猟犬達の小屋 |
気絶したゴルボフを縛り上げ、轡を噛ませた後、アトールを中心にして小屋の捜索を始めた。
だが盗賊たちとやりあった部屋にはめぼしい物は何もなく、ただ盗賊たちが使っていたカードが血に濡れて散乱しているだけであった。やがてホークの手慣れた応急処置によって、コルボフは目覚める。
だが縛られて、かつ轡をかまわれているので、声を出せず、暴れることも出来なかった。
■ゴルボフ To:ALL |
ん〜〜ん〜ん〜〜!! |
■ホーク To:ALL |
目を覚ましたみたいだ。 |
■バーン To:ホーク |
身動きは取れないようですね。少しそのままで放って置きましょう。 |
そして探索を続けるアトールの手が部屋右手奥の扉に掛かったとき、扉の奥で何かが倒れ、ついで引きずるような音が聞こえた。
扉を開けると、その奥はどうやら厨房のようであった。
そして扉が開けられたのを見て、床をはいずって勝手口であろうか、そちらの扉の方へと逃げようとしている少女が一人いた。
■少女 To:アトール |
い、いや・・・・こないで・・・・。 |
そううめきつつも必死で逃げる少女。
だが疲れ果てたのか、やがて逃げることを止めてしまう。
■アトール To:少女 |
おや? |
■ホルト To:アトール |
?どうしたアトール?これは… |
■バーン To:ホーク |
(少女に気付き) ホークさん、ちょっと来てください。 (ホークを呼び寄せると小声で早口にまくし立てるバーン) 何者かがまだいるようです。まったくの危険が無いとは言いきれませんのでサポートをお願いします。俺が話し掛けてみますので無害な人物なら治療を、悪意が感じられたら知らせてください。 |
■ホーク To:バーン |
うむ、分かった。 至高神ファリスよ。彼の者が邪悪なれば看破する力を我に授けたまえ。 |
■バーン To:少女 |
(アトールの所まで歩きながら) 我々は”黒き森の猟犬”から奪われたモノを奪還に来た冒険者です。あなたは何故、どう云う理由でここにいらっしゃるのですか? |
■少女 |
・・・・・・。 |
少女はおびえた目でバーンとアトールらの方を見ています。
■ホーク To:バーン |
彼女に邪悪な意志はないようだ。 それよりも・・・・その足では何も出来ないだろう。 足の腱を切られているようだ。おそらくは・・・・奴らにな。 |
■バーン To:ホーク、少女 |
!? …本当だ…なんて酷い事を…。 申し遅れました。俺の名前はバーン、後ろの方はファリス神の神官戦士でホークさんといいます。もう安全ですから大丈夫ですよ。 |
バーンは悲痛な表情を和らげ、かろうじて微笑みを作ると少女を担ぎ上げ、楽な姿勢で座らせてあげた。
■少女 To:バーン |
ひぃっ・・・ |
■バーン To:少女 |
失礼しました。少しの間、こうしていて下さいね。 |
■ホルト To:仲間、少女 |
おい、バーン!! …今の彼女に理由を問うのは酷だろう。 (少女と距離を保ちつつ、一見丸腰で無防備に前に出てしゃがみ込む) …私はホルト、君は? |
■少女 To:ホルト |
・・・・・信じられません。 私に・・・・かまわないでください。 |
■チーゼル To:バーン&ホーク&ホルト(&少女) |
ん、っと…あれ? そっちの方何か有ったんで…す…か |
近寄ってきたチーゼルだったが、状況が視界に入ってとりあえずその場に硬直したまま様子を見る。
■アトール To:少女 |
(こういうときにノエルがいてくれると助かるんだけどな・・・(^^; ) まあ、おびえるのも無理ないと思うけど、ここで君を放って置いてもしょうがないよ(^^; 俺達は、オランから役人にお願いされて、ここの4人組を倒しに来た冒険者だ。 ほら、ここの地図もオランで貰ってきたんだぜ。 |
アトールはそう言って少女にオランで貰った地図を見せる。
■アトール To:少女 |
ほら、お役人の印も入ってるんだ。 で、今、ここの部屋でドタバタ音がしていたのは、この4人組を懲らしめていたというわけ。 だから、俺達のことは脅えないでいいよ。 |
■少女 To:バーン |
・・・・・ぃゃ |
少女は近づいてきたアトールからそう言って視線を逸らします。 まだかなり脅えてるようであった。
■バーン To:少女 |
…ふう。 どうにもいけませんね。こまったな… |
アトールは背負い袋から存食を一つ出し、少女のほうへと差し出す。
■アトール To:少女 |
食べるか?まともに喰わせて貰ってないだろ? |
■少女 To:アトール |
・・・・・・・・ありがとう。 |
少女はいちおう受け取りますが、口にはしようとはしないようであった。
■バーン To:少女 |
う〜ん…あまり気持ちの良いものではありませんが… (入り口の方を指し示し) ご覧になれますか?諸事情により一人は生き残らせていますが残りの3人は彼等が信じる神の国で前非を悔いていることでしょう。 もっとも暗黒神の冥府とやらは彼等にとっては快適かもしれませんがね。 |
■少女 To:バーン |
そう・・・・・彼らは死んだのね・・・・。 ペンダント・・・・・無かった? |
少女は盗賊たちの死体にはあまり興味が無さそうであった。
むしろ生きている冒険者達にその神経の全てが向けられているようであった。
■バーン To:少女、ホルト |
ペンダント?あなたのものですか?ちょっと待ってて下さいね。 ホルトさん、さっき調べていた時に何か見つけませんでしたか? |
■ホルト To:少女 |
…これのことかな?(と銀のペンダントを見せる) 確…クローベックとか言ったか?私と同じ位の背格好の男が身に付けていた。 これを君に渡すのに吝かではないが、せめて名前位は聞かせて欲しいな。 もう信じてくれとは言わないから。 |
■レイリア To:ホルト |
そう・・・ね。人なんて信じられない・・・。 ・・・・・・レイリア。 ペンダント、ちょうだい。 |
■ホルト To:レイリア |
…そうか…済まなかった、レイリア。 (半ば独り言の様に)…大事なものなんだろうな… |
ホルトは銀のペンダントをレイリアの手の中に落とす。
■レイリア To:ホルト |
ありがとう、貴方・・・いい人ね。 そう、大事なものなの。お父さんの形見だから。 |
■チーゼル |
……? 酷い目にあったのは…確かなんだろうけど… …「人なんて信じられない」、ってのは…なんか、違うような…。 なんか、変なことでもあった…のかな…? って、まさかね。ん〜… 考えても、しょうがないか…… |
■レイリア To:チーゼル |
・・・・・? |
少女はつぶやくチーゼルに不安そうな視線を向けます
■バーン To:レイリア |
…さて、これからどうしますか?あなたが身の自由を望むなら俺達にはそのお手伝いができます。 無論あなたがこの場を動きたくないなら、彼等を連れ去り官憲に突き出すだけのことですが… …俺達は病で苦しんでいる子供達の生命を救う為に、ある”花”を探しています。彼等が盗んだものを探し出せたら、ここから立ち去ります。 それまでにどうして欲しいのか、どうしたいのか、良くお考え下さい。 |
■レイリア To:バーン |
花・・・・・ 青い花?
どうして欲しい?どうしたい? |
そう言ったあとレイリアはせき込みます。
■バーン To:レイリア、エルシア |
(せき込む少女の背中をさすり) 時間はあまりありませんが、そう急がなくても結構ですよ。 エルシアさん、済みませんが彼女の介抱をお願いします。 マーズさんかホークさんも「サニティ」の奇跡で彼女の心を宥めて下さい。 …落ち着いたら、青い花についてや、ご自身の話を彼女達に聞かせてあげてください。 宜しくお願いします。 |
■エルシア To:バーン |
ん? みんなこんなところに集まってどうしたの? |
■エルシア To:レイリア |
掴まっている人がいたのね… 大丈夫? |
レイリアはそれには応えず、また俯いてしまった。
■ホルト To:バーン |
バーン、私たちの一部はここで街道警備隊の到着を待つ必要があると思うが。 無論ブルーロータスを届ける方が先ではあるけども。 さて、私は捜索に戻るとするよ。 その間、そろそろ筋肉ダルマの尋問にかかってくれるとありがたい。 |
■バーン To:ホルト |
分かりました。取り敢えずこちらはお願いします。 |
バーンはレイリアから離れるとゴルボフの元に向かった。轡を掴んで乱暴に引き起こすと、無表情で耳元に囁いた。
■バーン To:ゴルボフ |
さてと、今俺達はお前の生命を握っている。それは分かるな?分かったら首をゆっくり縦に振れ。 |
■ゴルボフ To:バーン |
ん〜ん〜!! |
まるで視線で呪い殺さんばかりの憎しみのこもった目でバーンを睨み付けますが、わずかに首を縦に振ります。
■バーン To:ゴルボフ |
ふむ、俺達は、お前をどうても殺したい訳じゃない。 …そこで取引をしたい。 俺達はお前等が盗んだ青い花を探している。 それのある場所まで案内すれば、俺の知っている安全な場所でお前を解放してやろう。 おっと、あんまり騒ぐなよ。俺の仲間に感づかれちゃあ後々面倒だ。折角の拾った生命を粗末にするんじゃない。賭けられているチップが無くなれば、お前の首と胴体は永遠に別れなければいけないんだぞ。 さあ、承知するなら首をゆっくり縦に振れ。 |
一瞬、意外そうな目をバーンに向けた後、ゴルボフは再度首を縦に振ります。
■バーン To:ゴルボフ |
よ〜し、それでこそ、だ。 いいか?少しでも勝手に動いたら、この長剣がお前の兄弟の元へ連れていってくれるぞ。 さあ、花のありかまでゆっくりと進んでもらおうか。 |
バーンは長剣の鞘を払い、切先をゴルボフの背中に突き立て、ゆっくりと進むように促した。
■バーン To:ALL |
お〜い、皆さん。こいつに道先案内を頼むから、通路をあけてもらえますか? |
■ゴルボフ To:バーン |
んごがげんごげがぐげ。 |
ゴルボフは轡のかまわされた口でもごもごと言ってます。
どーやら轡を外せといってるようです。
■バーン To:ゴルボフ |
うん?轡を外せって? 残念ながら駄目だ。お前も魔法が使える可能性が無いわけではないからな。 さあ、歩くんだ。 |
バーンは切先を浅く沈め、ゴルボフの皮膚を切り裂いた。
■バーン To:ゴルボフ |
無駄口叩くなら容赦はしないぞ。分かったな? |
■ゴルボフ To:バーン |
うげんがごぐもごが! |
バーンを恐らくひとしきり罵倒(でも何言ってるか分からない)した後、ふらふらと歩き出します。
居間をぐるっとまわり、さらに廊下の方へと行き、アトールとホルトが探索している部屋の中を覗いた後、裏口と思しき扉の前に立ち、バーンに開けるようにあごで示します。
■バーン To:ゴルボフ |
よ〜し、お前はあっちを向いてろ。 |
バーンはゴルボフを反対側に向けさせた後、右手でその扉を押しやります。
■ゴルボフ To:バーン |
ごごがぎが。 |
相変わらずもごもごしながら、開いたドアから出て、しばらく歩いたあたりでその辺の草地を示す。
・・・・・が、ブルーロータスはおろか青い花もない。
■バーン To:ゴルボフ |
(努めて冷静に) …ふ〜ん。こんな場所で死にたいのか。 まあ土も柔らかそうだし、墓穴ぐらいは掘ってやるか。 最期に何か聞いてやりたいが、それも無理なようだな。自分で自分の首を絞めたい奴に何を言っても無駄らしい。 |
■ゴルボフ To:バーン |
むむむ・・・・ぶはぁ。 |
ホークの縛り方が甘かったのか、それともずっと口を動かしていたので緩んだのかともかくも轡が外れ、ゴルボフは口の中に詰まっていたぼろ切れを吐き出した。
■ゴルボフ To:バーン |
はぁはぁ、まずいもん口の中に押し込みやがって。 まあ、最後に聞けや。 なんだかしらねーが、花なんていうそんなくだらねぇもん知るかよ。 どっかの商隊襲った時に奪ったかもしれねぇが、今ごろどっかで枯れちまってるだろうよ。 まあ、骨折り損って奴だ。ごくろーさん。あはははは。 |
■バーン To:ゴルボフ |
(変わらず、努めて冷静に) なんだと?もったいないことをするやつだ。あの花ひとつで豪遊できたんだぞ。 何輪かあるという話だから余ったやつは、協力の駄賃にお前にくれてやろうと思ったのに。 まあ、無い物はしょうがない。お前の首に懸かっている賞金で咽喉を潤すとしよう。 |
内心の動揺を極力押さえ、相手の本心を引き出そうとするバーン。
■ゴルボフ To:バーン |
まあ、好きにするがいいさ。 |
というが早いか、ゴルボフは笑顔のまま舌をかみきりました。
口から血が溢れ、一瞬顔が引き攣ったかと思うと、ゴルボフの巨体はゆっくりと地面へと倒れ込みました。
■ゴルボフ |
あお・・い・・・花・・のせい・・・か・・・・・。 あの娘・・・が・・・疫病神か・・・。 |
■バーン To:ゴルボフ |
しまった!! おい、まだ死ぬには早いぞ! …くそ、駄目だ。 これじゃあ治癒の奇跡も間に合わない…。 (ひとしきり蘇生の手を尽くした後、間に合わないと知ると遺体に一礼するバーン) あおい花って言ってたな…それとあの娘が疫病神と… ………あの少女の事か?確かレイリアとかいったな… ふう、埒があかない。取り敢えず、こいつを楽にさせてやるか…。 |
バーンはゴルボフの遺体を移動させ、小屋の壁のそばに移動させると、まぶたを閉じさせ、血を拭ってやった。
■バーン |
…さて小屋に戻るか。 |
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