銀の網亭 |
先ほどまであれほど騒がしかった酒場の喧騒も次第に落ち着き、テーブルに残っているのは彼ら6人だけとなった…
■バーン To:ALL |
ふう。どうやらここに残っているのも俺たちだけみたいですね。 個室の準備もできたみたいですし、上で飲み直しませんか? |
■エルシア To:バーン |
それもいいけど、依頼も見ていかない? 早めに取らないと稼ぎが良いのが無くなっているかも どうせやるなら、高収入で楽な依頼の方が良いでしょう? |
■アトール To:all |
でも、さっきちらっと依頼の掲示板を見たけど、もう残り1枚しかなかったぜ (^^; 俺らはパーティー決めるのにちょっと時間がかかったからな。 ま、個室に行くついでに見て行った方がいいだろうな。 |
■バーン To:アトール、エルシア、ALL |
そうですね。 …申し訳ありませんが共通語読めないんで一緒に行ってもらえませんか(^^;; |
バーンはそういうとテーブルから席を立ち、掲示板の方へ向かっていった。
■ホルト To:バーン |
バーンさん、これ、各依頼書の要約です。 めぼしい依頼は全て網羅している筈ですので、よろしかったらどうぞ。 皆さん、依頼の中に至急っていうのが一つあったんで、今から一応おやじさんに話を聞いてきます。 どの道腹ごしらえはしないといけませんが、それでこれから呑めるかどうか違ってきますのでね。 |
そう言うとホルトはバーンに二枚の羊皮紙を手渡してカウンターへ向かった。
ちなみに要約の片方は東方語で、もう片方は西方語で書かれている。
■バーン To:ホルト |
あ、ありがとうございます。ホルトさん。 (西方語の羊皮紙に目をやり) ふむふむ、なるほど至急ね… |
■ホルト To:おやじ |
おやじさん、忙しいとこ悪いけどちょっと良い? あのリトナルっていう商人の至急と書いてある方の依頼なんだけどさ、詳しい話を聞かせて貰えないかな。 |
■おやじ To:ALL |
ん?あぁ、この依頼か。 何かかなりせっぱ詰まった状態らしいぜ。詳しいことは何も話さずにいっちまったよ。 かなり急ぎらしいから、すぐにでもリトナル商会へ行ってくれねぇか? 簡単な地図を書いてやらぁ。 |
おやじはそう言うと羊皮紙に簡単な地図を書いて手渡す。
■アトール To:おやじ |
でも、おやじよ、こんな内容もわからん依頼をよく引き受けたな? よく依頼が来るお得意さまなのか? |
■おやじ To:アトール |
ん〜。まぁ、以前2回ほど依頼のあったところだからな。 お得意さまと言えばお得意さまか。 |
■バーン To:おやじ |
ふ〜ん。じゃあ身元はしっかりしている方なんですね。 |
■ホルト To:ALL |
…そう言えば、前に仲間だったパオルがその人絡みの仕事をしたとか聞いた覚えがあります。 何でも随分と愉快な方で、風変わりな品物を扱っている骨董屋を営んでいるとか。 他にも何かあった様な気がするんですが、何でしたっけね… |
■チーゼル To:ALL |
え、っと…一応…前に一度、そこからの依頼やったことあります。 なんていうか…まぁ、面白いところでした。 んと、その…どう説明していいか分からないですけど…「お得意様」ってところは納得できます。……そういうところです。 |
■アトール To:ALL |
よくわからんけど、とりあえず怪しいところじゃなさそうだな(^^; 俺は聞いたことなかったけど、知ってる人も多そうだし安心して良さそうだ。 |
■バーン To:チーゼル |
へえ、チーゼル君依頼人と接点があるんだ。依頼人のこととか後で教えてくれる? |
■ホルト To:チーゼル |
!?… リトナル氏とお知り合いなら話が早い。 依頼を受けるにしてもうまくまとまり易いですし。 何より、依頼人の裏をとる手間と費用が省けます。 |
■バーン To:おやじ、アトール、ホルト、ALL |
(ホルトの手元にある地図を覗き込み) …結構近いですよね? あ、エーテンの店にも近いな…後で覗いて見るかな… |
■おやじ To:バーン |
ん?あぁ、近いぞ。 |
■バーン To:ALL |
どうします、皆さん? 俺としては取り敢えず話だけでも聞きに行きたいんですが。 依頼人も至急来て欲しいみたいですし。 |
■マーズ To:バーン |
そうですねぇ。 僕としてはお腹が空きましたけど、至急ですから仕方ありませんねぇ。 腹が減っては戦が出来ぬとはいいますが、まだ戦闘するわけでもありませんし。 先に依頼人さんのお話をうかがいに行った方がいいでしょうねぇ。 お茶とお茶菓子くらいでるかもしれませんし、それを楽しみにしておきましょう。 |
■ホルト To:ALL |
いや、至急だからこそ今腹ごしらえをしておく必要があると思います。 実際に依頼を受けることになれば、その後のんびり食事をする時間なんてとれないでしょうから。 確かに依頼書には至急とありますが、同時に期間は一週間程ともあることですし、少々遅れたからといってそれでどうこうなるという訳でもないかと。 ですから、食事をとるくらいの猶予はいただいても構いませんよ。 もっとも、酒精はこれ以上ご遠慮願いたいですがね。 |
■バーン To:マーズ |
(ホルトにもらった要約を見ながら)なるほど。確かに拘束期間が書いてあるな… (心の声)『そうだ。この機会に鎧を新調してみようかな。エーテンの店にも顔出したいし』 あ、マーズさん、マーズさん。 結構な額になってしまうんですが、 鎧を新調しようと思うので、お金を貸していただきたいんですが…。 |
■マーズ To:バーン |
はい? ああ、別にいいですよぉ。 今のところ、急ぎで必要なものもありませんしねぇ。 500ガメルくらいまでなら全然オッケーですよぉ。 |
■バーン To:マーズ |
え、大丈夫なんですか?いやあ、嬉しいです♪ …あとは400〜500ガメル位有れば、最高品質の鎧が買えるな… |
■エルシア To:バーン |
500?(ちょっと考えて、営業スマイル)500あればいいのね?私も手持ちに余裕があるから、500貸せない事もないわね |
■バーン To:エルシア、マーズ |
本当ですか!ありがとうございます(^^) じゃあ、マーズさんに400ガメル、エルシアさんから500ガメルお借りするという事でよろしいですか? |
…多く借りる相手を間違ってないか?バーンよ(笑)
■バーン To:エルシア、マーズ |
後は返済方法と期間ですが… 個人的にはこれから行う依頼の終了後、御返済をするつもりですが… 報酬額によっては、返済期間が延びる可能性もあります。 今着ている鎖帷子鎧を売り払っても返済額に満たない場合、いつまで待っていただけるんでしょうか? それと借財するわけですから、返済額になにがしかの保証を付けようとも考えておりますがいかがいたしましょうか? |
■マーズ To:バーン |
別にいつでもいいですよぉ。 返しても、お金に困らないような状態になったときにでも、返して下さい。 僕の方はまだ余裕がありますしねぇ。 |
■バーン To:マーズ、エルシア |
マーズさんはそれでよろしいんですか? …ではより多額をお借りするエルシアさんから御返済していくことにしますね。 後、これは俺からの御提案なんですが、借金の総額に一割を付与してお返ししようと思ってます。 マーズさんは440、エルシアさんは550ガメルという具合にですね。 いかがでしょうか? |
■エルシア To:バーン |
その条件でいいわ(お礼と言うよりは当然ね) |
■エルシア To:親父さん |
あ、オヤジさん、私はサンドイッチね。 |
■チーゼル To:ALL>エルシア>おやじさん |
個人的には、『至急』って書いてあるんだから、やっぱり急いだ方が…… …って、もう注文始めてる…… …… あ、すみません、僕もサンドイッチお願いします。 |
■ホルト To:チーゼル |
少年、折角意見を表明してもちゃんと聞こえる様に言わないと黙っているのと同じだよ? |
と、チーゼルにのみ聞こえる声で耳元にこっそり囁くホルト。
■チーゼル To:ホルト |
え…、あ、どうもすみません。 ……普通に言ってるつもりなんだけどなぁ…。 |
■ホルト To:チーゼル |
いや、謝られても…(苦笑) ただ、個性の強い冒険者相手にそれじゃあ伝わらないってこと。 |
■マーズ To:おやじ |
じゃあ、僕も遠慮なく。 とりあえず、ポテトグラタンとカレーリゾット、 それにアールグレイとチョコレートパフェをお願いしますねぇ。 |
■バーン To:ALL |
(マーズの注文数に驚嘆しながら) …う〜ん。やっぱり俺だけでも話を先に聞いてきましょうか? 全員が行く必要はないと思いますが、急を要する仕事なら依頼人の心証も良くしたいし。 |
■ホルト To:バーン、ALL |
依頼人の心証を良くしたいのならなおのこと全員で行くべきだと思います。 何、リトナル氏はおおらかな方だそうですから少しばかり遅くなっても大してお気にはなさらないでしょう。 確かに急ぎの仕事ではあるみたいですが、これ位で逃げはしませんよ。 それに、リーダーも決めずに行かれるおつもりですか? あ、おやじさん俺パスタね。大盛…ミートソースで良いや。 |
■アトール To:バーン、ALL |
俺もその案に賛成だな。 パーティーを組んだばかりでリーダーすら決めていない状態だと、依頼人も俺らのパーティーに頼んで良いかどうか心配するだろう。 とりあえずは飯でも食いながら、リーダーを決めようぜ。 |
■バーン To:ホルト |
なるほど。そういう考え方もありますね。 じゃあ、俺も軽くもらおうかな。おやじさん、シチューとパンをお願いします。 |
バーンは椅子に深く座り直しパーティーの面々に向き直る
■バーン To:ALL |
…あとはホルトさんの仰ったように、今後の依頼進行をスムーズにする為にリーダーを決めたほうが良いと思うんですが、… …もし構わなければ、俺にやらせてもらえませんか? 仲間募集の掲示板にも書きましたが、 今まで2回ほどパーティーリーダーを経験しているので 過不足無く役割を果たせると思います。 いかがでしょうか? |
■ホルト To:ALL |
私は賛成です。こちらからお願いしたいくらいですよ。 様々な要素を鑑みるに、とはいっても私はまだバーンさんのことを殆んど知りませんが、それを差し引いても適任だと思えます。 …本当は交渉事に食事をとってから望むのは余り得策ではないのですがね。 私から言い出しておいて何ですが、この場に交渉相手もいないことですし。 しかし、知己の方もおられる様ですが、何分我々は急造パーティーです。 会食などして多少なりとお互いのことを知っておいた方が交渉に望むに当たって何かとよろしいかと思いまして。 バーンさんの言われたリーダーの必要性も然り。 もっとも、酒精を呑む訳にもいきませんし、ここは個室でもありませんけどね。 うーんでも今ここに居るのは私たちだけですから、貸し切り、と言えなくもないのかな? |
色々ともっともらしい(?)理屈をこねてはいるが、実のところは
「けっ、飯も食わずに仕事ができっかよ」
「りぃだぁ?んなしち面倒臭いことなんざ、やりたい奴にやらせとけば良いんでないの」
などと考えているホルトであった。
■エルシア To:バーン |
私も貴方が、リーダーでかまわないわしっかり稼げるように頼むわね |
■アトール To:バーン |
俺も、リーダーが優秀な戦士たる人物なら何ら異存はない。 是非ともお願いしたいな。 |
■マーズ To:バーン |
僕もバーンさんで構いませんよぉ。 前の時も上手くまとめてくれましたしねぇ。 実績もあるし、バーンさんなら安心ですしねぇ。 |
■チーゼル To:バーン |
あ…と、異論無いです。 …でも…自発的にリーダー役買って出る人って、始めて見ました… |
■バーン To:チーゼル |
(微笑みながら) まあ、人それぞれってやつかな。 |
■ホルト To:ALL |
そうですかね? 確か私の前パーティーリーダーも自薦でしたし、それ程珍しくもないかと。 それに本人にやる気があってかつ、相応しい人物であるならむしろ他薦のリーダーより良いと思いますよ。 チーゼル君…いや、チーゼルさんは純粋にはじめての経験だと言いたいのでしょうけど。 さて、これでリーダーはバーンさんで決まりですね。 |
■バーン To:ALL |
(全員の顔を見渡し) …俺は自分の意見を他人に押し付けたり、他人の意見を無視したりはしないつもりです。 ですから、自己の利益やパーティー行動に関する不満や疑問はドンドン出して下さい。 俺の裁量では不足かもしれませんが、この集団での最良の選択を適時していきたいと考えています。 これから短い間ですが、宜しくお願いします。 (深々と会釈をするバーン) |
■アトール To:バーン |
ま、堅苦しい挨拶は抜きで気楽にやっていこうぜ。 |
■ホルト To:バーン |
そうそう、これからしばらく一緒に過ごすんですから。 心配しなくても反対したい時はしますので、そんなに構えなくても大丈夫ですよ。 |
あいさつもそこそこに、運ばれてきた料理に舌鼓を打ちながら新しい仲間たちとの会食を楽しむバーン。
…小一時間後、全員が食べ終わったのを見計らい、再び口を開けた。
■バーン To:ALL |
…さて、皆さんもどうやら食事が済んだみたいですし、一服したらリトナルさんの所に行きましょう。 |
■アトール To:ALL |
そうだな。なんせ俺らは、依頼の詳しい内容すらしらないからな(^^; |
ホルトは食後のコーヒーを飲み干し、依頼書をくるくると丸めて席を立った。
■ホルト To:ALL |
急ぎの依頼は他にも幾つかあるみたいですが、どうせパーティーの多くはこれから宴会でしょう。 見たところそこそこ良さそうな依頼ですが、請けるか否かは内容を聞いてからでも遅くないかと。 もっとも、話を聞いたが最後請けない訳にはいかないというのもあり得ますけどね… |
バーンは全員を促し、依頼人の元へ向かった。
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