SWPBM#45

命運の諸刃(仮)

Chapter10:孤独よりもたらされるもの

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あばら屋(続き)

■青年 To:ルタード
……もはや私はファリス神に信仰するものの資格などない……。
一度人を殺めてしまったこの身はもはやどうにもならぬのだ。
望んだことではないとはいえ、善良なる人をこの手で……。そうならないためにもこの家に閉じこもっていたのに……。
 そんな私にいったいどのような協力ができようか?

■ルタード To:青年
前非を素直に悔いるものに、光の神々は寛大なはずじゃよ。
そなたの知っていることをそのままに話してもらえれば、それがわしらにとって最大の助けになろうて。

■シーアン TO:青年
やれやれ、やっとまともに話が出来るってわけだな(^^;

ポムを抱き起こすと、シーアンも部屋に入ってきました。バジルもポムの元へ駆けよってきました。
■ポム To:シーアン
ありがと…シーアン
バジル、これってけっこうキツイのな

扉をぺしぺし叩きながら挟まれ仲間を迎えました(笑)。
■シーアン TO:青年
さ〜て、どっから聞くかな・・・。

数日前に墓が荒らされたのは知ってるよな?それから数日後に見回りに出てた駐在が行方不明になったのも。
これらについて何か知ってることはね〜かな?

■青年 To:シーアン
墓荒らしは知らない………が、駐在殿は………私が………殺してしまったんだ。
深夜、私がオオカミに変身していたときに………扉を破って入った来たんだ。
月が沈んで私が人間に戻った時にはすでに事切れていた………。

青年は己がやったことにおびえているのか、はたまた信じたくないのか、細かく身震いをしつつ一言一個押し出すようにつぶやいています。
そこに遅れて、残りのメンバーも入ってきました。
■アイシャ

(駐在さん…もう……。)

■ポム To:青年
そっか…

■シーアン 
・・・・・・(変身してた時じゃ、理性もねぇもんな・・・)

■バジル To:青年
駐在さんの死体はどうしたの?
墓場に埋めた形跡は無かったけど。

■青年 To:バジル
この家の裏庭に………ファリスの儀礼を持って埋めてある。
私にはそれくらいしかできぬ………

青年は今一度うつむきつつ肩をふるわせました。
■ミュン TO:青年
あなたは、ライカンスロープ・・・ですね。

■青年 To:ミュン
その通り………だ。

■アイシャ To:青年
(あや?ワーウルフじゃなかったのかな…?)

ワーウルフは知ってるのに、ライカンスロープは知らないアイシャ^^;
(どうでもいいが、このあとワーウルフを知っていればライカンスロープは知っていても良いことになっていることを某HPのQ&Aで発見してしまったGMでした・苦笑)
■ルタード To:ミュン
それはつまり、先ほどシーアンどのが言われていた、狼に変身する能力があるということかの?

■バジル To:ルタード
そうだよ。そして恐るべきはそれが病気のように伝染するって事さ。

■ルタード To:バジル
それはなるほど、厄介……じゃな。

■シーアン TO:青年
あとさ、これは直接今回の事件とは関係ないかもしれないんだが、知ってたら教えてくれ。
墓地の南側にヒーラーのレクナムってのが住んでるだろ?
やつの家の裏手にさ、隠し扉を発見したんだよ。地下へ続いてそうなやつ。ここの地下室と繋がってる―――なんてことはあるかい?

■青年 To:シーアン
この部屋はここだけしかない。
他にどこにもつながっていない。

■ルタード To:シーアン
となると、あちらも別に調べてみねばなりませんな。

■シーアン TO:ルタード
そういうことだな。
ここと繋がってて、レクナムが薬とか人目につかないように運んでる―――
なんてのを想像してたんだが、外れちまった(^^;

■ルタード To:青年
ところで、そなたはそのレクナムどのとは何らかおつき合いがあるかな?
ときどき世間話をするとか、あるいはもう一歩踏み込んで、そのライカンなんとかいう症状について、何か尋ねたことがあるとか?

■青年 To:ルタード
いや、まだあったこともない。もはやこれは治せないのだ。
私はこのまま人に迷惑をかけないようここに閉じこもっていようと思っていたのだが………このようなことになってしまった………。

■シーアン
(治せない?―――ってことぁ・・・)

ライカンスロープは一度、獣の姿になってしまうと、二度と治癒する事がないのを思いだし、暗い表情になりました。
アイシャも発病する前でなければ治せない事を思い出していました。
■アイシャ
(そうだ、変身しちゃったら……。)
アイシャも…アイシャも治してあげられないの……。

■ルタード To:アイシャ
神の奇蹟をもってしても、治せぬのか……。

己の無力さと何も出来ないことにルタードは絶句してしまいます。
■ポム To:青年
…ここに来てからずっと閉じこもっていたのか?
生活とかどうしてるんだ?

■青年 To:ポム
オランに住む親友に定期的に生活物資を運んできてもらうようにお願いした………。
もはやファリスに祈りを捧げて生きるしか私には出来ることはない………。

■アイシャ To:青年
お友達はあなたの病気の事知っているの?

■青年 To:アイシャ
うむ………。すべてを話した上で協力してくれている………。
幼い頃からの親友なので………な。

■シーアン TO:青年
・・・あんた、昔この村に住んでたことなかったか?

■青年 To:シーアン
い、いや………ここに住むのは何週間か前に引っ越してきたのが初めてだが………。

■ポム To:青年
何でこの村に決めたんだ?

■青年 To:ポム
特に意味はない。オランから外れたところにある空き家を探していただけのことなのだ。

■シーアン TO:青年
そうか。俺は何か理由があって、この村にしたのかと思ったんだ。

事件に関するお話が終わった頃、アイシャが別の質問を切り出します。
身の上話のようです。
■アイシャ To:青年
あのね、アイシャはアイシャって言う名前なのだけど、あなたのお名前教えて欲しいですの。

■シャールン To:アイシャ
もはやこのように名乗るのもおこがましいが………私はファリスの元聖戦士シャールン・カスターという。
申し遅れて申し訳ない。

この名前を聞いたとき一同はある依頼を思い出しました。
捜索依頼です。彼がその捜索対象であるようです。
■シーアン TO:シャールン
シャールン・カスター・・・?
(どっかで聞いた名前だな)
・・・・・・
・・・・・・あっ!
銀の網亭で見た、依頼書―――
捜索依頼出てたぞ・・・

■ルタード To:シーアン
……そういえば、確かに。
しかし、このまま連れ戻るわけには……。

■ポム To:シーアン
じゃぁ、本人に教えなくていいのか?

■シーアン TO:シャールン
この村に来る前に、オランであんたの捜索依頼を見たぜ。
どこからの依頼だったか・・・は忘れちまったけど。(ファリス神殿だったか?)
あんたの親友はこの事何か言ってなかったか?
あと、親友の名前も聞いていいか?

■シャールン
依頼………?

シャールンはしばし思い当たることがないか考え込んでいたようですが、一つ思い当たることがあったようです。
■シャールン To:シーアン
私を捜索しているものがいるとしたらファリス神殿くらいなものだと思う………。
ただ神殿はわたしが人狼と化したことをしらぬはずだから………。
私の親友以外にはこのことは話していないので単に失踪した私を捜しているのだろうと思う………。
その友人の名はリロイという。オランで商いをやっているものだ。

■アイシャ To:シャールン
どうして狼に変身するようになったのか覚えてるですか?

■シャールン To:アイシャ
はっきり覚えている………。
何ヶ月か前のことだが、布教活動の傍ら辺境のモンスターを倒していたのだがそのときワーウルフがいたのだ。倒すことには成功したが、そのとき私も傷を負ってしまった。
治療に当たる司祭もおらぬため、そのまま私はこのような魔物になってしまったんだ………。

■バジル To:シャールン
…どうして、発病する前にちゃんと神殿で直して貰わなかったのさ。
手遅れになる前ならなんとかなったのに。

■シャールン To:バジル
先ほど言ったとおり、辺境にいたのだ、私は。
そのような場所では治療など望めなかったのだ………。

■シーアン TO:バジル
・・・俺だって仲間がいなかったら、いつそういう目に遭うかもわからない。
もう・・・今更言っても仕方ねーんだよ・・・。
(こいつが一番後悔してるに違いないんだ)

■ミュン To:シャールン
貴方が感染したその場所は、なんというところですか?
それと、状況もおしえてもらえませんか?

■シャールン To:ミュン
ああ………村の名前か………。
ミスト………とか言ったかな。ここを遙かに北に行った村だった。

■バジル To:シャールン
あなたの選択はけして間違いとは言えないのかもしれない。現時点では確かに。
でも、こんなのって…。誰とも交流せずに暮らすなんて、人には辛すぎるよ。

バジルは深くため息をつきました。
もはやシャールンはその言葉に対して何も言えないのか、ただただうつむいているばかりです。
ポムはじっとシャールンを見て
■ポム To:バジル&シャールン
………。
きっと人じゃなくても辛いぜ(ぽつり)
このままで…いいはずないって思うんだけど…

■ポム To:シーアン&みんな
どうすればいいんだろ?

■ミュン To:シャールン
あなたはこれからどうするつもりですか?

ミュンは無表情で聞きました。
■シャールン
私は出来ればここに住み続けたい………だが、もはや無理だろう。
自ら命を絶つことは自らファリスへの奉仕をたつことになる………だから自殺はしなかったのだが………だから、一思いに殺してくれ。

■アイシャ To:シャールン
そんな……そんなのダメだよー。
だって…アイシャもどうしていいかわからないけど…でもダメだよ…。

ちょっとした沈黙の後、シーアンが口を開きました。
■シーアン TO:シャールン
・・・それが一番楽か?

だが、ちょっと待ってくれ。俺達の一存では決められねーよ・・・。
村長だけには話、通しておかないとな。
絶対に戻ってくるから、それまで自殺なんかしないで、ここで鍵かけて待っててくれないか?約束してくれ。

■シャールン To:アイシャ、シーアン
他に方法は私は知らないのだ………。
いろいろさがしては見たが………。

村長に話すのは構わぬがもはやこの村にはとどまることは無理だ………。
その約束は守らせて頂くが。


■ポム To:シャールン
まっててよ
そんでもって、もう少し一緒に考えようぜ♪

一行は重い足取りで部屋を出ると、再び分厚く重い扉が閉まり、閂がかけられました。
一向は、あばら屋を後にし、とりあえず墓場を確認に行くことにしました。

墓場

 あばら家をでた一行は墓場にやってきました。昨日仕掛けた罠や墓場そのものに何らかの変化がないか調べてきたのです。
一行は早速作業を開始しました。

ポムの作業内容:

というわけで、ポムは墓場の周囲を罠を調べてみましたが、昨日と変わっていた部分 は何もありませんでした。
ポムが覚えている限りではすべてが昨日のままのようです。
取り立てて、それ以上やることもなさそうなので一行はその場をあとにしました。

村長宅

墓場の調査を終えて一行は村長宅に家を出てから今に至るまでに起きたことの報告に行きました。
最重要報告内容はもちろんシャールンについて、でしょうが。
■ウェイン
おや、みなさまお早いお帰りで。弁当の味はどうでしたか?
………じゃなくて(^^;
何か分かったことでもおありでしょうか?

シーアンは深呼吸すると報告を始めました。
■シーアン TO:ウェイン
大変な事がわかりました。
駐在―――ロットさんは既に亡くなっていました。
見回りに出た夜に、・・・”狼”に襲われたようです。

とっさに”狼”と報告してしまう。やはり深層心理ではどこかでシャールンの事を隠したいと思っているのかもしれません。
村長は最初はシーアンの言ったことがよく分からなかったのか、目をまん丸にした状態でしばらく何も反応がありませんでした。
しかし、しばらくすると落胆したような表情でゆっくりと言葉を紡ぎ出しました。
■ウェイン To:シーアン
………へ?ロットが………?まさか、ロットが殺されるなんてそんなことが………。はぁ………。
ロットでも敵わなかった狼とは一体どういうものだったんでしょうねぇ………。
あの………それでロットの遺体か遺品のようなものは………。

■ルタード To:ウェイン
遺体は、例のあばら屋の裏手に丁重に葬られているとのことです。
そして、ロットどのの命を奪った“狼”なのですが……。

一呼吸おいたあと、意を決したように口を開きます。
■ルタード To:ウェイン
実は、あばら屋に住んでいる青年――名はシャールンといいます――が、その“狼”だったのです。
彼は狼に変身してしまう病に冒されていて、狼になって理性を失っているときに、出会ったロットどのを殺してしまったというわけなのです。

■ウェイン To:ルタード
そ、そんな危険なものがこの村に………そ、それでそれはどうされましたか?
退治できたのでしょうか?

■バジル To:ウェイン
今は理性のある人間の姿なんです。
昼間は彼も普通の人間で…、って言っても危険であることは変わらないのですが。
僕等は今、彼の今後について考えているところです。

■ウェイン To:バジル
は、はぁ………少なくとも村においておくことは………。

■シーアン TO:ウェイン
シャールンは俺達に”自分を殺してくれ”と言ってきました。
俺は・・・奴を楽にしてあげたいとも思う・・・けど、まだ結論を出したくないんです。
今、シャールンは地下室に閉じこもって鍵をかけています。俺達が開けなければ新しい被害は起きないと思います。
シャールンの処分は、墓荒らしの件が片付いてからでは遅いでしょうか?

■ウェイン To:シーアン
はぁ………そこまで言われるのでしたら……。まぁ、被害が出ないのでしたらなんとか……。

■アイシャ To:ウェイン
あの人は、自分が危険な存在だって事わかっているの…。
あの人は、ファリスの神官さんなんです。
今でも誰も傷つけまいと必死なの……。

■ウェイン To:アイシャ
ファリスの神官の方が狼なんですか。
………ま、まぁ………分かりました………。墓荒らしの件が片づくまで待ってますので………。

■ポム To:ウェイン
……。
オランにいる仲間や友人から離れて
自分から村の人達を離して
独りぼっちでいる事に我慢して
これからもそうするつもりだったと思う
病気が出ちゃった時はそれは恐れなきゃいけないけど
人のシャールンをあまり恐がらないでくれるとありがたいな
シャールンはウェインさんと同じ人間で、話ぜば通じるんだから
村も、みんなの事も考えてたし…

とりあず、狼に関する話が一段落しました。
■ポム To:ウェイン
もう一つ報告があるんだけどいいかな?
誰が作ったのかまだ解らないけど…
墓場とかのを地面を探してたら地下への扉を見付けたんだ
すごく上手く隠してあったから見付けにくかったんだと思う
場所はだな…レクナムさん家の裏庭の地面

■ウェイン To:ポム
はぁ………地下への扉ですか………。
それは今回の件と何か関係があったのでしょうか………?

■シーアン TO:ウェイン
それをこれから確かめるんです。
では・・・俺達がずっと戻らなかったら、シャールンの事頼みます。
日中は普通に話が出来ると思いますから・・・

■ポム To:ウェイン
本当に戻って来なかったら
多分、オランの商人でリロイって人に相談するといいよ
シャールンの友人みたいだから
それとみんな決まるまで村長さんの秘密にして欲しいんだ
村の人達がとっても平常でいられなくなるって思うから

■ウェイン To:シーアン
……ぅえ。
……わかりました……が、ちゃんと戻ってきてくださいね(;^〜^)

いくら頼まれたことであるとはいえ、さすがにいつ暴発するかわからない爆弾のようなもののを世話するのはいやなのでしょう。笑みの中にどことなく不自然な引きつりが浮かんでいたりします(笑)
 とりあえず、一行はその場を離れ、レクナムの家に向かうことにしました。


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GM 大石
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