大岩 |
小川の岩場を出発それから約3時間後のことです。一行の目の前に、高さ5メートルはありそうな大岩が、森の開けた場所にて現れました。
出発前に村の人から聞いた特徴からして、それが目印の大岩であることは間違いないようです。
■ティトル To:おおる |
コレが大岩ですねぇ……うう〜んでかい☆ ちょっとその辺回ってきますね〜♪ |
■イスカ To:All |
それじゃ私は、このへんで獲物を探してみようかな。確かこの大岩のあたりが狩りのポイントだという話だったし。 ちょっと行ってくるから、何かあったら呼んで。 |
そういうとイスカは森の奥へ足を踏み入れました。
■リグ To:みんな&イスカ |
じゃあ、わたしもイスカ姉ちゃんについて周りを見てくるね。 イスカ姉ちゃん待ってよ〜。 |
リグもイスカを追って森へ入っていきました。
■カナル To:イスカ、リグ |
美味い飯を期待してるからな。 |
■スレイ To:カナル |
オーガーのいるかもしれない森なのに気楽ですねぇ… まぁ、あの二人ならば問題はないでしょうがね(^^; |
■カナル To:スレイ |
基本的に、オーガーにしてもスカーレットヴァルチャーにしても、夜行性だからな。大丈夫だろ? もし、怪物がそれ以外だったとしたら……その時は、二人を信じよう。 |
酷い奴だな、こいつ(^^;;
いつもの歩調で大岩の周辺を捜索し始めたティトルは、早速奇妙なものを見つけました。
かなり大きな人間型の裸足の足跡です。少なくとも三十センチはあるでしょう。わりと新しく、三日くらいしか経っていないかもしれません。
足跡は大岩の近くの茂みをうろうろしたあと、その場所を離れて行ったような形跡を残していました。
■ティトル To:おおる |
うにゃぁ〜?な、なんか変な足跡があるですよぉ〜! こっちですぅ〜 |
■カナル To:おおる |
……でかい足だな……。 靴も履かずに……。 |
■スレイ To:おおる |
裸足で歩くとは変わった方ですね… |
ティトルが足跡をすぐに見失ったことを受けて、続いてスレイとカナルが足跡の方向などを調べ始めました。
少し行くと地面が枯れ葉に覆われていたため、足跡が付きにくくなっており、所々途絶え気味になっていましたが、真っ直ぐ西に向かっていったことは辛うじて分かりました。
■スレイ To:おおる |
こちらに向かっています。こっちは………西ですね。 |
スレイはさらに詳しく足跡を調べました。
その足跡はまず間違いなく人間、もしくはそれに類似する動物であることは間違いないと確信できました。
■カナル To:おおる |
西というと、滝か? ……てっきり洞窟が怪しいと踏んでいたんだが……。 水でも飲みに行ったのか? コレは、足跡を追ってみるしかないか。 |
■ティトル To:カナル |
手がかりっぽいのは他にないですよねぇ…? |
ティトルは新たな手掛かりを求めて、ベイルがオーガーを発見したという場所に行ってみました。
大岩周辺に比べて茂みが濃くなっており、アンブッシュするには丁度いい場所かもしれません。
しばらく探し回っていると大型の弓(17-5)が見つかりました。形状からして、ベイルのものでしょう。
そこから、わりと近いところに大岩周辺で見つかったものと、ほぼ同じ大きさのおなじような足跡が見つかりました。
■ティトル To:おおる |
およ? この弓って……もしかしてベイルさんのですかねぇ。 それに、ほらまた足跡ですよぉ。 |
■スレイ To:おおる |
どうやらここで、ベイルさんとオーガーが遭遇したみたいですね。 |
■カナル To:スレイ |
……良い弓使ってるんだな……。 |
続いて、落ちていた弓の周辺を探し回っていたスレイも足跡を見つけました。かなりの時間が経過しているため、かろうじて見える程度のものです。
靴を履いていて足跡の大きさは25,6センチくらい。歩幅は相当に広く、全力疾走しているときについたもののでしょう。
南に向かっていたようですが、跡が薄すぎるものであったため、すぐに見失ってしまいました。
■ティトル To:カナル&スレイ |
ところで…この弓って持って帰ってあげたほうがいいんですかねぇ…? 捨てたまんまじゃぁ…悪くなっちゃいますよ? |
■カナル To:ティトル |
(……一本当にスカーレットヴァルチャーが襲ってくるようなら、弓は戦力になりそいうだな) そうだな。拾っておこう。 |
■スレイ To:おおる |
ベイルさんにとっては大切な仕事道具でしょうからね(^^) |
■スレイ To:おおる |
イスカ達は帰ってきませんね。 彼女たちがきたら足跡を追って西に向かいませんか? |
■カナル To:スレイ |
ああ、そうだな。 |
■スレイ To:カナル |
そうだ。彼女たちが何かを狩ってきたら、それを餌にしてオーガーを誘き出してみませんか? まぁ、どの辺りにいるか分かったらですけど。 |
■ティトル To:カナル&スレイ |
んじゃ今日はここでお泊りですか? しばらく待ってなくちゃですよね? |
■スレイ To:ティト |
いやいや、まだ昼前です。まだ奥を探索することはできますよ。 村の近くに誘き寄せるのもどうかと思いますし、オーガーを探して森をうろつくとしましょう。 |
そうこうするうちに、イスカとリグが戻ってきました。
■イスカ To:All |
おおい、みんな、どこにいるの? ・・やあ、こっちだったのか。ほら、見て。いいものを捕まえてきたよ。 |
そう言ってイスカは肩に担いでいた小型のイノシシをどさりと投げ出します。
■リグ To:All |
みんなぁ、今日の夕御飯はシシ鍋だよぉ♪ |
■カナル To:イスカ、リグ |
そりゃぁまた豪勢な。 しかし、このイノシシも、折角狩人が居なくなったと思ったところを……。 |
■スレイ To:イスカ、リグ |
…(苦笑) 二人ともお疲れ様です。良いものを見つけてくれましたね(^^) |
■イスカ To:All |
そっちはどう? 何か見つかった? |
■リグ To:All |
こっちの方は何も出なかったし、見つからなかったけど。 |
■カナル To:イスカ、リグ |
まあ、ぼちぼちだな。 ベイルの物と思われる弓と、後はでかい足跡ぐらいか。 足跡は、どうやら西の滝の方へむかっているよだな。 |
■イスカ To:All |
そうか、じゃあ、跡を追って西へ向かってみようか? 避難所で野営するという当初の予定からは外れるけれど、まずは手がかりを得ることが肝要だからね。 |
一行は足跡を追って西にある滝に向かうのでした。
滝 |
一行が3時間ほど足跡の向かっていた方に歩いていると小型の滝に出くわしました。
幅10メートル、高さ5メートルくらいで水量はかなり多く、岩や植物も豊富にあるため、魚も多く生息しているようでした。早速スレイは辺りに何かないか捜索し始めます。
優れたレンジャーである彼はすぐに付近に先程と同様の大型の足跡を見つけました。
足跡はかなり新しいもので、いまだに形状をはっきりとどめているようです。滝に入っていって、再び出ていってました。しかし、追跡しようとしたものの地面の質がすぐに変わってしまったのですぐに途切れてしまっていました。
■スレイ |
見失ってしまいましたか。しかし、かなり新しいですね…。 |
■カナル To:おおる |
餌でも取りに来ているのか? どのぐらい前に来た物かは分かるかな? それによっては、行動パターンが読めるな。 |
■イスカ |
定期的にここを訪れているのだとすれば・・ |
■リグ To:イスカ&おおる |
幾つか足跡が残ってるはずだし、道ができてるかもね。 現場を荒らさないようにわたしはここで見てるね。 |
と言うわけで、イスカも足跡を調べ始めます。
足跡はほぼ24時間以内のものあることが判明しました。
しかし、スレイが見失った先は地質が変わってしまっていて、足跡の付きようがないためそれ以上の追跡は不可能のようでした。
■イスカ To:All |
うーん、これ以上は追いかけようがないな。この砂岩土では足跡が残らない。しかし、これはずいぶん新しい足跡のようだよ。少なくとも昨日今日の間にやってきたもののようだ。 |
■スレイ To:おおる |
そうですね。結構近くに潜んでいるのかも知れません… |
スレイはここが餌場に適しているどうか、さらに24時間以前に来た足跡がないか調べ始めした。
滝壺付近には魚も多く生息し、偶蹄目の動物の足跡等も見られることから、餌場としてだけでなく、狩りや釣りをするにも適している場所であるといえるようです。2,3日以上経過している例の巨大な足跡は、殆ど見分けがつかないくらいに新しい足跡に踏み荒らされていました。
■カナル To:おおる |
足跡が、どちら側へ向かっていって消えているかも分からないのか? |
カナルの疑問に応じて、スレイはさらに足跡を調べ続けましたが、特に足跡に方向性はありませんでした。
正確には足跡の向き、そのものに全く方向性がない、と言ったところでしょうか………。
もうちょっと詳しく言うと、足跡を付けた主はその場ではね回っていたような感じです。
■リグ To:おおる |
その足跡って、1匹だけのものなの? |
■ティトル To:リグ&おおる |
どうなんでしょうねぇ……。 でもコレだけあると区別つきますかねぇ? |
■イスカ To:All |
(しばらく地面を調べていたが、ふと顔を上げて) この足跡・・どこかへ向かっている、というよりも、この場所で跳ね回っている・・ように見えるんだけど。いったいどういうことだろう。 |
■カナル To:カナル |
飛び跳ねる? |
カナルは上を見上げますが、特に何も見あたりません。
■スレイ To:おおる |
お馬鹿さん? |
気を取り直して
■スレイ To:おおる |
(ぶんぶん) もしかしたら、スカーレット・ヴァルチャーを捕まえようと跳ねていたとか…。―――う〜ん、なさそうですね(^^; あっ、ここでオーガーが何かの儀式を行っていたとか!?―――うう〜ん、そんなにチャーミングじゃないでしょうねぇ(^^; 一体何があったのでしょうかね…? |
■カナル To:スレイ |
儀式、ねぇ……。 何かを埋めていた、とかな。 |
下も見ます(笑)
が、やっぱり何も見あたりません(笑)
■スレイ To:おおる |
……何もなさげですね(^^; |
同じくスレイも何もない地面を見ます(笑)
■カナル To:スレイ |
ないなぁ。 オーガーの考えることはわからん……。 |
■スレイ To:おおる |
まぁ、何はともあれ、この付近で野営をしませんか? オーガーがうろついているようですし、遭遇できると思うんです。 先程イスカたちが獲ってきた猪を囮にすれば、オーガーが引っかかるかもしれませんよ? |
■カナル To:スレイ |
ここでか? まぁ、今から避難所まで行くのも時間が掛かるしな……。 |
■イスカ To:スレイ |
なるほど、このイノシシを囮にね。名案だ。試してみたいな。 でも、そうすると我々はイノシシ肉にはありつけないのかな? |
■スレイ To:イスカ |
いやいや、イノシシ肉はしっかりと食べましょう(^^) 残った部分でも役に立ってくれますよ。 |
この後スレイとティトルは足跡が滝に入っていったことをおって、滝の裏に抜け道がないかどうか調べてみましたが、特にそれらしきものは見あたりませんでした。ここで、足跡を調べていたイスカとティトルが足跡の付き方を見て、あることに気付きました。
右の足跡と左の足跡の付き方を見ると、普通に歩いていてつくような足跡には見えません。
自分が戦闘しているときなら、これと同じような足跡が付くだろうと思えました。
■イスカ To:ティトル |
うーん、この足跡・・「跳ね回っている」というよりも・・。 ほら、軸足を固定したまま体の向きを変えていたり、敏捷に跳びすさっていたり、ひどく踵に重心をかけて何かを受け止めたりしているような・・ そうだ、戦いながらつけた足跡のように見えはしない? |
■カナル To:おおる |
戦いながらだと……? オーガーが戦闘訓練をするとも思えんし、何か相手が居たって事か。 地上にある足跡なら、何かの獣……そうでなければ……。 |
空を見上げて
■カナル To:おおる |
……空……か? |
■スレイ To:おおる |
……スカーレット・ヴァルチャー……? だとしたら、何度もここで戦っているようですね。 張り込めば両者の対決が見られるかもしれませんよ。 |
■カナル To:スレイ |
共倒れになってくれると最高なんだがな……。 |
■イスカ To:All |
やはり、今日はここで待ってみようか。 向こうからうまく現れてくれれば儲けものだし。 |
■スレイ To:おおる |
でも、まだ日は高いですね…(^^; まぁこのまま、避難所を目指すという手もありますね。行方不明の人がそこいる可能性もあるでしょうし… |
■カナル To:スレイ |
しかし、着く頃には日は完全に落ちてるぞ……。 構わないが、注意して歩くよう心がけよう。 |
■イスカ To:All |
確かに、一度全部のポイントを回ってみてからオーガーを探しても、遅くはないか。 強行軍になるけど、みんな平気? じゃあ、さっそく出発しよう。 |
■カナル To:イスカ |
あまり平気じゃないが、仕方がないな。 |
■ティトル To:カナル |
頑張ってくださいね〜カナルさん(笑) |
と言うわけで、避難所に向けて移動開始。
到着時刻は6時を過ぎることとなる………。
避難所 |
一行が避難所に向かっているうちに日は落ち、辺りが完全に暗くなってしばらくの後、ようやく視界の中に避難所らしきものが現れました。
木を組んで作ったログハウスのようですが片面には壁がなく、どうやら単に雨風をしのぐ程度の機能しかなさそうです。その避難所は薄暗い中で、遠目で見てもはっきり分かるくらい傷んでいました。
長い間雨風にさらされたまま、一切の手入れがされていなかったらしく、草があちこちに生えているうえに、壁も所々腐っているようでした。
■カナル To:おおる |
すっかり暗くなってしまったな……。 さあ、早いとこ調べて、野営の準備に入ろうか。 |
■スレイ To:おおる |
そうですね。 一応、警戒しておいて下さいね。オーガーなどに不意打ちされたらたまりませんから。 じゃあ、リグ。その明かりで辺りを照らしてもらいますか? 足跡などを調べます。 |
■リグ To:スレイ |
はい、は〜い♪ これで良いかな。 |
■スレイ To:リグ |
うん、そんな感じです。さて、足跡、足跡…… |
それからカナルはミミズクを飛ばして辺りに何かいないか調べてみましたが、特に怪しいものは見つかりませんでした。
■カナル |
平穏無事で良いことだな。 |
続いて、スレイが足跡などを調べ始めます。
すると、先程見つけた物と同様の大型の足跡が見つかりました。足跡は主に南に向かっているようでした。足跡の出所は小屋のようですが、小屋には無数の動物の骨が散乱しており、小屋そのものにも、今でも使われていることを示すかのような跡がそこここに残っていました。
■カナル To:おおる |
……行方不明になった猟師達、元気そうじゃないか。 狩った獲物を生でむさぼり食うぐらいにな……。 |
■スレイ To:おおる |
小屋からでていったのは例の足跡でしたよ… |
■カナル To:スレイ |
足のでかい狩人だったんだろ。 |
■イスカ To:カナル |
うーん・・。(いやそうな顔で)ここで眠るの? |
■カナル To:おおる |
……そうさなぁ。 雨でも降らない限りは、外で寝るか……。 さすがに、今から掃除する気力はないな……。 |
■イスカ |
これって、まさか・・? |
■スレイ To:イスカ |
どうでしょうね・・・ |
イスカとスレイは小屋に転がっている動物の骨を調べてみました。
見たところ人間の骨はなく、すべて動物のもののようです。
■スレイ To:おおる |
動物の骨ですね…。おそらくオーガーに食べられたのでしょうね。 |
スレイはさらに転がっている骨を調べてみました。
転がっているのは動物の骨(量からして大型動物一頭分)であろう事は間違いないのですが、何の動物のものであるかはよく分かりませんでした。
また、捕食者はかなり頑丈な顎を持っているらしく、囓られた骨が何本も在りました。
■カナル To:おおる |
取り敢えず猟師達は無事……なのか? しかし、こう暗くなってしまっては、もう捜索は無理だな……。 野営にはいるか。 |
■イスカ To:All |
よし、あとは明日に賭けるとして、ここで野営だ。 私はイノシシを捌いてくるから。 |
■リグ To:おおる |
わ〜い、シシ鍋だ〜い♪ じゃあ、わたしは火をおこしておくね。 |
■スレイ To:おおる |
イスカ、わたしも手伝いますよ。 しかし、オーガーが戻ってくる可能性もありますから、小屋から少し離れた場所で野営しましょうよ。 |
■カナル To:おおる |
これで残るは洞窟のみか……。 |
■スレイ To:おおる |
まだ夜が残っていますよ〜。 |
■カナル To:スレイ |
夜の闇は彼の者の友、か……。 見張りの時は、頼んだぞ。 生憎と、俺は夜目が効かないんでね。 |
■スレイ To:カナル |
任せてください(^^) 幽霊とかじゃない限り、見ることはできますから。 |
この後、一行はイスカが捕ってきたイノシシの鍋をつつきながら、野営における見張りの相談を始めます。
■イスカ To:All |
見張りはどうする? お疲れのカナルにはゆっくり休んでもらうとして、私が一直目に立つよ。そうだね、リグ、一緒に起きている気はある? |
■リグ To:イスカ |
うん、あるある♪ |
■カナル To:おおる |
それじゃ、俺はゆっくり寝させて貰おう。 真ん中の見張りは、バティとティトで良いな? |
■ティトル To:カナル&バティ&おおる |
うや?いいですよぉまっかして下さい(^-^)ね、バティさんっ。 |
と、鍋をつつきながら話を続けていた時のことです。
敏感なスレイの耳にごく小さな物音が聞こえました。聞こえてくるのは大分離れた場所ですが、茂みをかき分けて進んでいるような音です。
その音はこちらに向かってゆっくりと、ごくゆっくりと近づいてきていましたが、途中でピタリと止みました。
■スレイ To:おおる |
しっ!何か近づいてきた… (ピクピク)…どうやら途中で止まったみたいです。こちらの存在に気づいた…? |
弓を手に取り、センスオーラをしながら周囲の気配を伺います。耳レーダーもフル稼動です。
リグも食器を武器に持ちえて、周りを見渡します。
■リグ To:スレイ |
スレイ兄ちゃん、どっちから来てるの? |
物音はほぼ南から聞こえたようです。
対象は視界内にはいないようなので、センスオーラでは何も見えません。
今一度新たな物音に対して耳をとぎすましてみましたが、相手が動いていないのか、それとも場所を離れてしまったのか、それ以上は聞こえてきませんでした。
危険らしき危険もスレイにも感じられませんでした。
■カナル To:おおる |
やれやれ、飯ぐらいゆっくり食わせろ……。 |
愚痴をこぼしながらも、カナルはミミズクを偵察に向かわせます。
3、40メートルほど飛ばしたところでミミズクは、2メートルを超えそうな大型の人影を見つけました。
右手に何やら大きな物体を抱えているそれは筋骨粒々の赤銅色の肉体を持ち、振り乱した長髪で顔は隠れていました。
どうやら、遠目で一行の方を伺っているようです。
■カナル |
……オーガーじゃない? 何者だ? |
■イスカ To:カナル |
なんだって?違うのか? |
■カナル To:イスカ |
……いやその、何だ……。 オーガーだったら、こういう風に様子をうかがう、なんて知恵は働かないだろうってことさ(汗 (スレイといいイスカと言い……何でこうエルフってのは耳ざといんだ……) |
■スレイ To:カナル |
(ピクピク)なるほど…。確かに、もう少し愚鈍そうですものね… |
■カナル To:おおる |
一気に片を付けるか? しかし、狩人を襲ったにしては、人の死体は見当たらなかったし……。 そうだな。話を聞くためにも、夕食へ招待でもしてみるか(苦笑 |
■イスカ To:カナル |
ああ・・。話が通じるなら、何か聞き出せるかもしれない。ただしみんな、くれぐれも気をつけて・・。 |
■カナル To:おおる |
話が通じる相手かはわからんが、しかし、相手ので方も見てみたいな。 不意を突かれるわけでもないし、俺も賛成だ。 |
■スレイ To:おおる |
・・・大胆な案ですね。まぁ、いいんじゃないでしょうか。 呼ぶなら発案者のカナルさん。お願いしますね(笑) みんなはそれでいいですか? |
■リグ To:おおる |
手がかりらしき人が、向こうから来てくれたんだもん。 いいんじゃないかな。 カナル兄ちゃん、がんばってね。 |
■カナル To:スレイ、おおる |
こういう場合は、リーダーがホスト役を務めるべきだろう? まあいいか。 食器は……必要なさそうだな。串に残りの肉を刺して焼いてやるか。 それとも、生の方がお好みかな? |
■リグ To:カナル、おおる |
出来れば焼いたお肉が好きな人のほうがいいな。 |
と、歓迎(?)の食事会について話しているところで、ミミズクの視覚越しに、先程の大男が一行から背を向けて去っていこうとしているのが見えました。
■カナル To:おおる |
おや? 俺達の歓待が気に入らないのか? |
■スレイ To:カナル |
え、離れていきました? |
スレイは気配(物音)を伺いますが、そこから先は分かりませんでした。
■スレイ To:おおる |
……わからないや。 追いかけましょうか?なるべくなら日が昇るまで待った方がいいと思いますが…… |
追跡の詳細は次章に続く。