スラム |
オランの下町に広がるスラム街の一角。けっして丈夫とは言えなさそうな作りの平屋の建物。
ここがデューの住まいらしい。
■バーン To:住まいに向かい |
…ふうむ。ここかな? (咳払いをし)御免下さい。 リトナル商会からの依頼を受けて、お話を伺えればと思いお邪魔いたしました。 デューさんはご在宅ですか? |
■男の声 To:バーン |
は〜い、はいはいはい。 どちら様で〜? |
家の中から返事が聞こえてきた。が、扉が開く気配も、声の主が扉に近づいてきた気配もない。
■バーン To:男の声 |
「銀の網亭」でバートン氏からの依頼書を拝見し、それを受けた冒険者のバーンと申します。 あの荷の件で何かお話を聞ければと思いまして。 一応バートン氏の紹介状も持参しております。ご確認なさいますか? |
■男の声 To:バーン |
バートンさんの・・・。 ちょっと怪我してて、動くのもおっくうなもんで、えへへへ。 勝手にあがっちゃってください。 |
■マーズ To:バーン |
ああおっしゃってますし、勝手にお邪魔しましょうか? 怪我人を動かすのもかえって申し訳ないですし。 |
■バーン To:マーズ、デュー |
そうですね。そうさせていただきましょう。 (建物に向かい)それでは失礼致します。 |
バーンはそう言うと、デューの住まいへと入っていった
さして広いとはいえない部屋におかれたベッドに赤髪の小柄な男が座っていた。
どうやら彼が運び屋デューのようだ。
■デュー To:ALL |
ど〜も、初めまして。おいら、運び屋のデューってんだ・・・って、バートンさんに聞いてきたから知ってるのか。えへへ。 んで、お兄さんがた、おいらにどんな用があってきたんだい? あの荷の件ってぇことは、おいらの仕事に関してかなぁ? |
■バーン To:デュー |
ご静養中の所、申し訳ございません。改めてご挨拶させていただきます。 俺は戦士のバーン、こちらは同業のチーゼル、そしてファリスの神官戦士のマーズです。 今日お邪魔したのは、例の積荷を襲われた時の状況と賊の顔立ちや特徴をお伺いしたかったからです。 (そういいながらバートンの紹介状を手渡す) …それと、(軽く息を吐いて一拍置き) …つらい問いかもしれませんが、トカマクさんが殺された時のお話もお聞かせ下さい。 |
■デュー To:バーン |
あ、ども。 |
デューはバーンの丁寧な挨拶につられて、ぺこりとお辞儀をする。
■デュー To:バーン |
例の積荷・・・。あぁ、あれのことか・・・・ あのときは急なことだったんで、賊の顔なんか覚えてないねぇ・・・・。 命からがら逃げ出してきたんで・・・・。ただ、賊は4人だったことは覚えてるよ。 賊が現れてから一瞬だったよ・・・トカマクが殺されたのは・・・。 |
デューは唇をかみしめ下を向いて肩を震わせる。
■バーン To:デュー |
…そうでしたか。 トカマクさんとは長い間パートナーを組んでいらしたんですか? |
■デュー To:バーン |
この仕事やり始めてからのつきあいさ。 最高の相棒だったよ・・・・。 |
■バーン To:デュー |
………そうだったんですか。 続けざまに質問させていただきますがよろしいですか? 賊は4人と仰いましたが、どんな武器を持っていたか覚えていますか? |
■デュー To:バーン |
剣だったのは覚えてるけど、詳しいことまではわからないよ。 |
■バーン To:デュー |
なるほど。 襲われたのはカゾフの近郊だと聞きましたが、具体的にはどの位置かお分かりになりますか? |
■デュー To:バーン |
雲道上の街道のオランまで3日ぐらいののとこだったかな? たしか、そのぐらいのところだったと思う。 |
■バーン To:デュー |
襲われた時、あなたやトカマクさんは何かしていましたか? つまり、周囲の注意を怠るなんらかの事情があったかどうか、という事なんですが。 |
■デュー To:バーン |
いや、別に普通に歩いてたさ。 まぁ、油断してたといえばしてたかな。 |
■バーン To:デュー |
歩いていた?荷馬車とかを使ってはいなかったんですね? それと、詳しい搬送ルートを教えてもらえますか? |
■デュー To:バーン |
あ・・・いや、歩いてたってのは一種の表現みたいなものさ。えへへ。 実際には、荷馬車で運んでたよ(^^;) ルートかい?カゾフから道雲の上の街道をまっすぐオランへ。 |
■マーズ To:デュー |
ああ、“言葉のアヤ”ってやつですねぇ。 |
■バーン To:デュー |
あ、済みません。揚げ足を取るつもりはなかったんですが(^^; コホン、…ふむ、なるほど。ルートは普通だった…と。 そういえば、賊は自らの所属を名乗っていましたか? 俺達がバートンさんから聞いている限りでは「黒き森の猟犬」という名前らしいですが… |
■デュー To:バーン |
さぁ?名乗ってないと思うけど・・・。 少なくともおいらは、襲ってきた奴らの名前は知らないよ。 |
■バーン To:デュー |
そうですか。ありがとうございました。 |
■バーン |
(心の声)『おや?おかしいな。バートンさん達が「黒き森の猟犬」の犯行らしいと思ったのは何故だろう?後で、アトールさん達に報告したほうが良いようだな…』 |
■バーン To:デュー |
済みません、最後にもうひとつ。 あなた方以外にあの荷の件を知っていたのは誰ですか? それと、誰かに搬送ルートを教えたり、聞かれたりしましたか? 分かる範囲でかまわないので教えて下さい。 |
■デュー To:バーン |
おいらたちに運ぶのを依頼してきたバートンさんぐらいかなぁ? この仕事は秘密厳守が鉄則だからね。誰にも話したりしてないよ。 迂闊に話そう物なら、自分の命が危ないし。 |
■マーズ To:独り言 |
う〜ん? ということは、別にアレが狙いってわけじゃあなかったんですかねぇ・・・。 たまたまデューさん達を襲って、そしたら意外な収穫があって・・・。 もしそうだとすると、既にその賊の手元にはないかもしれませんねぇ。 |
■バーン To:デュー |
道理ですね。 …ありがとうございました、ご協力感謝致します。 大変参考になりました。 そうだ、差し支えなかったら傷口を見せていただけますか? 相手の技量が分かればそれだけ対処もできる事ですから。 |
■デュー To:バーン |
えっと・・・あんまり人様にお見せするもんじゃ無いんだけど・・・ |
デューはゆっくりと肩口の包帯をほどいていく。
時折激痛が走るのか、顔をしかめ手を止めたりもする。
彼の傷は刀傷だと思われるが、かなりの力で叩き斬られたのであろうか?その傷はかなり深い。血がじわじわとにじみ、まだ傷が完全には閉じきってないことを物語っている。
■バーン To:デュー |
…これは酷い。 …ありがとうございました。拝見させていただいた所、相当の深手の模様です。どうかご自愛なさって下さい。 (マーズ、チーゼルに向き直り) 長居しては傷に差し障ります。そろそろ辞去しましょうか。デューさん、色々とありがとうございました。これで失礼させていただきます。 |
バーンはそう言い、デューの住まいを後にした。
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