涙のブルーロータス

名物店主(?)バートン登場

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リトナル商会

 おやじの地図とチーゼルの道案内(?)を頼りに進んでいくと、オランのスラムに近い一角に、『古美術取り扱い リトナル商会』の看板を掲げた店があった。
 さほど大きい店という訳でもないが、見た事もない品々が立ち並び好奇心旺盛な者なら思わず覗き込みたくなるような店だ。
 その店先で浮かない顔をした男が一人、立っていた。
■ 男 To:ALL
 おや?君達は……何か買い物かね?

男は少し疲れた様な表情で一行を見る。
■バーン To:男
 (慇懃な態度で一礼し)
 我々は「銀の網亭」の掲示板で依頼を拝見した冒険者です。
この店の方でしたら、依頼人のリトナル氏にお取次ぎを願いたいのですが…。

■ホルト To:男、バーン
ちなみに至急の方の依頼です。

バーン、状況から判断するに、この方こそがリトナル氏でないかと思われるのですが…
チーゼル?

■ チーゼル To:ホルト>バートン(?)
あ、と。はい、そうです。リトナル・バートンさ……わ?

チーゼルは男の反応に驚く。…どーでもいいが名前逆だぞ、チーゼル(笑)
■ 男 To:ALL
 お…おお……おおおおおお!!!

男はけだるそうな表情から一転して明るい表情になり、飛び付く様にバーンの手を取り握手する。
■ アトール To:ALL
 なんか、ずいぶん変わった性格の人なのかな?(^^;

■ホルト To:アトール
いや、感情の表現と起伏が少しばかり激しくて、ついでに物の見方も少々常ならざる方だとは聞いていますが、随分という程では…多分…
(少なくとも俺の基準では随分という程じゃないわな)

■バーン To:男
 (いきなりの反応に吃驚しながら)
 あの、まずご依頼の詳しいお話をお伺いしようと思いまして…

  …失礼ですが、あなたが依頼人のバートンさんでしょうか?

■ 男 To:店の奥&ALL
そうかそうか!!君達があの依頼を受けてくれるのか、いやぁ、ありがとう!!
早速詳しい話に入ろう。
おい、ミーシア、何か飲み物でも用意してくれ!!

さぁ、座ってくれ、遠慮は要らん。


男はバーンの問いは無視……というよりも興奮のあまり、聞こえてない様だ。
そのまま奥のテーブルに案内して冒険者達に席を勧める。
■ホルト(こっそり)
まだ受けると決まった訳じゃないんだがなぁ。(苦笑)
ここまで見事に聞いた通りの人物とは…

■バーン To:男
 (勧められたテーブルの椅子に座り)
 では遠慮無く。
 取り敢えず、簡単に自己紹介でもしますね。
 俺の名前はバーンと言います。
それでこちらからアトール、エルシア、マーズ、ホルト、チーゼルになります。
 チーゼルとは以前別のお仕事で面識があると聞いておりますので、ご紹介は不要ですね。

■ バートン To:ALL&チーゼル
おや、君はリス……いや、チーゼル君じゃないか。
この前は世話になったなぁ、ねこ君や他のみんなは元気かね?

君の知り合いというのなら大丈夫そうだ、一安心だよ。
と、安心している場合じゃないんだ!!


バートンは一人で安心して一人でうろたえている……。
■ アトール To:チーゼル
 なんだ、リスって?(^^;

■チーゼル To:バートン
…リス、って…そういう認識…(;;)
え、えと、どうも…と、とりあえず、その、話の方を…

■バーン To:バートン
 (チーゼルの反応を確認し、バートンと断定したバーン)
 バートンさん、取り敢えず腰を落ち着けて下さい。
そのままではお話もお伺いできません(^^;

■バーン To:バートン
 (男の高揚を宥める様に、柔らかく微笑み) それでは、改めてご依頼の詳しい内容を御聞かせ願えませんでしょうか?

■ アトール To:バートン
 そうそう、酒場にあった依頼書じゃ何がなんだか全然わからんかったからな。

■ バートン To:ALL
う、うむ、慌ててる場合じゃないんだったな。
実はだな……先日、遠方から運び屋に頼んで運ばせていた荷物がオラン郊外で野盗に襲われてしまってなぁ、荷物を全部奪われてしまったんだ。
その積み荷の中にブルーロータスという大変貴重な薬草があったんだが……それだけは火急に必要でな、何としてでも必ず取り返したい。
そこで君達に依頼をしたと言う訳だ。
他の荷物はどうでも良いが、ブルーロータスを野盗から取り返して来てほしいんだよ。

どうかね?


■ アトール To:ALL
 なるほど、盗難物の奪還ね。

■ホルト
(薬草?ブルーロータスというからには蒼い蓮の一種だろうが、知らんなぁ。)
(不覚ながら俺が知らんからには珍しいものに違いない。)
(う〜む、蓮と言えばどうも薬というよりは麻薬のイメージが強いんだが…)
(まぁ元々毒と薬は紙一重だし、一口に蓮と言ってもどの部分を使うか、また品種によって成分に違いがあるだろうし。)
(何より、知らないことだから確かな事は言えない。)
(それにしても、そろそろ真面目に学問に取り組まんとな。こんなでは賢者を名乗れん。無論魔術もだが、あれは面倒いから…)

■バーン To:バートン
 …簡単ですが、確認したい事項がいくつかあります。
まず、この依頼を受けた場合の我々の拘束期間、
次に成功報酬額と失敗時の必要経費の補填条件、
そしてブルーロータスに関連するあなたが知りうる限りの情報、
そう、もちろん荷を襲った野盗に関してもです。
それと最後に、依頼を成功と認定していただく奪還時の状態をお教え下さい。
薬草というからには、自生の状態でなければいけないとか、
薬として調合されていても構わないとかありますよね?
 取り敢えず、俺から聞きたいのはそんなところです。

■ バートン To:バーン
拘束期間はブルーロータスを取り戻すまで、だな。
理由は後で言うが……一週間以内に取り戻せなければ依頼失敗とさせてもらうぞ、早いに越した事はないんだけどな。そして、成功報酬だが依頼書に書いた通り1800ガメルだ。
前金として300ガメル渡そう、失敗した場合は前金を返せとは言わないが後払いも当然なしだ。
依頼の成功条件だが……野盗が調合しているとは思えないがな。
とりあえず、薬草としての効力さえ保っていれば成功としよう。

それからブルーロータスと野盗に関する情報だが……


と、ここで人数分のお茶を持って女性が登場。
一つずつコップを冒険者達の前に置いていく。
■ホルト To:ミーシア
あ、お構いなく。

女性は笑顔で軽く会釈を返します。
カップもちゃんと置いていくけど。
■マーズ
お茶受けは無いのかな・・・

■ バートン To:ミーシア
ミーシア、悪いんだがホークを呼んで来てくれないか?

■ ミーシア To:バートン&ALL
ホークさんでしたらさっき声を掛けましたからすぐに来ると思いますよ。

では、御依頼の件、皆さんよろしくお願いしますね。


ミーシア退場。
入れ替わりに背が高く均整のとれた体つきの結構凛々しい顔つきをした若者が入ってくる。
■ ホーク To:バートン&ALL
バートンさん、この人達がブルーロータス奪回を受けてくれた冒険者達かい?
俺はホークだ、よろしく頼む。

ホークの挨拶を受けて、軽く会釈をするバーン
■ バートン To:ホーク&ALL
ああ、そうだ。
今、ブルーロータスと野盗達について説明しているところでな。
お前も一緒に説明を頼むぞ。

彼はホークと言って、ブルーロータスを取り寄せた依頼人、というところだな。
で、野盗に襲われた状況だが……場所はここから馬車でカゾフ方面に二日くらいの所だ。
雇った運び屋、トカマクとデューと言うんだが、その二人が輸送中にいきなり襲われたらしいんだなぁ。
一瞬でトカマクは殺され、デューは傷を負いながらも辛うじて逃げ切って来てな、事情を説明してくれて、今は傷の療養をしてるよ。


■ バーン 
(心の声)『デューさんね…最悪の場合も考えて覚えておく必要があるかな…』

■ ホーク To:ALL
襲った賊は「黒き森の猟犬」と呼ばれる連中でね。
最近、売れて来た連中で、カゾフ方面の街道を荒らし回っているようだ。

それとブルーロータスに関してだが、、、あれはフレイムタング病と呼ばれる原因不明の奇病の治療にとても役立つ薬草でね、非常に美しく蒼い華を咲かせるので鑑賞用にも求められる花なんだ。
私がブルーロータスを求める理由は……私の生まれ育った孤児院でフレイムタング病の感染が広まっていて、子供達の命が危ないんだ。
だからバートンさんに無理を言ってお金を借りて探し出し、遠くから運ばせたんだが……まさか野盗に奪われるとはな……。


■ バーン To:ホーク
 話の途中で済みません。
「黒き森の猟犬」とフレイムタング病についてあなたがご存知の事をもう少し詳しく知りたいのですが…。

■ ホーク To:バーン
フレイムタング病は原因不明の奇病と言ったように、どうして発生したのか全く分からないんだよ。
ただ、感染力が強くて舌が焼けるように痛む事からそういう名前が付いたらしい。

「黒き森の猟犬」は私が直接見た訳ではないんで何とも……。
ただ、人数は4、5人程度だけど凄く腕の立つ連中らしい。
官憲でそれなりの賞金を掛けてると思う。
もちろん、彼らを倒したとしても私は賞金はいらない。


■ホルト To:バーン、ALL
フレイムタング病についてですが、大体ホークさんの言葉の通りです。
ホークさんの言われた事と多少重なる部分もありますが、補足しますと…

この病は一応、熱病の一種とされていますが、如何なる理由で発生するのかは未だ全くもって不明です。
しかし発病したら最後、患者は例外なく舌の痛みと熱っぽさを訴えはじめ、徐々に悪化する症状によって次第に衰弱し、やがて高熱のために半月足らずで確実に死に至ります。
そしてこの死病に対して唯一効果があるのが、件のブルーロータスと呼ばれる蓮の一種から作られた薬だということです。
但し、花が十分に蒼くないと効果が望めないんだとか。

私が知っているのはこの程度です。
病気そのものの恐ろしさもさることながら、周囲に感染し易いという点において非常に厄介な病だと言えるでしょう。


■ホルト To:バートン、ホーク
他に何点かお聞きしたいことがあるのですが、よろしいでしょうか。
まず、依頼書に一週間程とありましたが、何を見越しての一週間なのですか?

■ ホーク To:ホルト
子供達の命が失われるほど病気が進行するまで、もって後一週間というところなんだよ……。
間に合わなければ意味がないから一週間とさせてもらったんだ。

■ チーゼル
…ってことは、往復で3.4日かかるわけだから…実働3日?
微妙に辛そう……大丈夫かな…?

■ ホーク To:チーゼル
時間がないのは分かってるよ。
だから至急と書いたんだよ、出来れば今すぐにでも出発したい。

■ホルト To:バートン、ホーク
では、報酬1800ガメルのうちに旅費等の経費は含まれているのでしょうか?

■ バートン To:ホルト
今回の仕事は儲けはほとんどなしなんだ。
だからこっちもギリギリでなぁ……悪いんだが全部込みで頼みたい。

■ホルト To:バートン、ホーク
つまるところ、我々に求めているのはブルーロータスの奪回のみなのですか?

■ ホーク To:ホルト
ああ、子供達の命の救える量のブルーロータスさえ確保出来ればそれでかまわないよ。

■バーン To:ホーク
 失礼。その子供達が助かる量というのは、具体的にはどれくらいな物なのですか?それと買い求めたブルーロータスの数はいくつあったんでしょうか?

■ホーク To:バーン
ブルーロータスは華の蒼さによって効力が大分違うんだ。
十分に蒼いブルーロータスであれば三つで何とかなると思う。
バートンさんが買い求めた数は全部で六つ、その内の十分に蒼い物三つを私が受け取るはずだったんだ。
昨晩、私がここに来る前にレナの家……孤児院の名前だけどね、そこに寄った時には子供達の約半数の16人と一人のシスターが感染していた。
全員が感染したとしてもしっかりと蒼い物が三つあれば十分に間に合うと思う。

■ホルト To:バートン、ホーク
それと、ブルーロータスをどの様にして運んでいたかは分かりますか?
例えば精製して小瓶に分けた上で木箱に詰めていたとか。
その辺りはデューさんに聞いた方が良さそうではありますが…

■バートン To:ホルト
ブルーロータスはおそらく精製せずに運んでいたと思うぞ。
あの華は鑑賞用としても非常に価値のある物でなぁ。
普通は精製せずに採取、保存されるんだ。
運び方までは流石に分からんなぁ……まぁ、精製前の物だから容器に土を盛って出来るだけ日の当たる様な運び方をしてたんじゃないかな。

■ホルト To:バートン
成程、薬効に確実を期すためと商売上の問題の兼ね合いで6つという訳ですか。
確かに珍しい病に効く薬としてだけでは引き取り手に困りますしね。

■バートン To:ホルト
そう言うことだな。


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