思うのだがな。 それにしてもなぜにこの村の人はいらぬ世話をやくものが多いことか………。 その通りだが、私は直接迷惑をかけたつもりはない! |
言い放つと青年は家の中に入り、急いで戸を閉めようとしました。
しかし、それに反応したポム、ルタード、バジルが扉を抑えようとします。
■シーアン TO:青年 |
おい、まだ話しは終わっちゃ――― |
■バジル To:青年 |
ちょ、ちょっと待ってよ。黙って入ったのは悪かったけど、話を聞いてったら! |
ポム、ルタードは間に合わなかったものの、バジルが戸が閉まる直前に体を無理矢理ねじ込むことができました。
………が、非力なバジル。勢いよく締めようとした扉の勢いに抗うことができず、ものの見事に挟まれてしまいます。
運動エネルギーによってもたらされる破壊力たるや強烈なもの。体をねじ込もうとしたそのままの体勢で扉に挟まれつつバジルは地面にずり落ちていきました。
■バジル |
う、ぐふ… |
■青年 |
うげΣ(゜〜 ゜) ………………。 |
青年は呆然とした表情でしばし挟まれたバジルを見下ろしていましたが、自分の現在の状況に気がついたか、再びあわてて踵を返して家の奥の方に姿を消しました。
■アイシャ TO:バジル |
ひゃ〜!だいじょぶ? |
■ルタード To:青年 |
おのれ、やりよったな! |
■ポム To:バジル |
大丈夫かバジル! アイシャ頼む〜 |
■バジル To:ポム&アイシャ |
ら…らめみたひ… 内臓でそぅ… |
バジルの目は、まさに漫画なら渦巻き状態。ひよこが数羽頭の廻りを飛んでます。
■アイシャ To:ポム |
あ、待って! アイシャが病気を治してあげられるかもってあの人に言ってあげてー。 |
アイシャはポムの背中に向かって叫びました。
扉の中に飛び込むとポムは青年をダッシュで追いかけます。一歩遅れて、シーアンとルタードも後を追いかけます。
扉にはさまれたバジルを助け起こしながら・・。
■ミュン TO:バジル、アイシャ |
先行したみんなが心配です。 僕たちもいそいで追いかけましょう。 |
■アイシャ TO:ミュン |
うん。 |
バジルも頭を一振りして、廻ってるひよこを振り落とすと、よろよろと立ちあがりました。
■バジル To:ミュン |
あの人をなんとしても引き止めないと! |
さて、一方地下に青年を追いかけていた3人ですが………
■ポム To:青年 |
ちょっと待てよ! バジルをおもいっきり挟むなんてひどいぞ!! それに納得出来る説明なしであたし達だって帰れないぞ! |
しかし、青年はポムの言葉に振り返ることもなく、そのまま階段を駆け下りると次の扉を再び閉じようとしました………が、そこは敏捷度の高いポムがすかさず体を張って止めました。
とはいえ、やはり筋力の劣るグラスランナーのことです。やっぱりたたきつけるように閉められた扉の勢いには逆らえず、ものの見事に挟まれてしまいます。
哀れ、ポム。分厚い扉に挟まれてバジル同様地面にずり落ちました。
■ポム |
げほ…(@@) |
■シーアン TO:ポム |
ポムっ!大丈夫かっ?! |
■青年 |
う……Σ(゜▽ ゜; |
■バジル TO:ポム |
ああっ!ポムっ! |
後から遅れて入ってきた3人の目にもポムの姿が目に入りました。
■ルタード To:青年 |
くっ、一度ならず二度までも……! |
ルタードは、大きく扉を開け放つと、青年の前で仁王立ちになります。
■ルタード To:青年 |
いったいどういう了見なんじゃ? わしらはおぬしに事件の話を聞きたいだけ。危害を加えるつもりなど、もとよりない。 それを、いきなり逃げ出すばかりか、仲間を二人も傷つけおってからに。 |
■青年 To:ルタード |
う………申し訳ない…故意ではないのだが……。 |
さすがに青年も申し訳なさそうな顔をしています。
■ルタード To:青年 |
そなた、至高神ファリスの神官であろう。 その矜持と誇りにかけて、わしらに協力してはくれまいか? 見たところ、そなたも個人的に問題を抱えている様子。 わしらも、力の及ぶ限りそなたに助力を惜しまぬゆえ。……いらぬ世話と言われるかも知れんがな。 |
ルタードがファリスの名を口に出すと青年は先ほどまでの剣呑とした雰囲気は一瞬にして消えうせました。 そしてその場に落胆したように膝をつき、うつむきながらぼそぼそと語り始めました。