SWPBM#45

命運の諸刃(仮)

Chapter8:廃墟内の咆吼

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あばら屋の中

明かりを灯し、そっとドアを開けると---そこはごく普通の部屋でした。誰もおらず、ウィスプの青白い光にと最初から設置されていた小型のランタンにテーブルや椅子と言ったわずかな家具が照らし出されています。
アイシャは、シーアンの後ろからそっと顔を覗かせてみました。
■アイシャ
何にもいないみたい…家の人も…。

■ルタード To:バジル&ミュン
確かに狼の声らしきものが聞こえたのじゃよな?

言いつつ、ルタードは部屋の中を見回しました。
この家は二部屋あるようですが、入ったところは大部屋になっていました。その右手に小部屋が続いています。小部屋の中は今いる玄関口からは死角になって見えませんでした。
ドアがある壁と反対側の壁に窓がありますが、ともに板でふさがれていました。
階段は大部屋の隅の方に地下に降りる階段があります。
そして、何気なく辺りを見回していただけのルタードの耳にも、かすかではありますがそオオカミの低い咆吼が響いてきました。
■ミュン To:ルタード
ええ、家の中の方から。

言いつつセンスオーラ。特に変わったことは感じられませんでしたが。
■バジル To:ルタード
僕には、どっちかっていうと地面の中から聞こえた感じだったけどね。

■ルタード To:ミュン&バジル
――のようじゃな。

オオカミが飛び出して来ないのが分かるとルタードの後ろから出て来て。
■ポム To:みんな
とりあえずオオカミもそうだけど人を探さなきゃ
あの地下に降りる階段が怪しいけど念のため小部屋も見るか?

■バジル To:ポム
そうだね。どっちも怪しいけど、地下に降りる前にまずそっちから確認した方が良いよね。
何か隠れてて、階段降りる時に後ろから襲われちゃったらたまらないもの。

ポムはまず大部屋の様子を調べてみました。人が住んでいるから当然といえば当然でしょうが、特に罠などは見あたりませんでした。
続いて小部屋に移動します。小部屋にはランタンが置かれていないのでバジルがウィスプを先行させました。が、やはり罠は見つかりませんでした。
しかし、代わりに部屋の隅には祭壇が置かれていました。しかも、刻まれていた印はファリスの聖印のようでした。
加えて割と新しいもので、けっして何十年も前から置かれていたものではないようです。
■ポム To:みんな
シーアン!こっちにファリスの祭壇があるぞ!
新しいから引っ越してきた人のだぜ、多分

■シーアン TO:ポム
祭壇!?

■バジル To:ポム
え?ファ「ラ」リスじゃなくて、ファリス!?

なんか嫌な予感に眉を顰めながら
■ポム To:みんな
駐在さんがここの人は大丈夫って言ってた意味が解った気がするぞ(^^;

■シーアン TO:みんな
(なんだ、ファラリスじゃなくてファリスか・・・)
ちょっと変わった人だと思ってたらファリスの神官さんか?
ひょっとして、この人も行方不明・・・事件の被害者なのかもな。

■ルタード To:シーアン
神官がらみですか……。
ややこしいことにならぬとよいのですが。

■アイシャ To:みんな
夕方、アイシャ達が来た時も、やっぱりいなかったのかなぁ?
でも、明かりは着いてたよねぇ?
……もしかしてもうずっと前からいなかったのかなぁ?
駐在さんがいなくなっちゃった時と同じくらいから…。

いくら考えてみても今の段階ではわかりようがありません。
■シーアン TO:みんな
他には何もなかったか?
じゃ、地下へ潜ろうぜ。

大部屋に戻り、階段を降りようとした瞬間、ある事を思い出して足を止める。
■シーアン TO:みんな
!!
ウェインさんはどうする(^^;?
1人で家まで戻ってもらうのと、
このままここで1人で待っててもらうのと
どっちが安全だと思う?

■ウェイン To:シーアン
えぇと………一応、足には覚えがありますので万が一の時は逃げ出せると思いますけど………逃げ出すことしかできませんが(^^;
でも、足手まといになることがあったら大変ですから退いてましょうか?

■ルタード To:ウェイン
いや、むしろわしらと一緒に動いてもらったほうが安全でしょう。
ご自宅に戻っていただくにせよ、ここにとどまっていただくにせよ、この真夜中にお一人では心配です。ましていまは、どこに何が出るか分からないような状況なわけですから。

■ウェイン To:ルタード
そうですか、分かりました。ではそうさせてもらいます。
足手まといにならないようには気をつけますので。

と、言いつつも内心は怖がってはいるのです(笑
■シーアン TO:ウェイン
すみません(^^;。
俺達で守りますから・・・

■バジル To:ウェイン
もし地下に何かいても、パニック起こさない事だけ気をつけとけば大丈夫♪

■ルタード To:みんな
村長どのを真ん中に、一列縦隊で慎重に進むことにしよう。
戦闘はシーアンどの、お任せしてよろしいですかな?
しんがりはわしが引き受けまする。

■シーアン TO:ルタード
そうしよう、ルタードにしんがりやってもらえるなら頼もしいぜ。”先頭”はまかせなっ

明かりとして用意したウィスプを先行させ、一行はシーアンを先頭に、地下に続く階段を下りていきました。
すぐに目の前にある扉に阻まれることとなりましたが。
しかし、間違いなく先ほどから間隔を置いて聞こえてくるオオカミの咆吼はこの中から聞こえてくるようでした。
■ルタード
この中じゃな……。

つぶやきつつ、大斧を握り直します。
■バジル To:ルタード
う〜ん。どきどきしちゃうね。

■アイシャ To:みんな
吼えてるのは1匹だけみたいなの〜。
でも、もっといるかもしれないよね(どきどき)

■ポム To:みんな
ちょっと待ってて

シーアンに代わってポムが前にでて扉を調べてみました………が、どうやらこの扉には鍵穴が全くないようです。
罠なども付いていないようです。扉そのものもかなり頑丈、かつ分厚い木材でてきているようです。
ポムは困って扉を触っていたが動くか確かめる為に押してみましたが、やはりそんなもんで開くわけはありません。
(コントやっているわけじゃあるまいし・笑)
■ルタード To:ポム&シーアン
どんな具合じゃな、ポムどの?

■ポム To:みんな
罠も無ければ鍵穴も無い♪ついでにノブも無いんじゃどうしょうも無い♪
引けないから押してみたけど開かないのは中から鍵をかけてるか押さえてるか…
(肩をすくめる)
後あたしができる事はノックでもして出て来てもらうしか思い浮かばないな

■シーアン TO:みんな
この扉、普通にやったんじゃ開かねーらしいぞ(^^;
(神官さんはどーやって入ったんだ?)

■ルタード To:みんな
やれやれ、それでは別の入口を探さねばならんということになるかのう?

■シーアン TO:扉
・・・ヒラケゴマ。

何を思ったか扉につぶやいてみました。しかし、何も起きないのを見ると、今度は悔し紛れに扉を蹴ってみました。
その直後、扉の反対側に何かがぶつかったような鈍い衝撃音がありました。扉が相当堅い材質でできているためか壊れこそはしなかったものの、かなりの衝撃だったことが響いてきた音から伺えます。
続いて、扉の反対側からオオカミの低いうなり声とともに扉をひっかき続ける音が聞こえてきています。
■アイシャ
ひゃ〜(怒ったのかな…?)。

■ルタード To:シーアン
なるほど、いささか手荒いですが、この扉を壊してしまうという方法もあることはありますな。

■シーアン TO:ルタード
あ、いや(^^;壊そうと思って蹴ったんじゃねーんだ。
(やべぇ、うっかり扉に八つ辺りしちまった(^^;;;)

■シーアン TO:みんな
・・・別の”入口”になるかわかんねーけどよ、もう1つ”出口”があったよな。あっち、あたってみないか?

■アイシャ To:シーアン
向こうから飛び出してくる心配もなさそうだから、そうしよ〜。

シーアンのマントの裾を引いてポムはそいつは駄目だ、と言うかのように首を振りました。
■シーアン TO:ポム
(駄目だって?)

■ルタード To:ポム
ポムどの、シーアンどのの提案に何か不都合でも?

■ポム To:ルタード
ちょっとな(へらり〜)

■ルタード To:シーアン
まあ、ともかくも、今日はもういささか遅くなりすぎました故、続いての調査はまた明日ということにいたしませぬか?
村長どのにはご無理を言って来ていただいておりますし、バジルどのとミュンどのは仮眠すら取っていない状態ですからな。

ルタードは、二人のエルフの様子に目をやっています。
■ポム To:みんな
あたしもそれには賛成だな
バジルもミュンもご飯食べてないだろ?
そんなんで戦いになっても力が出ないんじゃないか

■バジル To:ルタード&ポム
僕はまだ大丈夫だよ。

■ミュン To:ルタード&ポム
僕も大丈夫です。

そう言いながらも長時間集中していた疲れは隠せないようです。
■ルタード To:シーアン&みんな
ブラキ神さま曰く「鎚打つを急きては、良鋼得るあたわず」。
ひとまずここはゆっくり休んで、英気を充分に養ってから、改めて取りかかることにするのがよいと思うのじゃけど?

■ポム To:みんな
地下への入り口も見付けた事だし
ここには明日また来ようぜ♪

■シーアン TO:みんな
そうだな。うっかりミュンとバジルに徹夜をさせるところだった。
一度戻ろう。

■アイシャ TO:シーアン
うん♪

シーアンの撤退号令を受けて一行は階段を再び上がっていきました。
後ろに回った扉からはまだ先ほどのうなり声や激しい衝突音が聞こえてくるので警戒は怠っていませんが。
とりあえず、家の外にでたところでバジルが口を開きました。
■バジル To:みんな
鍵はどうする?

■アイシャ TO:バジル
入って来た時には鍵かかってたから、同じようにかけておこうよ〜。

■ルタード To:アイシャ
しかし、扉を閉めてしまうと、わしらが立ち去ったあとでこの家に人の出入りがあったかどうか知るのが難しくなってはしまわないかの?

■バジル To:ルタード
扉に羊皮紙の切れ端を挟んで閉じておけば、後から誰かが開けたかどうかわかるんじゃない?

■シーアン TO:バジル
それでいいんじゃねーか?

■ポム To:シーアン&みんな
でも全部掛けなおすのも、また開けるんだし面倒だぞ〜一つでいいか?

■シーアン TO:ポム
そんなに面倒なのか?
なら、まかせるよ。

■ポム To:シーアン
そんなにって訳じゃないけどな
任されたぜ(にやり)

ポムは三つの中で一番困難な鍵を選び、道具で鍵を掛け直しました。

村長の家(二日目)

 翌日、一行は前日の遅く(正しくは早朝)まで起きていたこともあって、日もかなり高くなってから(10時頃)目を覚ましました。東側の窓からは日光が差し込んでいます。
■バジル To:
ふぁ…。
なんだかまだ眠いなぁ〜

■シーアン TO:バジル
お疲れ。
俺は逆に寝過ぎた感じだぜ(^^;

ミュンも生あくびをかみ殺しながらやってきます。どうやら、エルフ2人は、おそくまで、コントロールスピリットの儀式をしていたようです。
ミュンは横笛にシルフを、バジルは水袋にウンディーネを宿した様です。

 軽く身なりだけ整えてから食堂に顔を出すと、ちょうど村長は召使いと一緒に食器を並べているところでした。
 朝食のメニュー:ニョッキとセージバターとマッシュポテト、ミートボールのトマトスープ、ハーブソーセージ、でもってハーブサラダ。

■ポム 
今日もうまそうだなぁ〜♪

■ルタード To:ポム
いや、まったくじゃの。

■アイシャ To:ウェイン
おはようです〜。

■ウェイン
おはようございます。よく眠れましたか?
朝食………といっても遅めですが、用意はできていますのでどうぞどうぞ。

ぐぐ〜っと盛大にお腹の鳴る音が響きました。
■バジル To:ウェイン
ああ、僕とってもお腹が空いてるや。
昨日は帰ってきたら眠くて食べるどころじゃなかったし。なんて美味しそうな朝ご飯だろう!!

■シーアン TO:バジル
昨日の夕飯もうまかったぜ(^^)。
一応、バジルとミュンの分も残しといたんだけど、あれどうなったかな?
残ってたらもったいねーな・・・。今日の弁当にでもした方が・・・

■ポム To:バジル&ミュン
ちゃんと残しといたぜ♪(えっへん)

さて、それからしばらくして食後………
■ウェイン
ところで本日はどこを調べますか?
わたしも同行しましょうか?

■バジル To:シーアン
昨日みたいに突然戦いそうになっちゃう事があるから、ウェインさんは一緒に来ない方が良いかもね。
怪我でもしたら大変だもの。

■シーアン TO:ウェイン
まず、俺達だけで出来るだけの調査をやってみます。
ウェインさんは・・・昨夜起こったことを誰にも話さないように注意して、後は・・・普通にしてて下さい。

■ウェイン To:シーアン
あ、はい。分かりました。
昨日あの家で起きたことは不安に感じられなくもないのですが………。
一刻も早い解決をお願いします。

あ、そうそう………


一旦言葉を終えると村長は食堂の奥にある厨房に下がりました。
そしてすぐに六つの風呂敷包み−の様なもの−を両腕に抱えて戻ってきました。
■ウェイン
調査が長引いたときのために昼のお弁当を作っておきましたので良ろしければ持っていってください(^^

■ルタード To:ウェイン
これはこれは、お心遣い痛み入ります。

■ポム 
やったぁ♪(小躍り〜)

ポムはいそいそと弁当を詰め込むと扉に向かいました。
■ポム To:シーアン&みんな
弁当もあるし♪早く調査にしゅっぱつだ!(^^)/

■アイシャ To:ポム
あ、待ってよ〜。

そこへ突然、ルタードが思い出したように言い出しました。
■ルタード To:ウェイン
そうじゃ、村長どの、出がけに慌ただしくて申しわけないのですが、一つお聞きしたいことがありまして。
この村で、古くからの言い伝えや昔に起こった事件などについて詳しい、いわゆる「長老」のような方はいらっしゃいますでしょうか?
もしおられたら、その方にも少々お話を伺いたく思っておるのですけども。

■ウェイン To:ルタード
はぁ………わたしより年を召された方でしたらいないこともないですけど、早々珍しいことが起きるような村でもないのでそれほど特異なことを知っているとは思えないんですけどねぇ………。
あ、でも調査の役に立つのでしたらつれてきましょうか?一番年を召した人で良いんですよね?

■シーアン TO:ウェイン
歳取った人を連れてくるのは・・・大変だよな。
俺達をその人の所へ案内してもらえますか?

■ウェイン To:シーアン
長老といっても歩くことすら難儀なほど年を召されているわけではありませんから………
それに家も近いから大丈夫ですよ。ちょっと待っててもらえますか、すぐに呼んできますので。

言い終わるや否や、村長はさっさと家を出ていきました。
ちなみに召使いはそれを見送ってから食事の後かたづけ。この家は召使いの方が中にいることが多かったりして(笑)


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GM 大石
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